防衛大臣記者会見概要

平成30年3月27日(10時10分~10時27分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:本日27日、陸上自衛隊を一元的に運用する陸上総隊が発足しました。合わせて、離島防衛を担う陸上自衛隊の水陸機動団も発足します。それぞれ、改めて発足の意義をお願いします。

A:本日、陸上総隊や水陸機動団などを新編いたします。陸上自衛隊は、現在の防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、わが国を取り巻く安全保障環境に即し、大規模な組織改編を進めてまいりますが、陸上総隊・水陸機動団はこれらを象徴するものであります。陸上総隊の新編については、弾道ミサイル攻撃、島嶼部に対する攻撃、大規模災害など、陸・海・空の自衛隊が統合運用により、全国レベルで機動的に対応すべき事態がますます想定される中、陸上自衛隊においても全国の部隊を一元的に運用できる体制が必要となっていることを踏まえたものであります。水陸機動団については、約2,100名の規模で新編いたしますが、島嶼への侵攻があった場合には、速やかに上陸・奪回・確保することを任務としており、そのために必要な水陸両用作戦機能を備えています。今後、新たに導入される水陸両用車AAV7、V-22オスプレイなどの装備品を活用した訓練を積み重ね、より一層、水陸両用作戦機能を強化していくことになります。

Q:陸上自衛隊に納入されるオスプレイ5機を千葉県の木更津駐屯地に暫定配備する方向で検討しているとの報道があります。事実関係をお願いします。また、難航している佐賀空港への配備はどのようにお考えでしょうか。

A:陸上自衛隊が導入しますV-22オスプレイについては、あくまでも現時点での計画であり変更はあり得ますが、本年秋頃から順次わが国に輸送されるということであります。他方、佐賀空港の施設整備には一定期間を要する見込みであり、仮に佐賀県の了解が現時点で得られたとしても、V-22オスプレイのわが国への輸送時に間に合わせることが極めて困難となっていることは、これまでもご説明させていただいております。その上で、防衛省として、佐賀空港における施設整備が完了するまでの間、V-22オスプレイの一時的な処置については、様々な選択肢を検討しており、木更津駐屯地への暫定配備が決まったという事実はありません。また、V-22オスプレイの佐賀空港配備については、自衛隊機の飛行の安全確保が最優先の課題であり、防衛省としては、まずは、2月のAH-64Dの事故について徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げる必要があるものと認識しております。したがって、佐賀空港配備に関して、現時点では、今回の事故を踏まえた対応を申し上げる状況には、今のところありません。

Q:明後日29日で安全保障関連法の施行から丸2年になりますけれども、この間、米艦に対する防護あるいは航空機に対する防護等が行われましたが、改めてこの2年間の成果と課題について現段階でどのようにお考えでしょうか。

A:脅威は世界のどの地域においても発生し、わが国に直接影響を及ぼし得る状況になっています。もはや、どの国も一国のみで自国の安全は守れないというのが私どもの認識です。いざという時に国民の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態に即して切れ目のない対応を行う態勢を整え、日米間の安全保障・防衛協力を強化するとともに、域内外のパートナーとの信頼・協力関係を深めることで、紛争を未然に防ぐ力、つまり抑止力を高めていくことが重要だと思っております。北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威を含め、わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、日米同盟の抑止力は一層重要となっております。平成27年に国会で成立し、一昨年3月に施行した平和安全法制の目的は、まさに強固な日米同盟によって紛争を防ぐということであります。平和安全法制により、日米同盟はかつてない程強固となり、抑止力も向上している点は強調したいと思います。特に、平和安全法制施行後、必要な教育訓練を重ねつつ、いわゆる駆け付け警護、宿営地共同防護、自衛隊第95条の2の規定に基づく米軍等の部隊の武器等の警護といった新たな任務の付与など、具体的な取組みが進んでいることは極めて重要だと思っております。防衛省としては、今後とも、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、万全を期してまいりたいと思っております。

Q:日中で協議が続いている「海空連絡メカニズム」ですが、現在の調整状況をお願いします。

A:「日中防衛当局間の海空連絡メカニズム」に係る具体的な調整状況については、相手国との関係もあり、コメントは差し控えさせていただきます。このメカニズムについては、これまで累次の機会に早期運用開始の重要性を確認してきており、昨年末の日中高級事務レベル海洋協議の際の前向きな進展も踏まえ、早期に本メカニズムを構築し、運用を開始できるよう、引き続き努力をしていきたいと思っております。

