防衛大臣記者会見概要

平成30年3月23日(09時10分~09時27分)

1 発表事項

 日米韓防衛実務者協議について御報告いたします。米国時間の21日及び22日、米国国防省において、日米韓3ヶ国の防衛当局による局長級協議を実施し、北朝鮮への対応や、3ヶ国の防衛協力の更なる深化・拡充について議論をいたしました。この中で、北朝鮮に対して、核及び弾道ミサイルの開発を放棄し、すべての国連安保理決議を含む国際的な義務等を直ちに、かつ、完全に順守するよう強く求めるとともに、「瀬取り」など、北朝鮮による違法な海洋活動に対する多国間の取組みを、日米韓3ヶ国で主導し続けることで一致をいたしました。わが国としては、引き続き、日米韓3ヶ国が緊密に連携し、あらゆる手段を通じ、北朝鮮に対する圧力を最大限まで高め、政策を変えさせていくことが重要であると考えております。そうした意味において、今回の協議では、北朝鮮問題における日米韓3ヶ国の強固な連携をしっかりと示すことができたものと考えております。今後とも、地域の平和と安全に共通の利益を有する日米韓3ヶ国の防衛当局の間で、緊密に協力してまいりたいと思います。

2 質疑応答

Q:21日の日露外相会談で、ラブロフ外相が「イージス・アショアの配備が米国によるミサイル防衛の一部になる」と懸念を表明しました。大臣の受け止めをお願いします。

A:イージス・アショアを含むわが国が進めておりますBMDシステムは、北朝鮮が核・ミサイル開発を進める中、弾道ミサイル攻撃に対してわが国国民の生命・財産を守るために必要な、純粋に防御的なシステムであるということ、わが国が主体的に運用するものであるということ、このことについては、ロシア側に対してこれまでも説明をしております。したがって、ロシアも含め、周辺諸国に脅威与えるものではなく、ロシアの国家安全保障に直接の影響を及ぼすというような指摘については、当たらないと思っております。

Q:本日午後、沖縄防衛局長から名護市へ再編交付金などの防衛予算の説明をするようですが、再編交付金の2017年度分の交付について、年度末が迫る中、どのようにお考えでしょうか。

A:本日、午後3時になると思いますが、中嶋沖縄防衛局長が名護市役所を訪問し、渡具知名護市長に対して、防衛省の「基地周辺対策事業」について説明を行う予定としております。今、御質問がありました名護市への再編交付金に関しては、現時点で何ら具体的に決定しているものではなく、再編特措法の規定に照らして適切に判断する考えであります。

Q:トランプ大統領がマクマスター大統領補佐官を交代させて、後任にボルトン元国連大使を起用すると明らかにしましたけれども、この相次ぐアメリカ政府の幹部の交代ということについて、北朝鮮への対応等で影響はないのかどうかということも含めて受け止めをお願いします。

A:マクマスター国家安全保障担当補佐官の辞任の報道がございました。外国政府の人事について、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきますが、その上で申せば、マクマスター補佐官は「2+2」でワシントンを訪問した時にも、そして、トランプ大統領訪日の際にも同行されておりました。私どもとして、安全保障政策について様々な意見を交わす機会が多かった中で、今回の退任ということになったことに関しては残念に思っております。米国政府との間では、安倍総理とトランプ大統領との間や、私とマティス国防長官の間、あるいは先ほどお話しした日米韓防衛実務者協議等、様々なレベルで緊密に意見交換を行っており、特段の悪影響が生じるとは考えておりません。引き続き、日米韓3ヶ国の連携の下、北朝鮮が完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で核・ミサイルの放棄を実現するため、南北、米朝首脳会談を通じて北朝鮮から具体的な行動を引き出すため、今後とも最大限の圧力を継続していくということ、この方針は日米韓3ヶ国で一致していると思っております。

Q:ティラーソン国務長官の件も含めてですが、比較的、対話路線の人から、より強硬な人に人事が交代していくという傾向がありますが、この点についてお考えをお聞かせ下さい。

