防衛大臣記者会見

日時
令和元年12月27日(金)11:31~11:54
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 冒頭2件ございます。今朝、国家安全保障会議及び閣議において「中東地域における日本関係船舶の安全確保に関する政府の取組について」が決定されたことを受けまして、先ほど、関係幹部会議を開催し、私から、所要の調整を経て、護衛艦1隻を新たに派遣するとともに、派遣海賊対処行動航空隊のP-3C、2機を活用すること、派遣海賊対処行動航空隊については、来年1月11日(土)に出国するP-3Cから情報収集活動に従事させること、このため、部隊の編成準備や教育訓練を始めとした各種準備に取り掛かること、といった内容の防衛大臣指示を出しました。詳細はお手元に資料をお配りしているとおりでございます。関係幹部会議におきましては、統合幕僚長から、運用構想の検討状況について報告を受けるとともに、海上幕僚長から、新規に派遣する艦艇として、護衛艦「たかなみ」を派遣するべく準備したい旨、報告を受けました。今後、準備状況を見つつ、派遣の目処がたった段階で、私から派遣命令を出すことになります。中東地域における平和と安定及び日本関係船舶の安全確保のため、自衛隊の艦艇・航空機の活動開始に向かって、しっかりと準備を進めてまいります。派遣が正式決定された後に御説明をするということにしておりました、令和2年度予算案における今般の自衛隊派遣に係る経費につきましては、令和2年度の活動期間4月1日から12月26日における艦艇の活動に必要な経費として、歳出ベースで46億8,000万円を計上しています。また、令和元年度分につきましては、既定の予算の執行状況を見つつ、早急に関係省庁間で調整し、必要な措置を講じてまいります。2つ目、今日から出張し、明日ジブチを訪問し、29日にオマーンを訪問し、30日に帰国する予定にしております。ジブチにおいては、自衛隊の拠点及び護衛艦「はるさめ」を訪問し、派遣海賊対処行動部隊の視察・激励を行ってきたいと思います。また、ジブチ国防大臣を始めとする政府関係者と会談を行い、ジブチ政府による自衛隊拠点への平素からの支援についてお礼を申し上げるとともに、防衛協力・交流あるいは地域情勢等について意見交換を行っていきたいと思います。また、防衛大臣として初めてオマーンを訪問することになりますが、国防担当大臣を始めとするオマーンの政府関係者との間で、防衛協力・交流あるいは地域情勢等について意見交換を行う予定としております。私からは以上です。

2 質疑応答

Q:中東派遣について、来月から通常国会が始まります。大臣はかねがね国民に説明を、とおっしゃっていましたが、どのような形で御説明をされるのでしょうか。

A:今日のこの記者会見から説明を始めておりますが、それぞれ丁寧に、御説明をしていきたいと思っております。

Q:オマーンを訪問するということですが、今回派遣される「たかなみ」がどういったところの港で補給するのか、そういった検討状況はいかがでしょうか。

A:当然、補給が必要になってまいります。今、関係諸国と調整をしているところですので、調整が整い次第、発表申し上げたいと思います。

Q:今回が今年最後の定例会見となります。大臣が今年一年を振り返って、漢字ではどのような一字を示すのか、お聞かせください。

A:一つは、尖閣諸島の「尖」です。尖閣諸島周辺の海空域における中国の活動が非常に活発になっているということから、沖縄・南西諸島の防衛ということに、わが国として一層しっかりと努めていかなければならないと思っております。また、防衛相として、財務大臣に必要な予算のお願いをしたりということもいたしましたので、そういう意味で「とがって」やっていかなければいけないということがあるかもしれません。有事の際にしっかりと領土・領空・領海、そして国民の皆様の平和な暮らしを守れる、そういう自衛隊であるために、少し大臣自身「とがって」色々やっていかないといけないと思っております。

Q:中東派遣について伺います。防衛省設置法の調査・研究名目での派遣ですと、本来国会の承認が不要ですし、閣議決定も必要ないということです。今後、調査・研究を使って、海外派遣がなし崩しに広がっていくのではないかという懸念の声もありますが、この点についてどうお考えでしょうか。

A:今回は、政府として、外交努力を継続していく、また、航行の安全施策の徹底ということと併せて、政府として、航行安全に必要な情報を収集するということになりました。政府一体として行っていくという意味からも、また、自衛隊のアセットを派遣するという重要性に鑑みても、閣議決定を行うとしたわけです。

Q:海警行動を発令した場合の防護対象ですが、実力行使、武器使用を伴う防護が、日本船籍船に限ってしまう、国際法の慣例に準ずることがなくなる可能性があって、実際に守れる船が1割くらいではないかという見方もありますが、それについて、他の外国船籍、例えば日本人が乗っている船籍とか外国船籍等の防護は、いかなる対応をされるおつもりでしょうか。

A:個別具体的な状況に応じて対応するということになろうかと思います。現在、そのような状況が必要となっているというふうには、考えておりませんし、情報収集を目的としてアセットを派遣するということでございます。

