防衛大臣記者会見

日時
令和元年5月17日(金)(10:01~10:31)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

冒頭、私から2点御報告がございます。1つは、UNMISSでございます。本日、国家安全保障会議の九大臣会合の審議決定を得た後に、閣議におきまして、南スーダン国際平和協力業務実施計画の変更等が決定されました。これにより、国際連合南スーダン共和国ミッションへの司令部要員自衛官の派遣期間が1年間延長されることになります。防衛省・自衛隊としても、優秀な自衛官を派遣することによって、南スーダン国際平和協力業務への貢献を継続してまいりたいと考えております。2点目は、国連PKO支援部隊早期展開プロジェクト(RDEC)への陸上自衛官の派遣です。これは、国連がケニアにおいて実施する訓練に陸上自衛官を派遣し、ウガンダ国軍の要員に対し、重機の操作や整備の教育を実施するものでございます。平成27年以降、アフリカにおいて計7回の訓練をこれまで行ってまいりまして、約120名の陸上自衛官を派遣しております。また、アフリカ諸国の工兵要員約210名に対して、訓練を実施してきております。防衛省・自衛隊としては、これらの取組を通じ、引き続き「積極的平和主義」を実践してまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:ロシアとの「2+2」についてなのですが、10日に河野外相から今月末に日露「2+2」を開催するというようなお話がありましたが、その中で、ロシアと安全保障分野で今回どのような話をして、どのような一致を目指していきたいとお考えでしょうか。

A:5月10日の日露外相会談後に発表されたように、ショイグ国防相、ラブロフ外相が5月30日から訪日をされ、その際に日露「2+2」を実施する予定でございます。この機会に、日露防衛相会談も是非やりたいと考えております。日露の「2+2」はこれで通算4回目ということになりますが、この会議ではまず、地域情勢についての議論をしたいと思いますし、日露の防衛交流についても議論をしたいと思っております。安全保障分野で、日露間の意思疎通、信頼醸成を進める会議にしたいと考えておりまして、できるだけ率直な意見交換を行いたいと思っています。

Q:ロシアとの関係では、北方領土の返還交渉の中で、ロシア側が歯舞・色丹の2島について、日本側に引き渡した場合に、米軍基地が置かれるのではないかというような懸念も持っていると思うのですけれども、日米の安保協力の関係性が、領土交渉に与える影響について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:今のお話しは、まさに交渉の中身の話になると思いますので、交渉以外の場で申し上げることは、交渉に悪影響を及ぼしかねないということで、控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、日本政府としては、領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針の下、交渉に取り組んでいくことになると思います。

Q:南スーダンの派遣が1年延長されたのですが、改めて、その位置付けについて、大臣から一言いただけますでしょうか。

A:南スーダンは、なかなか政情が安定をしないわけでございまして、まだ国連の活動も続いております。南スーダンは6カ国と国境を接していますが、周辺国間の安定というのはアフリカ全体の平和と安定に資するものになると思っておりますので、私ども、部隊は引き揚げましたけれども、司令部要員は引き続き派遣して、南スーダンの安定、ひいては、アフリカの安定に少しでも貢献したいと考えているところでございます。

Q:ドローン規制法の改正案が、本日参議院本会議で成立する見込みです。今、基地の建設工事が進められている辺野古も含むキャンプ・シュワブの訓練区域なのですけれども、防衛省として、この訓練区域も規制の対象として指定するお考えはありますでしょうか。

A:昨日、参議院内閣委員会において、ドローン規制法の一部改正案が可決されました。今日にも成立する見込みであると承知をしております。これまでの国会審議等においても、取材活動の自由を確保することの重要性について、御指摘を再三いただいております。防衛省としても、取材活動の重要性は理解をしておりますので、この法案が成立した場合には、取材活動や国民の知る権利にも配慮して、適切に運用を図ってまいりたいと考えております。キャンプ・シュワブを含め、個別具体的にどの施設を指定するかということは、今後、米側と協議しつつ、法案が成立した後に、その必要性を踏まえて判断していくことになります。従って、まだ決まっているわけではございません。

Q:訓練水域が指定されると、ドローンを使わない場合は、工事の具体的な作業の様子が分かりにくいということで、報道の自由を阻害するのではないかという指摘がありますが、報道の自由というのは、どのように担保していくのでしょうか。

