日米安全保障協議委員会共同記者会見

日時
平成31年4月19日(22:58~23:35)日本時間
場所
米国国務省
備考
日米安全保障協議委員会「2+2」後

※ポンペオ国務長官及びシャナハン国防長官代行の発言、河野外務大臣の一部英語による発言、並びに英語の質問については、通訳者の発言を適宜記載しています。

1 発表事項

(ポンペオ米国務長官)

 皆さんおはようございます。河野大臣、岩屋大臣には、この緊密な同盟間の重要な会議のためワシントンDCにお越しいただき、感謝申し上げます。もちろんシャナハン長官代行にもそれほど遠い場所からではありませんがお越しいただき、ありがとうございます。
 日米同盟は、真に素晴らしいものです。我々両国民が何世代にもわたり構築し強化てきた同盟であり、両国が直面するあらゆる課題に対処できるものです。トランプ大統領はこの同盟を維持し、強化することを意図しており、トランプ大統領及び安倍総理の緊密な関係が、今朝の四閣僚間の会合における強固な基盤となっています。
 今回の会合では、日米同盟は強固であり、ますます複雑化していることを確認しました。我々は日米両国の人々の自由を守り、共通価値を今後も推進していきます。
 我々のリストの最上位にあるのは、共通の外交目標である、北朝鮮の最終的かつ完全に検証された(final、 fully verified)非核化です。国際社会と協力し、関連する国連安保理決議に従って、北朝鮮が全ての大量破壊兵器、弾道ミサイル、関連プログラム及び施設を放棄するよう圧力をかけ続けていくとともに、今後も制裁を続け、他国にも同様の対応を取ることを奨励していきます。
 しかし、平和と安全に向けた我々の取組は北朝鮮にとどまりません。トランプ大統領は政権発足初期において、真にアジアに回帰し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けたアメリカの意図を表明しました。日米両国の最新の防衛戦略は、明確にこのインド太平洋のビジョンを共有し、より広範でより戦略的な同盟をはっきりと示しています。
 私(ポンペオ長官)とシャナハン国防長官代行は、国際的なルール、規範及び制度を損なおうとする地政学的競争及び威圧的試み、特に中国によるそれが、同盟及びインド太平洋地域の平和、安定及び繁栄に対する挑戦であることへの懸念を、日本と共有しました。
 日米両国は、あらゆる種類の脅威に対処するためには、同盟国やパートナーこくとの緊密なネットワークが必要であることに合意しました。日米両国は、韓国、オーストラリア、インド、東南アジア諸国等の地域のパートナー国との三か国間または多国間の協力を引き続き進めていきます。
 さらに、二国間の懸案事項については、尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動に引き続き反対し、そして日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されることを再確認しました。
 また、東シナ海及び南シナ海における軍事化及び状況を不安定化させる試みに反対します。全ての当事者に対して、脅しや武力を行使せず、法的プロセス及び外交努力を完全に尊重し、紛争を平和的に解決することを促します。全ての当事者は海洋法条約を遵守しなければなりません。
 日米両国は、地元への負担を軽減しつつ、即応性及び抑止力を強化する方法での米軍再編にコミットしています。この地域の米軍は引き続き強固であり、また、明瞭な脅威分析に基づいたものであり続けます。
 また、防衛力を強化するための日本の積極的な取組を歓迎します。この点は、シャナハン長官代行に追って触れていただくこととします。
 米国と日本はサイバー空間においても国際法が適用され、一定の場合には日米安保条約第5条に基づく武力攻撃に当たる可能性があることを確認しました。機密情報を防護し、技術的優位を維持し、窃盗及び搾取から経済的優位性を守るための協力についても強調しました。
 そして最後に、普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に建設する計画が、運用上、政治上、財政上及び戦略上の懸念に対処し、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを再確認しました。この計画を可能な限り早期に完了するという強い決意を理解しています。
 このように、今朝は、多くの幅広い議題について議論することができました。それは、素晴らしい民主主義国が強固な協力を続けていることを意味し、好ましいことです。国務長官として、敬意と民主主義をはじめとする共通の理念、そして共通の利益に基づくこの重要なパートナーシップにおいて、米国民の代表を務められることを誇りに思います。

(河野外務大臣)

