防衛大臣記者会見

日時
令和元年8月2日(金)11:00~11:24
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 私は、8月7日(水)、エスパー米国防長官との会談を開催いたします。エスパー米国防長官の就任後、長官が訪日されての会談は初めてということになります。今回の会談では、日米間の協力の進め方に係る、具体的な方向性を確認して、今後の日米防衛協力の強化について、しっかり議論を行いたいと考えております。

2 質疑応答

Q:今日、北朝鮮から、飛しょう体が発射されたということがありました。北朝鮮は、この1週間余りで、立て続けに3回も飛翔体や短距離弾道ミサイルを発射しておりますが、これについて大臣の受け止めをお願いします。

A:北朝鮮は、7月25日には短距離弾道ミサイルを発射しており、7月31日、そして本日、8月2日に何らかの飛しょう体を発射したものと承知しております。7月31日、そして本日のものについては、現在、情報を収集し、分析中でございます。いずれにしても、北朝鮮は、ミサイル技術などの高度化を図っていると認識をしており、これはわが国のみならず、国際社会にとっての深刻な課題であると認識をしております。7月25日には、短距離弾道ミサイルだと判断したわけでありますが、これは、明らかに国連決議違反であって、甚だ遺憾であるということは先に申し述べたとおりです。いずれにしても、防衛省としては、今後とも防衛大綱・中期防の下で、あらゆる経空脅威、空からの脅威に対して、国土を防衛するための総合ミサイル防空能力の強化を進めると同時に、警戒監視態勢を万全なものにしていきたいと考えております。

Q:確認ですが、7月31日に北朝鮮が発射した飛しょう体については、飛しょう体か短距離弾道ミサイルかの判断というのは、まだ分析中ということでよろしいでしょうか。

A:現在、分析をしておりまして、関連する情報の収集・分析に努めているところでございます。その上で申し上げますと、北朝鮮側は、昨日、金正恩委員長が7月31日に「新型大口径操縦放射砲」の試験射撃を指導したと報じていると承知をしております。また、韓国の合同参謀本部は、7月31日に、詳細は分析中であるとしながらも、北朝鮮が元山カルマ一帯から、北東方向の海上に発射した短距離弾道ミサイル2発を捕捉した、と発表したと承知しております。いずれにしても、私どもとしては、この飛しょう体の弾種、発射数、飛翔距離、航跡などの詳細について、総合的・専門的な分析を行う必要があると思っておりますので、引き続き、情報の収集と分析に全力を挙げていきたいと思っております。

Q:ホルムズ海峡などに自衛隊を派遣するか否かについて、昨日、大臣は、あらゆる現地情勢、国際情勢等をしっかりと見極めて、総合的に政府全体として判断していくという旨おっしゃいましたが、これについて判断の時期、スケジュール感についてお聞かせください。また、ホルムズ海峡などにおける航行の安全確保を巡る動きとしては、アメリカの有志連合のほかにも欧州主導の海運保護ミッションなどがありますが、このような国際社会の情勢の変化についても、政府が判断するに当たっての材料になり得るのかについてもお聞かせください。

A:考え方としては、今冒頭でおっしゃったとおり、政府全体として、総合的にどういった対応が適切かということを判断していくことになろうかと思います。それがために、おっしゃったような事柄も含めて、国際情勢や各国の対応の動向、あるいは、何よりも現地の安全に関わる情勢等を見極めて、判断をしていく必要があると思っております。判断の時期について、予断を持ってお答えすることは控えたいと思います。今、米国を始めとする関係各国と緊密に連携しながら、情報収集を行いつつ、情勢を注視しているところであります。言うまでもなく、この地域は、エネルギー安全保障上、わが国にとって極めて重要な地域でございますので、重大な関心を持って様々な情勢を見極めつつ、しかるべき時期に判断をしていくことになると思います。

Q:先月、アメリカのボルトン大統領補佐官が来日した際に、在日米軍の駐留経費を、現状の5倍となる額を要求する可能性があることを伝えていた、との一部報道がありましたが、これについての事実関係をお伺いいたします。また、5倍の額となると、現状から約1兆円近くの規模の予算が必要となりますが、この数字が現実的なのか、妥当なのかどうかについての、大臣の受け止めをお願いいたします。

