防衛大臣記者会見

日時
9月3日(火) 11:22~11:44
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:竹島の関連ですが、韓国の国会議員が竹島に上陸したという報道がありますが、大臣の受け止めと今後の日韓防衛交流への影響について、どのようにお考えでしょうか。

A:御指摘のとおり、韓国国会議員団による竹島上陸が行われました。竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上もわが国固有の領土でございます。従って、係る行為は到底受け入れられず、極めて遺憾でございます。韓国政府に対しましては、外交ルートを通じて直ちにその旨を伝えまして、改めて、強く抗議し、再発防止を求めたところでございます。日韓関係については、韓国側による否定的な動きが相次いでいるわけでして、非常に厳しい状況にあります。他方、ご案内のとおり、北朝鮮がミサイル発射を繰り返すなど、地域の安全保障環境は大変厳しい中にございますので、日韓、日米韓の安全保障上の連携・協力は極めて重要でございますので、私どもとしては、韓国側に賢明な対応を強く求めていきたいと思っております。

Q:上陸に関して、日本の国会議員がツイッターで、「戦争で取り返すしかない」とか「自衛隊が出動する選択肢を排除すべきでない」という発信がありました。このことについての受け止めと、こういった発言が韓国でも報じられておりますけれども、日韓関係に与える影響はどのようにお考えでしょうか。

A:個々の議員の発言についてコメントすることは控えたいと思います。韓国国会議員による竹島上陸についての考え方は、先程申し上げたとおりでございまして、特に、安全保障上の日韓の協力というのは、引き続き重要だと思っておりますので、韓国側に賢明な対応を求めていきたいと思っております。

Q:北朝鮮のミサイルですが、最新の分析状況などがありましたら教えてください。

A:現時点までに得られた情報を総合的に勘案すると、北朝鮮は、5月から計9回の短距離弾道ミサイルなどを発射しておりますが、そのうち、新型と推定される2種類の短距離弾道ミサイルが含まれていると分析しております。具体的には、ロシアが保有する「イスカンデル」に類似しているとの指摘がある短距離弾道ミサイル、これは5月4日、5月9日、7月25日、8月6日に発射されたものでありますが、これらはいずれも固体燃料推進方式で外形上も類似しておりまして、既存の弾道ミサイルとは異なる、同系統の新型の短距離弾道ミサイルだと推定しています。それから、北朝鮮が「超大型放射砲」と呼称している短距離弾道ミサイル、これは8月24日に発射されたものですが、これは、今、申し上げたものと異なる固体燃料推進方式の新型の短距離弾道ミサイルだと推定しています。また、8月10日、8月16日に発射されたものは、米国が保有する「ATACMS(エイタクムス)」に類似しているのではないかという指摘があるわけです。もちろん更なる分析が必要ですが、固体燃料推進方式でミサイルの外形、TEL、移動式の発射装置からの発射方式などにおいて、それ以前のものと外見上異なる特徴を備えていることを踏まえますと、今、先に申し上げた2種類の新型と推定した短距離弾道ミサイルとは異なる、新型の短距離弾道ミサイルである可能性があると考えているところでございます。それから、北朝鮮が「新型大口径操縦放射砲」と呼称している画像にモザイク処理がされていたもので、7月31日、8月2日に発射されたものですが、これは北朝鮮が「超大型放射砲」と呼称している短距離弾道ミサイル、つまり、8月24日の分との比較も含めて、更なる分析が必要だと考えております。

Q:7月31日と8月2日に発射されたものと、24日に発射されたものは類似性がある可能性があるのでしょうか。

A:そこは、更に分析する必要があると思っています。まだ判断に至ってはいません。

Q:現時点は、3種類ですか。

A:2種類は新型であったと判断しているわけですが、もう1つはその可能性があり、更に分析を続けたいと思っています。

Q:大臣は、推定された根拠として外形の話をされていらっしゃいます。それとは別に、どういったものを根拠に、航跡であるとか、何を根拠に分類されているのですか。外形の場合、我々の目がそこにあるわけではないと思いますが。