 本日「2+2」は、日米の今後の外交防衛の方向性を決めていく上で極めて重要な時期に開催されました。ポンペオ長官、シャナハン国防長官代行に感謝申し上げたいと思います。
 昨年末、我が国は、複雑さを増す安全保障環境を踏まえ、新たな「防衛計画の大綱」を策定いたしました。そして本年2月末に行われた第2回目の米朝首脳会談を踏まえた、北朝鮮情勢への対応について日米ですり合わせる上で今回、非常に重要な時期でもありました。このような中、来週には、安倍総理が訪米し、来月にはトランプ大統領が新たな天皇陛下の御即位後、初めての国賓として訪日される予定であります。
 このような重要な時期に、日米の外務・防衛担当の四閣僚が一堂に会し、今後の日米同盟の在り方、抑止力・対処力強化の方向性を確認できたことは非常に意義深いと思います。
 本日の会合では、大きく以下の三点の成果がございました。
 第一は、「自由で開かれたインド太平洋」。日米同盟は、今やインド太平洋地域全体の平和、安全及び繁栄の礎であります。そのような基本認識の下、今後、日米両国が一緒になって、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に取り組むことで一致をいたしました。日米両国は、パートナー国との共同訓練や能力構築といった取組を通じ、共同で地域におけるプレゼンスを増やしてまいります。
 第二に、クロス・ドメインの協力があります。日本の新たな「防衛大綱」を含む日米両国の戦略文書の策定を踏まえ、宇宙・サイバーという新たな領域を含む、クロス・ドメインの協力を強化し、同盟を更に強化していくことで一致いたしました。
 第三に、北朝鮮の問題に関して、安保理決議に従い、全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDを実現すべく取り組むことで一致するとともに、「瀬取り」対処を含む安保理決議の完全な履行に関し、日米で引き続き協力していくことを確認いたしました。また、地域における米軍の態勢が強固であり続けることを再確認するとともに、地域における抑止力や安全保障の確保について対話を深めることで一致いたしました。また、今後も日米、日米韓で緊密に連携していくことで一致した。更に北朝鮮に対し、日本人拉致問題を即時に解決することを求めるについても一致した。
 米軍再編も重要な課題であります。日米同盟の抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元の負担軽減を図る観点から、日米両政府は、在日米軍再編を着実に推進してまいります。
 特に、普天間飛行場代替施設(FRF)の建設にかかる意義のある進展を歓迎しつつ、普天間飛行場の固定化を避けるためには、辺野古への移設が唯一の解決策であることを改めて確認いたしました。
 また、私(河野大臣)からは、こうした米軍再編を着実に実施しながら、事故・事件の防止や、米軍の運用及び地位協定をめぐる課題について、一つ一つ前に進めることを含め、地域住民の負担を軽減していくことが重要である旨をお伝いたしました。
 このように本日の「2+2」は大きな成果がありました。この成果を我々は日米の両首脳に報告し、来る総理の訪米、トランプ大統領の日本への国賓訪問の成功につなげてまいりたいと思います。日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する取組を進め、これからの日米同盟を一層強固なものとしてまいりたいと思います。

(シャナハン米国防長官)

