防衛大臣記者会見

日時
8月22日(木) 11:20~11:45
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 瀬取りに関することについて、一つ御報告があります。北朝鮮は、5月に2回、7月以降6回にわたって短距離弾道ミサイル等の飛しょう体の発射を行っているわけですが、このような北朝鮮の核・ミサイルの開発は、わが国のみならず、国際社会にとっても極めて深刻な課題となっております。引き続き、関連する国連安保理決議の完全な履行のための協力を進めていく必要があると考えております。その取組の一環といたしまして、国連安保理決議において禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対しまして、カナダ海軍フリゲート「オタワ」が、8月下旬以降、東シナ海を含むわが国の周辺海域において、カナダ海軍艦艇として昨年以降3度目の警戒監視活動を行う予定であります。また、オーストラリアが、9月上旬以降、在日米軍嘉手納飛行場を拠点として、昨年以降、5度目となる航空機による警戒監視活動を行う予定であります。わが国としては、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性確保に取り組んでいく観点から、こうした取組を歓迎し、引き続き、関係国と緊密に協力を行ってまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:今月10日と16日に北朝鮮が発射した飛しょう体について、最新の分析状況をお聞かせください。

A:現在、まだ情報収集・分析を続けております。総合的・専門的な観点から分析を行う必要があるということで、現在も分析を行っているところでございます。我々としては、北朝鮮が累次の発射によって、ミサイル技術の高度化を図っているものと認識しておりまして、たとえ短距離のミサイルであっても射程の長いミサイルに応用されていく可能性が十分にある、開発された技術がです。したがって、引き続き、米国や関係国と連携しながら、必要な情報の分析に全力を挙げていきたいと思います。

Q:日韓GSOMIAについて伺います。昨日、日韓外相会談が行われましたが、日韓GSOMIAの更新について、韓国側からどのような反応があったのかという点と、更新の見通しをお聞かせ下さい。

A:昨日の日韓外相会談において、GSOMIAについても取り上げられたと承知をしておりますが、その詳細については、外交当局間のやり取りでありますから、私の立場から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。その上で申し上げれば、何度も申し上げておりますが、日米韓の安全保障上の連携というのは非常に重要であって、GSOMIAは日韓間の安全保障分野における協力と連携を強化し、地域の平和と安定に貢献するものと思っておりますので、延長されることに期待をしております。

Q:中東ホルムズ海峡を巡る有志連合構想について、イギリスに続きバーレーンとオーストラリアが参加を表明しました。一部報道には、海上自衛隊の護衛艦を独自に派遣する案を軸に、複数の選択肢を検討していると報じられていますが、現時点の検討状況をお聞かせください。

A:各国の対応について、私どもから一々コメントすることは控えたいと思います。本件につきましては、様々な観点から、例えば石油の安定供給、それから米国との同盟関係、イランとの長い友好関係等々、様々な観点から総合的に検討して対応を判断していきたいということでございまして、まだ政府の中で検討を続けているところであります。

Q:GSOMIAについてなんですけれども、現地の報道では条件付きで延長をすることを検討しているという報道もありますけれども、それについての受け止めについていかがでしょう。

A:まだ韓国側の対応について、確たる情報を得ておりませんので、仮定のお話については控えさせていただきたいと思います。

Q:日韓GSOMIAについて伺います。この協定は秘密保全を対象とし、軍事技術だけではなくて、戦術データ、暗号情報、それから高度なシステム統合技術等、広範囲にわたると思います。この協定の具体的な意義や、仮に破棄された場合に、具体的に、日韓あるいは日米韓の連携にどのような支障が出るとお考えでしょうか。

A:あくまでも、我々としては、延長されることを期待しておりますので、破棄された場合という、仮定のお話に答えることは控えたいと思いますが、この間、5月以降、7月以降も含めると8回、北朝鮮が飛しょう体を発射したという事案がありましたが、この間においても、韓国側とはGSOMIAを通じて、様々な情報交換をしております。そういう意味で、日韓双方がより広範な情報に基づいて、安全保障上の情勢分析や事態対処を行うことが可能となるという意味で、双方にとって、GSOMIAという枠組みは有益であると考えておりますし、ひいては、日米韓の連携にも資していると考えております。

Q:昨年、佐賀県で発生したAH-64Dの墜落事故について、昨日、防衛省の事務方から佐賀県の事務方に対して、調査結果の報告があったのですが、今後、県知事等への説明の予定とAH-64Dの飛行再開の目途について教えてください。

