防衛大臣記者会見概要

平成30年6月15日(09時30分~09時51分)

1 発表事項

 「リムパック2018」について報告をいたします。海上自衛隊及び陸上自衛隊は、6月27日から8月2日までの間、ハワイ島で実施される多国間共同訓練「リムパック2018」に参加いたします。「リムパック」は、米海軍主催で隔年で実施される、世界最大級の多国間共同訓練であり、自衛隊も1980年から参加している、歴史ある訓練です。本訓練においては、対潜戦・対水上戦・対空戦等の各種戦術訓練や水陸両用訓練、人道支援・災害救援に係る訓練等を実施するほか、陸上自衛隊として初めて、米陸軍及び海上自衛隊と連携し、12式地対艦ミサイルシステムを用いた対艦戦闘訓練を実施する予定です。防衛省・自衛隊としては、本訓練への参加を通じ、幅広い分野における自衛隊の戦術技量を向上させるとともに、米国をはじめとする参加国との信頼関係を強化し、わが国及び地域の平和と安定に貢献していく所存であります。

2 質疑応答

Q:今回、初めて陸自の地対艦部隊が参加することの意義と狙いについて教えてください。

A:わが国防衛のために、様々な防衛力整備を行っておりますが、特に、離島防衛を含めた様々な役割を今後担っていく陸上自衛隊に関して、この「リムパック」に参加し、初めて12式地対艦ミサイルを用いた訓練を行うということは戦術技量の向上、そして、わが国防衛に資するものだと理解をしております。

Q:トランプ大統領が米韓合同軍事演習の中止に言及しておりますが、改めて、東アジアの安全保障環境に与える影響をどのように分析するかということと、併せて、昨日、マティス米国防長官との電話会談では話題にならなかったとのことですが、弾道ミサイルの追跡訓練などの日米韓の合同訓練に関しては、どのようにしていくかについて教えてください。

A:米韓合同軍事演習の実施は、米韓間で調整がなされるものだと思っております。このため、防衛省は、米韓合同演習の実施に関する両国の判断の一つ一つに対してコメントする立場にはなく、その判断の結果が与える影響について防衛省として予断をもって発言することは適切ではないと思っております。また、今後の米韓の合同演習については、現在、米韓間で調整がなされているものと承知しておりますし、昨日のマティス長官との会談の間でも調整をしているとのことです。また、日米韓の共同訓練の予定についても、相手国との関係もあることから、その検討の有無を含め、お答えは差し控えなければならないと思っておりますが、いずれにしましても、米韓合同演習や日米韓の共同訓練を含む日米韓3ヶ国の安全保障・防衛協力は、地域の平和と安定を確保していく上で重要な柱と考えており、この認識に変わりはないと思います。

Q:大臣は、2ヶ月半程前に、米韓の軍事演習というのは北朝鮮にしっかりとした対応を迫るために重要な役割を担っているというお考えを示されましたが、そのお考えは現時点でもお変わりはないでしょうか。

A:今でも変わりません。米韓の演習に関しては、それぞれの国がそれぞれの部隊の技量向上ということを行うという意味合いがあるのだと思っております。それを行うということは、この地域にしっかりとしたメッセージを発出するものだと思っております。

Q:米韓演習自体は米韓両国で行うもので、日本が口出しするものではないというのは分かるのですが、対北朝鮮ということで言えば、日本の安全保障に大きな関わりを持ってくる問題であって、その観点を踏まえると、日本としても昨日のマティス長官との電話会談において、日本としての考え方をしっかり伝えるべきだと思うのですが、昨日なされたのですか。

A:私どもとしては、在韓米軍の問題、あるいは日米、日米韓の様々な共同訓練等が地域にとって重要だというその認識は共通していると思います。他方、米韓の演習については、米韓が当事国でありますから、そこで調整がなされるということだと思います。

Q:今回、政府としての意見は述べられなかったのですか。

A:私どもとしては、従前から在韓米軍の重要性、また、この地域で米韓や日米韓の演習というのが、重要な意味合いを持つというのは共通の認識だと理解しております。

Q:昨日のマティス長官との電話会談において、在韓米軍の縮小や撤退について、必要だと、検討していないという発言があったということですけれども、これは将来的な意味も含めての縮小や撤退を検討していないと捉えてよろしいのでしょうか。

A:私の方から、在韓米軍の基地の縮小等について、お尋ねをさせていただき、先方からのお答えが、「そのようなことは検討していない」ということであります。検討していないということは、現時点で検討していないということだと思います。将来にわたってということは、特に言及する必要はないと思いますが、少なくとも、長官からは「検討していない」ということであります。

Q:米朝首脳会談に関連してなのですが、北朝鮮側のメディアが、米国と北朝鮮が、段階的非核化で合意したという趣旨の報道がありますが、昨日の電話会談で、その発言についてはいかがだったのでしょうか。