 河野大臣、ありがとうございます。ポンペオ国務長官にも感謝したいと思います。本日の実りある議論を実現させたリーダーシップとパートナーシップに敬意を表します。河野大臣、岩屋大臣におかれましては、遠い日本からワシントンDCにお越しいただきありがとうございます。日米関係の強さにより、我々は難しい問題を解決し、機会を生み出すことができます。本日の会議は改めて、自由で開かれたインド・太平洋へのコミットメントを示すものとなりました。
 地域の礎である日米同盟の強さについて考えるとき、複雑さを増す安全保障環境における課題への共通認識と、日米両国で対処するできる能力に立ち戻ることになります。日本の新防衛大綱と米国の国家防衛戦略ほどに、明確なシナジーを示すものはないと考えます。この調和は単なる紙面上のものではなく、実際の世界での相互補完的な戦略的ビジョンの統合に現れています。今朝の会談では、この統合の取組が焦点であり、本日午後に岩屋大臣と行う会談でも焦点となることでしょう。
 このような統合は、足し算ではなく、掛け算であると理解しており、我々の同盟を前に進める協力と能力を倍増可能なものであると考えています。これは、我々が直面する地域における北朝鮮及び中国からの多様な課題を考えたとき、極めて重要です。特に、中国はますます威圧的な振る舞いを用いて、ルールに基づく国際秩序を損なう行動を取っています。本日は、どのように地理的優位性を生かし、相互の目的を統合させ、このような課題に対応できるか議論しました。それは、前方での抑止力として地域における在日米軍の即応性と戦闘可能な能力を維持するところから、そして現地コミュニティへの影響を最小限に抑えながら、即応性を向上させる米軍再編を進めるところから始まります。これはポンペオ国務長官と河野大臣が既に述べたとおりです。さらに、合同演習やプレゼンス・オペレーション、パートナー諸国への寄港、海洋状況認識や海洋法執行能力に関する能力構築の取組等を通じて、二国間及び多国間の協力を今後も継続し拡大していくことも含んでいます。
 ポンペオ国務長官が強調したように、我々は北朝鮮の最終的かつ完全に検証された(final、 fully verified)非核化という目標にコミットしています。違法な瀬取り対策という安保理決議の履行における日本の大きな貢献に感謝申し上げます。
 しかし、未来を考えたとき、境界を越える新たな領域については、地理的な枠にとらわれて物事を考え続けるわけにはいきません。サイバー、宇宙といった新たな領域は地理的な制限に縛られないものです。米国では皆、20兆ドルの経済を動かすことから軍事オペレーションを可能にすることまで、あらゆるものがこれらの空間に依存しています。宇宙と同様、サイバーは多くの可能性を提示しているが、多くの脆弱性もあります。我々の将来を確保するため、サイバーと宇宙は非常に重要であり、中国とロシアといった競争相手がそれらを阻害し、軍事化しようとしている中、それを見て見ぬふりすることはありません。このような領域において、日米同盟には協力の可能性が示されています。我々は適応し、統合を進め、より早く能力を配備ができるよう協力を進めるということで一致しています。
 この分野の協力を進めるにあたり、我々はあらゆる領域における能力を構築しています。米国は日米の相互運用性を高める、日本によるF-35、イージス・アショア、V-22オスプレイ等の米国のシステムの継続した導入を歓迎するとともに、感謝しています。効果をより高めるためには、シナジーは政府に限定されるべきではありません。成功のためには、産業基盤の更なる統合と、重要インフラの防護も必要となります。情報保護は防衛協力における核心をなすものです。大きなリスクを有する5G企業から日本の通信会社のネットワークインフラを守るための、政府調達における制限と、サイバーセキュリティ基準の遵守を通じた日本の取組を認識し、感謝いたします。将来を見据え、整合性と国のネットワーク及び重要インフラを守るためには、政府全体又は政府間だけではなく、社会全体の協力が求められる。油断は許されません。河野大臣、岩屋大臣、本日の複雑な議題に関し、貴重な洞察を頂いたことに感謝します。パートナーシップと卓越したリーダーシップに感謝いたします。午後、国防省での岩屋大臣とのバイ会談も楽しみにしております。

(岩屋防衛大臣)

