防衛大臣記者会見

日時
令和元年9月27日(金) 10:48~11:21
場所
防衛記者会会見室
備考
河野防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 今日の閣議におきまして、令和元年版防衛白書を説明の上、配布いたしました。国の防衛には、国民の皆様の御理解・御支援が不可欠であります。一人でも多くの皆様にこの白書を手に取っていただいて、防衛省・自衛隊に対する御理解を深めていただきたいと思っております。二つ目、昨年2月に発生したAH-64Dの墜落事故に関しまして、調査が終了しましたので、本日、山本副大臣、岩田政務官が佐賀県等地元自治体に対して、御説明に伺っているところです。事故調査の内容につきまして、全ての地元自治体に御説明した後、今日中に陸上幕僚監部から公表させていただきたいと思っております。今後、このような航空機事故が発生することがないよう、航空機の運航には万全を期したいと思っております。三つ目、私は、この日曜日から月曜日にかけて沖縄を訪問いたします。玉城知事を始め、関係自治体の皆様とお会いして、米軍基地を巡る様々な課題について、お話を伺い、意見交換させていただきたいと思っております。また、キャンプ・シュワブの視察を行って、移設事業の進捗を確認してきたいと思います。また、自衛隊部隊の視察を行って、南西諸島における安全保障環境を直接肌で感じたいと思います。四つ目、陸上自衛隊は、9月29日から10月24日まで、英国国内では初めてとなるイギリス陸軍との実動訓練を実施します。昨年実施した日本国内における実動訓練に続き、陸上自衛隊、英陸軍の共同訓練は2回目となります。日英両国は、日英同盟以来、親密な関係を構築しておりますが、こうした訓練を行うことによって、安全保障分野における日英の協力を一層強化できると考えております。五つ目、航空自衛隊は、10月9日、東京臨海広域防災公園を展開先として、PAC-3機動展開訓練を実施いたします。この訓練は、主に全国の自衛隊施設などを展開先として実施してきていますが、一般の施設に展開してこうした訓練を行うのは、平成25年以来6年ぶりとなります。非常に貴重な機会ですので、私も現地を視察したいと思っております。六つ目、災害派遣でございますが、台風15号に関する災害派遣に関しまして、停電復旧は順調に推移をしております。大詰めを迎えているということで、東京電力に対する自衛隊の支援活動も最終段階に入っております。その後、ブルーシートの展張にしっかりと力を入れていきたいと思っております。本日もブルーシートの展張に1300名で行います。また、給水・入浴支援に関しては、要請がなくなりましたので、一昨日をもって終了しております。
 最後に、今年6月に告示したドローン規制法に基づく飛行禁止施設13施設のうち、12施設で修正を行いました。こうした誤りがあったことを防衛大臣として大変申し訳なく思っております。イージス・アショアの調査の問題を含め、少しこうした問題といいますか、誤りというのが続いておりますので、この件についてはきちんと訂正をするのはもちろんのことでありますが、なぜこうしたことが続いてしまったのか、少しきちんと分析をし、根本から対応策を考える必要があるのではないかと思っております。一層緊張感をもって仕事をしろ、というのはそのとおりでありますが、本当にそれだけの問題なのか、少し根本的な課題の究明というのが必要なのか、しっかり見極めたいと思っているところです。この点につきましては、国民の皆様にお詫びを申し上げたいと思います。

2 質疑応答

Q:防衛白書の了承について、防衛白書の中身について、大臣の受け止めを改めてお願いします。

A:やはり、国民の皆様に、今、日本が置かれている安全保障環境がどうなのか、それに自衛隊としてどのように対処するのか、という御理解をしっかりいただいて御支援をいただく、というのが防衛の根本だと思いますので、そこはなるべく多くの方に、実際、手に取っていただけるような、あるいは、様々中身の御説明がしっかりできるようなことを、これから考えていきたいと思っております。また、日本の防衛政策について透明性を高めていくということは、周辺各国との関係でも重要だと思いますので、そういう意味でも一層それに資すると考えております。

Q:佐賀のヘリの墜落事故に関して、今日最終報告がなされますが、この事故では民家にヘリが墜落したほか、隊員の方が二人亡くなられたと思いますが、この事故についての受け止めを改めてお願いいたします。

