防衛大臣記者会見

日時
令和元年8月8日(木)11:40~12:11
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 私から2点御報告がございます。一つは、自衛官の幹部人事でございます。本日の閣議におきまして、令和元年8月23日付の将官人事13件について、内閣の承認がなされました。この他、同日付で、将については16件、将補については61件の異動などを行います。二つ目は、F-35A戦闘機の事故調査報告についてでございます。4月9日に発生した航空自衛隊三沢基地所属のF-35A戦闘機の墜落事故につきましては、操縦者が「空間識失調」に陥っており、そのことを本人が意識していなかった可能性が高いとの判断に至り、去る6月10日に、事故の原因として公表したところでございます。本件事故の発生を受けまして、航空幕僚監部に設置された航空事故調査委員会が詳細な事故調査を実施してまいりましたが、本日、調査委員会から報告を受けることとなりました。報告内容の概要については、明日、航空幕僚監部から公表をさせる予定でございます。防衛省・自衛隊としては、今後、このような航空機事故が発生することがないように、引き続き、飛行の安全に万全を期してまいります。

2 質疑応答

Q:昨日の日米防衛相会談後の会見で大臣が、FCLPの施設整備についても、エスパー国防長官に説明されたとおっしゃっておりましたが、このFCLPの移転候補地である馬毛島に関しては、具体的にどのようなやり取りがありましたでしょうか。

A:今回のエスパー国防長官との会談では、FCLPの候補地である馬毛島の取得につきまして、現在、土地所有者との間で、早期の売買契約締結に向けて、引き続き、交渉を続けているところであり、1日も早くFCLPの施設が整備できるように、政府全体として最大限の努力をしていくことを、私からお伝えしたところでございます。これに対しまして、エスパー国防長官からは、FCLP施設整備に向けた取組を含めて、日本側の努力に感謝したい、というお話がございました。これ以上のやり取りの詳細については、控えさせていただきたいと思います。

Q:馬毛島の売買契約交渉について、今、早期にとおっしゃられましたが、もう少し具体的なスケジュール感のようなものがもしあれば、教えてください。

A:現在、所有者であるタストン・エアポート社との売買契約の締結に向け、協議を行っているところでございまして、その状況や見通しについて、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。私どもとしては、できるだけ早期に、売買契約が締結できるように、引き続き、努力をしてまいりたいと思います。

Q:イージス・アショアの再調査についてお伺いします。7月23日の会見で大臣は、できるだけ速やかに調査を開始したい、とおっしゃっておりましたが、再調査に向けたスケジュール感をお聞かせください。また、地元の反発がある中で、この問題に対して、どのように理解を求めていくお考えなのかについても、併せてお聞かせください。

A:秋田県秋田市に説明した資料のうち、データに誤りがありました「他の国有地」の検討につきましては、遮蔽物との角度をより精緻に掌握するために現地での測量を行う、あるいは、インフラ条件等に係る評価をより詳細かつ精緻、客観的に精査をすることにしております。また、山口県のむつみ演習場への配備に関しまして、演習場の近くに所在する高台である西台の標高について、これも現地での測量を実施することとしております。これらの調査を実施するに当たりましては、外部の適切な専門家の関与を得ることとしておりますので、そうした点も含めまして、調査の具体的な要領や手法、スケジュール等細部について、現在、省内で調整を行っているところでございます。具体的な調査の開始時期については、現段階で予断をもってお答えすることは控えたいと思いますが、検討・調整が終わり次第、速やかに、調査を実施したいと考えております。

Q:F-35Aの調査結果について、先頃の、中間の報告とは、大きな変化はなかったと解釈してよろしいでしょうか。

A:これから、報告書を正式に受け取ることになりますが、事故調査委員会においては、6月10日に公表した墜落事故の原因を分析する際に用いたものと、同一の各種の記録を基にして、更に詳しく調査をし、また、原因の特定作業を行ったところでございますので、基本的には、事故の原因が異なるものになるとは考えておりません。

Q:辺野古の関連で伺います。昨日沖縄県が、埋立承認撤回を取り消した国土交通大臣の決定を違法として、那覇地裁に提訴しました。先月の提訴に引き続いて、二つの訴訟が並行して続くことになりますが、移設計画や工事に与える影響等について、お考えをお聞かせください。