 シャナハン長官代行、ありがとうございます。初めに、先週の自衛隊のF-35Aの墜落事故に関しまして、米軍による迅速な支援に感謝を申し上げたいと思います。お互いの困難に際して、助け合うことのできる関係であることを、大変誇りに思うところです。
 昨年12月の防衛計画の大綱の策定によりまして、日米双方の安全保障の方向性を定める戦略文書が出揃いました。両国で一致した方向性の下に、日米同盟を一層強化させていく、またとない好機を迎えていると思います。こうした中で、本日、日米の外交・防衛の責任者たる四閣僚が一堂に会し、日米同盟の在り方や抑止力・対処力強化の方策等について意義のある議論を行うことができました。本会合の成功を導いたシャナハン長官代行及びポンペオ長官のリーダーシップに心から感謝申し上げたいと思います。
 会合では、日米同盟が地域の平和と安定、繁栄の礎であることを改めて確認をし、また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて取り組むことを確認いたしました。一方、日米同盟は厳しい国際情勢に直面をしておりまして、同盟がその役割を果たすためには、日米のより結束した対応が必要になっております。
 地域の安全保障に関しましては、東シナ海・南シナ海の現状に対する懸念を四閣僚で共有することができました。日米で協力し、地域の平和と安定を確保していく考えであります。
 また、北朝鮮問題について、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での廃棄を実現すべく取り組むことでも一致をいたしました。「瀬取り」への対処を含む国連安保理決議の完全な履行に関して、日米が基軸となって関係国と協力をしていく考えであります。
 日米同盟の基礎である安全保障そして防衛協力の分野では、領域横断作戦のための協力において、宇宙関連能力に係る協力を深めることを確認し、宇宙状況監視能力向上のための協力を促進していくことで一致をいたしました。
 また、サイバー分野における協力を強化していくことで一致し、サイバー攻撃が日米安保条約第5条にいう武力攻撃に当たる場合がありうるということを確認したところでございます。
 このほか、高性能の装備品の日本への導入やFMS調達の合理化を更に進めるために協力することで一致するとともに、情報保全の重要性を確認しました。さらに、運用面における協力をより一層深化させることでも一致をしました。在日米軍は、同盟の中核的役割を担っております。
 このため、在日米軍の再編を着実に進め、米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元の負担を軽減していくとの考えを、四閣僚で共有いたしました。特に、普天間代替施設の建設につきましては、私から、工事の進捗状況を説明し、その意義のある進展について四閣僚で歓迎しつつ、辺野古への移設が普天間飛行場の固定化を避けるための唯一の解決策であるということを改めて確認したところであります。また、河野大臣に加え、私からも事件・事故の防止を要請するとともに、外来機の騒音を含め、米軍の運用が地元に与える影響が最小限になるように米側に要請をいたしました。
 かつてないほど強固になっている日米同盟を、より一層強固なものにし、日米両国の力を結集すれば、あらゆる脅威を抑止することができ、また、あらゆる事態に対処することが可能となる。本日の成果を踏まえ、日米同盟の一層の強化に取り組んでまいりたいと思います。改めて、シャナハン長官代行、そして、ポンペオ長官に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

2 質疑応答

Q:ポンペオ長官に質問です。北朝鮮国営メディアが長官について言葉を選んで報じていますが、これに対してどうお考えですか。その発言の背景に何があるとお考えでしょうか。北朝鮮がポンペオ長官に担当から外れてほしい、又はトランプ大統領とのみ直接交渉したい等と望めば、長官が交渉から外れることはあるのでしょうか。また、北朝鮮について河野外務大臣にも質問させてください。大臣は先ほど拉致問題に言及されましたが、ハノイでの米朝首脳会談の結果も踏まえ、今後の日朝の合意について、現時点でどの程度楽観的に捉えられているかお聞かせください。
 そして岩屋防衛大臣、F-35について言及されましたが、それについてもう少し詳細にコメントを頂ければと思います。また、シャナハン長官代行、潜水艦等を含め、探索についてどのような計画をお持ちでしょうか。加えて、中国やロシアがF-35から技術を盗む可能性について、懸念があるか伺いたいと思います。

A(ポンペオ国務長官):最初の私への質問ですが、方針に変化はありません。交渉を継続していくということです。私も引き続き担当ですし、もちろんトランプ大統領が全体の責任者ではありますが、私のチームとビーガン特別代表が、昨年6月に金委員長がトランプ大統領との間でコミットした内容を実現させ、そして非核化を実現するよう、米国の取組を今後も主導していきます。金委員長は何度もトランプ大統領にこのコミットメントについて述べており、私(ポンペオ長官)も引き続きその目標を達成できる機会があると考えており、米政府の外交チームとして取組を続けていきます。

A(河野外務大臣):我々は、トランプ大統領が金委員長との間で、ハノイにおける米朝首脳会談で拉致問題を取り上げたことに感謝しています。この問題は日本と北朝鮮の問題であり、いずれ機会があれば、安倍首相が金委員長と会談し、この問題を話すことができるであろうと思います。日本は、ミサイル、核問題、拉致問題といった諸懸念が解決(taken care of)されれば、北朝鮮との国交を正常化する用意があり、その立場は変わっておりません。現時点で日朝の首脳会談の予定(no set schedule)は立っておりませんが、この問題についても引き続き米国と協力していきたいと思います。

