防衛大臣記者会見

日時
令和元年7月29日(月)16:22~16:55
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 4月9日に発生した、航空自衛隊三沢基地所属のF-35Aの墜落事故については、操縦者が「空間識失調」に陥っており、そのことを本人が意識していなかった可能性が高いとの判断に至り、6月10日に事故の原因を公表いたしました。
6月20日以降、防衛省から三沢市を始めとする関係自治体の皆様に対して、飛行再開についての御説明に伺い、三沢基地周辺の関係自治体への説明は終了し、当面夜間飛行は行わず、段階的に飛行再開することで御理解をいただいたところです。 青森県については、三村青森県知事へ説明に伺うよう、日程を調整しておりましたが、県側との調整がついたため、先刻、鈴木防衛大臣政務官が青森県を訪問して、三村青森県知事と面会をいたしました。鈴木政務官からは、今まで行った再発防止策等の取組について、丁寧に説明したところであり、三村青森県知事から、F-35A戦闘機の飛行再開について御理解を頂きたいと考えています。

2 質疑応答

Q:鈴木政務官が本日、三村青森県知事と会われて、三村知事から飛行再開の理解を得られれば、飛行再開の条件としていた地元の理解は得られたということになるのでしょうか。また、その場合は、飛行再開の目途はいつ頃になるのでしょうか。

A:関係自治体への説明は、青森県への説明がまだ終了しておりませんでしたので、本日の面会を通じて、知事の御理解をいただければ、できる限り速やかに飛行再開をしたいと思っております。

Q:できる限り速やかにというのは。一定の目途について教えてください。

A:できる限り速やかにとしか、今は申し上げられませんが、3カ月以上が経過しておりまして、この間、操縦者に対する「空間識失調」や機体の点検整備もしっかりと行っておりますので、関係自治体の御理解をいただければ、できる限り速やかに飛行を再開したいと思います。

Q:ホルムズ海峡の有志連合の関連ですが、先日、アメリカのタンパにおいて2回目の説明が行われ、日本が参加いたしました。また、ポンペオ米国務長官が、日本の名前を上げて、有志連合への参加を打診しております。現在の政府、防衛省としての検討状況及び今後の対応についてお願いいたします。

A:御指摘のあったポンペオ米国務長官の発言に関する報道については、承知しておりますが、その一つ一つについてコメントすることは控えたいと思います。また、御指摘のタンパで行われた説明会につきましては、日本政府から、在米国大使館員及びタンパの米中央軍司令部へ派遣されている連絡官を出席させたところであり、その結果については、私も報告を受けておりますが、非公開会合でもありますので、その内容について明らかにすることは控えたいと思います。その上で、今後の対応についてですが、この段階で予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。引き続き、米国を始めとする関係国と緊密に連携をとりながら、情報収集を行って、情勢を注視していく中で、総合的に判断されていくものと考えております。

Q:北朝鮮の飛しょう体の関係ですが、現在の政府としての分析状況について、変更等がありましたらお願いいたします。

A:7月25日、北朝鮮が発射をした飛しょう体については、これまでに収集した様々な情報を総合的に勘案した結果、北朝鮮は7月25日に短距離弾道ミサイルを発射したものと判断したところです。このような弾道ミサイルの発射は、関連する安保理決議に違反するものであって、極めて遺憾であると思っております。いずれにしても、政府としては、引き続いて、米国及び韓国を始めとする関係国と密接に連携し、関連する国連安保理決議の完全な履行のための協力を進めていきたいと考えております。また、平素から警戒監視、情報収集に全力を挙げていくことが必要であると思っており、わが国の平和と安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

Q:トランプ米大統領が、「短距離ミサイルしか実験していない」といった発言をし、特に問題視をしていないという感を受けるのですが、日本側として、トランプ大統領の姿勢をどのようにお考えになりますか。

A:報道については承知しておりますが、米国大統領の発言の一つ一つにコメントすることは差し控えたいと思います。しかし、今般発射された短距離弾道ミサイルは、わが国の国防という観点から言えば、脅威に違いないところでございますので、警戒監視を引き続き、しっかり行っていくと同時に、総合ミサイル防衛体制をしっかりと整備していかなくてはならないと思っています。