A:分析の判断の根拠については、私どもの分析能力を明らかにすることにもなりますので、詳細については控えさせていただきたいと思います。外形や発射方式、あるいは、飛距離、高度、航跡等々、様々な条件から判断したということでございます。

Q:逆に、新型の可能性があるということについては何が足りないのか。外形が似ているという判断だけを聞くと、その前二つと同じような状態に聞こえたのですが。

A:それを明らかにすることは控えさせていただきたいと思います。

Q:立て続けに新型の実験を北朝鮮が実施したわけですが、それは日本の安全保障に与える影響なり分析なり、何かありますでしょうか。

A:北朝鮮がミサイル関連技術の能力向上を図っていると、我々は推定しているわけでありますが、一連の動きをウォッチしてきておりますし、あらゆる空からの脅威、経空脅威に備えるための総合ミサイル防空体制をしっかり築いていく考えでございますので、わが国の安全保障に影響がないように、防衛省・自衛隊としては、全力を、最善を尽くしていきたいと思っています。

Q:北朝鮮ミサイルで3種類目の新型の可能性があると。8月10日と8月16日に発射されたものは弾道ミサイルという分析はされていると。北朝鮮はロケット砲と言っているわけですけれども、ロケット砲の可能性も排除していないのですか。

A:何をもってロケット砲というか、短距離弾道ミサイルというか、国際社会で決まった定義があるわけではございませんが、先程から申し上げているとおり、飛距離、高度、航跡等々、我々が把握している情報から判断すると短距離弾道ミサイルではないかと判断しているわけでございます。

Q:3つ目は「ATACMS(エイタクムス)」に似ているということですけれども、これまで北朝鮮が発射していたミサイルというのは、インド、パキスタン、ロシアといった、日本とは必ずしも友好国ではなく、これまでとは違うところから輸入、あるいは、コピーしていると言われていました。一方で、「ATACMS(エイタクムス)」となってくると、アメリカのもの、あるいは、韓国に近いと言われていますが、そういったものに類似したものが北朝鮮にあることについては、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。

A:「ATACMS(エイタクムス)」に似ているのではないかというのは、外形上、あるいは、発射方式だけを見てみると、類似性はあるということですが、果たしてそれがいかなる性能を持ったものであるのかということについては、更に分析をしてみないことには、なかなか判断ができないと思っています。

Q:韓国が何か取られたということは考えていらっしゃるのでしょうか。

A:そういうことを推定している訳ではありません。まだ8月10日、8月16日に発射されたものについては、更なる情報の収集と分析が必要だと思っています。

Q:8月27日に、米軍普天間飛行場に所属する海兵隊のCH-53E大型ヘリが、沖縄県の東海岸の海上に、重さ1キロ位だと思いますが、窓を落下させる事故を起こしました。その後、落下させた原因について、アメリカ側に説明を防衛省として求めたのか、また、アメリカ側から説明があったとしたら、原因は何だったのでしょうか。

A:御指摘の事案は、米側からの情報によりますと、事案の発生時、当該ヘリコプターは、定められた計画による運航で、落下した窓は軽量のプレキシガラス、透明のアクリル樹脂製のものであり、ゴム製部材で固定されており、緊急時には脱出口として取り外されるように設計されていたものだと情報を得ております。今、第1海兵航空団が本件の原因について調査中であり、引き続き、機体の耐空証明の運用及び周辺住民の安全確保に努めていくという返答がきております。防衛省としては、米側に対して、機体の点検・整備及び安全管理の徹底、並びに実効性のある再発防止策を講じるとともに、事故発生時における速やかな通報を申し入れたところでございます。これに対して米側からは、事故発生後、同型機については、改めて、飛行前に点検し、安全を確認した上で運用する。そして、引き続き、周辺住民の安全確保に最大限努めていくという説明を受けているところでございます。今後とも、しっかりと米側に安全確保に万全を期すように求めていきたいと考えております。

Q:原因については調査中という回答があったと思うのですが、原因が分からないままの状態なのに、アメリカ側に同型機の飛行自粛を防衛省として求めない理由について、教えてください。

