防衛大臣記者会見

日時
平成31年4月26日(金)(10:01~10:25)
場所
防衛記者会会見室
備考
岩屋防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 私から、2点ご報告がございます。
 1点目は、国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対し、オーストラリアが、5月上旬以降、在日米軍嘉手納飛行場を拠点として、昨年以降4度目となる航空機による警戒監視活動を行うことになりました。また、オーストラリア海軍のフリゲート「メルボルン」が、5月上旬以降、東シナ海を含む、わが国周辺海域におきまして、昨年以降2度目となる警戒監視活動を行う予定であります。わが国としては、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性確保に取り組んでいく観点から、こうした取組を歓迎しており、引き続き、関係国と緊密に協力を行ってまいりたいと思います。
 2点目ですが、来月2日から4日にかけまして、防衛大臣として約3年半ぶりにベトナムを訪問する予定でございます。ベトナムにおきましては、日越防衛相会談等を実施しまして、近年、重要性を増してきているベトナムとの間で、昨年末の防衛大綱の策定も踏まえて、今後の防衛協力の進め方や地域情勢について、議論を行っていきたいと考えております。今回の訪越を通じまして、引き続き、日越の防衛協力・交流を幅広い分野で進めていきたいと考えております。

2 質疑応答

Q:昨日行われました北朝鮮の金委員長とロシアのプーチン大統領との首脳会談についてお伺いしますが、北朝鮮とアメリカの非核化に向けた交渉が膠着する中、今回、ロシアとの首脳会談が行われましたが、ロシアは北朝鮮の立場に一定の理解を示していますが、今回の首脳会談についての大臣の受け止めをお願いいたします。

A:昨日、ウラジオストクにおいて露朝首脳会談が開催されたと承知しております。わが国とロシアとの間では、従来から、朝鮮半島の非核化を実現するということに関しては、認識を共有していると思っております。まだ、首脳会談の詳細について、分かっていないところもありますので、引き続き、重大な関心を持って情報の収集・分析に努めていきたいと思っております。我々の立場に変更はございません。やはり、CVIDと言われる完全な非核化が達成できなければ、制裁を緩和するというのは時期尚早であるとの考え方でございますが、いずれにしても、わが国としては、引き続き、朝鮮半島の非核化に向けまして、日米、日米韓、ロシア、中国といった関係国と協力していきたいと思っております。

Q:北朝鮮の非核化を巡っては、具体的な進展が見られない中で、日本を射程に収めるミサイルが配備されているという状況には変化はありませんが、日本の国防を担う防衛大臣として、この現状をどう理解していますか。

A:引き続き、わが国を射程に含む数百発の弾道ミサイルが実戦配備されているという事実に、この段階で変わりはございませんので、しっかりとしたミサイル防衛態勢の構築をしていく必要があると考えております。今後の北朝鮮を巡る協議の中では、核の問題、ミサイルの問題、さらには拉致の問題、このような問題を解決すべく、しっかりと協議をしていかなければならないのですが、防衛当局としては、引き続き、ミサイルの脅威に、しっかりと対応できる態勢を構築していきたいと思っております。

Q:F-35Aの墜落事案について、その後の捜索状況、また事故原因の究明などについて、最新情報があればお願いします。

A:4月9日以降、パイロット及び機体の捜索に全力を挙げてきておりますが、残念ながら、今日の段階で、パイロットも含めて、機体の発見等には至っておりません。また、昨日からは、先般お知らせしたJAMSTECの保有する「かいめい」という海底広域研究船が、予定より早めに到着をして、直ちに、海中の捜索活動を開始してくれております。さらに、4月24日に「ファン・ゴッホ」という、米側を経由して依頼をしている船が沖縄から現場海域周辺に向かっております。到着次第、ソナー等を使った活動を開始してもらいたいと思っており、引き続き、防衛省として、パイロット並びに機体の発見に全力を挙げていきたいと思っておりますし、それと同時に、航空幕僚監部に設置をした事故調査委員会での作業をしっかりと進めてまいりたいと思っております。

Q:ベトナムへの訪問に関しまして、先程、防衛協力の進め方について議論したいとのお話でしたが、インド太平洋という側面からも非常に重要な国と位置付けているかと思うのですが、もう少し具体的に、こういう成果を得たいというものがあれば、教えていただけますでしょうか。

A:ベトナムとの交流というのは、年々進んできておりまして、今度お会いするリック国防大臣とお会いするのは、シンガポールでのADMMプラスのときに、お目にかかっておりますので、2度目になりますが、広範な戦略的パートナーシップの下に、防衛協力・交流に関しましても、艦艇・航空機の寄港、能力構築支援、陸・海・空全軍種における幅広い分野での防衛協力・交流を一層進めてまいりたいと考えておりますし、地域の安全保障環境についても、率直に意見交換をしていきたいと思っております。また、まだ調整中ですが、可能であればベトナムの部隊も一つ二つ、是非、拝見したいと考えております。