A(岩屋防衛大臣):私にはですね、F-35の事故について、お尋ねがございました。事故が発生して以来、海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁、そして米軍の艦艇及び航空機のご参加をいただいて、今日もなお捜索を続けております。非常に大事な機体でございますので、ぜひ機体のある場所を特定して、最終的にはサルベージをしたい、引き揚げたいと思っておりますが、この捜索についても、今後の調査につきましても、もちろんわが国が主体で行いますけれども、米国、米軍の協力が不可欠でございますので、ご支援をいただきながら、しっかりと事故原因を究明していきたいと考えております。

A(シャナハン国防長官代行):岩屋大臣のコメントに同意すします。米国は全面的に日本の調査に協力する用意があります。アセットが回収され、適切にマネージされるということに自信を持っています。また、質問に関連して、FMSについての現在の調達状況についても述べたいと思います。日本が作成した防衛大綱があり、米国の国家防衛戦略と統合しているところです。戦略について述べるとき、3つの要素について協力を進めており、そこから目標が明らかになっています。我々は地理と能力面を統合しようと試みています。能力については、現在も日本はF-35、イージス・アショアとアセットや装備品を購入していますが、これらについて、予算の統合やFMS調達プロセスの合理化を進めているところです。
 この後の国防省における会談においては、サイバー、宇宙、無人機といった新たな分野において、我々の政策に基づき産業界として何ができるかについて議論することになります。日本の産業は米国の産業と緊密に協力してきていますので、これは、安全保障及び産業面でも新たな機会となると考えています。

Q:河野大臣とポンペオ国務長官にお聞きします。北朝鮮はポンぺオ長官を非難したほか、金正恩朝鮮労働党委員長が新型戦術誘導兵器の発射実験に立ち会ったという報道が昨日から出ています。挑発だと受け止めていますでしょうか。それから北朝鮮に核ミサイルを放棄させるために、さらに制裁を強めていく必要があるというふうにお考えでしょうか。
 また、ポンペオ国務長官には、日本で最も関心の高い日本人拉致問題についてお伺いしたいと思います。ベトナムでの米朝首脳会談では、トランプ大統領が拉致問題について金正恩委員長に提起したと聞いていますが、金正恩委員長はどのような反応を示したのでしょうか。日本の安倍首相との対話に前向きな姿勢を示したのでしょうか。

A(河野外務大臣):日米は、北朝鮮の全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での放棄が実現するまで、安保理の制裁を維持することで一致しています。また、「瀬取り」の問題についても、両国で対処するとともに、他のパートナー国とも連携する必要があることで一致いたしました。いわゆる北朝鮮の新型兵器については、コメントを差し控えたいと思いますが、核・ミサイルのCVIDに向けた具体的な動きをしない限り、北朝鮮に明るい未来はないと考えています。

A(ポンペオ国務長官):河野大臣に対する質問についてコメントさせていただきます。日米は緊密に連携しており、それは本日も議論したところです。韓国とも連携しています。北朝鮮の非核化については、我々の任務(mission set)は変わっておりません。シンガポール(における米朝首脳会談)でもハノイでも、米国は同じ目標を追求しています。つまり、進展はありましたが、米日両国の非核化に向けたコミットメントに全く変化はないということです。
 トランプ大統領が提起した問題については、金委員長のみならず、これまでのその他の対話においても述べてきました。日本にとってのこの問題が持つ重要性を理解しており、よって、我々にとってもこれは重要なのです。金委員長の反応についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、提起されるよりも前に、この問題を認識していたと考えます。彼はその問題を認識しており、そして米国は今後も北朝鮮と対話する機会がある毎にこの問題を提起していくことも指摘しておきたいと思います。

Q:ポンペオ長官は、北朝鮮への制裁を続けると仰いましたが、金委員長は完全な非核化を実現する前に、制裁の緩和を望んでいます。米国や西側諸国が引き続き制裁を緩めることなく、事(北朝鮮との対話)を前に進めることは可能とお考えですか。また、ロシア政府は、ロシアが他国への内政に介入している可能性はないと先ほど述べていますが、これへの対応として、マッラー報告書のロシアに関する結果について話す予定はありますか。
 また、河野大臣、完全な非核化に先立ち、北への制裁を緩める可能性はありますか。