Q:F-35A関連の確認ですが、知事への説明の場というのは、知事から飛行再開に関する表明は特になかったということでしょうか。

A:まだ、しっかりと報告を受けていないので、この段階ではお答えは控えたいと思います。

Q:知事の是非を確認する場を改めて設けるのか、実際の飛行再開に当たっては、地元自治体に説明する場を設ける可能性があるのかについて、伺いたいと思います。

A:知事がどのようなお話だったかということは、正式に報告を受けておりませんので、報告を受けてから考えたいと思っておりますが、当然、飛行再開をするという決定をした場合は、関係自治体にはきちんとお知らせをするということになります。

Q:北朝鮮のミサイルの件ですが、ミサイルの飛距離や高度といった観点での分析状況を教えてください。

A:北朝鮮が発射した短距離弾道ミサイルの詳細につきましては、お尋ねにありましたことも含めて、引き続き、分析を行っているところです。北朝鮮の核・ミサイルの廃棄がこの段階で具体的に進展しているわけではありませんので、北朝鮮の核・ミサイル能力に、本質的に、変化は生じておりません。引き続き、分析を行うとともに、警戒監視態勢をしっかりととっていきたいと思っております。

Q:短距離弾道ミサイルが発射されたということで、安保理決議違反だと思われますが、今後、安保理に対して、どういった形で諮られますか。

A:既に、外交ルートでは北朝鮮に抗議をしたと承知しております。従って、その後の外交的なやり取りについては、外務省にお尋ねいただきたいと思います。なお、先程言及しませんでしたが、今般の飛しょう体については、短距離弾道ミサイルと判断したところでございますが、先般、5月4日の飛しょう体の発射についても、これも弾道ミサイルであったと、この間の様々な分析を通じて、そのように判断をしたということも申し添えたいと思います。

Q:短距離弾道ミサイルと分析した理由についてお聞かせください。今回は2発打ち上げていると思いますが、いずれも短距離弾道ミサイルと断定しているのでしょうか。

A:そうですが、どのように分析したということについては、わが方の分析能力を明らかにするということにつながりますので控えさせていただきたいと思います。

Q:2発とも弾道ミサイルでしょうか。

A:はい。そのように判断しております。

Q:北朝鮮の弾道ミサイルについてですが、今年5月に発射したものについては、これまでと若干違うイスカンデルに似ているという指摘もありますが、従来からたくさん撃ってきたものとは何らかの違いを認識しているのか、また、わが国のミサイル防衛体制の変更を求めてくるようなものなのか、どのようにお考えでしょうか。

A:まず、北朝鮮のメディアは、金委員長が7月25日に新型戦術誘導兵器の発射を指導したと発表しております。また、この当該新型戦術誘導兵器なるものは、新たに作戦に配備されるものであり、その戦術誘導弾は低高度滑空跳躍型飛行軌道の特性を有すると発表しているところです。また、韓国軍の合同参謀本部の関係者が、今回のミサイルについて、ロシアのイスカンデルに似た飛行特性を持つ新たな形態の短距離弾道ミサイルと評価しているという見方をしていること、また、一部の軍事専門家が実戦配備を前にして性能の確認過程であるという見方を示していることは、我々も承知しております。いずれにしても、防衛省としては、北朝鮮が弾道ミサイル技術の高度化と能力の向上を図っていると認識をしており、こういった北朝鮮の軍事動向につきまして、引き続き、重大な関心を持って注視していかなければならないと思っております。また、一方で、防衛大綱・中期防に示された、全国を防衛する能力、総合ミサイル防空能力の強化を着実に進めていきたいと思っております。

Q:先ほどのトランプ大統領の発言の件で、わが国にとって脅威であると大臣がおっしゃられましたが、今回の短距離弾道ミサイルと分析した2発については、わが国に届き得る射程を持っているという認識でしょうか。

A:その詳細については現在分析中でございますが、以前から、わが国全土を射程に含むミサイルを実戦配備しているわけでございますから、それに加えて、ミサイル能力の向上が図られているということは、やはり脅威としては、変わっていない、場合によっては、むしろ高まっていると認識をしなければならないと思っております。