Q:現在はそのような状況ではないということですが、そのような状況になったことを踏まえての閣議決定だと思うので。

A:どのような。

Q:海警行動の発令をする場合の手続きを迅速にやるというふうに定めているわけで、そのようなことも念頭にあると受け取れるのですが、では、その発令をしたときに、外国船籍に対して、どのような対応が取れるかということを教えてください。

A:現時点でそのようなことになっていないというのは、そのとおりだと思います。外国船籍、旗国が責任を持つというのが基本なのだろうと思っておりますが、例えば、日本人が乗艦、乗船している、あるいは、日本の業者が運航していたり、日本向けの積荷が載っていたり、更に、わが国の国民の安定した経済活動をするのに必要な船という場合には、この法益の侵害に応じて様々な対応をしていくということになろうかと思います。

Q:様々な対応というのは、どのようなことなのでしょうか。

A:実際に、これは、個別具体的に判断をするということになろうかと思いますが、おそらく近接をするとか、呼びかけるといった実力を伴わない措置をとるということは考えられるかと思います。

Q:今回、海域とかは違うのですが、緊張が高まっているエリアに派遣なさる意義と、アメリカが有志連合でオペレーション・センチネルを始めようとしていますが、それに加わらなかった理由とか、ホルムズ海峡とペルシャ湾のところに行かない理由を教えてください。

A:わが国独自の措置として情報収集のためのアセットを派遣するということで、これは米国を始め関係国・沿岸国に説明をしております。派遣する艦艇が一隻でございますから、この広い海全てをカバーするわけにはいきません。一番効率的に情報収集をするにはどうしたらいいかということを考えなければなりません。海域の選定につきましては、一つはこれまでの外交努力、あるいは、これからの外交努力とを調和させるということが必要だろうと思っております。また、ホルムズ海峡あるいはペルシャ湾内の日本の船舶が多く航行をする分離通行帯というものは、イランですとか、オマーンですとか、領海になっている部分が非常に多く、これは沿岸国が航行の安全の責任を持つというのが、現在の旗国主義の下ではそういうことなんだろうと思いますし、了解のない中で情報収集活動というのは、無害通航権と相容れない可能性もございます。また、ペルシャ湾内につきましても関係国との情報収集・交換ができるということから、今回は主にオマーン湾、そこでこうした活動を行うということにしたわけでございます。

Q:有志連合に加わらなかった理由をお聞かせください。

A:わが国として、独自に派遣をするというのが望ましいと考えたからでございます。

Q:先ほど、P-3Cを1月11日に出発させるとおっしゃっていましたが、「たかなみ」の出国はいつを考えているのかということと、今回「たかなみ」を選定した理由についてもお願いいたします。

A:「たかなみ」の出国につきましては、準備が整った段階で派遣命令を出すことになろうかと思いますので、まず準備を迅速に進めるということを行っていきたいと思っております。ヘリコプターを搭載する、いわば汎用護衛艦の中から海自の方で選定をしたのが「たかなみ」ということでございます。

Q:派遣隊員の処遇の確保について伺います。日当の手当て等、政令の改正等されたかと思うのですが、その辺の処遇について御説明ください。

A:処遇につきましては、今般、中東に派遣される隊員に関しまして、具体的な処遇を申し上げますと、給与について、自衛官俸給のほか、乗組手当、これが俸給の33パーセントになります。航空手当、階級初号俸の60パーセント、あるいは、航海手当といった既存の手当に加えまして、新たに海上警備等手当を支給することといたしました。艦船乗組員、航空機乗員につきましては、日額2,000円、港湾での警備業務は日額1,400円、連絡調整業務については、日額3,000円又は4,000円ということになっております。このほかに、万が一のことがあった場合には、災害補償、賞じゅつ金の制度により補償が行われます。また、今回、海外任務に従事する隊員向けのPKO保険につきましても、今まで共済で負担をしていた分がございますが、そこを大幅に引き上げるということにしております。

Q:船会社への情報共有については、どのように行うのでしょうか。

A:これは国土交通省を通じて行っていくことになろうかと思います。

Q:閣議決定の最後の国会報告なのですが、これはどのような形で報告されるお考えでしょうか。

A:今度の閣議決定のことを報告すると同時に、変更、期限の延長は、変更後の閣議決定を国会に報告をする。自衛隊による活動終了時には、その活動結果を報告する、そういうことになっております。

Q:それは何か、国会の公の場で大臣が説明されるのでしょうか。

A:そのやり方については今後だと思います。

Q:まだ決まっていないということですか。

A:おそらくそういうことだと思います。

Q:閣議決定していますが、どのように報告するかは決まっていないのですか。

A:報告のやり方は、政府が一方的に決めるということではなくて、国会との御調整の上でやることだろうと思いますので、そういうことでございます。

Q:大臣はどのような形で報告したいとお考えでしょうか。

A:国会と政府で御調整をされることになろうかと思います。

Q:ジブチ訪問のことでお伺いしたいのですが、今回の中東派遣を決めた後の出張になりますので、大臣御自身が現地の動きを見るチャンスでもあると思うのですが、どういう点を大臣としては確認してきたいかということと、ジブチの関係者との話もありますので、今回の中東派遣に関して、どういう話をされたいかお聞かせ下さい。

