防衛大臣記者会見

日時
令和元年9月10日(火) 11:06~11:36
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 おそらくこれが最後の会見になろうかと思いますので、一言、御挨拶を申し上げます。この1年間、記者クラブの皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。皆様との議論は、大変勉強になりましたし、良いトレーニングにもなりましたし、多くの示唆をいただきました。また、視察等にも多くの方に御同行いただいて、本当にありがとうございました。これからも防衛省・自衛隊に対して、引き続いて、御指導・御鞭撻を賜りますように、お願い申し上げますとともに、皆様の一層の御健勝と御活躍をお祈りいたしたいと思います。本当にありがとうございました。

2 質疑応答

Q:今朝、北朝鮮が発射した飛翔体について、最新の分析状況をお願いします。

A:北朝鮮は、本日早朝、7時前後に2回の発射を行ったと承知をしております。防衛省としては、その内容について、今、情報の収集と分析に努めているところでございます。いずれも北朝鮮の西部から東方向に向かって発射したものと見ておりますが、現時点で、わが国の領海や排他的経済水域には飛来をしておりませんが、更なる内容については、分析が必要だと思っております。

Q:イラン情勢なのですが、ジブラルタル当局が拿捕し、解放したイランの タンカーがシリアに入ったという報道がありますが、また、イランがホルムズ海峡周辺で船舶を拿捕して、乗組員を拘束したという報道があります。イラン、ホルムズに関する情勢について、どのようにお考えになっているかと、そういった状況が、日本の自衛隊派遣議論にどう影響するかについて、どうお考えでしょうか。

A:それぞれの報道については、承知をしておりますが、その報道の内容についてコメントすることは控えたいと思います。わが国としては、わが国の原油輸入の約8割が通過している、ホルムズ海峡における航行の安全というのは、極めて重要だと認識していますので、引き続き、関係国と連携しながら、現地情勢についても情報収集及び分析を行い、また、情勢を注視していきたいと思っております。なお、わが国の対応については、これまで申し上げておりますように、この現地情勢、また、わが国の関連船舶の航行の安全の確保、それから米国との同盟関係、イランとの長きにわたる友好関係、国際社会での取組等、様々な観点を、総合的に勘案をして、わが国の対応を決めていくということになろうかと思います。

Q:明日、内閣改造が行われますので、大臣就任から1年たちますが、就任当初の国際情勢と、現在の情勢と、どのようなところが変化したとお考えか。また、日本の安全保障として、どのように対応していくべきか、その辺考え方を教えて下さい。

A:1年間というわずかな期間でしたが、この間もわが国を取り巻く安全保障環境は、刻々と速いスピードで変化をしてきていると実感した1年間でもありました。そういった状況を踏まえ、昨年の暮れ、新たな防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を作ったわけでありますが、そこに記されているように、宇宙・サイバー・電磁波といった、新領域における各国の軍事技術の進展というのも著しいと思いますし、周辺環境を見ても、北朝鮮は、5月から数えると10回目のミサイル等の発射となりますし、また、中国は、引き続き、東シナ海、南シナ海での活動を活発化しておりますし、最近では、ロシアとの爆撃機の共同訓練を行ったりしております。本当に刻々と安全保障環境が変わっていく中で、いかにしてわが国の安全を確保していくかということについて、しっかりと取り組んでいかなければならない、「多次元統合防衛力」をできるだけ早く構築していかなければならない、と強く感じているところでございます。それから、もう一つは、毎年のように全国の至るところで自然災害は発生しております。今般の台風の影響も続いておりまして、千葉県には自衛隊を出しているところでございます。給水支援を主に行っておりますが、こういった自然災害からも国民の生命・財産を守っていかなくてはならず、外なる脅威、内なる脅威に対して、しっかりと対応していかなければならない、防衛省・自衛隊の責任は、益々重くなっていると痛感した1年間でありました。

Q:韓国軍は、今回のミサイルについて、飛距離330kmという分析結果を出していますが、これについてどのようにお考えでしょうか。

A:韓国の発表は承知しております。飛距離等については、我々として分析中です。

Q:北朝鮮は、今月末に米朝協議を呼びかけておりますが、米朝協議の一方でミサイルを発射する実験を繰り返していることに関して、どのように捉えられていますか。

A:北朝鮮の意図については、予断をもって答えることはできかねますが、けん制といった意味もあるかもしれませんが、北朝鮮の意図についても、さらに分析をしたいと思っております。

Q:まだ分析中だと思いますが、今回の場合、新型とか何かそういった分析は。

A:中身について分析中です。これまでの発射をみると、先に申し上げたとおり、二種類の新型のものがあり、一つが分析中ですが、その可能性があるといったことまでは申し上げていると思いますが、今般についても、よく分析をしていきたいと思っております。

Q:GSOMIAは有効だと思いますが、韓国が破棄を通告したことによる影響はあるのか、また、影響がないとすれば、今後やりとりをしていく意思は防衛省としてありますでしょうか。

