防衛大臣記者会見

日時
令和元年6月4日(火) 09:37~09:52
場所
官邸エントランスぶら下がり
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 F-35Aの墜落事故に関する件について、御報告をしたいと思います。4月9日に発生いたしました、航空自衛隊三沢基地所属の戦闘機F-35Aの墜落につきましては、これまでに水中ソナーと水中カメラにより、F―35Aの部品等が散在することが確認された一帯におきまして、事故原因を究明するべく捜索あるいは揚収、引き揚げの活動を徹底的に実施してまいりましたが、6月3日に当該海域の揚収作業を終了したところでございます。その結果、フライト・データ・レコーダーの一部に加えまして、エンジンの一部や主翼の一部を含む、F-35Aの部品や破片を揚収、引き揚げました。しかしながら、フライト・データ・レコーダーについては、飛行データを記録するメモリーは確認されておりません。一方で、F-35Aにつきましては、僚機、一緒に飛んでいた航空機との間で各種情報の共有が可能なデータリンク、マドルを搭載しておりまして、これによって僚機から得られる情報や、地上レーダーの航跡記録、パイロットとの交信記録等について収集が進んでいます。事故原因の究明に当たりましては、揚収物の他にも、これらの情報を基にした分析が進んでおりまして、事故調査は一層進展をしております。

2 質疑応答

Q:現時点での事故原因について、また、F-35A戦闘機の飛行再開の目途については、どのようにお考えでしょうか。

A:事故原因については、今、申し上げたようにマドルのデータ等で分析を進めておりまして、まだ特定できる状況にございません。飛行再開は、飛行の安全が確保されることが大前提になりますので、原因を究明、特定し、そのための対策をしっかりと講じた上で、飛行再開の判断をしたいと思います。

Q:対策とは具体的に何か、お考えのものはありますでしょうか。

A:原因が絞り込まれてこないと、そのための対策もしっかりと立てられませんので、調査をさらに進めて、事故原因を特定してまいりたいと思います。

Q:本日、シャナハン国防長官代行との会談がございますが、どういったことを話し合われて、また、どういった点で合意したいとお考えでしょうか。

A:シャナハン代行とは、これで4度目になる会談ですが、先般のシャングリラ会合でも御一緒でしたし、日米豪、日米韓のトライの会談ももっており、かなりの部分のお話はしてきておりますので、今回は両国の戦略文書の整合性を確認し、これを踏まえた同盟強化の方向性を具体化していくという会談にしたいと思っております。宇宙・サイバー・電磁波といった新しい領域で、どういう協力を具体的に行っていくのかということを、先般の「2+2」での結果を踏まえて、更に突っ込んだ議論をしたいと思います。また、言うまでもありませんが、日米同盟の結束を再確認したいと思っております。

Q:日米韓について、北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射の分析対応を巡り、若干、トランプ氏と総理の意見が食い違うなど、隙間風があるという声もございます。北朝鮮の弾道ミサイル問題について、シャナハン氏とどのような会談をされるおつもりでしょうか。

A:先般の日米韓のトライの会議でも議論をいたしました。もちろん、微妙なニュアンスの違いはありますが、3カ国が共通の認識を持ったのは、国連安保理決議がしっかり履行されなければならないということで、共通の認識を持つに至りましたので、今日は北朝鮮のミサイルの詳細についての議論というよりも、大きな北朝鮮問題、日米あるいは日米韓、更に国際社会とどのように連携をして、問題の解決を図っていくかという議論が中心になろうかと思います。

Q:F-35の関連なのですが、まだ現場に相当な数の部品が散乱されている問題もあります。行方不明者の方がまだ見つかっていません。この状態で捜索を打ち切るという御判断をされたのは、なぜでしょうか。

A:全ての捜索作業を打ち切るわけではございません。最も部品が散在をしていた海域を特定し、徹底的に調査をしましたが、これ以上、そこから事故原因の究明に繋がるような材料は出てこないだろうと判断しました。しかし、更に海域を広げて、今、お話が出たように、隊員がまだ行方不明であるという状況も踏まえまして、水中カメラを使った確認作業は、引き続き、実施をしてまいります。

Q:現時点で、機体の不具合を示すような分析は出ていますでしょうか。

A:現段階では出ておりません。

Q:飛行再開の時期についてなのですが、事故調査報告書がまとまるのは、まだもう少し先になるかと思いますが、大臣としては、どういう環境が整えば飛行再開の判断ができるのでしょうか。

A:正式な事故調査の報告書は、他の事案でも皆そうですが、3カ月とか期間がかかっております。しかし、事故原因を特定することができれば、それに応じた対策を講じることができますので、そのことによって、安全が確保できると判断できれば、飛行再開をしたいと思っております。

