防衛大臣記者会見

(英語版/English

日時
令和元年5月10日(金)(11:38~12:06)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 まず、北朝鮮の飛翔体発射についてでございますが、9日に北朝鮮が何らかの飛翔体を発射して以降、防衛省として、情報の収集・分析に努めてきたところでございますが、政府として、これまでに収集した様々な情報を総合的に勘案した結果、北朝鮮が9日に短距離弾道ミサイルを発射したものとみられます。いずれにしましても、わが国の領域や排他的経済水域への弾道ミサイルの飛来については、確認されておりません。わが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事態ではないと判断しております。その上で、このような弾道ミサイルの発射は、関連する安保理決議に明白に違反するものでありまして、誠に遺憾に思っております。政府としては、引き続き、米国及び韓国とも緊密に連携して、適切に対応してまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:今、短距離弾道ミサイルだったと言及されましたが、国連安保理決議に違反すると思うのですが、その後、国連に持ちかけて会談を開くように、政府から要請するようなお考えはありますでしょうか。

A:そのようなことは、今、決めておりませんが、先程申し上げたように、極めて遺憾なことだと思っております。これから米国、韓国としっかりと連携をし、適切に対応してまいりたいと思っております。

Q:4日に発射された飛翔体についても、弾道ミサイルだったとアメリカ側が日本に伝えたと一部報道がありましたが、いかがでしょうか。

A:これはまだ分析中でございまして、9日のものとは場所も違いますし、更に分析をしなければ、この段階で断定的には申し上げられないと思っております。

Q:発射場所や飛距離、高度等具体的な情報はお持ちでしょうか。

A:色々な情報を私どもは得ておりますが、分析の結果が必ずしも一致していないということもございまして、発射した数だとか、その種類だとか、飛距離についても確定的なことは、この段階で言える状況ではございません。ちなみに、韓国は、飛距離については、2発打ったということで、それぞれ240キロ、420キロということを公表しているということは承知しておりますが、様々な見方がありまして、更に分析をする必要があると思っております。

Q:短距離弾道ミサイルは、昨日、日本政府として、複数打ったということでしょうか。

A:先程、韓国から発表された推定飛距離については、420キロと240キロと申し上げましたが、270キロの間違いでございました。短距離弾道ミサイルと思われるもの、それからロケット砲に近いものだと思われるものがございまして、発射数や弾種については、さらに分析を行う必要があると考えております。

Q:短距離弾道ミサイルというのは、韓国が言っている420キロのものであることは断定しているのでしょうか。

A:韓国の発表、それからその他の見方もございますので、韓国が発表されたものが正確であるとは、この段階では言い難いわけですが、いずれにしても、それだけの距離を飛んでいるということ、それに近い距離を飛んでいるということであれば、短距離弾道ミサイルだと思われます。

Q:ミサイルの種類というのは、色々北朝鮮は持っていると思いますが、例えば、トクサなのか、どういうものだと推定されるでしょうか。

A:それも含めて、今、分析中でございます。もしかすると新しいものかもしれません。

Q:今回の弾道ミサイル発射の意図ですが、北朝鮮が挑発のレベルを上げたのかどうかを含めて、その意図をどう見ていらっしゃいますか。

A:意図については、わが方から断定的にお答えすることは差し控えたいと思います。膠着している米朝会談、米国に対する挑発ではないか等という見方もあるようですが、その意図をわが国が断定的に申し上げられる段階ではないと思います。

Q:安倍総理が日朝首脳会談を模索する中でのこうした挑発的な行為についての受け止めをお願いします。

A:北朝鮮情勢というのは、2回にわたる米朝首脳会談が行われたり、数度にわたる南北首脳会談が行われたり、非核化に向かって歩み始めたと思っているだけに、非常に残念だと思います。特に、今回の事案は、遺憾なことだと思っております。安倍総理は、早い段階から、次は私が金正恩委員長と向き合わなければならないということをおっしゃっておられました。そのお気持ちに変わりはないものと思います。いずれにしても、わが国の目標は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を解決し、そして、国交を正常化することでございました。その平壌宣言の実現に向かって、様々外交的な取組がこれから行われていくということだと思います。

