防衛大臣記者会見

日時
令和元年7月2日(火)11:20~11:40
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 7月8日から11日の日程で、第1回プロフェッショナル・エアマンシップ・プログラムを開催します。この事業は、「ビエンチャン・ビジョン」に基づくASEANとの実践的な防衛協力の一つとして、昨年10月の日本とASEANとの防衛担当大臣会合において、私から計画を発表したものでございます。この事業におきましては、ASEANの全加盟国の空軍士官等を招へいして、航空分野の安全保障、国際航空法に関するシンポジウムを開催するほか、航空自衛隊の部隊を訪問してもらうということを予定しております。防衛省としては、この事業の実施によりまして、日本とASEANの空軍種間の信頼醸成の促進、更にインド太平洋地域における「法の支配」の貫徹に貢献し、もって地域の安定に寄与することができるものと考えておりまして、ぜひ成功させたいと思っているところです。

2 質疑応答

Q:トランプ発言についてお伺いします。記者会見で、日米安保条約について、「不公平な合意だ」として、内容を改めるべきだという考えを示しましたが、どう受け止め、また、敢えてお伺いしますが、見直しを検討するべき部分もあるとお考えでしょうか。

A:日米の首脳会談においては、そういう御発言は一切なかったと承知しております。その上で申し上げますと、日米安保条約5条、6条において、それぞれの義務が定められているわけでございまして、わが国は6条に基づきまして、米軍に基地を供用しているということでございます。また、2017年2月の日米共同声明において、日米同盟は、アジア太平洋地域における平和、繁栄及び自由の礎であると確認されておりますし、その後も、機会あるごとに確認をされ続けてきたと考えております。また、わが国は、平和安全法制を整備することにより、これまで以上に役割を拡大しており、また、駐留軍経費についても、米国の同盟国の中では最も高い割合で負担をしているわけでございますから、片務的だという御指摘は当たらないと考えております。

Q:関連で、今後の日米の防衛相会談などで、反論していく、若しくは、理解を求めていくおつもりでしょうか。

A:反論という考え方はございません。総理もトランプ大統領には、就任する前、トランプ大統領を訪ねたときから、お会いする度に日米同盟が重要であること、そして、これがアジア太平洋、インド太平洋の平和の礎になっていること、日本としても役割をしっかり果たしていることを、その度に説明をしてこられていると思います。また、私もこれまでの日米2+2、日米防衛相会談、あるいは、先般のエスパー国防長官代行と行った電話会談等を通じて、協力して日米同盟の強化に取り組むことで一致をしたところでございますので、決して反論するということではなくて、その方針に基づいて、しっかりと同盟関係を充実・強化していきたいと思っています。

Q:この発言によって、日米同盟がどうなるのかといった不安感が日本の中でありますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

A:今申し上げたとおりで、御心配には当たらないと思っております。

Q:大臣は、今、片務的という指摘には当たらないとおっしゃいましたが、トランプ大統領は不公平な条約だと指摘していて、日米で考え方に齟齬があるという理解でよいのでしょうか。

A:そういうことではないと思います。日米首脳会談においても、一切そのようなお話は出なかったと承知しております。日米両国の義務は、決してその中身は同一ではないことは確かですが、全体としてみれば、日米双方の義務のバランスは取られていると考えておりますので、片務的という御指摘は当たらないと思っております。

Q:改めて確認なのですが、見直しの必要はないというお考えかということと、地域情勢、安全保障環境も常に変わっていると思うのですが、その上で、見直しの必要はないとお考えでしょうか。

A:近年の安全保障環境の急激な変化というものに鑑みて、私ども、昨年の暮れに防衛計画の大綱、あるいは、中期防衛力整備計画を見直したところでございますし、それ以前に平和安全法を策定して、これまで以上にわが国の役割を拡大しました。例えば、米艦防護もできるようにした、それから、あくまでもわが国の安全、存立が脅かされる場合に限られますが、限定的、部分的な集団的自衛権も行使できるようにした、ということですから、周辺の安全保障環境に鑑みて、わが国として、憲法の下で成し得る努力はしっかりしてきていると考えておりますので、昨年策定した大綱や中期防の方針に基づいて、わが国自身の防衛力を強化する、日米同盟を強化する、友好国との関係を強化するということに全力を挙げていきたいと思っています。

Q:沖縄のPFOS問題についてお伺いします。在沖海兵隊が2014年から2015年にかけて、米軍普天間飛行場から出た泡消火剤を、沖縄県の産廃処理場に搬入していたというように出ておりますが、県の調査では、処分場周辺でPFOSが高い値で検出されておりまして、事実関係について、教えていただけますでしょうか。