A:マクマスター補佐官の後任のボルトン氏に関しては、従来からの発言を見る限りでは、北朝鮮に対して強硬な発言をされていた、いわゆる強硬派という印象があります。ただ、今後、トランプ大統領の下、しっかりとした形で政策を対応されると思っておりますので、私どもとしては、その連携を強化していくということだと思っています。

Q:昨日、自民党の改憲推進本部がありまして、自衛隊について、9条2項を維持した上で自衛隊の保持を明記するという方向で本部長の一任となりましたけども、防衛大臣としてどのようにお考えでしょうか。

A:閣僚の一人でありますので、憲法の問題については、私どもは現憲法の順守義務がありますので、特にコメントをする必要はないと思っております。

Q:イージス・アショアの関連でお伺いしたいのですけれども、本日の閣議で決定した質問主意書に対する答弁書で、米朝融和が進んで安全保障環境が改善すれば、イージス・アショアの配備等に影響があるのかという質問主意書に対して、予定どおり進めていくというような答弁書を決定したのですが、大臣は、先日の記者会見で、安全保障環境が変わればそれに対応した防衛装備を進めるとおっしゃっていますけれども、このイージス・アショアの配備について、米朝融和の影響について、改めてどのようにお考えでしょうか。

A:今回の主意書の意図がどこにあるのかは分かりませんが、少なくとも現時点で、例えば、北朝鮮が核・ミサイルの放棄について何ら言及したことはありません。このような状況の中で、私どもとしては、安全保障環境を踏まえて、しっかりとした備えをするということは重要だと思っております。

Q:中国海警局の発表についてなのですが、先日、中央軍事委員会直属の組織として編入される旨が発表されました。これまで日本政府は、海警局は法執行機関という位置付けとして尖閣諸島の領海に侵入しても自衛隊は出してこなかったのですけれども、今後軍事組織の一部になることで、防衛省・自衛隊の対応に変化はありますでしょうか。

A:3月21日の中国国防部の発表ということになりますが、「党と国家機構改革の案」の中で、海警部隊の所属を人民武装警察部隊、武警へ移すというふうになったということは承知をしております。また、今年1月には、武警の指揮系統が中国軍事力の指導・指揮機関であります中央軍事委員会に一元されたということも承知をしております。わが国としては、中国の体制変更について何かコメントすることはありませんが、いずれにしても、このような体制変更については、中国軍の軍改革の進展と合わせて注視をしております。尖閣諸島を巡る情勢については、いたずらに事態をエスカレートさせることがないよう、冷静な対応を継続しつつ、尖閣諸島を含むわが国の領土・領海・領空を断固として守り抜くため、引き続き、警戒監視・情報収集に万全を期していきたいと思っております。

Q:海警局の中国公船は、軍艦ではないという認識は変わらないのでしょうか。

A:私どもとしては、現在組織の体制変更という中で、どのような性格を持つものになるかということは、注視をしていきたいと思っています。

Q:27日に発足する水陸機動団の件でお伺いします。オスプレイの配備先がまだ決まっていない中で、円滑な運用に懸念もあると思うのですけれども、大臣はどうお考えでしょうか。

A:今回、島嶼に対する近接戦闘能力を有します水陸機動団を新編するということになりました。私どもとしては、様々な装備を含めて、この部隊をこれからも練度を高いものにしていきたいと思います。御指摘のことでありますが、まだV-22オスプレイについては、日本に入ってきておりません。いずれにしても、私どもとして、しっかりとした運用ができるように努力をしていきたいと思っています。

Q:オスプレイの佐賀空港への配備が、オスプレイ納入時に間に合わないのではないかという公算が大きい中で、オスプレイをどこに配備するかということについては今のところどういう検討状況でしょうか。

A:V-22オスプレイの運用等については、運用を担当します陸幕の方で様々な検討を今行っていると思っております。

Q:いつごろまでに結論を出すという御予定でしょうか。

A:まだその状況については、報告が上がってきておりません。

Q:名護市への再編交付金なのですけれども、仮に今年度予算で確保されている分を今後措置しようという場合は、予算の繰り越し措置が必要だと思うのですけれども、この点については、今のところどのような方針で臨まれる予定でしょうか。