A:事実関係から申し上げますと、ボルトン大統領補佐官は、先月7月21日から23日にかけて訪日をされておりますが、私の他に河野外務大臣、あるいは、谷内国家安全保障局長と会談を行っております。私との会談では、日米同盟を一層強固なものとするために、様々な課題について、意見交換を行いました。そして、引き続いて、日米がしっかり連携をしていこうということを確認したところです。河野外務大臣も谷内国家安全保障局長も、同様の話をされたと承知しております。やり取りの詳細については、相手のこともありますので、控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、現在、在日米軍駐留経費は、日米両政府の合意に基づいて、適切に分担されていると私どもは考えております。なお、現行の在日米軍駐留経費負担特別協定は、2021年3月末日までが期限でございますので、現時点で、協定に関する交渉は始まっておりません。したがって、次期交渉を行う際には、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や、わが国の財政状況は非常に厳しい中でございますので、そういったことも踏まえて、我々としては、適切に対応していきたいと思います。現行でも、我々は必要な経費の8割近くを負担できていると考えておりますので、5倍もしたら、はるかに飛び越してしまうと思います。

Q:エスパ-米国防長官との会談ですが、北朝鮮やホルムズの有志連合といった色々な問題がありますが、大臣はどういった事について意見を交わしたいと、有志連合を含めて意見を交わすお考えなのかについて、お答えください。

A:日米防衛協力に関する様々なテーマについて話をしたいと思っておりますが、お互いの戦略文書、私どもには昨年の暮れに策定した防衛計画の大綱がございます。米国にはNDS 「National Defense Strategy」がございます。そういったものを元にして、なにしろ私とエスパー長官との会談は初めてでございます。この間、マティス元国防長官とも、シャナハン元国防長官代行とも会談を行いましたが、エスパー長官になってからは、初めてでございますので、一番大事な原点、両国の戦略を踏まえた様々な議論を行っていきたいと思っております。

Q:有志連合については、意見を交わすのでしょうか。

A:それは分かりません。

Q:北朝鮮の関連ですが、トランプ米大統領は、短距離ミサイルの発射について気にしないと、改めて発言をしております。一方で、北朝鮮はこの1週間に3回続けて飛しょう体を発射しております。連続した発射についてどう考えるのか、また、気にしないとトランプ大統領が言っていることについて、エスパー国防長官と意見を交わしたりするのでしょうか。

A:トランプ大統領のご発言について、一々コメントすることは控えたいと思います。私どもがどう認識しているのかについては、先ほどもお答えしたとおりでございまして、そもそも北朝鮮はわが国全土を射程に収める数百発の弾道ミサイルを実戦配備しているわけであり、この間の一連の発射を通じて、能力の向上を更に図っていると認識していますので、わが国にとっては重大な脅威であることに変わりはないと考えております。そういう認識についても、日米で協議を行う際にはしっかり意見交換をしたいと思っています。

Q:北朝鮮が続けて発射したことについてはどうお考えでしょうか。

A:これも、先ほど申し上げたとおりでございます。ミサイルをはじめとする装備の能力向上を図っていると認識をしておりますので、わが国にとってのみならず、地域全体にとって重要な課題であり、ある意味脅威であると思いますので、しっかりと注視をすると同時に、警戒監視態勢に万全を期す、更に総合ミサイル防衛体制をしっかり構築をしていくことが必要だと考えております。

Q:先日、大臣から7月31日のミサイルについては、5月4日のものと類似しているとのお話があったのですが。

A:ではないか。

Q:その辺の更なる分析があれば。

A:目下、専門的な分析を更に重ねているところであり、この段階で断定的なことはまだ申し上げられません。

Q:今回のミサイルについては、過去の5月4日以降のミサイルの中ではどれに類似しているとかいうのはまだ。

A:そういう判断はまだしておりません。

Q:今日、政府が韓国をホワイト国から除外するということを決定しましたが、韓国政府はこれまで、GSOMIAの破棄について言及してきたと思いますが、北朝鮮がこれだけミサイル発射を繰り返している中で、GSOMIAの意義と、改めて継続していくかの方針についてお聞かせ下さい。

A:日韓GSOMIAは、日韓の秘密軍事情報保護協定でございますが、これは日韓間の安全保障分野における協力と連携を強化し、地域の平和と安全に寄与するものだと思っております。韓国との間では、平素から緊密に情報共有を行っているところでございますが、今後の対応について、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。韓国との間においても、連携すべき課題については、しっかり連携していくことが必要であり、わが国の安全保障、地域の安全保障を考えた場合には、日韓・米韓・日米韓の連携は非常に重要であり、こういった北朝鮮のミサイル等の発射事案が続く中にあっては、なおさら重要だと考えておりますので、行うべき連携については、しっかりとやっていきたいと思っております。