Q:ベトナム訪問についてお伺いします。ベトナムは南シナ海問題を巡って、中国と領有権を争っていたかと思いますが、日本政府として、この領有権問題について、どのような見解をお持ちなのか、というのを改めてお伺いしたいのと、先程も若干触れましたが、リック国防大臣と、会談でこの領有権問題、南シナ海問題についてどういう議論をしたいか、大臣のお考えをお聞かせください。

A:個々の事例・事案については、ベトナム・中国間の問題だろうと思いますが、東シナ海、南シナ海における中国の一連の活動は、わが国のみならず国際社会、地域社会において、大きな懸念になっていることは事実だと思います。そうしたことについて、率直に意見交換をして、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを実現していくために、日本とベトナムの間でどういう協力が可能であるかということについて、議論を深めていきたいと思っております。

Q:北朝鮮情勢に関してなのですが、この間ずっと、ロシア、中国の協力を求めてきたのですが、昨日も「瀬取り」の事案が公表になって、それは中国船籍とおぼしき地名も書かれているということですが、この間の中国、ロシアの北朝鮮のCVIDに向けての協力や役割がどのように変化してきているのか、あるいはまた、この間の協力関係についてどのように評価していらっしゃるのか、教えてください。

A:今、国際社会が協力して、安保理決議の完全な履行を求めるために、「瀬取り」対策等を行っているわけです。是非、中国、ロシアにも協力をしてもらいたいと思っているところです。また、まだ首脳会談の詳細は明らかではありませんが、段階的非核化にプーチン大統領が理解を示されたやに報道されておりますが、やはり、しっかりと完全な非核化に向けての道筋が見えてこなければいけないのではないかと考えておりまして、まだ核関連施設のリストすら公表されていないということですので、しっかりと完全な非核化に向けて、北朝鮮が具体的な行動をとっていくことが、先になければいけないと私どもは感じております。いずれにしても、日米韓、あるいは中国、ロシアができるだけ認識を共有していくことが必要だと思っておりますので、その働きかけ、呼びかけも、わが国としてしっかり行っていく必要があると考えております。

Q:昨日の露朝首脳会談でプーチン大統領が6カ国協議に関しての提案をしたということで、6カ国協議についてはどのようにお考えでしょうか。

A:詳細は承知をしていないわけでございますが、いずれにしても、日米韓、中国、ロシア、それに北朝鮮を入れれば6カ国ということになるわけでして、そういう枠組みをもう一度作るかどうか、ということは別にして、関係国がしっかり力を合わせるということが必要だと思っております。

Q:アメリカ海軍が、未確認飛行物体、いわゆるUFOを目撃した際の報告手順についての指針の作成に着手した、とアメリカのCNNテレビが報じていますが、日本でもそうしたものを考えているのでしょうか。

A:私も報道で見ました。詳細を知りませんが、調べてみて勉強したいと思います。

Q:ドローンも含めてだと思いますが、未確認飛行物体が日本の上空を飛んでいるといった、パイロットからの未確認飛行物体が飛んでいるという報告が上がってきたり、最近増えているのでしょうか。

A:聞いたことはないとのことです。

Q:F-35の墜落に関して、三沢基地は12機のF-35Aが飛行中止の状況だと思いますが、飛行再開のメドはあるのでしょうか。

A:飛行の安全が確保できるということが判断されることが、飛行再開の前提になると思っております。従って、先程申し上げたように、パイロットや機体の捜索に全力を挙げているところでありますが、事故調査委員会では、これまでに得られた情報に基づいて、分析を行っているところでございます。そういった作業を通じて、飛行再開をしても大丈夫だ、という判断ができれば、飛行を再開したいと思っております。今、そういう段階ではないということです。

Q:中間報告なり、成果物が必ずしも飛行再開の条件にはならないという理解でよろしいでしょうか。中間報告なり、報告なりが出てから飛行再開なのか、あるいは、見通しが立てば文書が出る前でも飛行再開はあり得るのでしょうか。

A:そういった手順を決めているというわけではありません。まずは、捜索並びにこれまで得られたデータに基づく分析を全力で行っているところでありますので、その後のスケジュールについて、具体的に決まっているということではありません。

Q:一方で、報告が出るまでに4カ月という期限はありますけれども、その間、飛行再開をしないというのは、練度が相当程度落ちる懸念があると思いますが、この点についてどうお考えでしょうか。