A(ポンペオ国務長官):最初の質問については、答えは「イエス」です。
 次に、ロシアは様々な場所で介入しています。私(ポンペオ長官)も直近ではベネズエラにおいてそれについて話したところですが、(ロシアは)ウクライナでも影響を与えています。2016年の米大統領選挙への介入だけではなく、他国の選挙にも関与しており、これは深刻な問題です。この政権は、米政府とロシア政府高官の間では、ロシアによる介入について必ず提起しているはずです。よって、マッラー報告書について提起するかという質問だったと思いますが、米政府はロシアに対し、米国の民主主義に影響を与えるような活動に従事しないよう求め、選挙への介入がリスクを与えるものであり、受け入れられないことを明確にしていきます。トランプ政権は断固たる対応を取り続け、ロシアが不正な行動をとることに対するコストを高めていきます。

A:(河野外務大臣):繰り返しになりますが、国際社会は、CVID達成まで安保理決議の完全な履行を継続しなければなりません。全てのミサイル・核が放棄されるまでそれは変わりません。

Q:岩屋防衛大臣とシャナハン国防長官代行に聞きます。中国が軍拡を進めるなか、宇宙、サイバーなどの新領域で日米の新たな連携を合意できたことは、日米の安全保障上、どのような意義がありますか。特に、サイバーが安保条約第5条の適用範囲とされた意義について教えてください。また、F-35Aの事故、先ほどお話しがありましたが、今回の「2+2」の中では具体的にどのようなことが具体的に話し合われたのか教えてください。また、日本のホスト・ネーション・サポートについて、どのような今日やりとりがあったのか。更に、シャナハン長官代行は日本のホスト・ネーション・サポート、おもいやり予算について、現状どのように捉えていらっしゃるか教えてください。

A(岩屋防衛大臣):最初に私からお答えしたいと思いますが、中国のみならず、各国は今、軍事力の向上のため、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域における能力の獲得を進めております。従いまして、今回の「2+2」の会合では、この新領域を含む領域横断作戦のための協力が極めて重要だということを、両国間で確認をいたしました。このような方向性の一致は、これからの同盟の基礎になっていくと考えております。
 具体的には、宇宙においては、わが国によるディープ・スペース・レーダーの開発、日本の準天頂衛星への米国の宇宙状況監視センサーの搭載を通じた宇宙状況監視のための能力向上といったところで協力することを確認いたしました。これは、宇宙空間の安定的利用を確保する観点から非常に意義のあるものだと思っています。
 サイバーにおいては、先程からお話しが出ていますように、サイバー攻撃が安保条約第5条に当たりうる場合があるということを確認したところでございます。サイバー空間における日米共同対処の可能性を明確にするものであり、抑止の観点から極めて重要だと考えております。
 F-35に関しましては、先の墜落事故に関して、私から事故に対する米側の支援に対してお礼を申し上げました。また、今後の事故調査においても、米側の協力・支援を要請したところでございます。
 また、ホスト・ネーション・サポートに関しては、今日の中では特に議論には及びませんでした。現時点で次期特別協定の交渉はまだ開始されていないということもございますが、これについても米側と、しっかりこれから協議をしてまいりたいと思っております。

A(シャナハン国防長官代行):岩屋大臣が述べられたことにつきると思いますが、少しコメントさせていただきます。我々の戦略は整合性が取れており、編成された予算を投入し、執行しようと取り組んでいます。我々の議論は枠組みについてというよりは、どのように具体的に運用・実施していくか、に関する議論であるということです。防衛大臣からその要素について言及がありましたが、地理的に限定されていないサイバーや宇宙分野において、我々がどのように能力を開発していくかが課題であり、これまでも議論してきたところです。産業的な能力と軍事的な能力は極めて補完的なものとなります。本日午後の会議においても、実施について詳細な議論を重ねることになるでしょう。
 ホスト・ネーション合意(host nation agreement)については、公平なものを追求していきます(we will develop something that is fair)。日米間には交渉を可能にしてきた長い歴史があり、我々もそうできると期待していますが、公平な合意となります。

以上