A:昨年2月に発生したAH-64Dの墜落事故が発生してから1年半が経ちました。この間、防衛省としては、本件事故を受けて設置した事故調査委員会におきまして、外部の有識者等の知見も得ながら、徹底した事故原因の調査と再発防止策の検討を行ってまいりました。現在、関係自治体の皆様に対して、事務方から、本件の事故調査の現状について、御説明に伺っているところです。まだ、公表は正式に行っておりませんが、関係自治体及び地元の理解をいただいた上で、公表をさせていただきたいと思っております。再発防止策の徹底が重要であることは論を待ちませんが、現段階では、飛行再開に関して、お答えする段階にはございません。調査結果を丁寧に説明し、公表し、再発防止策をしっかりと立て、その後、飛行再開の判断をしていくということになると思います。

Q:INF廃棄条約についてお伺いいたします。条約が失効した後、アメリカが数日前に、中距離ミサイルの実験を行いまして、ロシアも中距離ミサイルの再開発を表明いたしました。米露を含めて軍拡競争の懸念が高まっております。その状況についてどのように受け止めておられますか。

A:8月18日に、米国が通常弾頭仕様の地上発射型巡航ミサイルの発射実験を行ったことは承知しております。INF全廃条約を巡っては、米国が主張する、ロシアによる違反があったということに加えて、米露以外の国々が、中距離ミサイルを開発あるいは実戦配備している状況が出てきていることを、防衛当局としては認識せざるを得ないと思っております。防衛省としては、東アジア地域における軍事能力、軍事政策の透明性の向上が非常に重要な課題であると思っており、INF条約が対象としていたミサイルを含む軍備管理の問題は、この地域の安全保障に直結する事柄と思っております。従いまして、我々も高い関心を持っており、条約の全廃が、地域の安全保障に及ぼす影響等について、米国並びに関係国と緊密に意見交換をしていかなければならないと思っております。

Q:より広い国々を交えた、新しい枠組みの必要性の声も聞かれますが、日本として、国際社会にどのように訴えかけていきますか。

A:既に、例えば、河野外務大臣からは中国なども含めて、新しい軍備管理の枠組みが必要ではないかということを発信していただいていると思いますが、やはり過度なミサイルの開発競争に至らないように、そういう枠組みが模索されていくことが必要ではないかと考えております。

Q:GSOMIAの関連で、5月と7月以降のミサイル発射について情報交換されているということですが、5月以降のミサイル発射でどれくらいの情報交換をされているのでしょうか。

A:それは日韓間の秘密軍事情報保護協定に基づくやり取りですから、控えさせていただきたいと思いますが、一連の北朝鮮の発射について、日韓間で情報をしっかりやり取りしてきたことは事実でございます。

Q:先週、防衛省として、STOVL機であるF-35Bを選定されたということですが、改めて、意義とF-35Aと併せてどのように運用していくのか、教えてください。

A:本年3月から、STOVL機については機種選定の作業を行ってきたところでございますが、今般、米国政府から提案のあったF-35Bとすることといたしました。他には提案がなかったわけでございますが、しかし、我々としては、要求性能をしっかり示して、それをクリアできているということを確認した上で、F-35Bを選定したところでございます。その意義についてですが、このSTOVL機は、短距離で離陸でき、垂直で着陸ができる航空機でございますので、国土が狭隘で滑走路に限界があるわが国の特性を踏まえますと、戦闘機運用の柔軟性を向上させることができると考えております。例えば、現在、自衛隊の戦闘機が運用できる飛行場は国内に20カ所しかないわけでございますが、このSTOVL機を用いれば、45カ所の飛行場で運用が可能になるということでございますので、そういう戦闘機の運用の柔軟性を向上させることにつながると考えております。また、「いずも」型の護衛艦を改修して、必要に応じて搭載できるようにするという計画でございますが、そのことによって、広大な太平洋地域を含むわが国の海空域の警戒監視機能が高まっていくと考えているところでございます。

Q:有志連合についてお伺いします。オーストラリアも参加を表明しましたが、これは日本が準同盟国と位置付ける国の参加表明になりましたが、具体的には来年1月から6カ月間、中東への艦船の派遣、それから今年中に1カ月間、哨戒機を派遣する模様です。準同盟国と位置付ける国が参加を表明したこと、そして具体的な手法について、日本として総合的に判断する上で参考にしていくお考えはありますか。

A:それぞれ国の対応については、一つ一つコメントすることは控えたいと思いますが、中東地域のホルムズ海峡、バブ・エル・マンデブ海峡もそうですが、わが国のエネルギー安全保障上、また、通商上、極めて重要な地域でございますので、ここにおけるわが国関連艦船の安全な航行というのは、極めて重要な課題だと思っております。我々の対応ぶりについては、先程申し上げたとおり、様々な角度から総合的に判断して、わが国関連船舶の安全な航行を確保するという方向で対処していくことになると思います。

