防衛大臣記者会見

日時
令和元年10月18日(金)11:01~11:20
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 冒頭2件ございます。まず、災害対応の件でございますが、昨日は230名の隊員及び30機の航空機により、人命救助活動を実施すると同時に、即応予備自衛官82名を含む4,940名の隊員により生活支援等を行っております。特に、災害廃棄物に関して、新たに福島県も活動の対象となり、岩手県、福島県、宮城県、栃木県において1,500~1,600名で災害廃棄物の除去を行っております。環境省とかなり緊密に連携をしながら、これから進めていきたいと思っておりますので、どちらかというと活動の中心は捜索救助から生活支援、災害廃棄物の除去にこれから移ると思います。この災害廃棄物、今日中には施設部隊700名の展開が完了し、重機並びに大型車両約90両が、全国からこの被災地に展開を終えることになります。雨の予報も出ておりますので、引き続き、そうしたことに注意をしっかり払っていきたいと思っております。二つ目は、国際平和協力ですが、防衛省・自衛隊は、RDEC国連PKO支援部隊早期展開プロジェクトの一環で、11月4日からベトナム人民軍の工兵要員を対象に、重機の操作訓練を行います。陸上自衛官19名を派遣いたします。前回は衛生班の話を、PKOに関して申し上げましたが、国連PKOもう一つは、部隊が展開するときに、宿営地や道路といった、活動の基盤となる環境整備を担う隊員の能力が不足をして、速やかに部隊の展開ができないという問題があります。こうしたことから、ミッションの開始が遅れたり、あるいは、PKOの要員の安全確保が難しかったりということがありますので、日本として、装備品の供与並びに訓練、操作教育ということを一体として行っていきたいと思います。衛生班に続いて、今回の施設部隊、しっかりとPKOの各国要員のキャパシティビルディングにこれからも貢献をしていきたいと思っているところです。

2 質疑応答

Q:自衛隊の災害派遣に関して、神奈川県の山北町で、県から正式な災害支援要請がないことを理由に、自衛隊の給水車が引き揚げるケースがあったことについて、初動対応の混乱も色々とある中で、自治体側と自衛隊側の意思疎通がうまくいかなかった面があったことを踏まえて、防衛省として、今後に向けてどう対応していくお考えなのかお聞かせください。

A:特に初動の混乱があったとは思っておりません。こういう状況になることが分かっておりましたので、第1師団長からは、駒門の陸自第1高射特科大隊の大隊長に準備並びに偵察の行動命令が出ておりました。更に、山北町から派遣要請の可能性の通知がありましたので、部隊は給水車を山北へ派遣をしましたが、県からの派遣要請が出ないということが明らかになった時点で、実際に大隊長も山北町へ給水車と一緒に行っていたようですが、この大隊長の判断で帰投したということでございます。千いくつの市町村それぞれから、自衛隊に直接派遣要請が出るということになりますと、自衛隊としても対応することができませんので、都道府県を通じて派遣の要請を自衛隊にいただいて、それに基づいて自衛隊が災害派遣をするという仕組みは、非常に良いと思っています。問題は、県からの給水車が来るのに、おそらく数時間かかったのだと思いますが、その間、自衛隊の給水車が行っておりましたから、県から県の給水車が行くまでやってください、という要請がそこで行われれば、その5時間早めに給水が始められたということだろうと思いますが、それがなかったので、自衛隊の給水車が戻ったということです。町から通知をいただき、また、町から県への派遣要請があったということ、県が必要性を考慮して判断をしてくださったということについて、我々としては特に混乱があったとは考えておりません。そういう意味で、こういう災害が予測される中、自衛隊としては、連絡員を派遣したり、部隊に万が一に備え、派遣できるような準備をするというのは、今後も必要なときにはきちんとやっていきたいと思っておりますし、要請があれば、自衛隊はこの災害派遣をきっちりやっていきたいと思っております。

Q:安倍総理が昨日、福島や宮城の被災地を訪問されましたが、大臣も今後、被害の確認等で、被災地に入る予定はありますでしょうか。

A:今、それぞれの部隊が、捜索救助あるいは倒木の除去、道路の啓開といったことを進めております。これは、だんだん生活支援に重点を置いて、今回の生活支援が長引くと思っておりますので、生活支援に重点が移った段階で視察に行こうと思っております。様々な要請は、それぞれ上がってきておりますので、私の視察は、どちらかと言うと、生活支援等が長引いている中で、部隊側で負荷が高まりすぎていないか、ローテーションがしっかりと行われているか、あるいは隊員の中にも被災地の出身者もおりますので、不安なくやれているか等、そういったことをしっかりと見ていきたいと思っております。被災者側からは、御要望を逐次いただいておりますので、それぞれのルートで御要望を受けて、しっかりと対処ができていると思いますので、あまり早めに視察に行って、そういった捜索や道路の啓開に影響が出ないよう、これは、防災担当大臣のときに、私から各大臣にしばらく視察は待ってください、と要請をしたこともありましたので、タイミングを考えながらやりたいと思います。

Q:RDECについてお伺いいたします。こういった、RDECの活動に陸上自衛隊が参加することの、日本としての意義について教えてください。

A:日本としても、国連PKO要員のキャパシティビルディングは非常に大事だと思っております。アフリカでも、様々な支援を行っておりましたが、PKOのおそらく3割ほどは、アジア地域になっていると思います。アジア地域での、こうした施設部隊、あるいは、衛生部隊のキャパシティビルディングは、PKO要員の安全と、早期に部隊が展開できるということに資すると思いますので、自衛隊として、可能な限り協力をしていきたいと思っております。

