日露外務・防衛閣僚会合共同記者発表概要

日時
平成30年8月1日(01:13~01:33)(日本時間)
場所
ロシア外務省別館

(ラヴロフ外務大臣)

 本年5月末にモスクワで行われた日露首脳会談の結果達成された合意に基づき、第3回の「2+2」会合が行われ、双方から、安全保障分野における具体的な協力を進める用意があることが確認されました。アジア太平洋地域における情勢が、国際場裏において全体として極めて複雑であるとの点で一致するとともに、相互信頼の水準を引き上げ,両国の立場が近い若しくは一致している分野に関する協力を発展させ,その立場を更に近づけていくことが特に重要であるとの点に合意しました。新しい挑戦・脅威に対する日露協力を高く評価し、国連の参加を得て日露協力の枠内で成功裡に実施されてきているアフガニスタン及び中央アジアの麻薬取締官に対する,ドモジェドボの露内務省技能向上施設における教育を引き続き実施していくこと、また国際テロ、情報セキュリティ、腐敗対策協力に照準を定めた二国間協議を開催することに合意いたしました。ロシアは来年のG20議長国としての日本のあらゆる積極的な活動を支えていく予定であり、本年末までに同テーマに関する協議を行うことで合意いたしました。朝鮮半島をめぐって看取される肯定的な傾向を歓迎しており、現在進行している繊細なプロセスを棄損しないよう、全ての関係国に対し冷静かつ柔軟な対応を呼びかけました。双方は、同問題が包括的かつ北東アジアに存在する全ての国家の利益を考慮に入れて解決されるべきことに賛意を表明いたしました。露側からはこれまで何度も強調しているように,アジア太平洋地域に展開されている米国のグローバルな弾道ミサイル防衛システムに対する懸念を再度表明しました。また、中東とりわけシリア情勢に関する意見交換を行い、人道分野及び難民の帰還に際し最も好適な条件が形成されることに特別な注意が払われるとともに、日本側からは露外務省の支援の下、露国防相がシリアに設置した難民受入れ準備センターを含む、同分野におけるロシアのイニシアチブに関心が表明されました。地雷除去及びシリア国民に対する人道支援の拡大、またインフラ復興等の拡大についても日露両国のコンタクトの枠内で今後検討していくことが示されました。河野外相との個別会談において、5月の首脳会談で達成された合意、とりわけ人文分野における協力プロジェクトや両国民間の交流を通じた信頼強化、人的交流の簡素化、貿易経済・投資関係の拡大に関する目標を実現していく方途について具体的な議論を行いました。特に両首脳による平和条約締結問題に関する合意の枠内で「南クリル」における共同経済活動の見通しに注意が払われました。本年5月末、モスクワにおいて両首脳により開会が宣言された日露交流年行事の実施に注意が払われました。協議の結果,共同経済活動プロジェクトを準備する枠内で、日本の企業家による第三回ビジネスミッションが、露側パートナーの参加を得て本年8月16日~20日に「南クリル」を訪問することに合意し、同ミッションの結果を踏まえ、平和条約に関する作業の枠内で共同経済活動に関する定期協議の日程が調整されます。同時に、次官級の安保協議が調整されます。これらの協議結果は全て、9月のウラジオストクにおける東方経済フォーラムに参加する日露両首脳に対し報告される予定です。全体として交渉は非常に有意義でした。幅広い二国間及び国際的議題に関する協議を行う準備が相互に存在することが確認され、今後も安全保障分野における協議を様々なチャネルを用いて進めていきます。

(ショイグ露国防大臣)

 ラヴロフ外相が指摘したとおり、「2+2」のフォーマットは日露双方にとり常に有意義な対話メカニズムです。日露単独では現代の挑戦に効果的に対応することは既に不可能となっており、故に両国が協力することで最も困難な安全保障上の課題に対処することが可能となります。小野寺防衛大臣との会談においても,また「2+2」においても軍事安全保障に関する様々な視点から意見交換が行われ、防衛分野における今後の協力が特定されました。また、露参謀本部と統合幕僚監部の対話というプラクティスを継続することで一致しました。これは日露の隣接地域を含む,両国の軍事活動に関する懸念を議論し解消するのに有意義であります。また、海軍分野における協力を強化し,SAREXの実施結果を高く評価いたしました。更に日露交流年プログラムの中で実施される行事の重要性に特別な注意が払われました。今回の「2+2」は,日露国防当局の善隣パートナーシップ関係を確立していくうえで重要な一歩となったことを確信しています。建設的かつ率直な意見交換の協力について日本の同僚に感謝いたします。

(河野外務大臣)