Q:先日のシャングリラ会合でシャナハン代行が、かなり中国に批判的な演説をし、対中包囲網を意識したインド太平洋戦略も公表されましたが、今後、日米でどのように協力して対中政策に取り組んでいく考えでしょうか。

A:シャナハン代行のスピーチは、私も目の前で聞いておりましたが、決して攻撃的なものではなかったと思います。自由で開かれたインド太平洋というのは、中国を含め、特定の国に対抗したり、排除したりするものではない、としっかり述べていたと思います。一方で、米中関係は基本的に協力的なものであって、競争的関係にある部分はあるものの、それを紛争と同一視するべきではないということも明確に述べておられました。私もまったくそのとおりだと思い、聞いておりました。

Q:F35の件に戻りますが、事故原因の特定ができれば飛行再開というお話でしたが、まもなく発生から2カ月が経ちますが、大臣の話の中でも事故原因の調査は一層進展していると。その中で今週中、今月中とか、飛行再開の目途、見通しとして、どのくらいの時間軸で、飛行再開できそうとお考えでしょうか。

A:まだそこは確定しておりません。調査分析がしっかり目途が立つことが大事だと思いますが、先ほど申し上げたように、捜索活動と同時に、事故原因の調査活動も平行してやってまいりました。遠からず絞り込みができるのではないかと思っております。

Q:地上イージスの件でお伺いします。昨日、秋田県の佐竹知事が早くても来年に配備の可否についての判断をしたい、という見解を述べられました。今後のスケジュール感、予算にも関わると思いますが、改めて、お聞かせください。

A:定例記者会見で、佐竹秋田県知事、穂積秋田市長が発言された内容については承知しております。防衛省としては、これから調査・検討の結果について、議会、あるいは住民説明会でしっかり丁寧に説明してまいりたいと思っておりまして、地元の皆様から御理解をいただけるように、具体的でわかりやすい説明に心がけてまいりたいと思っております。また、秋田市長からは、防衛省の説明内容について、検証をする時間を確保してほしいという御要望をいただいております。今後のスケジュール感については、秋田市と相談させていただくこととしており、調整を進めていきたいと考えております。

Q:シャングリラ会合に関連して2点お伺いします。1点目は、韓国と非公式ながら防衛相会談を行いましたが、昨日、総理に報告でいらっしゃっていましたが、そこで韓国との防衛相会談についても話は何か出ましたか。

A:昨日は、日露「2+2」について、河野外務大臣と一緒に総理に御報告をさせていただきました。シャングリラは日中も日豪もやりましたし、日米豪、日米韓、かなり多くの会合をこなしてまいりましたので、それらをまとめて御報告をさせていただこうと思っております。

Q:もう一点、シャングリラ会合で、米中の対立というのがあったと思うのですが、トランプ大統領が、ファーウェイの安全保障上のリスクを排除することをしているのですが、日本の防衛産業における情報保全の必要性について、大臣のお考えをお聞かせください。

A:御承知のように、防衛省にとっても情報管理、あるいは情報セキュリティというのは極めて重要な課題でございます。昨年12月に、御承知のように、サプライチェーン・リスクの対応強化を図るという関係省庁の申合わせが行われております。防衛省としては、この申合わせに基づき、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCに講ずべき必要な措置について、助言を求めることができるとなっておりますので、今後の装備品の調達においては、よくこのNISCと相談して対応をしてまいりたいと思っております。言うまでもなく、この申合わせは、特定の企業や製品の参入を妨げるということを目的としたものではございませんが、十分、NISCと相談して、適切に対応していきたいと思っております。

Q:シャングリラでの日韓防衛相会談についてお伺いします。レーダー照射問題については、認識の一致は見られなかったものの、防衛交流について、一歩踏み出したという考えをお話になっております。これは、韓国や国際社会に対して、レーダー照射問題という重大な事案があったにも関わらず、その解決を見ないまま、防衛交流の再開に転じてしまうというメッセージを発してしまったという見方もあるのですが、大臣自身にそういった認識はおありでしょうか。

A:そういうふうには全く思っておりません。日韓の会談は非公式ではありましたが、これまでの日本政府の見解を改めて伝えました。そして、再発防止を強く求めたところでございます。残念ながら、そこは認識の一致に至りませんでしたが、会談終了後、韓国のチョン長官も会見をされて、こういう事案が起こらないようにしていきたいというお話をしていただいたと承知しております。非常に朝鮮半島情勢が流動的な中で、やはり日韓、日米韓の安全保障上の連携は極めて重要であり、益々重要な時期に差し掛かってきていると考えておりますので、その環境整備をすることが、完全ではないにせよ、一歩前に進めることができたと思っております。

以上