A:今朝方も申し上げたと思いますが、GSOMIAは有効でございますので、私どもとしては、適切に対応してまいりたいと思います。8月24日のときは、韓国から終了通告があったばかりでしたので、やり取りをしたという発表が韓国からあり、我々もそれを追認したわけですが、通常、インテリジェンスに係るやり取りについては、申し上げないということになっておりますので、御理解をいただきたいと思います。GSOMIAが有効な限り、適切に対応していきたいと思っております。

Q:11月にはGSOMIAはなくなってしまいます。後任の大臣には、日韓関係をどのようにハンドリングしてもらいたいとお考えでしょうか。

A:外交上は日韓間でさまざまな問題を抱えておりますが、かねてから申し上げておりますように、安全保障に関しては、日韓、日米韓の連携は重要であると、これは米国も同様の認識です。米国も韓国に再考を促していると承知しております。安全保障における日韓の連携・協力というものができるようになることが望ましいと思っておりますので、新大臣はじめ、政府の新しい体制で取り組んでいただけるものと考えております。

Q:北朝鮮による発射が5月以降で10回目になりますが、一連の発射に関して、アメリカは、例え弾道ミサイルであっても、これまでは事実上問題視しない考えを示していますし、国連安保理でも非難する動きは広がっていないわけですが、この状況を大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:米国の大統領の御発言については、コメントは控えたいと思いますが、ミサイルに対する脅威についての考え方は、米国と日本である程度違いがあっても仕方がないと思いますが、例え、短距離の弾道ミサイルであっても国連決議には弾道ミサイルの技術を使っての発射は違反であると明確に記されておりますので、我々としては、その立場を堅持して、しっかりと北朝鮮側に抗議してきているところです。今後とも、日米間で連携して、最終的には国連決議にいうCVID、あらゆる大量破壊兵器、あるいは、あらゆる射程のミサイルの廃棄の実現に向かって、連携をしていくことが重要だと思っております。なお、エスパー米国防長官との会談の中では、北のミサイルに対する脅威認識は、共有しているところです。

Q:辺野古移設に係る技術検討会について伺います。検討会のあり方、進め方ですが、会合の度に専門家から得られる助言、これをその都度踏まえて、設計を進めていくということでよろしいでしょうか。

A:今般の技術検討会は、それぞれ専門家の方々に参加をしていただいておりますので、その助言をいただきながら、あるいは、提言をいただきながら、設計変更を行っていくことになろうかと思います。大きな方向性は変わらないと思いますが、より確かな設計にするためには、ディテールについて、専門家の方々の助言・提言をできるだけ活かしていきたいと考えております。

Q:先日の会談でも県知事から言及がありましたが、県側は工事の不確実性、
約3年8ヵ月と政府が積算する工期が長いという形で、工法、工期それぞれ強く疑念を示していますが、今後、その設計変更の申請に向けて、どのように理解を示していきたいとお考えでしょうか。

A:橋本モンデール会談から、もう既に24年になりつつあるでしょうか。未だに普天間飛行場の返還は実現をされていない訳でございます。政府としては、これを一日も早く実現をしたいということで、辺野古への移設事業を進めさせていただいております。また、工事について、もちろん軟弱地盤は克服しなければなりませんので、それだけ難しい工事になりますが、従来からの実績のある工法をもって、これが可能であるという判断をしているところでございますので、辺野古への移設が完成すれば、いよいよ、普天間飛行場が返還に向かって動きだすということでございますから、是非、沖縄の皆様にも、御理解・御協力をいただきたいと、これからも丁寧に説明をしてまいりたいと思っております。

Q:地盤改良工事について、県側は、工費を示す考えが現時点で大臣にあるかということと、県側は軟弱地盤の改良だけで1,500億円あり、総事業費は最大で2兆6,500億円まで膨らむと指摘しております。この指摘についての大臣の見解をお聞きします。

A:今、技術検討会を立ち上げて、専門家の方々の助言・提言をいただき始めたところでございます。これを重ね、より確かな設計を行って、しかる後に、沖縄県に対して、設計変更の承認申請を行うことになります。その段階では、設計変更の概要等がかなり明らかにできるものと考えております。

Q:県側の指摘についてはいかがでしょうか。総事業費については。

A:それはあくまでも沖縄県の試算だろうと思いますので、設計変更、承認申請に当たりましては、様々なことをしっかりと説明できるようにしていきたいと考えております。

Q:軟弱地盤の関係で、防衛省としては、耐震性能をレベル1に設定していると思うのですが、沖縄県としては、この地域の被害の最大震度を6弱と予想しています。そもそもなぜ1に設定したのでしょうか。