A:自衛隊を含め、対象防衛関係施設への指定の必要性については、一概に個々の在日米軍施設・区域の平素の用途、それから規模のみから判断することはできないと思っておりまして、米側としっかりと協議をして選定をしていくことになると思います。その際、先程申し上げたように、取材活動の自由にも十分配慮して、運用を行っていきたいと考えているところでございます。

Q:各社報道で、陸自オスプレイ木更津での暫定配備について、今月中にも幹部が地元に協力を要請する方向で調整していると報じられておりますが、この事実関係についてお伺いをしたいのと、関連して、千葉県の森田知事が前向きだと報じられておりますが、その件についての認識をお願いいたします。

A:報道については承知しておりますが、陸上自衛隊のオスプレイについては、御承知のように、現在、米国で訓練を行っており、その後の取扱いについても、今、決定的にお答えできる段階ではございません。また、御指摘の千葉県知事のお考えについては、中身を承知しておりませんので、コメントは控えたいと思います。いずれにしても、防衛省としては、今後、オスプレイの機体の取扱いをどうするかということを、鋭意検討しておりますので、遠からず、方向性を見い出していきたいと思っております。

Q:イージス・アショアの配備の件についてですが、秋田、山口県への配備について、防衛省が最終決定をする方針を固めたという報道がありました。事実関係と地元への説明の見通しについて教えてください。

A:秋田についても、山口についても、御承知のように、各種の調査をしっかりと実施させていただいて、調査結果を取りまとめているところでございます。取りまとめができれば、できるだけ速やかに現地に報告・説明をさせていただきたいと思っております。また、調査の一環として、地盤の強度や地質を把握するためのボーリング調査を実施してきましたが、これについては、既に御報告をしております。中国四国防衛局の職員が山口県、萩市及び阿武町を訪問して報告をさせていただきました。その際、水質調査の結果として、演習場周辺の地下水や湧水には、ボーリング調査による影響はなかったということを説明させていただいているところでございます。先ほど申し上げた調査全般の報告もできるだけ早くさせていただいて、そして、地元の御理解をいただきながら、最終的に配備地を決定させていただきたいと思っております。

Q:最終決定のタイミングはどのようになるのでしょうか。

A:まずは、きちんと調査結果を御報告し、丁寧に御説明するということを行わせていただきたいと思っております。

Q:様々、取りまとめが最終段階ということですが、これまでの調査で配備に決定的に問題があるような状況はないということでよろしいでしょうか。

A:調査結果については、やがて皆様にも御報告の機会があろうかと思いますが、目下のところは、大きな問題はないと聞いておりますが、詳細について、また説明の機会を持たせていただきたいと思いますし、現地には、詳細を含めて、しっかり説明させていただきたいと思っています。

Q:政府として、配備時期の目標はいつを想定されておりますのでしょうか。

A:イージス・アショアについては、契約は既にさせていただきましたが、本体ができるまでに、おおよそ5年近くかかるとされてきたところでございます。現在、米国政府等とシステム本体の製造、その後の性能確認の試験の作業等、できるかぎり速やかに行うべく調整中でございまして、この段階において、何年頃、いつ頃に配備できるかを確定的に申し上げることはできませんが、できるだけ早く配備ができるように、引き続き、努力をしていきたいと思っております。

Q:大臣は、以前の会見で、「23年度までの運用開始ということを明言したことはない」とおっしゃいましたが、政府としてそれまで、23年度を目標として進めてきたと思うのですが、政府としては、公式目標としては23年度というのは事実上、取り下げるということでしょうか。

A:以前申し上げたように、23年の運用開始を目指すということを、防衛省として説明してきたことはないと思います。従って、この段階でいつということは、確定的には申し上げられませんが、できるだけ早く配備できるように、引き続き、努力をしていきたいと思います。

Q:関連して、説明の時期については、大臣は以前、遅れるけれども5月には。とお話をされておりましたが、このスケジュール感は変わっていないということでよろしいでしょうか。