A:沖縄県の対応については承知をしておりますが、コメントすることは差し控えたいと思います。防衛省としては、今後とも、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実施するために、引き続き、作業の安全に留意することはもちろん、自然環境にも十分配慮して、辺野古移設の事業を一歩ずつ前に進めさせていただきたいと考えております。私も就任以来、玉城知事とは都合6回お目にかかっておりますが、今後とも、こうした直接の対話の機会を設けて、政府の取組について、地元の御理解、御協力を得られるように、全力で取り組んでいきたいと思っております。

Q:昨年12月に土砂投入を始めてから8か月近くたちますが、現時点の進捗状況を教えていただきたいのと、軟弱地盤に関する変更申請のめどについて、現時点のものをお知らせください。

A:現在、米軍のキャンプ・シュワブ南側の地域におきまして、埋立工事を進めておりますが、埋立区域②―1、最初に埋立ての事業を開始したところについては、昨年12月中旬からスタートしたわけですが、7月末時点におきまして、その進捗率は、沖縄県に提出した事業行為通知書との関係で申し上げますと、約7割となっております。続いて、事業を開始した埋立区域②については、今年3月下旬から事業を開始しておりますが、7月末時点において、その進捗率は1割以下となっているところでございます。また、軟弱地盤に伴う変更申請についてですが、本年1月に沖縄防衛局が行ったボーリング調査等の結果を踏まえ、大浦湾側の護岸や、埋立て等の設計・施工に関する検討を行った結果、地盤改良が必要ではあるものの、一般的で実績が豊富な工法によって、改良工事を行うことが可能だと確認しているところです。この具体的な設計等の検討に当たっては、より合理的な設計・施工が最終的に普天間飛行場の早期返還に資することに繋がりますので、十分な検討を行うこととしております。その申請時期については、確たることを現時点で申し上げることは困難でが、十分な検討を行った上で、できるだけ早く出せるように努力をしていきたいと思っております。

Q:日韓のGSOMIAについてお伺いします。今月末に更新期限、通告の期限がくるわけですが、一方の国が破棄を通告すれば、もうなくなってしまうものと認識していますが、日本としては、韓国側に「これは必要なものなので、是非続けたい」というような、打診というか、意思は先方に伝えているのでしょうか。

A:これまでも、累次の会見でGSOMIAについては、お尋ねがありましたので、私どもの考えは申し上げてきたところでございまして、わが国の方からこれを破棄するような考えはございません。また、昨日、米国のエスパー国防長官との会談の中でも、日韓、日米韓の連携についても話し合いましたが、その中でもGSOMIAを含む日米韓の連携というのは非常に重要だという認識で一致したところでございます。長官はその後、モンゴルに行かれ、韓国にも立ち寄られると聞いておりますので、また米韓の間でそういう議論が行われるのではないかと予測をしております。私どもとしては、これまで申し上げてきたとおり、わが国並びにこの地域の安全保障に関しては、やはり日韓、日米韓の連携は、引き続き、重要だと考えておりますので、私どもとしては、適切に対応してまいりたいと思っております。

Q:直接、日本から韓国に対して、継続を働き掛けているのは知っているのでしょうか。

A:私どもの意は、十分に先方に伝わっていると考えております。

Q:関連で、エスパー国防長官が韓国にも行くということで、昨日のエスパー国防長官との会談で、エスパー長官に「韓国にGSOMIAを続けて欲しいということを伝えてほしい」と打診されましたでしょうか。

A:直接的な申し上げ方はしませんでしたが、エスパー国防長官の方から、日韓の安全保障協力は大事なので、韓国の鄭長官とはしっかりとした関係を築いてもらいたい、という主旨の話がございましたので、私の方から、鄭長官にくれぐれもよろしくお伝えください、とエスパー国防長官に申し上げたところでございまして、その前に、GSOMIAを含む話をしておりますので、そういう主旨は伝わるのではないかと思っております。

Q:地上イージスについて2点伺います。5月に公表した調査結果では、電波環境調査の数値にも誤りがあったと思いますが、これは、これから行う再調査でも、電波環境調査を改めて行う予定はあるのでしょうか。

A:それは、データのミスではなく、記載ミスというか、転記のミスだったわけでありまして、当時、そのことについては説明をしていると思いますので、電波環境調査をやり直すという考えは、目下のところ、ございません。

