日露外務・防衛閣僚協議共同記者発表概要

日時
令和元年5月30日(19:02 ~19:33)日本時間
場所
外務省飯倉公館
備考
日露外務・防衛閣僚協議

1 発表事項

(河野外務大臣)

 本日、午後5時10分から、約1時間45分間、昨年7月以来となる、第4回日露外務防衛閣僚協議を行いました。アジア太平洋地域の安全保障環境は、刻一刻と変化しており、様々な挑戦に直面しております。こうした中、地域の平和と安定に責任を有する日露両国の外務防衛当局の責任者が幅広いテーマについて率直に意見を交わすことは極めて重要であると思います。本日の協議も建設的かつ有益であったと思っております。北朝鮮に関しては、最新の情勢に関して意見交換を行いました。双方は、日露共通の目標であります、北朝鮮の非核化に向け、引き続き連携していくことで一致いたしました。ミサイル訓練や戦闘機配備を始めとする北方領土におけるロシア軍による軍備強化について、わが国の法的立場から受け入れられない旨、申し上げました。地域情勢について議論する中で、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを実現していくため、ロシアとも対話を続けていきたい旨、伝えた上でやり取りを行いました。防衛交流分野での成果については、後程、岩屋防衛大臣から御紹介をいただきます。この後、引き続き、非伝統的脅威への対応を巡る協力や、核軍縮・不拡散、国際地域安全保障の問題について、協議を行います。国際条理における日露協力を更に進めてまいりたいと思います。また、明日、ラブロフ大臣と今月10日に続く、今年4回目の日露外相会談を行います。こうした頻繁な協議の実施は、来月のプーチン大統領訪日の際に予定される、日露首脳会談を実りあるものにしようとする双方の意欲の表れであると思います。引き続き、率直な議論を重ねてあらゆる分野で日露関係を発展させてまいりたいと思います。

(ラブロフ露外務大臣)

 本日は、ロシアと日本の外務及び防衛大臣が参加する、「2+2」の会合の4回目が行われました。非常に率直な意見交換ができ、難しい問題を避けることなく、同時に建設的な形で議論することを目指し、それが実現できたと考えております。かなり詳細な形で、アジア太平洋地域における安全保障情勢に関して意見交換をしました。その中には、「インド太平洋戦略」のような、開かれていない同盟などの枠組みで、どうやってこの地域の安全保障を確保するかということに関して、新しいアイデアについても意見交換しました。このような文脈の中では、アメリカと日本の「軍事同盟」がどのように形成され、発展、強化されているかということに関して話しました。日本国内における米国のグローバル・ミサイル防衛システムの要素の展開計画に関連したものを含む、我々の安全保障に対して形成されるリスクに対する懸念を確認しました。さらに、この地域においては狭いブロック主義的なアプローチではなく、全ての国が参加している集団的なアプローチをベースにして安全保障を強化すること、ある国の安全保障を確保するときには、他の国の安全保障を犠牲にしてはならないという「安全保障の不可分性」の原則の必然性を全員が認めるようにしていくことを支持する我々の立場を確認しました。日露双方の参加者は、アジア太平洋地域における安全保障及び協力の新しいアーキテクチャーに関する問題について、東アジア首脳会議の場やジャカルタのASEAN本部に常駐する政府代表を活用して、作業を継続する必要性を明確に確認しました。これは、今回の会合の前向きな結果だと考えています。
 先ほど、河野外務大臣の方から、「南クリル諸島」におけるロシアの軍事活動に関する懸念が示されましたが、ロシアとしてはこれに対して、ロシア軍は自らの主権を有する領土において活動しており、それは元来、国際法に基づき認められているとの立場を確認しました。さらに朝鮮半島の情勢に関しては、ロシアと日本の立場がかなり近く、双方は、朝鮮半島の完全な非核化を完全に支持しています。朝鮮半島の問題は、米朝間や南北対話、北東アジアに平和と安全保障の一体を形成するための多国間の努力の文脈を通じた、包括的な解決が必要です。同時に、どのような紛争的な状況であっても、恫喝的なアプローチを通じては何らかの成果が得られないのは明らかです。問題の解決のために、お互いに一歩を踏み出し、段階的なアプローチを取ることが必要です。このような文脈の中で、ロシアと中国が共同で提案している問題の解決のためのアプローチに関して日本側に説明しました。
 テロ、麻薬等の非伝統的な挑戦及び脅威との戦いに関する協力について、我々の議題に上がっている問題を協議しました。ロシアと日本、それに加えて国連がアフガニスタンと中央アジアの麻薬取締官の育成のための共同プロジェクトを実現しており、これはかなり成功している事業です。さらに、大量破壊兵器の不拡散、イランの核計画に関する合意の実施に関する状況、その他の地域レベルの問題についても今回の協議の議題に上りました。次回の「2+2」会合はロシアで行うことで一致しまして、具体的な時期に関しては、外交ルートで調整します。