Q:現在のSM-3を始めとした迎撃ミサイルで、今回の北朝鮮の発射したミサイルに対して、迎撃態勢がとれるのか、維持できているのか、についてお伺いします。

A:先ほどから申し上げているように、まだ、北朝鮮が今般発射したミサイルについて、特性等を特定できているわけではありません。いずれにしても、様々な経空脅威に対して対応できるように、防衛体制を作り上げてきておりますし、更に、これを充実・強化していく予定ですので、様々な経空脅威に対応できる体制を整えていきたいと思っています。

Q:5月4日のミサイルは短距離弾道ミサイルということでしょうか。

A:そうです。

Q:今回の弾道ミサイル発射に関して、一部報道では、韓国とミサイル情報について、GSOMIAに基づいて情報交換をしたと報道されていますが、これについてお願いいたします。

A:インテリジェンスに関するやり取りですので、その中身については控えさせていただきたいと思います。日米韓、必要な連携はしっかりと行っております。

Q:GSOMIAに関連して、韓国国内では、厳しい日韓関係を基に、更新しなくてもいいのではないかという意見があると言われておりますが、大臣としては今回の短距離弾道ミサイルの発射等を踏まえて、どのようにあるべきだとお考えなのか、また、韓国に対して、継続しようという働きかけ、あるいは、話合いをするお考えはありますでしょうか。

A:御指摘の報道については承知をしておりますが、先般も申し上げたと思いますが、わが方から、GSOMIAについて破棄するような考えは全くございません。日韓秘密軍事情報保護協定については、日韓間の安全保障分野における協力と連携を強化し、地域の平和と安定に寄与するという認識の下に、平成28年締結以来、これまで毎年、自動延長してきたものです。外交上は様々難しい問題を日韓間で抱えておりますが、安全保障に関しては、韓国とも連携すべき課題についてはしっかり連携していくことが重要である、と考えておりますので、引き続き、適切に対応していきたいと思っております。

Q:有志連合について、先ほどのポンペオ国務長官の発言や、25日の2回目の説明会を受けまして、大臣が以前からおっしゃっていた、外交努力を継続したい、今の時点で自衛隊を派遣する考えはない、という点について、現時点ではまだお変わりはないでしょうか。

A:本件に関する今後の対応について、予断を持って申し上げることは控えたいと思います。事柄の性質上、防衛省のみで判断できるものではなく、政府全体として総合的に判断をしなければいけないことだと思っております。引き続き、関係国と密接に連携しながら、情報収集を行って、現地の情勢をしっかり注視をしていくことが大事であり、一方で、中東における緊張を緩和するための外交努力を継続していくことが重要だと考えております。イランについて敢えて申し上げれば、本年は、「日イラン国交樹立90周年」の節目の年でもございます。6月には、安倍総理が、日本の総理として41年ぶりにイランを訪問の上、最高指導者や大統領に会って、中東の安定化に向けて建設的な役割を果たすよう要請をする等、働きかけも行っているところでございます。一方で、この中東地域、特にホルムズ海峡は、わが国のエネルギー安全保障上、極めて重要な地域でございます。死活的に重要だと言っても差し支えないと思います。従って、この地域の情勢を注視して、総合的に対応の在り方を検討していかなければいけないと思っているところです。

Q:26日夜、自民党の萩生田幹事長代行がインターネット番組の中で、有志連合に関して、「日本はホルムズ海峡問題の当事者である。何をしなければいかないかは、臨時国会が始まった後、早めに結論をださなければいけない」との発言をされました。与党の幹部からこのような発言が出ていることについて、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。

A:萩生田代行の御発言は承知をしておりますが、先ほど私が申し上げた認識と変わらないことを言われたのではないかと思います。つまり、この地域はわが国のエネルギー安全保障上、極めて重要な地域である、ということを言われたのではないかと思います。その上で、今後の対応については、この段階では予断を持ってお答えすることは差し控えますが、関係国としっかり連携をして、国際社会全体の動向もよく踏まえた上で、総合的に適切に判断をしていかなければいけないと考えております。

Q:沖縄県名護市辺野古の米軍基地建設工事で、沖縄県が、国との裁判が終わるまで、埋立て承認を前提とした沖縄防衛局の全ての申請、大きく4件の申請のようですが、この判断を裁判後に先送りすることに決めたという報道があります。これについて、大臣の受け止めと工事の影響についてお願いします。