A:私どもとして、特に防衛当局で現在の北朝鮮情勢についても様々な意見交換をさせていただきました。御指摘のあったことについては、あくまでも北朝鮮の報道であるというふうに承知をしておりますが、いずれにしても、最終的に私どもが目指すのは、核・ミサイル、その完全な放棄ということでありますので、そのことについては一致をしていると思います。

Q:F-15の墜落事故に関して伺います。沖縄県が事故当日の11日に嘉手納基地の第18航空団に抗議をするため、アポイントメントを入れようとしたところ、「沖縄防衛局を通してほしい」と米側から断られたということです。これまでこういうことはなかったとのことですが、米側からそのような説明は受けていらっしゃいますか。また、米側のこのような対応についてどのように思われますでしょうか。

A:これは沖縄県と米軍とのやり取りでありますので、私どもがコメントする立場にはありません。いずれにしても、防衛省としては、防衛行政の円滑な遂行の観点から、必要に応じ、米軍と県と調整していくというのが役割だと思っています。なお、F-15の墜落事案につきましては、昨夜のマティス長官との会談の中でも、私の方から安全な運航についての要請をさせていただきました。

Q:アメリカのポンぺオ国務長官が、北朝鮮の非核化について、2年半以内に非核化を目指したいという期限を示されていますが、こういった期限を区切ることについて、昨日のマティス長官との電話協議の中でそういったお話があったのか教えてください。

A:2年半というのは、これはトランプ政権の現在の1期目の任期のことを意図して発言されたのではないかと思いますが、いずれにしても、私どもは、この北朝鮮の核・ミサイル、日本にとっては拉致問題ですが、その解決は速やかに行われるべきだと思っておりますし、何らかの目処ということを示されるということは重要なことではないかと思っております。昨夜のマティス長官との会談の中でも、このような報道について意見交換をさせていただきましたが、マティス長官の方からは、ポンぺオ長官が帰ってきた後、マティス長官との間でしっかりとした認識共有をしていくというお答えがあったかと思います。

Q:沖縄のF-15の件ですが、沖縄県と米側の話なのでコメントする立場にないと仰いましたが、「防衛局を通してくれ」という、勝手な要請を米側がしているということについて、事実関係としてどのような対応を防衛局として取られたのかを確認させて下さい。

A:何か行き違いがあったような報告を受けておりますので、私どもが把握している詳細については、後ほど事務方の方から説明させていただきますが、何かそういう悪意的なものというよりは、行き違いの中で生じたことではないかと思いますが、これは地元沖縄、その県民を代表して県庁が様々な情報を集めるということをされておりますし、それに対して、米側も丁寧に対応するということが大事だと思います。また、その間に入りまして、沖縄防衛局もしっかりと両者の間を取り持っていくということも重要な仕事だと思っております。

Q:取り持つのが重要だというのはわかるのですが、沖縄県がアメリカ軍に連絡を取る際に防衛局を通すべきだというお考えではないということですか。

A:それも様々やり取りは当然あるのだと思います。今回の事案については、事務的なやり取りの中で行き違いがあったと報告を受けておりますが、かなり細かいやり取りになると思いますので、後ほど担当者から説明をさせていただきたいと思います。※

Q:日朝首脳会談についての動きが様々報道されておりますけれども、大臣が仰っているように、北朝鮮は具体的な行動というのはまだ見せておらず、この段階で早期の開催について、日朝会談をすること自体の是非、あるいはこの先に、もしやるのであれば、具体的にどのくらいの時期が目処として相応しいのかというお考えをお聞かせ下さい。

A:北朝鮮と国際社会との対話が動き始めているということでありますし、その中で、北朝鮮が非核化について約束し、それを今後どのような形で遂行していくかということを見守っている段階であります。同時に、日本にとっては拉致問題という関心事があります。これについては、日朝が直接交渉していくということも重要だと思っております。この一連の事については、安倍総理がリーダーシップを持ち、米側の支援を受けながら、北朝鮮と交渉していくことが大事なことだと思っております。

Q:そうした日朝の外交交渉が、日本の北朝鮮に対する防衛政策に与える影響はありますでしょうか。

A:日朝平壌宣言の中で明確に示されているのは、日本が北朝鮮とのしっかりとした国交を回復していくためには、拉致、核・ミサイルの解決が重要だということは、共通の認識だと思っておりますので、私どもとしては、拉致問題の解決も重要だと思いますが、同時に、核・ミサイル問題についてもしっかりと、放棄に向けたことを求めていくことは同時並行的にしていくものだと思っております。

Q:沖縄の辺野古の移設の問題に関連ですが、12日に、埋立ての着手について沖縄県側に通知をしましたけれども、翁長知事がこれに対して、これを念頭に問題が確認された場合には、躊躇なく撤回をするという趣旨の発言をしています。政府が埋立てに着手する前に撤回をするのではないかという報道も出ておりますが、政府の方針に影響というのはありそうでしょうか。