Q:石油の安定供給がひとつの判断材料だとおっしゃられましたけれども、バブ・エル・マンデブ海峡での日本関連船籍の航行こそ多いものの、実際石油を積んだタンカーの航行は少ないと。この点から、バブ・エル・マンデブ海峡に派遣するケースは、アメリカ側も本来の趣旨に添わないという指摘もあります。この見解について大臣はどうお考えでしょうか。

A:まだ、我々の対処方針が決まっておりませんので、仮定の質問にお答えすることは、控えたいと思いますが、バブ・エル・マンデブ海峡もわが国通商上は極めて重要な地域でございます。エネルギー安全保障の観点、なおかつ通商上の観点から、中東における航行の安全確保が極めて重要な課題だと思っておりますので、わが国として、どういう対応が適切かということについては、あくまでも総合的に判断をしていくことになると思います。

Q:「いずも」型護衛艦について、STOVL機の発着艦を備える改修を今後していく中で、アメリカ軍機の先行利用についてお言葉がありましたが、それについてお考えをお願いします。

A:そのような報道がございましたが、先行利用等ということについては考えておりません。ただ、わが国は艦船でSTOVL機、つまり今回決まったF-35Bを運用したことがございません。従って、それについての知見を有する米側の協力や支援はいただかなければいけないと思っております。例えば、検査や試験のためにお手伝いいただくことはあるのではないかと思っております。

Q:アメリカ海兵隊のバーガー総司令官が、「いずも」について、日米のどちらでも着艦可能な艦艇を持つことで運用が柔軟になる、と御発言されておりますが、運用が柔軟になるというのは、今まで米軍がどういった運用をすることを設定されているのでしょうか。

A:例えば今も、共同訓練でお互いが艦載している航空機も相互に甲板に載せる訓練も行っておりますし、やがて、「いずも」型護衛艦にF-35Bを必要に応じて艦載できるようになった場合には、そういった訓練も米側との間で行えるようになると、そういったようなことをおっしゃったのではないかと思います。

Q:あくまで、そこをベースにどこかに飛んでいくということではなく、訓練ベースの運用だということでしょうか。

A:「いずも」型護衛艦というのは、あくまでも多目的の護衛艦でありまして、総じて言えば、わが国の海域の警戒監視に当たるというのが最重要の任務でございますので、わが方の運用の方針というのはそれに尽きているということだと思います。ただ、米国とは様々な共同訓練等を行っていくことになろうかと思います。どのようにやっていくかということはまだ決まっておりません。

Q:佐賀空港のオスプレイ配備の件ですが、佐賀県知事が受入れを表明してからまもなく一年になります。一方で漁業者の反発もあり、計画が進んでいるとは言えない状況ですが、大臣、これまでも何度も説明されてきましたが、改めて、現状への受け止めと、今後どのように計画を進めていくお考えでしょうか。

A:ご指摘のとおり、佐賀県知事からは昨年8月24日に受入れ表明をいただきました。もうすぐ1年ということになるわけですが、佐賀県知事も漁協に出向いていただき、直接、漁協との協議も実施していただきました。私どもはそれを受けまして、今月9日には有明海漁協に対しまして、防衛省から直接説明する機会をいただきました。漁業者の方々の懸念事項に対応した措置を含めて、オスプレイの配備計画について、防衛省の考え方をその場で御説明をさせていただいたところでございます。今後は佐賀県と御相談をさせていただきながら、有明海漁協の各支所の方々へ個別に説明させていただく等、様々な機会を通じて、引き続き、御理解と御協力をいただけるように、誠心誠意対応してまいりたいと考えております。お相手のあることですので、一方的に期限を区切るわけにはいきませんが、説明と調整を加速させていただきたいと思っております。

Q:現状へのご認識なのですが、1年経って早いのか遅いのか、お願いします。

A:特に有明海漁協の皆様におかれては、海苔の作業で非常に繁忙な時期があったということ等で、その間は説明の作業が前に進まなかったということは事実でございますが、先般、知事に出向いていただいて以降、今、説明作業は順次順調に進めさせていただいていると考えております。

Q:ホルムズ海峡についてですが、今週末にはフランスでG7が開催され日米の首脳会談も開かれる見通しになっておりますが、今の日本のホルムズ海峡の安全確保の検討状況や方針について、アメリカ側に伝える可能性は考えられるのでしょうか。

A:首脳級のG7ですから、会合でありますし、日米においても、もし首脳会談が開かれればそういったこともおそらく話題に上ると考えておりますが、現在の政府の状況は先ほど申し上げたとおりでございまして、様々な観点から、どういう対応が最も適切か、そして、この地域の緊張が逓減していくことが非常に大事だと思いますので、総理もこれまで、外交努力も続けてこられましたし、これからも続けていかれるでしょうから、そういうことも踏まえて、総理ご自身からわが国の考え方について、G7の場でも、首脳会談の場でも、御説明がなされるのではないかと思っております。

以上