A:先般も申し上げましたが、一般に、空港土木施設は、施設の供用期間中に発生する可能性の高い「レベル1地震動」に対して、航空機の運航に必要な機能を損なわず、継続して使用することが必要とされます。大規模地震発生時における被災によって、人命、財産、又は社会経済活動に重大な影響を及ぼす可能性のある施設、さらに、緊急物資の輸送拠点となるような施設については、空港の設置者又は管理者の判断によって、「最大規模」の強さを有する「レベル2地震動」に対応した設計を行うものと承知をしておりまして、そういった空港は、羽田空港や関西国際空港等を含む全国13の拠点空港がそのような「レベル2」による耐震性能を持つこととされております。97の空港のうち、13の拠点空港が、そのような設計になっている訳でございます。今般の沖縄県の想定につきましては、今後発生することが想定される「最大規模」の地震発生時の震度が示されたものと承知をしておりますが、護岸等の構造物の設計については、気象庁がいうところの震度を用いるのではなくて、本事業における設計に用いている地震動の震度について、一概にお答えすることは困難だと思っております。普天間代替施設建設事業につきましては、今後75年のうち、一度は受ける可能性の高い地震動である「レベル1地震動」を設定することで、所要の安全性や運用が確保される耐震性能を備えることができると考えておりますし、米側とも調整をした上で、この「レベル1地震動」を設定しているところでございます。

Q:土壌の改良の場所に関連してですが、いわゆるB-27の地点ですが、こちらについては力学試験を行っていないと思いますが、これについて、この間の技術検討会ではどのような見解を示されたのかということと、ここをどう改良していくかということが、今後、重要なポイントになると思いますが、改めて、ボーリング調査や力学試験を行うお考えはありますでしょうか。

A:今回の技術検討会では、これまでの土質調査の結果について、土の層の三次元モデルを作成しております。そして、土の面的な広がりを考慮するなど、より詳細に整理・分析しているところでございます。御指摘のB-27地点を含む地質推定断面図をお示ししたところ、委員の方々からは、この地層構成の区分については、妥当であるという御助言をいただいております。この際、B-27地点の地層構成について特段のお話はございませんでした。また、追加のボーリング調査については、これまで実施したボーリング調査等によりまして、土の層の分布状況を把握できております。また、土の層の強度も各種力学試験によって確認しているところでございますので、具体的な設計を行うに当たって十分なものだと考えております。なお、委員の方々からは、各土層の土質定数、土質定数というのは土の状態、硬さ、密度等を指すものでございますが、この土質定数を設定するには、十分な密度であるといえるという御発言があったところでございます。

Q:耐震性能をレベル1と設定した判断について、大臣は、「これで安全性が確保できるからだ」とおっしゃいましたが、技術検討会を立ち上げたのですから、ここで妥当性を検討していくことがよいと思うのですが、検討会が検討をしないという判断について、どのようにお考えでしょうか。

A:先日行われた技術検討会において、設計条件を「レベル1地震動」に設定をするということを示したところですが、地震動に関し、特段の御提言や助言はなかったということです。きちんと示して、意見を伺っているということです。

Q:委員が8名いらっしゃって、そのうち4名の方が防衛省と政府の関連機関の出身の方です。これで中立性が保てるのかという点についてと、誰がどのような基準で8名を選んだのかということについて教えてください。

A:事業者である沖縄防衛局において、護岸や埋立地等の設計・施工・維持管理に関する検討を進めるために、地盤、構造、水工、舗装の各分野に精通した有識者を選定したところです。この検討会においては、各委員の先生方が有しておられる技術的・専門的な知見を基に御議論をいただき、客観的な提言や助言をいただくものであり、国あるいは国の機関への勤務経験は、その議論に影響を与えるものではないと考えております。

Q:御自身の手で、大綱・中期防をまとめて、これから具現化するのが来年ですが、もう少し続けたかったという思いはありますでしょうか。

A:特にございません。人事は総理がお決めになることですから、次の大臣を中心に、「多次元統合防衛力」をしっかりと作り上げていただきたいと思います。

Q:同じ派閥の河野氏が取り沙汰されておりますが、何を一番に行ってほしいとお思いですか。

A:まだ、正式には聞いておりませんので、特定の後継の方を前提とすることは避けたいと思いますが、いずれにせよ、どなたがなろうとも、この1年間の防衛省全体の努力の成果の上に、更に、大綱・中期防に示された事業を着実に進めて、国民の安全を確保していただきたいと願っております。

Q:アメリカがメキシコとの国境に壁を作るための建設費について、海外の基地の予算が転用されるということが検討されているとのことですが、アメリカから駐留経費の増加等を求められる懸念もあると思いますが、受け止めをお願いします。

A:そのような懸念を報じた報道は拝見しておりますが、米側からは今般の予算転用について、在沖海兵隊のグアム移転に影響を与えるものではなく、また、米国政府として再編計画へのコミットメントは不変であるという考えの説明を受けております。このグアム移転については、本年4月の「2プラス2」でも確認しておりますので、日本政府としても、引き続き、日米間で緊密に協力しながら、グアム移転事業に取り組んでいきたいと思います。

Q:説明は、いつどのようなタイミングで、どういった方から、どういった部署にあったのでしょうか。

A:誰からあったのかということについては、控えさせていただきたいと思いますが、こういった懸念が浮上した段階で、米側からそういった説明がございました。

Q:こちらから問い合わせてということでしょうか。

A:常に、日米間ではやり取りをしておりますので、その中でということです。

Q:今後、防衛省・自衛隊、安全保障については、どのように関わっていきたいとお考えでしょうか。

A:党や国会の立場から、しっかりと応援団の一人として、防衛省・自衛隊を支えていきたいと思います。

以上