A:その報道については承知をしております。米側が普天間飛行場から搬出したとされる泡消火薬剤にPFOSが含まれているか等について、現在、事実関係を確認しているところでございます。なお、嘉手納飛行場並びに普天間飛行場周辺の河川や地下水から検出されているPFOS等について、沖縄県や沖縄防衛局が行った調査では、発生源が特定されていないと承知をしています。いずれにしても、防衛省としては、沖縄県民の皆様が、このPFOS等の検出に対して、不安を抱いておられるということは、よく承知をしておりますので、その御不安を払拭できるように、米側及び関係省庁と密接に連携していきたいと思っております。また、米側としては、いわゆるそういったものが含まれている消火剤を新たなものに転換していると承知しておりますし、発生源が特定されているわけではありませんが、北谷浄水場の改修には補助金を交付することとさせていただきました。今後とも、この問題についてはしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

Q:事実関係は確認中ということですが、検出されたPFOSが普天間飛行場の泡消火剤に由来している可能性と、処理の仕方が適切だったかどうかについてはお考えいかがでしょうか。

A:繰り返しになりますが、県や防衛局が行った調査では、発生源は特定できていないということでございます。その上で、PFOSを含む、泡消火薬剤の廃棄の方法に関しては、環境省が「PFOS含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」、これは平成23年3月に取りまとめられたものでございますが、こういう留意事項を作っております。したがって、この留意事項、あるいは、廃棄物処理法に基づいて適切に処理されているものと考えておりますが、詳細については、環境省にお問い合わせいただければと思います。

Q:アメリカの報道では、北朝鮮が非核化に応じない中で、アメリカのトランプ政権内で核開発の凍結を求める案が浮上しているという報道がありましたが、これは事実上の核保有の容認とも受け止められますが、日本政府としての受け止めをお願いします。

A:その報道について、私は承知しておりませんが、そういうことはあり得ないのではないかと考えております。今般、トランプ大統領が金委員長と板門店において面会したということは、正直、世間的にも大きな驚きでもあったわけですが、しかし、我々としては、停滞していた米朝プロセスをもう一度前に動かしていくという意味で歓迎し、支持したいと思っております。そこで、協議するためのチームを作ろうということが合意されたということを承知しておりますが、そういう協議の場を通じて、あくまでもCVID、完全な非核化、あらゆる射程のミサイルの廃棄の実現に向かって具体的な協議が進展していくということに期待をしたいと思っております。

Q:地上イージスに関連して、大臣はこれから山口県を訪問されて、山口県の知事と会われると思いますが、改めて、今回地元に対してどういったお話をされたいのでしょうか。

A:本日から明日にかけて、山口県を訪問する予定でございます。山口県庁を訪問して、私からは、まず秋田県あるいは秋田市に御説明した資料の一部に誤りがあったこと、それから、説明会での職員の態度が極めて不適切であったこと、そのことによって山口県の皆様にも御心配をおかけしたことについて、お詫びを申し上げたいと思っております。また、西台の標高について、出典データが国土地理院、グーグルアースと混在をしていたがために、混乱や誤解を招いてしまったということについても、お詫びをさせていただきたいと考えております。また、天候が許せば、むつみ演習場もぜひこの目で見たいと思っております。防衛省としては、秋田県、秋田市に対してはもちろんでございますが、山口県に対しても、しっかりと正確なデータに基づいて、丁寧な説明がもう一度できるように、全力を挙げ、信頼を回復するということが最優先だと考えております。

Q:秋田県の佐竹知事からは、ゼロベースで見直してほしいという発言もありましたが、ゼロベースで見直すということについての、防衛省としての立場と受け止めをお願いします。

A:当初、可及的速やかに配備をすることが必要だということで、自衛隊の施設を中心に検討を行った結果、新屋演習場が適地ではないかという判断をしたわけですが、地元からも他の国有地等についても検討されたいという申し出がございまして、他の国有地についても検討した結果、この段階では新屋が適地であるという判断をしているわけですが、他の国有地の検討について説明する資料に重大なミスがあった、データの誤りがあったということでございますので、そこはしっかりと調べ直して、高度、角度、仰角等についても、現地での調査をしっかり行った上で、もう一度説明に臨みたいと考えております。

Q:新屋が適地であるという前提は変わっていないということでしょうか。

A:前提という言葉が適切かどうかわかりませんが、この段階で判断を変える材料はまだ持ち合わせておりませんが、しっかりと他の国有地についても、もう一度調査をし直すということでございます。新屋演習場で行った調査に基づけば、新屋演習場でイージス・アショアを安全に配備し、運用することが可能であると判断しておりますが、他の国有地の調査結果を説明する資料に誤りがあったということでございますので、そこはもう一度原点に立ち返って、しっかりと調査を行った上で、資料も作り直し説明に臨みたいと思っております。

Q:以前から地元への説明に当たって、体制を一新したいと話をされていますが、整備推進本部を立ち上げましたが、他に何か体制を一新させる具体的なお考えはありますでしょうか。

A:先般、推進本部を立ち上げました。作業はもうスタートしておりますが、原田副大臣、二人の政務官、事務次官をはじめ、防衛省のこれに関連するそれぞれの部署の責任者が一堂に会する本部となっておりますので、体制的にはしっかりしたものが作れていると思っております。もちろんその下には、作業チームがそれぞれぶら下がるわけですが、まずはそこでしっかりと検討を進めるということだと考えております。

以上