A:一つは、頑張ってくれている隊員をしっかり激励してまいりたいと思います。また、ジブチ政府には、これまでも様々御支援をいただいておりますので、お礼を申し上げるとともに、今回の中東派遣について説明をしてまいりたいと思っているところでございます。

Q:木更津へのオスプレイの暫定配備について、先日、大臣が5年間を目標にするとおっしゃっていました。目標達成にどのようにして取り組んでいかれるのか、教えていただけますでしょうか。

A:最終的には、水陸機動団との一体運用ということで、佐賀に配備をさせていただきたいと考えているところでございますので、様々な調整をしっかり丁寧にやっていきたいと思います。

Q:中東派遣の話に戻りますが、今回の閣議決定ですが、国会が閉会後に決定されていて、国会で与野党を交えた十分な議論がないまま決定に至ったという批判、懸念もあるかと思うのですが、その点については大臣どうお考えでしょうか。

A:様々な状況で、今日ということになりました。しっかり、国民の皆様、国会に対して御説明をしていきたいと思います。

Q:国会での議論を避けたということはないということでしょうか。

A:色々調整をした結果、今日になった訳でございます。

Q:閣議決定の内容の中にある活動の終了期間で、必要と認められなくなった場合と書いてあるのですが、大臣先ほど、直ちに防護する段階にはないということなのですが、大臣が考える、必要ではない状況というのはどういう状況を想定しているのでしょうか。

A:地域の緊張がなくなり、安定していると考えられるような状況になった場合ということだろうと思います。

Q:先ほど、大臣のお答えの中で、海域等を選ばれた理由は、これまでの外交努力と調和させるとおっしゃられたのですが、日本は非常にイランと良い関係がございまして、その間で、アメリカと世界的な動きとの間で、一番望ましい派遣を選ばれた、と理解してよろしいのでしょうか。

A:これまでも中東各国とは、様々外交を続けてまいりました。そういうことでございます。

Q:調査・研究について、元々、調査・研究というのは大臣命令だけでできて、閣議決定もいらないし、国会承認もいらない訳ですよね。ということは、こういうケースで、もしかすると海上警備行動を発令するような事態で、中東まで部隊を派遣するということを想定した規定ではないと思うのですが、それをこういうケースで使うというのは、まさしく、歯止めなく海外派遣につながってしまうかと思うのですが、その点についていかがお考えでしょうか。

A:現在では、そうした状況は想定をされておりません。そういう中で、情報収集として、アセットを派遣するということですから、御指摘には当たらないと考えております。

Q:調査・研究は元々、大臣命令だけでできて、閣議決定も、国会承認も要らない規定な訳ですね。非常に軽い規定な訳です、ある意味で。それなのに何故、わざわざ閣議決定をして、国会報告までして、それは要するに後ろめたい部分があるから調査・研究を使ってそういうことをやられたのではないでしょうか。

A:今回は、外交努力の継続、あるいは航行安全の徹底ということと併せて、情報収集の態勢を強化ということで、これは政府一体としてやろうということでございますから、まずそういうこと。それから、自衛隊のアセットを中東地域へ出すということの重要性に鑑みて、閣議決定を行うということでございます。

Q:9.11の後に米艦防護を調査・研究名目でやったように、何でもかんでも魔法の玉手箱とか、いろいろ言われていますけれども、調査・研究を使って自衛隊の部隊を動かすというのは非常に危険なことだという指摘もありますが、その点についていかがでしょうか。

A:しっかりと、文民統制が行われていれば問題ないと思います。

Q:専門家等に聞くと、例えば現場で衝突が起きた場合に、自衛隊はいるのに何もしないという選択肢というのは政治的にあり得るのかと。なし崩しに、何かをしなくてはいけない状況になるんじゃないかと。最初に調査・研究で行っていて、すでに自衛艦がいると。こういう場合でしたらどうするか、という説明がないままに、その場に危険なときにいるというのは、何かなし崩しじゃないのか、とそういう指摘があるのですが、その点に関してはいかがでしょうか。

A:憲法並びに関連法令の枠内で行動する訳ですから、全く御指摘は当たりません。

Q:例えば、その外国船が実際に目の前にいたときに、何もしないでできるのかだとか、あるいは実際にそういうことをするとか、しないとか、もう少し何を、最初から調査・研究だけではなくて、どういうミッションで、どういう場合にはどうする、というのをはっきりさせた法的根拠で行くのが筋だと思うのですが。それは特別措置法ですとか、そういうことに関していかがでしょうか。それなのに派遣だけ先行するということは、派遣の仕方としては正しいのかという見方があるんですけれど。

A:どんな場合でも、憲法、法令の枠内で行動する訳ですから、全く御指摘には当たりません。

以上