A:沖縄県の対応について、コメントをすることは控えたいと思います。私どもとしては、1日も早い普天間飛行場の全面返還に向けて、辺野古への移設事業を、一歩ずつ着実に前に進めさせていただきたいと考えております。玉城知事と私も、5回、6回お目にかかっていると思いますが、今後とも、知事を始め、沖縄県側とは対話の機会を設けて、こうした政府の考え方を御説明し、御理解をいただくべく努力を続けてまいりたいと思っております。なお、様々な申請につきましては、これまで環境監視等委員会の指導や助言を踏まえた上で、申請をさせていただいておりますので、是非、適切に審査をしていただきたいと思っております。

Q:イージス・アショアについてですが、県民を対象とした世論調査でイージス・アショアの配備について、賛成が28%、反対が60%という結果が出ました。また、防衛省の説明に対して信用できるが24%、信用できないが70%となりましたが、この結果について大臣の受け止めをお願いします。

A:先般の私どもの調査、説明のミス、不適切な対応については、重ねてお詫びを申し上げたいと思っております。その上で、今後、実施する調査におきましては、防衛省の内部だけではなく、外部の適切な専門家の関与を得る形で進めたいと思っております。調査をしっかり済ませて、説明資料もしっかりと精査した上で、再説明をさせていただきたいと考えております。信頼回復のために全力を尽くしてまいりたいと考えております。

Q:先ほど、知事も記者会見を行いまして、こうした世論調査の結果について、県民の判断は至極真っ当なものであって、今後、防衛省と話をする上では、こうした意見が県や市の意見にもなり得るとお話されましたが、県や市のこういった反対に傾いている姿勢について、防衛省としてはどのようにお考えでしょうか。

A:知事の発言は承知しておりませんので、コメントを控えさせていただきます。しかし、本日も様々なテーマが出ましたが、わが国の総合ミサイル防衛体制をしっかり作り上げていくということは、わが国の防衛上、極めて重要な柱だと思っております。イージス・アショアの導入もその一環として、配備を行いたいと思っております。先般のミスをしっかり反省して、もう一度、他の国有地も含めてしっかりと調査を行った上で、比較検討を行って、その結果を御報告、御説明をさせていただきたいと思っておりますので、そういう考え方であると、是非、御理解を賜りたいと思っております。

Q:米露の中距離核戦力全廃条約が8月に失効しますが、米国は、中国が中距離ミサイルを保有、開発していることを念頭においてかと思いますが、防衛省の見解をお願いします。

A:まもなく、米国がINF全廃条約から脱退するとしていた期限が到来すると承知しております。この条約は、軍備管理・軍縮において歴史的な役割を果たしてきた条約であり、今後、この条約が終了せざるを得ない状況になるということは望ましくないと考えております。もちろん、米国が条約上の義務を停止するに至った問題意識について理解はしているところでございますが、しかし、米露以外の国々がINF全廃条約で廃止が義務付けられている中距離のミサイルを開発、実戦配備している状況が出てきていることも事実でございます。従って、わが国としても今後の動向については、高い関心を持っているところでございまして、今後のミサイル開発に関する国際情勢をしっかり注視していかなければならないと思います。

Q:日本と韓国の当局間では、安全保障上差し障りがあるということで、輸出管理、輸出規制をというかたちになっており、さらに、自治体間の交流が止まるという影響が出ておりますが、防衛当局間の交流、情報交換、連携はどうあるべきだとお考えでしょうか。また、どうしようかという点についてもお聞かせいただけますでしょうか。

A:政府がとった貿易管理上の措置における安全保障上の懸念というのは、日本の技術が第三国に移転をされるおそれがあるという意味での、安全保障上の懸念ということだと思います。一方、以前から申し上げておりますように、朝鮮半島問題を一つ取って見ましても、わが国と米国、韓国、この三国の連携というのは非常に重要だということは現在においても変わりはありません。共に米国の同盟国でありますし、在日米軍、在韓米軍を抱えているわけであり、通常の安全保障上の関係というのはできるだけキープすることが望ましいので、そういう観点から、韓国との防衛協力についても、連携すべきところはしっかり行っていきたいと考えております。

以上