Q:関連で、メカニズムを作ったら双方が遵守しなければ意味がないと思うのですが、双方の運用ルールを公表するお考えはありますでしょうか。

A:この内容については、相手国との関係もありますので、いずれにしても、まず、連絡メカニズムの早期の締結、そしてそれが終わった後、運用ルールを含めてどのように公表するかについては、相手側と調整していきたいと思っています。

Q:岩国への米軍の艦載機の移転について、先日防衛省から地元自治体に、最後残った2部隊の移転スケジュールが前倒しになったというふうに説明されました。その際に、具体的な日程が決まれば速やかに地元に伝えるということだったのですが、昨日、事前の連絡がないまま移転が始まりまして、米軍側は地元の取材に対してそれを認めています。今朝時点では、地元自治体は連絡を受けていなくて混乱をしていますけれども、米側との情報共有がどうなっているのか、また、今後、地元に連絡をどのようにしていくのかを教えてください。

A:この空母艦載機の移駐については、3月23日、天候の状況等により変わりうるが、早ければ3月24日頃からFA-18の2部隊、約24機が岩国へ移駐する予定ということで、山口県や岩国市等に対して説明をさせていただきました。現時点においては、米側からFA-18の2部隊の移駐状況についての情報はありませんが、防衛省としては、情報が得られ次第、山口県や岩国市等への情報提供をしていきたいと思っております。そして、昨日、厚木飛行場を飛び立ったFA-18が岩国に到着したということを聞いておりますが、この件については、現在、米側に確認をしております。いずれにしても、移駐に関して情報が得られましたら、山口県や岩国市等へ情報提供していきたいと思っております。

Q:地元への伝達が後手に回っているという印象があり、その中で移転が始まった後、地元では騒音の測定の回数も増えていますし、苦情も増えていますが、今後、そういった安全・安心の対策とか伝達の状況にどのように取組んでいかれるか教えてください。

A:昨日の件は、まだ1機ということですので、今後、これが本格的な移駐の動きなのかは確認をしております。また、騒音対策等については、私どもは、岩国のみなさん、山口県のみなさんにかなりの御負担をおかけすることを承知しておりますので、その中で防音対策等も地元の意見を聞きながらしっかり対応をしていきたいと思います。

Q:一部報道で、北朝鮮の金正恩委員長が訪中したという報道がありますが、防衛省の把握状況はどうでしょうか。

A:現在、外務省を中心に様々な情報収集を行っていることは承知しておりますが、私どもとしては、そのことについてコメントは差し控えさせていただきます。いずれにしても、引き続き、北朝鮮の軍事動向を含む朝鮮半島情勢について重大な関心を持って注視をしていきたいと思います。

Q:明日の沖縄県議会で環境影響評価条例の改正案が可決される見通しです。これが可決すると、陸上自衛隊の石垣島への配備に影響が出るという可能性も指摘されておりますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

A:沖縄県の県議会、そして、県の条例の話でありますので、私どもがコメントすることは差し控えますが、少なくとも、県の条例で定められたルールに基づいて対応していくということです。

Q:県の条例の制定の前に、陸上自衛隊の配備予定地の土地の取得や、手続きを開始する考えはありますでしょうか。

A:条例の有無にかかわらず、私どもとしては、南西地域の防衛のために必要な陸上自衛隊の配備と思っておりますので、今後も地元との調整を行いながら進めていきたいと思います。

Q:先般、名護市への再編交付金の交付について再開するという話がありましたが、この決断に至った経緯と、交付再開の根拠について教えてください。

A:23日金曜日の午後でありますが、中嶋沖縄防衛局長から渡具知名護市長に対して、防衛省の「基地周辺対策事業」について説明をした中で、辺野古移設に関して改めて市長のお考えを確認し、名護市への再編交付金の交付については、再編特措法の規定に照らし、所要の手続きを進めたい旨、お話をさせていただきました。辺野古移設に関して、前市長は反対と明確に言っており、また、それを理由に普天間飛行場代替施設に関わる手続きに不同意を出されるなど、協力を得られない状況でありました。現市長は賛成でも反対でもなく、法令に従って適切に判断するという考えを示されていることから、防衛省としては、「再編の実施に向けた措置の進捗に支障」が生じていないものと考えております。この考えの下、名護市への再編交付金の交付について、現在、所要の手続きを進めているということであります。