Q:新たに導入するレーダーについて、性能検査をアメリカ側でやっている最中だということを認識していますが、出力の実測値というのを秋田なり山口で計測できないということだと思いますが、精緻なデータを取って丁寧に説明するという部分で、実測値がとれない段階で中々地元の理解というのも難しい面があるものと思いますが、このあたりはいかがでしょうか。

A:調査に当たりましては、いわゆるイージス・アショアのレーダーの諸元を入手した上で、自衛隊の装備を使ってシミュレーションを行ったというものでございますので、そこはきちんと調査ができていると思います。実物がなければ実測できないということを言っていれば、それはどこにおいても、物をそこに造らなければいけないということになるのではないかと思いますので、なし得る限りの実測に近い結果が得られるようなシミュレーションを行っていると考えております。

Q:日韓に戻りますが、今日、貿易管理を背景に輸出許可がでましたけれども、一方で、文大統領は「勝者のいないゲームだ」と強く批判しています。こうした環境の中で、昨日会談したエスパー長官が、韓国に行って会談をするということは、どういった影響を及ぼすということをお考えなのか。それによって、日韓関係の安全保障面でメリットがあるとお考えでしょうか。

A:貿易管理制度などを巡る日韓の間のやり取りというのは、外交の分野でしっかり取り組んでいただけるものと思っておりますが、一方、安全保障上の連携というのは、それとは少し次元の違うものではないかと考えておりまして、北朝鮮が次々と短距離の弾道ミサイル、その他の飛しょう体を発射しているような最中でもあります。日韓、日米韓の安全保障面における連携は、引き続き、極めて重要だと思っておりますので、エスパー長官も米国の国防長官として、安全保障という分野において韓国側と協議をされると承知をしておりますので、日米韓の安全保障の連携が不安定になることがないように、そういう努力をなされるのではないかと思っております。

Q:昨日の日米防衛相会談で、ホルムズ海峡を巡って、米側から航行の安全についての協力を要請されたとのことでありますが、政府として現在、どのような安全確保策を検討されているのでしょうか。

A:昨日は、中東地域における航行の自由、あるいは、通商の自由は極めて大事なので、その確保のために日本も協力をしてほしいという主旨のお話がありました。私の方から、中東における日本関係船舶の航行の安全を確保するためにどのような対応が効果的かということについては、原油の安定供給の確保、同盟国である米国との関係、イランとの長年の友好関係、こういったことも踏まえつつ、様々な角度から検討を行って、安倍総理の下に政府全体として、総合的な判断を行っていくことになります、とお答えしているところでございまして、現段階では、それ以上申し上げる材料はありません。

Q:関連で、米軍の提唱している有志連合、あるいは、海洋安全保障イニシアティブとは別に、日本独自で自衛隊を派遣するというような案は検討されているのでしょうか。

A:どのように対応することが最も効果的であり、適切かということについては、これから総合的に判断をしていくことになりますので、今おっしゃったような具体的なことが決まっているわけではございません。

Q:関連で、米側はホルムズ海峡に加えて、イエメン沖のバブ・エル・マンデブ海峡についても対象としています。このバブ・エル・マンデブ海峡における日本の関連船籍の航行状況、治安について、大臣の考えをお願いします。

A:ホルムズ海峡については、先般、約1700隻程度の日本関係船舶が航行・通峡していると申し上げました。バブ・エル・マンデブ海峡の方も、それと同等か、それ以上の日本関連船舶が航行・通峡していると承知しております。目下のところ、特段、わが国の関係船舶が大きな危険に晒されているという情報には、この段階では接していません。

Q:バブ・エル・マンデブもホルムズも含めて、対象地域はオマーン湾、ペルシャ湾も対象となっていますが、これら地域での治安状況はいずれもどの程度のものと認識されているのか。あるいは、地域によっては、今大臣がおっしゃられたように、安全なところもあるのか、御所見を改めて伺いたい。

A:現地の状況については、我々も重大な関心を持って情報を収集し、注視をしているところでございます。どっちがどのようにリスクが高いか、というような判断ができるような材料を全部持っているわけではございませんが、いずれにしても、それぞれわが国のエネルギー安全保障上、あるいは、通商上、極めて重要な地域でございますので、引き続いて、米国はもとより、関係国とも連携しながら、情報の収集・分析に努めてまいりたいと思っています。