Q:この案件は、河野外務大臣の時代に始まり、今回は防衛大臣としてなのですが、今後、更に積極的に関与していくのか、活動を拡大していくのか等、どのようにしていきたいとお考えでしょうか。

A:冷戦が終わって、地域の紛争の影響で、難民及び避難民の数が、第二次大戦後、常に最高を更新するというような事態の中で、国連PKOの役割というのも重要になってきていると思います。「ブラヒミ・レポート」等様々、国連PKOに関する提言もございますが、やはり、展開するPKO部隊が、しっかりとした能力を持って展開するということが大事な中で、自衛隊としても、能力構築にしっかり協力をするということが、国際平和協力の重要な一環であると思っておりますので、今後とも必要に応じて、しっかりと対応していきたいと思います。

Q:宇宙での集団的自衛権の方針について、先日、大臣は地上とあまり違わないとの発言をされたのですが、改めて、政府としての見解をお聞かせください。

A:宇宙であっても、サイバースペースであっても、日本国憲法は適用されますということを申し上げたわけで、憲法の適用が、宇宙だから、サイバースペースだから変わるということではありませんよ、ということであります。

Q:宇宙空間では、中国、ロシアを始めとして、キラー衛星による攻撃が問題になっておりますが、具体的な集団的自衛権の行使例として、どういったものが想定されるとお考えでしょうか。

A:それは、個別具体的に当てはめるということで、地上で起きている事象となんら変わりはないと思います。

Q:今現在、宇宙で、個別的自衛権、集団的自衛権を日本として発動したということはあるのでしょうか。

A:ないと思います。

Q:宇宙空間で集団的自衛権を発動することがあり得るということなのでしょうか。

A:私が申し上げているのは、憲法の範囲内で自衛隊は宇宙領域でも、サイバー領域でも活動しますということを申し上げているのであって、それ以上のことを申し上げているつもりはございません。

Q: あり得るとも、あり得ないとも。

A:それは地上と全く同じで、個別具体的なケースに応じて決まることだと思います。

Q:その場合、あり得ると捉えるのですが、それは間違いないでしょうか。

A:それはどういうケースがあるのかよく分かりませんから、それは個別具体的な事象が起きたときにおそらく判断されるのだろうと思います。

Q:即応予備自衛官と予備自衛官の招集命令を先日出されたと思うのですが、予備自衛官については2011年の東日本大震災以来の招集ということで、今回、災害で招集をすると判断された理由を改めて教えていただきたいのと、働いている職場の派遣についての理解というのが重要になってくると思うのですが、そういうところをどうやって理解を求めていきたいか、お考えをお願いします。

A:今回は、堤防の決壊、あるいは、浸水地域の面積が非常に大きいということが、一つ特徴だと思っております。千曲川の地域だけでも、昨年の倉敷市の20倍を超える浸水だと聞いておりますし、その他、栃木をはじめ倉敷の浸水地域の4~5倍というところが他にもいくつかありますので、これは相当その後の生活支援、あるいは、災害廃棄物の除去というのに時間がかかるというのが予測されます。部隊としては、ローテーションを組んで、JTFが陸上総隊司令官の下、行動をいたしますが、これだけの災害の後の活動が予測されるわけですから、やはり即応予備自衛官並びに予備自衛官の皆さんにも加わっていただいてやらなければいかんだろうということで、なるべく早く集まっていただく。思ったより、もう、既に82名が昨日の段階で活動してくれておりましたので、本当に即応だなという感じがしますが、いざという時に、やはり即応予備自衛官は非常に大事ですし、今、予備自衛官補、予備自衛官を経て即応予備自衛官に選抜されるというルートもございます。もちろん、予備自衛官から招集を受けて参加をして下さる方々がこれから出てくると思いますが、そういう意味で、この即応予備自衛官並びに予備自衛官、できれば定員にしっかり達するような人員の確保をやりたい、そのためには職場の御理解というのは非常に重要なことでございますので、何らかの形で、職場の理解を得られるような広報をきっちりやっていきたいと思いますし、個別に色んなお願いをする必要があると思っております。招集に応じて下さった企業には、若干金銭の補填をするという制度がございますが、それだけで元が取れるかといえばそういうことにはならないわけで、そういう中で協力をしていただける企業というのを増やしていきたいと思いますし、いざという時に俺も行くよ、と言ってくれる方に少しお声かけをして、予備自衛官になっていただく努力はやっていきたいと思います。

Q:今、自衛隊員が少子化でどんどん人数が減っていくことについて、大臣も問題意識を持たれていると思うのですが、こうやって災害が相次ぐ中で、即応予備自衛官や予備自衛官の重要性というのはこれからも高まっていくとお考えでしょうか。

A:これから気候変動で風水害が強くなり、自然災害が激甚化するというのは、2015年でしたか、防災担当大臣をやっているときから問題提起をずっとしてまいりました。今、今回の対応を見ると、自律的に動けるという意味で、自衛隊に災害時求められることというのは、おそらくこれからも減ることはないのだろうと思います。そういう中で、もちろん、自衛官もそうですし、予備自衛官、即応予備自衛官の果たさなければならない役割というのは、当然大きくなってくるだろうと思いますので、そこはしっかり広報をして、御理解をいただけるように努めていかなければいけないと思います。

Q:先ほどの宇宙での集団的自衛権の関連ですが、今現在、防衛省として、ケーススタディー、例えば海であればホルムズ海峡なんかが議論になっているかと思うのですが、防衛省として、例えばアメリカが人工衛星を攻撃されそうなときに日本がどうするのか、そういったケーススタディーも含めて、詰めていらっしゃるのかどうか。そこの議論は整理されているのでしょうか。

A:全部の件についてまだレクを受けているわけではありませんが、少なくとも私が知る限りはありません。

以上