(岩屋防衛大臣)

 本日、日露防衛相会談を行い、そして、日露「2+2」を実施したわけでございます。両会議を通じまして、北朝鮮情勢をはじめとする地域情勢、両国の国防政策、日露防衛交流を中心に活発な意見交換を行ったところでございます。両方の会議の成果をまとめて、簡潔に御報告したいと思います。まず、わが国の防衛政策について、私から、昨年に策定されました防衛計画の大綱について説明し、特に、ロシア側から指摘のございました、イージス・アショアを含むわが国のミサイル防衛システムは、純粋に防御的なものであって、ロシアをはじめとする国々に脅威を与えるものでは決してない、ということを、改めて、説明させていただいたところでございます。その上で、ロシアの防衛政策につきましては、私からも、北方四島の軍備強化に対するわが国の立場を伝えるとともに、日本周辺におけるロシア軍機の活発な活動への懸念を表明し、ロシア側に冷静な対応を求めたところでございます。北朝鮮情勢につきましては、特に、防衛相会談におきまして、私から、今月の北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は、明確な国連安保理決議違反であるという旨を指摘し、北朝鮮の完全な非核化が日露共通の目標である旨の確認をするとともに、本件について、引き続き、日露間で緊密に連携していくことで一致をしたところです。日露の防衛交流に関しましては、防衛相会談において、ショイグ国防大臣と集中的に意見交換をいたしました。先般の湯浅陸上幕僚長の訪露が成功裏に実施されたことを歓迎するとともに、引き続き、ハイレベルの交流、部隊間の交流、安全保障対話を実施し、相互理解、信頼醸成を図っていくということで一致をみたところでございます。また、以下の三点で一致をしました。まず、本年夏にモスクワで開催される国際軍楽祭「スパスカヤ・タワー」に陸上自衛隊中央音楽隊を参加させます。同軍楽祭への自衛隊音楽隊の参加は初めてのことでございまして、両国の交流の幅がこれによって広がることを期待したいと思います。次に、本年6月中旬に、ウラジオストクにおいて、日露捜索救難共同訓練「SAREX」と言っておりますが、これを実施することで一致いたしました。部隊間の信頼醸成につながることを期待したいと思います。そして最後に、本年後半に、ロシア海軍総司令官の訪日を実施することで一致いたしました。これは、18年ぶりとなる海軍種トップの訪日でございまして、海軍種間の相互理解、信頼関係の増進を期待しております。また、ショイグ大臣からは、オリンピック・パラリンピックを控えて、テロ対策に関するロシアの経験と情報を共有する用意があるとのお話をいただきました。感謝を申し上げたいと思います。引き続いて、対話と交流を通じて日露両国の相互理解を更に深め、信頼関係を一層強化していきたいと思います。

(ショイグ露国防大臣)

 今日、伝統的な「2+2」のフォーマットで行われた協議は、実り多いものであったと言えます。グローバル及び地域安全保障の喫緊の局面に関する一連の問題と、日露間の協力の今後の発展について議論しました。議論は開かれた友好的な雰囲気の中で行われ、岩屋大臣との個別会談では、防衛分野における二国間協力の現状と発展の展望について詳細に議論しました。ポジティブな傾向を維持し、首脳レベルの会談で達成された合意を実現する用意があることを確認しました。また、ロシアの参謀総長と日本の統幕長の相互訪問のプラクティスを続けることを提案しました。海軍分野の交流を強化することで一致しました。日露捜索・救難共同訓練のプラクティスを継続していきます。次回の訓練は本年6月にピョートル大帝湾にて実施されます。今年予定されているロシア海軍総司令官の訪日を重視しています。活発に行われている防衛教育・研究分野の専門家代表団の交流を支持します。また、今年8月23日から9月1日にかけてモスクワで開催される第12回国際軍楽祭「スパスカヤ・タワー」に陸自中央音楽隊の派遣が決定されたことを歓迎します。双方の希望により、今年30以上の二国間防衛協力の行事が予定されています。同僚の皆様の協力に感謝します。

以上