A:本来、国民の皆様の平和な暮らしを守るはずの自衛隊が、こうした事故を起こしてしまったということは、非常に深く反省をしなければならないと思っております。原因の究明ができましたので、こうした事故を繰り返すことがないよう、きちんと日頃から安全管理というものに力を入れてまいりたいと思っております。

Q:白書について伺います。白書の中で、第Ⅰ部の「諸外国の軍事動向」という項目の中に、米国に続いて中国を記載しています。中国が記載されたのは白書の中で初めてのことですが、2番手に中国とした理由を教えていただきたいのと、中国について、ページ数は1番目にきている米国よりも手厚くて、一番長く厚くなっていますが、厚くして中国の脅威について訴えています。その狙いをお教えてください。

A:中国を2番目に記載しているというのは、防衛大綱でもそういう順番になっていると思いますので、踏襲していることだろうと思います。アメリカは日米同盟の相手国でありますので、これを最初に書くというのはそのとおりなのだと思います。現時点で、国防費を急速に増やしている中国というのが、安全保障の中でアメリカに段々肩を並べつつある中で、アメリカと中国という二つのこの分野での大国を記述するというのは、そういうことだと思います。日本として中国を脅威と捉えている訳ではありませんが、中国が非常に急速にこの分野を拡大してきている、また、国防予算を急速に増やしてきていることは事実でありますので、そうしたことを多くの国民の皆様に御理解をいただくために、それなりのページ数というのは必要になったと思います。

Q:中国に関しては、防衛白書の中で、中国南部の周辺海域などでの活動が、深刻な懸念である、というような記述がありましたが、日本と中国の外交関係が本格的に改善されている中で、日本から見て、まだ中国は安全保障上の深刻な懸念というのは、変更はないということでしょうか。

A:依然として、中国による領海侵犯というのは続いております。また、中国の空、あるいは、海のアセットが西太平洋に展開をする、あるいは、対馬海峡を越えていくという回数も増えているということがありますから、懸念がないという訳にはいかないと思います。

Q:韓国について伺います。本来友好的な書きぶりをするべき安全保障協力の章の中で、韓国については、昨年の国際観艦式での問題、レーダー照射問題、今年のGSOMIAの破棄など具体例を挙げた上で、韓国側の否定的な対応が防衛協力や防衛交流に影響を及ぼしている、と批判的・否定的な書きぶりになっています。このような書きぶりになった意図を教えてください。

A:事実を列挙しているということです。

Q:防衛協力を進める国を紹介するコーナーにおいて、韓国を記載する順番が昨年2番だったのが、今年は4番になりました。その理由を教えてください。

A:防衛大綱の順番に並べたということです。

Q:韓国に関連して、日本と韓国の防衛協力について、基本的な考え方をお聞かせください。

A:北朝鮮の問題もある中で、アメリカと同盟関係にある日本と韓国が日韓両国の防衛協力を進めていくのは、ある意味、当然のことだと思っておりますので、そこについてしっかり連携ができるように努力をしていきたいと思います。

Q:白書の関連で、北朝鮮に関してなのですが、今回北朝鮮が兵器の小型化・弾頭化を図っていると見られるという記述がありましたけれども、どんどん追跡監視が難しくなってきていると思うのですが、今の日本の体制が万全なのか、これからどういう対応を強化していくのかということについて、考えをお聞かせください。

A:北朝鮮からのこうしたミサイルに関して、わが国をしっかりと守れるような体制をとる、というのは当然のことだと思いますので、あらゆる脅威を防げるような準備をこれからも進めていきたいと思います。

Q:韓国に対して、連携をとっていくのは当然とおっしゃられましたが、一方で、白書の中でも否定的な対応が続いていると。更にGSOMIAもあと2か月でこのままいけば切れてしまうという中で、好転させることはどういったことが糸口になると、どうすれば更に連携を深めていくことができるとお考えでしょうか。

A:日本側として特に否定的な動きをしたことはありません。外務大臣時代、日韓両国をさらに好転させようということでカウンターパートと合意をし、その準備を粛々と進めていたということが、旧朝鮮半島出身労働者に関する大法院判決から、一機に転換をしてしまったという状況がありますので、韓国側に是非賢明な対応をとってもらいたいと思います。