A:私どもとしては、普天間の一日も早い返還、負担軽減のために、この辺野古への移設というのは、重要なことだと考えております。その姿勢には変わりませんし、今後とも、必要性について、地元に対して丁寧に説明をしていきたいと思っております。先般、沖縄県に申請を出させていただきましたが、これからもこの姿勢に変わりはないという、その一環としてさせていただいているという事であります。

Q:イージス・アショアについてお伺いします。秋田県と秋田市議会に、東北防衛局から説明がされましたけれども、大臣御自身が説明に行かれる予定はあるのでしょうか。また、行かれたら、どのような事をお話しになるのでしょうか。

A:昨日ですが、秋田県及び秋田市議会において、事務方からイージス・アショアについて説明をさせていただきました。17日に秋田市において住民説明会を行う予定であります。また、山口県においても17日から19日にかけまして、萩市及び阿武町の議会と住民に対しての説明をする予定であります。私としては、引き続き、地元の不安を踏まえ、丁寧な説明を行う必要があると考えております。しかるべきタイミングで山口県及び秋田県の両県を訪問できるよう調整しております。

Q:大臣は17日には行かず、その後に行かれるということでしょうか。

A:国会が開催中でありますので、タイミングを見ながら、できるだけ早く訪問したいと思っております。

Q:今月4日に、奄美空港に緊急着陸したオスプレイの件なのですが、その後、飛行が再開しておりませんが、なぜ時間がかかっているのでしょうか。

A:現在、奄美空港におきまして、不具合箇所と思われるエンジン部品等について、必要な点検・整備が行われているとの報告があります。現在、まだ整備中だということで、整備が終わって離陸するという報告は受けておりません。

Q:不具合というのは、どのあたりに、どのような不具合があったのでしょうか。また、今後の見通しはリサーチしないのでしょうか。

A:エンジン部分等の必要な点検等ということであり、時間がかかっているということでありますので、部品等の調達などを行っているのではないかと思いますが、引き続き米側からは情報を集めていきたいと思っております。

Q:イージス・アショアについて、山口県から質問書が防衛省に対して出されていると思いますが、これについて、昨日大臣は「今週中に回答したい」と仰っていますが、調整状況はいかがでしょうか。

A:現在、質問に対しての丁寧な説明を文書で御回答する準備をしております。今日は金曜日になりますので、出来るだけ今週中に山口県に対して、文書でお答えしたいと思います。

Q:F-15について、昨日、マティス長官に安全運航の確保を申し入れられたということですけれども、マティス長官からはどのような発言がありましたでしょうか。

A:今回、このパイロットは自衛隊が救助し、病院に搬送したということになりますから、そのことに対しての御礼がありました。その後に、このようなことがないようにしっかりとしていくことは当然のことでありますということで、先方からお話がありました。

Q:パイロットの容態については、何か情報はありますでしょうか。

A:今、私は持ち合わせていませんので、必要であれば、報道官に聞いていただければと思います。

Q:イージス・ショアについてですが、米朝会談で情勢が大きく変わったのに、何故この時期にイージス・アショアの導入を急ぐのですか。

A:私どもとしては、米朝会談において北朝鮮が一定の方向を示すということがあったのだと思いますが、具体的に、いつ、どのような形で核・大量破壊兵器、そして、ミサイル等の廃棄について、道筋が明確になされたわけではないということ、そして、私どもは、約束だけではなく、実際にそれが実行されるということが大事だと思っております。一方で、防衛装備につきましては、一定の整備に時間がかかるということがありますので、私どもとしては、現在、行っているイージス・アショアを含めた展開について、調査を含めて進めているということであります。また、イージス・アショアは、わが国の防衛に重要な装備だと考えておりますので、この問題に関しては状況を見ながら対応していきたいと思っております。

Q:南北と米中が平和へのムードを作っている中で、あえてこの時期に日本だけが突出して、イージス・アショアを導入しているのは、非常に悪い影響があると思いますが、どのようにお考えですか。

A:私どもはそのように思っておりません。イージス・アショアは、あくまでも自国防衛のために必要な装備だと思っております。わが国を守るだけの装備でありますので、わが国の防衛のために、この整備については進めて行きたいと思っております。

Q:状況が動いている中で、一呼吸置いて状況を見極めてからやるべきではないですか。

A:御案内のとおり、イージス・アショアを含めて防衛装備には一定の期間がかかります。また、国際情勢というのは、瞬間に大きな変化があるかもしれません。わが国に必要な防衛ということで、着実に進めて行くことは重要なことだと思っております。

Q:動き始めてしまったから、やらざるを得ないという行政的な判断ですか。

A:そのようなことは全くありません。

後刻、「本日、沖縄防衛局が第18航空団に対し、報道の内容について確認したところ、沖縄県からの要請に対応する旨の説明を受けている。また、沖縄県にも第18航空団から同様の連絡があったと聞いており、日程等については、現在調整中である。」旨回答。

(以上)

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