Q:発射事案があった中での、日朝首脳会談というのは行うべきだとお考えでしょうか。もっと慎重にあるべきだとお考えでしょうか。

A:政府全体で、もう少し事態を分析した上で判断していくことではないかと思います。

Q:F-35Aの墜落の関係で、今まで分析した以外のことで、現状を教えていただけますでしょうか。

A:先般も申し上げたとおり、JAMSTECの「かいめい」、米軍を通じてチャーターいたしました「ファン・ゴッホ」については、ソナーや水中カメラにより捜索活動を実施しておりましたけれども、この2つの船の捜索は終了し、航空自衛隊が契約した民間サルベージ企業の船舶による海中の捜索を行っているところです。既に、民間サルベージ企業船舶が2隻、ソナー、水中カメラを使用した海中の捜索活動を実施しておりますが、更に本日から、船舶1隻が捜索に加わる予定でございます。「ファン・ゴッホ」によって確認、引き揚げられたフライト・データ・レコーダーの一部等につきましては、現在、航空自衛隊において保管、調査を行っておりますが、この段階で飛行メモリー、飛行データーを記録しているメモリーについては、あるいは機体そのものについては、まだ確認をされておりません。引き続き、機体の発見、行方不明になっている操縦者の発見に努めていきたいと思います。同時に、事故調査委員会において、調査を進めておりますが、F-35Aという機体は、機体間で各種の情報共有ができるデータリンク「マドル」といわれるものを備えております。その記録が残っております。それから、地上レーダー等の各種記録の収集・分析、隊員からの聞き取り調査なども併せて進めているところでございまして、こういった調査を実施する中で、できるだけ早く事故原因を特定していきたいと考えております。

Q:関連ですが、アメリカ政府監査院が4月末にF-35Aに関する新しい報告書を発表したのですが、その中で、まだ重大な欠陥が17件程度残っているですとか、生命維持装置等に原因が不明のトラブルがあるとの報告がありますので、こういった報告があることへの受け止めと、改めて問題が指摘されているF-35の今後の整備計画に影響を与えるかについて、お伺いできますでしょうか。

A:4月に公表された米国の会計検査院の報告書におきまして、運用能力や飛行の安全性に影響を及ぼすような課題につきまして、F-35A、B、Cの全ての型式全体で、既に指摘されている13件に加えまして、新たに4件が確認をされ、17件になっているという記述がございます。GAOによって、新たに確認された課題の影響や課題の対応状況につきましては、現在、米国政府に確認を行っているところでございます。その上で、あくまでも一般論として申し上げれば、航空機の機体に不具合があった場合、その原因を特定して、適切な対処策を講ずることによって、飛行の安全を確保し、運用を継続することが一般的でございます。私共としては、F-35Aの導入は、諸外国の航空戦力の近代化が著しい中におきまして、わが国の防空態勢に万全を期す点で、極めて重要だと認識しておりますので、こうしたことも、十分考慮の上で、適切に対応していきたいと思っております。

Q:米軍艦載機訓練候補地の馬毛島について、2点伺います。7日付で、地権者から防衛省に対して、売買交渉を打ち切る旨の通告が防衛省にありました。防衛省としての、今後の対応をお聞かせいただくのと、もう1点、今年1月に地権者と交わした合意について、交渉打切りならば合意が無効になるかと思いますが、合意についての認識とその認識する理由についてお聞かせください。

A:防衛省としては、現在、地権者でありますタストン・エアポート社との売買契約の締結に向けて、引き続き、協議を行っていきたいと考えておりまして、この段階では、見通しについてはお答えすることは控えたいと思いますが、1日も早くFCLP施設の確保をしていきたいという考えに変わりはございません。これは安全保障上の重要な課題だと思っておりますので、引き続いて、タストン・エアポート社との売買契約の締結に向けて努力をしていきたいと考えております。
 1月9日にタストン・エアポート社との間で取り交わした文書は、あくまでもそれまで累次にわたって交渉してきた中で、その時点までに合意した内容を確認することが、双方にとって有用であるとの認識を踏まえて取り交わしたものでございますので、やはり、この中身が今後の交渉においても、前提になっていくものと考えております。

Q:地権者側に今後も交渉は継続していきたい旨をお伝えしたのでしょうか。

A:具体的には、これからということになりますが、馬毛島の土地の大半を所有するタストン・エアポート社と、協議を継続し、ぜひ合意を得ていくことが必要だと考えておりますので、そのための努力をしていきたいと思っております。

Q:昨日行われました、日米韓、日韓の実務者協議について、レーダー照射問題について、議題にあげられたのか、またそこで何か進展があったのか、お聞かせください。

A:5月9日、大韓民国国防省におきまして、日米韓3カ国防衛当局による日米韓防衛実務者協議、DTTを開催しました。今回の協議におきましては、北朝鮮を含む地域における、安全保障上の課題について協議するとともに、防衛協力を促進させるための方策について議論をしたところでございます。北朝鮮情勢につきましては、5月4日及び9日の飛翔体発射事案について3カ国で情報共有を深めるとともに、北朝鮮に対して、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全で、検証可能で、かつ、不可逆的な方法での廃棄をはじめ、関連する全ての国連安保理決議を含む国際的な義務を直ちに、かつ、完全に順守するように強く求めたところでございます。また、日米韓3カ国は、「瀬取り」などの、北朝鮮による違法な海洋における活動を抑止・中断・排除するための多国間の取組の中心であり続けることで一致しました。更に、朝鮮半島の非核化の問題を平和的に解決するために、外交的な取組を積極的に支援するとともに、北朝鮮が非核化に向けて具体的な行動をとる必要があることも確認したところでございます。この問題に対処していくに当たっても、日米韓3カ国の連携は極めて重要だと考えております。一層、3カ国での連携を緊密に行ってまいりたいと思います。