Q:白書の内容の中で、未来志向という表現もなくなりました。韓国に対する批判的な内容も含めて、最近悪化した日韓関係の影響がありましたでしょうか。

A:日本側として、日韓関係は非常に重要で、日韓の連携は大事だと思っておりますので、韓国が賢明な判断を是非していただきたいと考えております。

Q:韓国に関する書きぶりというのが、昨年と今年の白書で大きく変わっている、批判的な部分がかなり増えていますが、韓国との日韓関係の変化というのをどのように受け止められていますか。

A:日韓関係、様々アップダウンがありましたが、お互い日韓の国交正常化の法的基盤となっている日韓基本条約並びに日韓請求権協定というのが、この両国関係の法的基盤であるということを、これまで歴代韓国政権も尊重して、この日韓関係というものをその上に組み立ててきた訳でございますが、今般の大法院判決は、その法的基盤を根本から揺るがしかねない非常に大きな問題でありまして、そこは韓国側に、しっかりと両国の半世紀以上にわたる関係の一番の基盤となってきたものを、しっかりと守る対応をしていただきたいと思っております。

Q:日米首脳会談について、安倍総理は会談の中で、サウジの石油施設への攻撃について、フーシ派の能力だけでは難しいというような発言があったと思うのですが、大臣会見の中で、フーシ派の可能性が高いというような発言もされていて、その後いろんな情報分析をした結果、いわゆるイランの関与を疑うような状況になっているのかということと、有志連合について、会談の中では話題に上らなかったという報道もありますけれども、事実関係を教えていただけますでしょうか。

A:会談の中身については、外務省、あるいは、官邸にお問い合せをいただくのがよろしいかと思います。現時点でも、アメリカを始め、関係国と連携しながら情報分析をし、情勢を見極めているという状況にあります。現時点で、何か日本として断定的にこの攻撃について申し上げるという状況にはございません。

Q:沖縄県の宜野湾市議会が、本日、普天間飛行場の辺野古への移設促進を求める意見書を採決する見込みですが、それに対する受け止めをお願いします。

A:地方議会の一つ一つのアクションにコメントするのは差し控えたいと思いますが、この普天間飛行場の危険性の除去というのは、全ての沖縄の県民の皆様の思いでもあり、我々の思いでもありますので、この日米同盟の抑止力をしっかり維持しながら、危険性の除去を一日も早く達成できるように、引き続き、努力してまいりたいと思います。

Q:冒頭述べられた、今回の沖縄視察なのですが、玉城知事との面談で辺野古の基地建設工事について、どのような大臣のお考えを伝えていきたいか、この時点でのお考えをお願いいたします。

A:政府としては、今申し上げたように日米同盟の抑止力と普天間の危険性の除去を考えると、この移設をなるべく早く行わせていただきたいと思っているところでございます。沖縄の負担の軽減について、政府としてできることは何でもやっていきたいと思っておりますので、しっかりそういうことについても、知事のお話を伺っていきたいと思っております。

Q:防衛大臣になって初めての沖縄訪問で知事との会談となりますが、これまで外務大臣時代も含めまして、沖縄の負担軽減に取り組んできたと思いますが、沖縄と御自身の関係でエピソードがあればお願いします。

A:エピソードと言えるかわかりませんが、少なくともパラシュートの降下訓練を伊江島でなるべくやってもらえるような働きかけ、あるいは、基地外での事故に関する立入りに関するガイドラインの修正といったことは、努力をしてきたつもりでございます。それ以外にも様々、米軍に対する働きかけをやってまいりました。政府として、沖縄の負担軽減というものを最重要のものとして考え、これからもしっかり対応してまいりたいと思います。役職は変わりますが、この負担の軽減について、しっかり努力を続けていきたいと思います。

Q:防衛白書の関係で、科学技術の関係で、無人機や人工知能等の最新の科学技術の動向を詳しく白書でも説明されていますが、その中で中国がAIを搭載した無人機を何百機も飛ばすような事例も記載されておりまして、最新の兵器を巡る大臣の認識と、今後、防衛省として最新兵器にどのように対応していくかお聞かせください。