A:できるだけ早くと思っておりますので、その時期に開始できればいいなと思っておりますが、取りまとめ作業を急いでいるところでございます。

Q:改めてですが、イージス・アショアを、地元の反対がある中でも配備しなければならない意義をどのように国民に理解を求めていかれますか。

A:ミサイル防衛というのは、今日の安全保障環境に鑑みて、これからも日本の防衛の一つの大きな柱になっていくと思います。これまでは、イージス艦による防衛、そして地上のPAC-3による防衛ということを考えて進めてきたわけですけれども、やはり、24時間365日の体制を作りあげるためには、およそ日本全空域をカバーできる位置にイージス・アショアを2カ所配備させていただくことで、わが国のミサイル防衛体制というのは、より充実したものになると考えておりますので、是非、これについては、地元の皆様にもご理解をいただいて、配備ができるようにこれからも努力をしていきたいと思っています。

Q:イージス・アショアについては、イージス艦による警戒監視に隙があるという理解でよろしいですか。

A:最終的に8隻体制にする予定ですが、どうしても艦船ということになりますと、1年中海に出ているというわけにまいりませんし、ローテーションを組んでいくのですが、それでもどうしても隙間が生じる可能性があり、また、隊員の負担も非常に重たくなる恐れがあることから、地上配備型のシステムも是非、これまでのミサイル防衛体制に付け加えさせていただきたいという考えでございます。

Q:隙が現在もあるということですか。

A:そういうふうに申し上げているわけではありませんが、しっかりとした体制を維持するためには、隊員の負担等も考えた場合、それが非常に大きくなる可能性があると考えております。

Q:イージス・アショアの迎撃試験については、要否も含め、米側と調整中だと思いますが、その進捗状況は。

A:まだ調整中でございます。

Q:迎撃試験で、目標を捉えるレーダーの試験と実際に撃ち落とす試験の二段階があると思いますが、両方とも検討している。

A:どの程度の性能試験が必要になるのかということも含めて、調整中でございます。

Q:在日米軍基地問題について、米海軍佐世保基地の日本人従業員が地位協定では認められない拳銃を携行したまま公道を移動した、という事案がありました。防衛省として確認されている事実関係と、一連の経緯の中で、再三防衛省としては中止を要請されていたと聞いています。にもかかわらず、止まらなかったことに関するご見解、今後の再発防止にどのように取り組むか、この3点をお願いします。

A:ご指摘の事案は、本年5月1日から9日までの間、佐世保海軍施設におきまして、駐留軍等労働者警備員に拳銃等を携帯させたまま同施設の間を横断する公道を通行させていた、という事案でございます。防衛省としては、外務省とも連携しつつ、米側に対して累次申入れを行ったところ、在日米軍内で、改めて、内部規則を確認した結果、今月10日、米側としてこのような運用を中止するに至ったところです。駐留軍等労働者警備員が、施設及び区域の外において、拳銃等を携帯して警備を行うことについては、地位協定の下で認められていることではございません。また、在日米軍の内部規定でも厳に禁じられているものと承知しております。私どもとしては、今後同様の事案が発生しないように、在日米軍に対して、引き続き、再発防止をしっかり要請してまいりたいと考えております。

Q:事前に情報を把握されて、中止を要請されて、数回にわたり防衛省としては止めるように申入れをされたと聞いております。にもかかわらず、止まらなかったことについては、どのように受け止めておられますか。

A:防衛省としては、4月24日から5月9日までの間に、防衛省の担当部署から在日米軍司令部に対して、このような通行を中止させるよう、累次申入れを行ったところでございまして、外務省からも同様の申入れを行ったものと承知をしております。その結果、今月10日、米側としてこのような運用を中止するということに至ったわけでございまして、できれば、もう少し早く対応してほしかったなという思いはありますが、しっかりこういう運用を中止すると米側から聞いておりますので、今後二度と、このようなことが起こらないようにしてまいりたいと思っております。

Q:再発防止ですが、どういう形で取り組むのでしょうか。今の段階で何かあればお願いします。

A:米軍とやりとりした結果、こういう運用はしないという判断に至ったわけですから、それをしっかり守っていただくということに尽きていると思います。

Q:北朝鮮の弾道ミサイルですが、今月9日の日米韓の3カ国協議で、短距離ミサイルを問題視すべきだと日本側が指摘したことに対して、アメリカ側の同調が得られなかったという報道がありますが、事実関係をお願いします。

A:9日に行われた日米韓防衛実務者協議DTTで、北朝鮮による4日及び9日の事案について、日米韓各国の見方を共有し、防衛当局として警戒を続けていくことを確認したところです。これ以上の詳細のやり取りは控えたいと思いますが、今ご指摘があった、北朝鮮が5月4日に発射した飛翔体に関して、報道にあるようにポンペオ国務長官の発言を取り上げて、短距離なら容認するという誤ったメッセージになりかねない、と我が方が苦言を呈したといった事実はございません。