A:まだ、年度内中でありますし、現段階で具体的に決定しているということはありません。いずれにしても、再編特措法の規定に照らして、適切に対応していきたいと思っております。

Q:イージス・アショアのロシアに対する説明なのですけれども、大臣がおっしゃったような、ロシアの国家安全保障に直接影響を及ぼすようなことはないということをロシア側にどのように今後伝えていくお考えでしょうか。

A:昨年の秋にショイグ国防大臣にも直接お話をしましたし、昨年12月に来られたゲラシモフ統参議長にも説明をさせていただきました。いずれにしても、ロシア側からそのような懸念の声があれば、私どもとしては、これはあくまでも防護的な装備であり、そして日本が主体的に運用する装備であるということは説明をしていきたいと思います。

Q:今日の名護市長への説明なのですけれども、どのような意図があるのかということと、今回の説明は名護市側からの要請なのでしょうか。

A:今回、新しく渡具知市長が誕生されまして、防衛省が「基地周辺対策事業」ということで様々な支援の事業を持っております。このことについて説明をさせていただくということだと思います。これは、防衛省側から新市長が誕生されましたので、防衛省の所掌する事業の説明ということで時間を取ってお願いをしたということだと思います。

Q:3月16日の民放のニュース番組で、大臣は武器輸出三原則があったから日本の防衛産業が遅れてきたと、輸出できないからコストがかかったと、戦車も100両しか必要じゃなければ、100両を作るための工場のラインが必要になるが、移転できるようになって、1,000両、10,000両になれば、1両あたりのコストは下がっていくという発言をされましたが、これは要するに、このままなりふり構わず、戦車を1,000両、10,000両を輸出して、コストを下げることが必要だということをおっしゃられたのですか。

A:これは一つの例えということでの話になると思います。今、防衛装備、様々な装備を取得しておりますが、例えば、一つの防衛装備を開発するのには、かなりのお金がかかります。当然、その開発費というのは、どれだけの調達をするかということにかかってくるわけですが、それが限定された数であれば、当然、1台当たりにかかる開発コストは高くなりますし、これがある程度の数になれば、その開発コストは低くなるという中で、今、防衛装備も国際間で様々なコスト比較をしながら、防衛省としても調達をするわけですので、そういう意味で、一つの例としてお話をさせていただきました。

Q:コストを下げるためには、なりふり構わず、戦車を1,000両、10,000両と輸出して、「死の商人国家」という道を歩むべきだということをおっしゃられたのですか。

A:いえ、私は防衛分野の国内産業がどうして衰退しているのかということの中で、一つの例として、当然、諸外国の防衛分野の企業が能力をどんどん高めている中で、日本はそのような事例がずっと続いていたということでありますし、実際、F-35の調達に当たって日本が共同開発に入っていないという中で、結果として、日本はF-35の調達をするけれども、これは開発の中に入っていないために、その一部を日本の企業が担当することができなかった、結果として、日本はこの開発の中で、ある面では優位な立場に立てなかったという、それもあると思います。

Q:大臣は「死の商人国家」という言葉について、どういう解釈をされていますか。

A:私どもとしては、日本は平和国家であるべきだと思っております。先ほど来のお話というのは、防衛産業のことについての質問があって、一般論としてお話をさせていただきました。私どもとして、防衛産業を日本の主要産業に位置付けるという考えは持っておりませんので、私どもとしては、これからも平和国家として対応していきたいと思っております。

Q:戦車を、コストを下げるために、1,000両、10,000両を売って行く国家というのは「死の商人国家」と言われてもおかしくないじゃないですか。

A:これはあくまでも、防衛産業がなぜということの例としてお話をさせていただきました。日本の国家のあり方ということではなく、あくまでも、なぜ防衛産業がということに関しての一般論として、これは日本だけではなくて、他の国も同じような状況なのだと思います。

Q:「死の商人国家」を目指すということではないのですか。

A:ありません。

以上

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