Q:日韓GSOMIAの意義を強調されましたけれども、5月から一連の北朝鮮によるミサイル、飛しょう体発射事案で、この協定がどのような役割を果たしているのかという点についてもお聞かせください。

A:インテリジェンスの情報のやり取りでございますので、やり取りの中身の詳細については、お答えすることは控えさせていただきたいと思いますが、日韓・日米韓の間で、必要な情報の交換はしっかりと行われているところでございます。

Q:日韓GSOMIAは8月の24日までに、いずれかの国から協定終了の通告がなければ、自動的に更新されるものだと思います。残りが約3週間、防衛省として、この協定の継続に向けて、どのように具体的にアプローチされていくか、お考えをお聞かせください。

A:日韓・日米韓の安全保障上の連携というのは、大変重要だと思っております。私どもとしては、これまでどおり、必要な連携はしっかりと行っていきたいと考えているところでございますので、そこは御理解を得られているものと期待をしたいと思います。

Q:韓国側に働きかけていくという理解でよろしいでしょうか。

A:特段、その予定があるわけではございませんが、再三にわたって同様のことを申し上げてきておりますので、防衛当局間においてはお互い理解ができているのではないかと考えております。

Q:現在、バンコクで日韓の外相同士で交渉しておりますが、その中でGSOMIAの話というのは出ているのかどうか、把握されていますでしょうか。

A:外相同士の会談の中身について、詳細は承知をしておりません。日韓の間に横たわるあらゆる課題がテーマになっているのではないかと想像しております。

Q:仮に、破棄された場合に、今の北朝鮮のミサイルに関して、日米韓で共有する情報について影響が生じるという懸念はお持ちでしょうか。

A:破棄された場合という仮定の質問にお答えすることは控えたいと思います。私どもにはそのようなつもりはございません。

Q:韓国側はホワイト国から除外されたことで、GSOMIAの破棄を示唆しておりますが、外交や経済と安全保障を絡めるということに関してどのようにお考えでしょうか。

A:ご質問にそのままお答えすることは控えたいと思いますが、防衛当局としては、この地域の平和と安定を考えた場合に、日韓間の安全保障上の連携は非常に必要なことだと考えておりますので、大局的な判断をしていただけるものと期待しております。

Q:一部報道で、ホルムズに艦艇、艦船を送らない方針とありますが、その点について現在の対応状況をお聞かせください。

A:その報道については承知しておりますが、先ほどお答えしたとおり、どのように対応するかの判断をしているわけではございません。引き続き、米国を始めとする関係国としっかり密接に連携しながら、情報収集を行って、情勢をよく注視して、政府として総合的に判断をしていくということになると思います。報道にあったような具体的なことが決まっているわけではございません。

Q:韓国の参謀本部では、5月からの短距離弾道ミサイルの流れについて、多連装ロケットの発射という発表をしていて、北朝鮮は誘導弾と言ったり、大口経と言ったりしますが、技術の向上だけではなく、兵器の多様化も図っているように見られますが、大臣はどうお考えでしょうか。また、今回は高度が低いのが特徴と韓国側は言っておりますが、そうした場合、イージス・アショアを含めて、ミサイル防衛体制の見直しがあるのか、今考えていること以外に何かしなければならないのか、というお考えはありますでしょうか。

A:一連の北朝鮮の飛しょう体の発射については、総合的に専門的な分析を行っているところでございまして、断定的なことは申し上げられませんが、全体として能力の向上を図っている、あるいは、装備の多様化を図っているということはご指摘のとおりだと考えております。従いまして、私どもとしては、あらゆる経空脅威に対応できるような、総合ミサイル防衛体制を更に検討を深めて、しっかりと作り上げていかなければならないと考えております。

Q:今週、秋田県の佐竹知事が会見で、遮蔽物の角度、仰角の話の中で10度という目安という数字がどこから出てきたのかわからないと、この説明がないままだと再調査に意味はないとおっしゃられましたが、その点について、大臣の受け止めをお願いします。あと、外部の専門家を交えて再調査をされるかと思いますが、数字についても専門家の意見を参考にしていくのかお伺いします。

A:秋田県知事の御発言については、詳細を承知しておりませんので、コメントは控えたいと思います。仰角についてもきちんと説明をしていると思っておりますが、今般、他の国有地についても外部の専門家も含めてしっかりと再調査を行いますので、調査が整いましたら、今ご指摘のあった箇所も含めて、もう一度丁寧に説明させていただきたいと思います。

以上