Q:レーダー照射問題についてお願いします。

A:レーダー照射事案につきましては、相手国との関係もあることから、ここでお答えするのは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、いずれにしても、日韓の防衛交流を促進していくための協議を行ったところでございます。

Q:今月末からシャングリラ会合があり、ここでの日韓防衛相会談の検討をされているかと思いますが、その状況と、レーダー照射問題について、一定の方向性が見えない中での防衛相会談を行う必要というのはあるとお考えでしょうか。

A:御承知のとおり、5月31日から6月2日まで、シンガポールでシャングリラ会合、アジア安全保障会議が開催されます。私の出席については、現在、調整中でございまして、現時点で個別の会談の実施について決まっているわけではありませんが、日米韓の連携、日韓の連携は非常に、北朝鮮情勢を考えても大事だと考えておりますので、私としては、出席をして、日米韓の会合や日韓の会合ができればいいなと考えておりまして、そういう環境を整備するために、更に努力を続けていきたいと思っております。もし、日韓でお目にかかれるということになれば、日韓の間で様々なフリクションというものが起こらないように、会談をしなければ意味がないということでございますから、そういう考え方で臨んでいきたいと思っております。

Q:トランプ大統領が、シャナハン国防長官代行を国防長官に指名しましたが、その受け止めをお願いいたします。

A:シャナハン氏とは既に2回お目にかかっております。最初は、防衛相会談でしたが、この間は、「2+2」でお目にかかっておりますので、今回のホワイトハウスの発表については、強い関心を持って、見させていただいております。ただ、米国防長官の人事については、御承知のように、上院の承認が必要だと承知しております。この段階で、予断をもってコメントをすることは控えたいと思いますが、折角、個人的な信頼関係を築きつつあるところでございますので、今は正式な決定を待ちたいという思いでございます。

Q:先ほど、日韓にフリクションが起こらないようにとおっしゃいましたが、韓国側は独自に3海里以内で警告を出すといった指針を出しておりますが、そういうものについても、協議をしていくということでしょうか。

A:個別具体のことについては、控えさせていただきたいと思いますが、この間、起こってきたようなやり取りをしなくて済むような環境、状況を是非作りたいと思っておりますので、万般にわたって、そういった問題を解決できるように努めていきたいと思っております。

Q:そういったフリクションが起こらないような状況を作っていきたいということですが、大臣はそういう環境が進みつつある、そういう環境をシャングリラ会合までに整えられる可能性があるとお考えでしょうか。

A:その努力をしているということです。先ほど申し上げたように、日米韓の協議も行わせていただきました。当然、そういった機会を通じて、日韓の意見交換もさせていただいているので、一朝一夕にはいかないかもしれませんが、そういった前向きな、建設的な話合いができるような環境を整備していきたいと考えております。

Q:自衛隊のオスプレイについてですが、木更津での暫定配備についての検討状況を教えてください。

A:陸上自衛隊が導入するオスプレイにつきましては、昨年の8月に佐賀空港への配備について、佐賀県知事から受入れ表明をいただきました。引き続き、有明海漁協との協議が必要であると承知しております。また、協議後に行う施設整備についても、一定期間を要する状況でございますので、一時的な措置として、陸上自衛隊のパイロット及び整備員の養成を、米国で教育訓練を行っているところでございます。他方、教育訓練実施後の取扱いについては、現段階で、木更津駐屯地を含め、国内で暫定配備を行うということを決定したという事実はございません。いずれにしても、引き続き、防衛省でしっかりと検討をしてまいりたいと思っております。

Q:いつ頃までに暫定配備の候補地を決めるお考えでしょうか。

A:この段階で、いつまでにということは申し上げられませんが、米国でパイロット及び整備員の訓練を行っているところでございますので、検討を加速していきたいと思っております。

Q:米国で訓練しているのは最初に入ってきた5機で、それは来年5月頃まで続いていくと思いますが、今年度分も入ってくる機体もありますが、その分も場合によってはアメリカに持っていくこともあるのでしょうか。

A:それも含めて検討中でございます。

以上