 本日、16時から1時間30分、ラヴロフ外務大臣と今年三度目となる日露外務大臣会談を行いました。これは3月にラヴロフ外務大臣を東京にお迎えして以来のものです。その後、小野寺防衛大臣とショイグ国防大臣を交えて、1年4ヶ月ぶりとなる、第三回日露外務・防衛閣僚級協議、いわゆる「2+2」を行いました。外相会談では、政治対話について諸般の事情が許せば、9月に安倍総理が訪露し、ウラジオストクでプーチン大統領と会談することを確認し、首脳会談に向けた準備を加速することで一致いたしました。また、引き続き外相間でも緊密な連携を図っていくことで一致いたしました。平和条約締結問題につきましては、四島における共同経済活動について、事業者中心のビジネスミッションを8月16日から20日に行うことを、そしてその結果を踏まえて、日露次官級協議を首脳会談前に実施すること、そして、これらのために十分な準備を行うことで一致いたしました。これらの機会を通じ、9月に有り得べき首脳会談に向けて、プロジェクトの具体化に向けた作業が更に進展することを期待したいと思います。また、航空機墓参が昨年に引き続き実施されたことを含め、島民の方々の人道的措置が一つ一つ実現していることを歓迎し、引き続き取組みを進めていくことを確認いたしました。経済分野では、9月に向けて八項目の協力プランの具体化を含め、更なる進展に向けた協力を確認し、租税条約の早期発効に向けて手続きを進めることを確認しました。また、日露交流年については、幅広い分野で数多くの行事が行われていることを評価し、引き続き協力しあうことを確認しました。続いて、17時35分から約1時間半、第三回日露「2+2」を行いました。国際情勢が極めて速いテンポで動く中で、隣国であり歴史的にも関係の深い日本とロシアの間で意思疎通を図り、安全保障分野における相互理解を深めることは重要だと考えます。本日は、9月にウラジオストクで予定されている首脳会談に向けて、外交防衛双方の責任者が一堂に会する貴重な機会を活用して、安全保障の問題や北朝鮮を始めとする、喫緊の国際情勢について率直な意見交換を行いました。今回の「2+2」の結果、いくつかの点について一致することができました。まず、「2+2」の準備会合として、日露外務防衛当局が参加する次官級の日露安保協議を概ね、年一回、定期的に実施することで一致しました。今年は7月4日に東京で開催いたしましたので、次はモスクワで開催する予定です。また、国際条理における協力として、シリアにおける人道支援に関する日露間の協議を実施することで一致いたしました。これは、3月の日露外相会談の際に署名された2018年から2019年の日露外務相間協議計画の枠内で行われることを想定しております。また、今日は特に、北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題について突っ込んだ議論を行いました。双方は米朝首脳会談の成果を評価しつつ、日露共通の目標である北朝鮮の非核化に向け、引き続き連携していくことで一致いたしました。また、拉致問題についても早期解決に向けてロシア側に支持と協力を呼びかけ、理解を得ました。今後も9月のウラジオストクでの首脳会談をはじめとする政治対話が行われる予定です。日露両国の間には立場が異なる問題もあり、わが方として受け入れられない物もありますが、問題の根本的な解決を図るべく、申し上げたような機会も活用して率直な意思疎通を図り、あらゆる分野で日露関係を発展されていきたいと考えております。

(小野寺防衛大臣)

 今回、防衛大臣としては初めて、防衛当局のトップとしては十二年ぶりにロシアを訪問し、日露防衛大臣会談及び第三回「2+2」を実施いたしました。北朝鮮情勢に関して、北朝鮮の核・ミサイルは、引き続きわが国を含む国際社会に対して重大な脅威である旨、強調をいたしました。その上で、北朝鮮に関しては、北朝鮮の非核化が日露共通の目標であることを確認し、日露で緊密に連携していくことで一致いたしました。わが国の防衛政策について、私から、防衛政策の最近の動きについて説明するとともに、ミサイルディフェンスについては、わが国を防衛する純粋的な防衛システムであること、ロシアに脅威を与えるものではない旨を説明いたしました。今後とも、丁寧な説明をしてまいりたいと思っております。その上で、ロシアの防衛政策について、私から、北方四島の軍備強化及び日本周辺におけるロシア軍機の活発な活動や、今年夏に予定されている極東での演習に関して、ロシア側に冷静な対応を求め、防衛交流が大変重要ということで一致をいたしました。特に、隣国であるロシアとは、不測の事態や不必要な摩擦を招かないためにも対話と交流を維持することが重要であります。この観点から、昨年のゲラシモフ参謀総長及びサリコフ地上軍総司令官の訪日を歓迎するとともに、引き続き、防衛当局間の交流を実施していくことで確認をいたしました。また、今回の訪露の成果として、以下の二点で一致いたしました。まず、本年後半に河野統合幕僚長を訪露させる方向で調整していくことで一致いたしました。制服のトップ同士が率直に議論し、両国の信頼醸成、相互理解が進むことを期待しております。また、部隊間交流の一環として、本年10月のロシア太平洋艦隊の函館寄港を調整していくことで一致いたしました。防衛省・自衛隊としては、安全保障上の諸課題への対処において、ロシア側とも連携しながら対話と交流を通じて、両国の相互理解を更に深め、信頼関係を一層強化していきたいと思っております。

以 上

■ 日露外務・防衛閣僚協議(「2+2」)(概要)

■ 大臣動静(日露外務・防衛閣僚協議(「2+2」)の共同記者発表)