Q:北朝鮮の関係で、核・ミサイル計画を放棄したことに関して、ミサイルの放棄というのをどこまで求めるのかという点について、昨日、安倍総理は中距離・短距離弾道ミサイルも含まれると、御認識を示されましたけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:私ども一貫して言っているのは、北朝鮮の核・ミサイルの検証可能な、不可逆な方法で、放棄を求めるということであります。当然、日本が意図しているミサイルに関しては、中距離・短距離、言わば日本の脅威となるものに関しても、放棄を求めるという日本の姿勢に変わりはないと思います。

Q:名護市への再編交付金についてですが、今年度分、2017年度分の繰越手続きについては、既にとられているのでしょうか。

A:今年度分の名護市への再編交付金については、年度末となることから、現在、繰越に係る所要の手続きを進めております。

Q:財務省から承認はございますか。

A:私どもとして、所要の手続きを進めているところでありますし、財務省にも丁寧に説明をしております。

Q:戦時中の陸軍の暴走への反省から、陸上自衛隊発足時に五つの方面に分けて、海・空のような、自衛艦隊や航空総隊のような統一的な司令部を作ってこなかった歴史がありますが、それについて、大臣はどのようにお考えですか。

A:まず一つは、私ども戦前の反省から、シビリアンコントロールをしっかり効かすということで、これは憲法の規定もあり、私どもとして、しっかり対応をとるということが基本だと思います。その上で、今回の陸上総隊の再編でありますが、様々な有事に関しては、当然、大臣が、直接総理と相談をしながら対応するということになりますが、それと同時に、今、大規模災害等が発生することも想定されます。この大規模災害に対して対応するためには、やはり東日本大震災の教訓も含め、五つの方面隊の統合的な運用を図るためにも、常日頃から訓練や様々な想定を行う意味で、陸上総隊というのは有効な組織となると私どもは考えております。

Q:戦時中の陸軍の暴走から五つの方面隊に分けて、自衛艦隊や航空総隊のようなものを陸は作らなかったと、今回、作るわけですが、それについて、どうお考えですか。

A:戦前の反省を踏まえ、私どもはそのような形にならないように、しっかりとしたシビリアンコントロールを効かせていきたいと思っています。

Q:シビリアンコントロールがある上に、さらに歯止めとして5つの方面隊があるから、防衛省は作ってこなかったという歴史があると思いますが、いかがですか。

A:先ほどからお話をしておりますが、この陸上総隊の指揮というのは、例えば防衛出動なり、あるいは治安出動なり、様々な事態に関しては、これは基本的には、私ども政治、あるいは大臣としての対応をしっかりしていくということになります。陸上総隊が常日頃からの想定をする役割というのは、大規模災害等、そのような限定されたものになるということで、私どもしっかり戦前の反省を活かしていきたいと思っています。

Q:戦前の陸軍暴走の反省から、統一の司令部を作ってこなかった、それを今回作るわけですけれども、それについて大臣がどうお考えになりますか。

A:戦前の反省を踏まえて、そのようなことにならないようにしっかり対応してまいりますし、この総隊を作るに当たっての国会での承認、法案等成立過程におきまして、今おっしゃられたような懸念は様々出ておりますので、それに対して、国会において、しっかり答弁をさせていただいたと思っております。

Q:陸上総隊を作ることによって、戦前の反省が失われる部分があると思うのですが、それに対する歯止めというのは考えていらっしゃるのですか。

A:様々な事態に応じて、当然、総隊司令官に指示を出す、それがまず私ども防衛大臣の役割だと思っていますので、決して全て総隊司令官が行動できるというわけではないということです。

Q:陸自発足時は、シビリアンコントロールが効いているわけです。シビリアンコントロールという面では、全く同じだと思いますが、それを5つに分けていたのを1つにすることによるデメリットをどう克服できるのかということについていかがですか。

A:国会での議論の中でも、私ども丁寧に説明をさせていただいておりますが、それぞれの事態、役割に応じて、陸上総隊司令官が対応できる内容が変わってくるということであります。

以上

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