Q:サイバー攻撃について、安倍総理が本会議で日本のサイバー攻撃のみでも武力行使に当たるケースもあるという認識を示されましたが、大臣も以前、会見で同様の認識を示されましたが、改めて、どのようなケースがこれに当たるのかと、そういった事案の懸念が高まっている現状があるのかお願いします。

A:総理がお答えになったのは、サイバー攻撃であっても、武力行使とみなされる場合があると。武力行使とみなされた場合に、必ずサイバー攻撃に対して、武力で反撃することではなく、そういう場合もあり得るということを答弁されたと思います。私も常に、そういう説明をしております。サイバー攻撃によって重要インフラなどが破壊されて、国民の生命が危険に晒される、権利が根底から覆される事態が発生した場合、武力攻撃とみなすことはあり得ると思います。それを排除するのに、他に手段がない時は、武力をもって反撃することが排除されているわけではないという説明をされたと思います。私どももそのように説明しているところでございます。

Q:そういった懸念が高まっている現状が何かあるということでしょうか。

A:そこまでの事態についての懸念が高まっているということではありませんが、サイバー攻撃については、低いレベルからさらに高いレベルのものも含めて、あらゆるアタックが行われているのも事実ですので、しっかりと警戒を怠らないようにしていきたいと思っております。

Q:アメリカとイランの核合意について、お伺いします。イランのホルムズ海峡の封鎖が行われると指摘されておりますが、自衛隊が機雷の掃海をする検討はされておりますでしょうか。

A:ホルムズ海峡の周辺で、米国とイランの緊張が高まっている現在の状況に関しては、非常に懸念をしているところです。ホルムズ海峡の封鎖の可能性については、予断をもってお答えできる段階にはございません。政府としては、平和安全法制に基づき、現時点で自衛隊を出動させることは、考えておりません。総理もそのようにお答えになった承知しております。この地域は私どもにとって、エネルギーをこの地域に依存しているという意味で、非常に重要な地域でございますので、引き続き、情勢を注視していきたいと思います。

Q:先ほどの日本人警備員の件ですが、銃刀法違反容疑で、地検なり県警に告発するおつもりはありますか。

A:今の段階では、その考えはございません。二度とこのような事案が起こらないようにするということが大事だと考えております。

Q:法的に告発義務はありますよね。公務員ですから。

A:運用の誤りということだと思いますので、警備員個人に対して、そういうことをするかどうかは、よく考えなければいけないと思います。

Q:法律に従わないということですか。

A:そういうことではなくて、米軍も我々の申し入れに対して、内部規則を確認し、この種の運用を中止すると判断をしたところですから、二度とこういう事案が起こらないようにすることが大事だと思います。

Q:未遂ではなく既遂なので、それは言い訳に当たらないと思いますが。

A:そこは担当の部局に確認をしてみますが、個人の判断による行為ではなかったと承知しております。

Q:法的には個人の判断であろうと、米軍の判断であろうと違法行為が行われたことは同じですから、告発義務は生じると思いますが。

A:現段階では、その考えはありません。

Q:なぜですか。

A:こういった運用が行われないようにすることが、大事だと思っております。

Q:でも既遂ですからね。

A:警備員の故意の行為ではなかったと考えております。

Q:故意であろうとなかろうと、犯罪については既遂ですよね。

A:目下、そういう考えはありません。

Q:なぜですか。既遂なのに。

A:その必要はないと私は考えております。

Q:告発義務は果たされないのですか。

A:私はその必要はないと考えています。

Q:法律に従わないということですか。

A:そういうことではありません。

Q:なぜですか。法律に書いてあるじゃないですか。

A:その必要はないと考えます。

Q:違法行為を認めるのですか。

A:そういうことではございませんが、このような事案が起こらないようにすることが大事だと考えております。

Q:それはそうですけど、既遂ですよ。違法行為は既遂じゃないのですか。

A:しかし、何度も申し上げますように、警備員の個人の意思で行った行為ではございませんので。

Q:個人であろうとなかろうと、既遂は既遂ですよ。

A:その考えはありません。

Q:法律に従わないということですね。

A:そういう風には申し上げておりません。

以上