A:これまで、本件については飛行自粛を求めてはおりません。今申し上げたような対応を防衛省は行ったところでございます。米軍の運用に当たりましては、言うまでもなく、安全確保が大前提でございますので、引き続き、米側に対して、安全確保に万全を期すように厳に求めてまいりたいと思っております。米軍機の飛行停止については、これまでも、事故の個別の態様等も踏まえまして、それぞれの事案に即して判断をしてきているところでございます。

Q:ホルムズ海峡の関連で、海自艦を独自派遣するという報道がありましたが、事実関係と調整状況について教えてください。

A:報道は承知しておりますが、そのようなことは決まっておりません。この件に関しましては、これまでも申し上げているとおりであり、中東におけるわが国関連船舶の航行の安全を確保するために、どのような対応が最も適切かということについて、現地の治安状況、あるいは、石油の安定供給、更には米国との同盟関係、イランとの友好関係、国際場裏でのそれぞれの外交努力の成果等を総合的に勘案して、判断していくということが政府の方針でありますので、現段階で何か対応が決まっているということではありません。

Q:安倍総理は国連総会に併せて、イラン側と会談する考えがあるようですが、派遣するかどうかは、最終的な判断は国連総会の会談が終わった後になるのでしょうか。

A:そういった判断をする時期について、決まっているということではありません。安倍総理は、本年6月にもイランを訪問されました。また、御指摘のように、国連総会という国際場裏においても、外交努力を続けられると思います。わが国の外交努力は継続していくということを基本に据えて、総合的に検討し判断していくことになろうと思います。

Q:昨日、秋田県の佐竹知事が記者会見で、「新屋ありきであり、ゼロベースではないではないか」と再調査の説明に関して、非常に防衛省に対して批判的な姿勢を鮮明にしたのですが、その件について大臣の受け止めをお願いいたします。

A:報道については承知しております。私の会見で申し上げたことは、わが国全域をより効果的に防護する体制を構築するという観点から申し上げたところでありまして、再調査については新屋ありきではなく、これまで挙がった全ての候補地を同じテーブルに置いて、再調査を行って、その結果を取りまとめ説明をさせていただく、と秋田県側にもお伝えをしておりますので、是非、御理解を賜りたいと思っております。

Q:佐竹知事はその会見の中で、人家から約半径2、3キロ以上離れたところが適地と言えるであろうとおっしゃっていたのですが、これについてはいかがでしょうか。

A:報道で知っているだけですが、知事のお気持ちも受け止めたいと思っております。様々な観点からもう一度検討をし直した上で、説明をさせていただきたいと思っております。

Q:国連総会の関連でお伺いしたいのですが、「総理も外交努力を続けられると思う」と大臣はおっしゃられましたが、その前にオペレーションを始めるということは、それに水を差すように思うのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:まずは、外交努力を基本として、日本政府は中東情勢に向き合っていくということですから、外交努力の成果をよく見た上で、判断をしていくことになると思います。

Q:有志連合ということを、当初アメリカは言っておりました。今も「海洋安全保障イニシアティブ」という言い方をしておりますが、エスパー米国防長官が来日した際も、有志連合に参加してほしいと言ったわけでもなく、先日のトランプ米大統領もそういった発言はなかったわけですが、有志連合に加盟しないで何かをすることは大臣の脳裏にあるのでしょうか。

A:一番大事なことは、わが国関連船舶の航行の安全であり、ここに著しく支障を来すということであれば、スピーディーに対応を考えなければいけないと思いますが、現段階ではそういった状況にはなく、各国が外交努力を継続しており、イランと米側の話合いを求めるという働きかけも、フランスのマクロン大統領を始め、様々に行われているところであります。また、日本独自の安倍総理による外交努力もあろうかと思いますので、そういったものの成果をよく見極めた上で、総合的に判断していくと。現地の情勢、つまり、日本の船舶が安全に航行できているかどうかというのが一番大事なことであろうと思っております。

以上