A:おっしゃるとおり、パイロットの練度という問題もございますので、できれば早く原因を究明して、飛行の安全が確保できるという判断ができれば、飛行再開をしたいと考えておりますが、今、そうした判断ができる状況には至っておりませんので、まずは、目の前の作業に全力を挙げたいと思っています。

Q:先日、「2+2」で合意された、準天頂衛星に搭載する米国のSSAセンサーの関係で、米国防総省が基本的に運用すると思いますが、その得られた情報というのは、防衛省や日本政府も共有することになるのでしょうか。

A:細部については、まだ決めているわけではありません。わが国の衛星に同盟国である米国の宇宙状況監視のためのセンサーを取り付けるということでございますから、情報は共有していくということになろうかと思いますが、まだ、しっかりと決めているわけではありません。

Q:サイバー攻撃に関してですが、昨日、大臣は、委員会の中で、サイバー攻撃に対する物理的手段での対処を講じることも排除できないというような答弁をされましたが、具体的にどのようなサイバー攻撃が日本に対して武力攻撃だとお考えでしょうか。

A:これは、国会でもお答えをしておりますが、物理的手段による攻撃と同様の極めて深刻な被害が発生し、これが相手方により組織的・計画的に行われている場合であれば、相手というのも、国や国に準じる組織であろうという判断ができるという状況にあれば、これは武力攻撃に当たり得ると考えております。それに加えてお答えをしたのは、武力攻撃と判断されるサイバー攻撃を排除するのに、サイバーによる反撃だけでは不可能であって、物理的手段を用いなければできないということがあれば、それは物理的手段による排除ということも、まさに可能性として排除されないということを述べたのであって、武力攻撃とみなされるサイバー攻撃に対して、常に物理的手段による攻撃というのを考えているわけではありません。それしか方法がないという場合には、可能性としては排除されないということをお答えしたところでございます。

Q:どういう場合のサイバー攻撃が武力攻撃に当たるかということをイメージしづらいところもあるのですが、アメリカは例えば原発だとか、ダムだとか、米軍の機密情報がサイバー攻撃された場合は、武力攻撃に当たり得ると思っているようですが、防衛省・自衛隊として、これに準じることも検討はされているのでしょうか。

A:どういう事態が、武力攻撃とみなせるサイバー攻撃に当たるかということについて、予め定型的にお答えすることは非常に難しいのですが、例えば、米国において、原発のメルトダウンを引き起こすようなサイバー攻撃、あるいは、人口密集地域の上のダムを決壊させるようなサイバー攻撃、あるいは、航空管制システムの不具合をもたらして、航空機の墜落につながりかねないというサイバー攻撃等は、そういう武力攻撃に当たり得るということを、米国は示していると承知しておりますが、こういうことも参考にしていきたいと思っております。この段階で、我々が確たる基準を持っている、お示しすることではありませんが、米国の考え方というのも参考にしていきたいと思います。

Q:参考にしていきたいというのは、今後、新しい分野もありますが、防衛省・自衛隊の中で、これに準じる形というか、参考にしながら基準を検討したいというお考えですか。

A:米国もこういう事例を挙げておりますが、これだけに限るということを言っているわけではないと思います。したがって、我々が今、予測し得ないような事例も、もしかしたら起こり得るかもしれませんので、そういう事例を作って、あるいは、基準を作って示そうという考えは、今はございませんが、これから、サイバー攻撃、あるいは、サイバー防衛というものを考えていくにおいて、こういった米側の考え方を参考にしていきたいという意味でございます。

Q:サイバー攻撃に関して、被害を被って、これに対するサイバー反撃ではなかなかこれを排除することができない場合、物理的攻撃の可能性もあるとおっしゃいました。例えばそれは、敵基地攻撃をしなければならないような事態であるとすれば、日本で今、そういう装備がないわけですが、そのときはアメリカがその役割を担うということで、アメリカ側には確認は取れているのでしょうか。

A:もし、武力行使の三要件に該当するような武力行使があった場合は、当然我々は自衛権を発動するわけでございます。同時に日米安保もワークするということになりますので、そこは役割分担の上で、そういう攻撃に対処していくことになろうかと思います。

Q:従来の5条の役割分担の中で、同じような整理をしていけばいいということでしょうか。

A:そう考えております。

Q:日本としては、そういう事態を想定しているのでしょうか。サイバー分野での反撃能力を高めていくというのはもちろんですが、例えばそれは、敵基地攻撃能力というものを整備していかなければならないとか、そういった考えで検討しているという可能性もあるのでしょうか。

A:これは、大綱・中期防を作ったときにも申し上げていますが、日米の役割分担を今、変えようという考え方はございません。あくまでも我々としては、敵基地を攻撃するという能力を保有していこうという考えはございません。

以上