A:LAWSと言われるAIを搭載した自律型の兵器というのは、これからの軍事革命に繋がる、軍事を変えていく、過去で言えば火薬や核兵器が戦争のあり方、安全保障のあり方を変えたような、それぐらいの大きなインパクトをもたらす可能性が非常に高いと思っておりまして、外務大臣当時、外務省の中にこのLAWSに関する有識者会議というものを立ち上げて色々と議論してまいりましたし、また政府間協議で、日本としてどこかの段階で人間の判断がきちんとあるということを担保する必要があるという日本の立場を主張してきたところでございます。更に一層、AIを搭載した兵器に対する開発のスピードアップということが、多くの国が始めているという中で、わが国の安全保障を考えた中で、これは無視できない状況になっていると言わざるを得ません。また一方で、これだけ少子化の中で、自衛隊の採用が段々厳しくなっている中で、こうしたAIを活用したものにある程度カバーしてもらわなければいけない部分も当然出てくるものだと思います。そういう面で、この両方を睨みながら防衛省・自衛隊としてもこうした開発をしっかり見据えていかなければならないと思っております。

Q:佐賀を訪れている山本副大臣ですが、昨日の夜、ツイッターで佐賀県の焼き鳥屋を訪れた話ですとか、そういうことについてツイートしております。今回、ヘリの事故でお詫びに訪れている、民間に被害があり、隊員の方が2人亡くなってお詫びに訪れているのに、こういったツイートをすることについて、いかがお考えでしょうか。

A:そのツイートを見ていないので、何とも言えませんが、ちょっと見てみます。

Q:中東情勢についてお伺いします。今回の国連総会で、安倍総理はロウハニ大統領とトランプ大統領と会談されました。一方で、イランとアメリカの首脳会談は実現しませんでした。中東情勢を巡って、緊迫の度合いが増している中で、それぞれ首脳会談を終えた中でも、大臣がこれまでおっしゃってきた外交努力を、部隊派遣ではなく、外交努力の姿勢を続けるという考えに変わりはないでしょうか。

A:日本政府として、中東地域での緊張緩和のために外交努力を続けるというのはやらなければならないことだと思っておりますので、総理、茂木外務大臣を筆頭に、しっかり政府一体としてこれに当たっていく必要があろうかと思います。

Q:大臣から御発言のあった、改正ドローン法の対象施設のミスについて伺います。冒頭でイージス・アショアからの一連のミスについて、根本的な検証が必要だとおっしゃいましたが、組織として、検証体制として、体制の整備、具体策を何かお考えでしょうか。

A:特にまだあるわけではございませんが、私の個人的な印象として少し同じようなミス、ミスと言っていいのか、誤りがあったわけで、必要な時間がなかったのか、あるいは、マンパワーの問題なのか何なのか、共通したものがあるならば、それを除去する努力をしていかなければならないと思います。単に緊張感がなかったから緊張感を持ってやれという指示を出すだけでいいのかどうか、どこがどう当たれというのはまだしておりませんが、その辺まで少し考える必要があると思います。

Q:来月の観艦式についてお伺いします。来月の観艦式に韓国海軍を招待しないことを決めましたが、その理由と受け止めをお願いします。

A:180を超える国を招待しておりません。別に毎回韓国を招待してきた訳でもありませんし、最近の様々な情勢を見れば、今回7カ国参加をしてくれます。特に何か特筆すべきこととは思っておりません。

Q:招待をしない理由、結論に至った経過の中で官邸の意向というのは反映されているのでしょうか。

A:これは岩屋大臣の時のことでありますが、防衛省の判断であります。

Q:今の冷え込んでいる日韓関係というのは、日本の安全保障全体に影響を与えるのかどうか、また、今後改善する見通しが立たないという指摘が広がっている中で、更に日本の安全保障に影響を与える可能性があるやなしや、どのような認識をお持ちでしょうか。

A:例えば、GSOMIA等も補完的な情報としてあった方がいいのかもしれませんが、日米間でミサイルの情報について、あるいは、その他の情報について緊密なやり取りをしておりますので、何か穴が開くということではありません。しかし、対外的に出すメッセージとして、やはり日韓の連携がきちんと取れているぞ、というメッセージを出していく方が好ましいという状況に変わりはないと思っております。韓国側の賢明な対応を求めたいと思います。

Q:防衛白書の関係で、北方領土はわが国固有の領土という記載がありますが、北方四島がわが国固有の領土という理解でよろしいでしょうか。

A:政府の立場に何ら変わりはございません。

以上