Q:バブ・エル・マンデブも含めてエネルギー安全保障上、極めて重要だと認識でしょうか。

A:バブ・エル・マンデブの方は、どちらかというと、例えばヨーロッパ向けに輸出する物品等を積んだ船舶の通峡・通過が多いと承知しております。そういう意味でいうと、どちらも大事なことでございますが、エネルギー安全保障という面でいうと、ホルムズの方が重要度が高いということでしょうが、いずれにしても、わが国関連船舶がどちらの海峡も同じくらいの程度頻繁に通峡しているということですから、この地域全般がわが国にとって非常に重要な地域だと申し上げられると思います。

Q:昨日のエスパー長官との会談の中で、中東の航行の安全について協力をという話があったと大臣はおっしゃられましたけれども、エスパー長官はあくまでも中東としか言っていなかったのか、今話に出ていたホルムズ海峡だとかバブ・エル・マンデブだとか、地域についての話なのか、中東という極めて広いエリアについての話だったのですか。

A:基本的に、詳細なやり取りについては控えさせていただきたいと思いますが、そういうかなり細かい特定の地域に言及しての御発言はなかったと思います。

Q:有志連合に関して伺いますが、参加の可否について昨日求められて、日本側としてはいつ頃までに判断するのかということと、具体的な目安として、会談の冒頭で、お盆休みについてエスパー長官も言及されていましたけれども、お盆休み明けに判断することになると考えていいのか教えて下さい。

A:エスパー長官がお盆について触れられたのは、全く会談の中身と関係ないということだと思います。ただ我々のお盆休みのことについても、お心遣いをいただいてありがたかったなと思いましたが。いつまでに期限が決まっているものでもございません。あくまでも様々な角度から総合的に検討して判断していくことになろうかと思います。

Q:関連しまして、いつまでに判断するものではないとありましたが、アメリカ側は数日以内に何らかの発表をするということが分かっている中で、昨日エスパー長官から、これについて急いでほしいといったニュアンスのことはなかったのでしょうか。

A:そういう御発言はありませんでした。先ほども申し上げたとおり、インド太平洋においても航行の自由、通商の自由は大事だが、中東の地域においても大事なので、それを確保するためにも、日本としても協力をしてもらいたいというお話でしたので、先ほど申し上げた、現段階での防衛省だけではなくて、政府全体の考え方をお伝えさせていただいたということでございます。

Q:エスパー長官は、日本側の考えを受け止めたということでしたが、日本側の慎重な検討を待つ考えを持っているということでしょうか。

A:そこまでのことは分かりません。受け止めていただいたというのは、私の説明・発言に理解を示していただいたというふうには感じておりますが、それ以上のことを推測で申し上げるのはいかがかなと思います。

Q:中東に自衛隊を派遣する場合について、現時点でニーズがないというお話をされたと思いますが。

A:いつ頃でしたか。

Q:1カ月くらい前か。主旨としては、タンカーへの攻撃があって、それが更に頻発しているような状況ではないし、攻撃主体もはっきりしないということで、艦船の派遣について慎重なお考えだったのだと思いますが、そのあたり基本的な考え方は変わっていないのですか。

A:その後、イギリスとイランの間で、お互いの船舶の拿捕があったという事案がありましたし、常時、この地域の安全の状況については注視をしていかなければならないと思っております。その時にそのように申し上げたのは、まさにおっしゃるとおりで、一度、わが国関連タンカーが攻撃されましたが、頻繁にそういう事案が発生していることではないという主旨で申し上げたと記憶しております。

Q:来週15日、終戦記念日を迎えますけれども、現時点で、大臣は靖国神社への参拝をお考えになっているのでしょうか。理由も含めお願いします。

A:考えておりません。

Q:参拝されない理由については。

A:靖国神社は個人的にはお参りしたことはありますが、現在、政府の一員として、防衛大臣として参拝するという考えはございません。

Q:進次郎さんが結婚されて、お子さんにも恵まれたということですが、これに関して何かおっしゃりたいことがあればお聞かせください。

A:令和という時代の始まりを象徴する、ビッグカップルの誕生だなと感じております。是非、幸せな家庭を築いていただいて、進次郎さんには一層活躍してもらいたいなというふうに思っております。

Q:結婚生活へのアドバイス等は。

A:できるだけ価値観を共有することが大事ではないかなと思います。どのように生きていきたいか、どのような家庭を作っていきたいか、やがてお子さんも生まれるのでしょうから、どういうふうにお子さんを育てていきたいか、そういうことに関しては、よく相談をされて、考えを一つに頑張っていってほしいなと思います。

以上