MAMOR(マモル)2021年10月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

FEATURE

特集

各界で活躍する元自衛官が語る
入隊して得たスキルが役立つ!

Military Report

陸上自衛隊、海ゆかば
陸上自衛隊 輸送学校

編集後記

編集長 高久 裕

自衛隊に入隊すると、食・住の費用は掛からないからお金が貯まるとか、各種資格が無料で取れる、とか言われています。もちろん国防のための組織ですから、貯金や資格取得は、入隊の目的にはならないでしょうが、かといって自衛隊を「就職先」と考えて検討する場合、これらは重要な要素になってくるのではないでしょうか? 最近は、1、2任期務めたあとに、企業などに再就職する元自衛官を「自衛隊新卒」と呼んで、リクルート界でも注目されています。そこで、今月号は、将来、入隊→転職という道を検討されている方のために、その部分に注目してみました。陸・海・空各自衛隊で1任期を務め上げた場合、最高、いくらもらえるか? いくつ資格が取れるか? をシミュレーション! 実際には、そのような隊員はいないようですが、理論上は可能な結果を出しました。これにはゲスト出演いただいた元自衛官のやす子さんもビックリ。ぜひ、ご覧ください。

特集

各界で活躍する元自衛官が語る
入隊して得たスキルが役立つ!

ライター 真嶋 夏歩

自衛官としての任期を終え、民間会社などに就職する人材を、防衛省では「自衛隊新卒」と呼んでいるそうです。

私が『MAMOR』の取材で自衛官をインタビューするようになってから5年。たとえ入隊数ヶ月の新人隊員であっても、常にハキハキと明瞭・誠実に答えてくれる彼らの姿勢には、毎回感心すると同時に、疑問を感じていました。

「彼らは短期間でどうやって、理路整然と話すスキルを身に着けたのだろう? しかも滅茶苦茶、感じがいい」

今回、さまざまな業界で活躍する元自衛官を取材し、その理由がよくわかりました。彼らが語る、自衛隊で身に着けた「一生の財産」とは? 多くの元自衛官が、「誰でも1度は入隊したほうがいい。絶対ためになるから」と話していたのが印象的でした。そして私自身も、「自衛官新卒」の皆さんが、各企業で即戦力として活躍する将来を、確信しています!

カメラマン 増元 幸司

今号では自衛隊のスキル特集の撮影を担当させて頂きました。自衛隊を退官後にモデルや芸人、実業家に時計師など様々なジャンルでご活躍されている方々の取材撮影です。その中には、あのテレビCMで有名な「すしざんまい」の社長様まで!意外な所に元自衛官がいらっしゃる事に驚きの連続でした。そして、撮影現場での皆さんには、私の無理難題なポーズの要求にも快く対応して下さり、感謝の気持ちしかありません。

しかしながら、100枚近く撮影しても、使われるカットは1枚だけ。良いカットなのにお蔵入りしたカットが沢山ありすぎて大変申し訳なく思います。いつの日か、元自衛官特集のムック本が出る時に使ってもらえると嬉しいなぁ、と密かに思っています。そして皆さん、やはり姿勢が大変素晴らしい。さすが元自衛隊!と、毎回感動します。

Military Report

陸上自衛隊の輸送を学ぶ! 陸上自衛隊輸送学校

ライター 古里 学

この超絶技巧に男泣き、ですよ。

何がって、陸上自衛隊輸送学校で行われたトレーラーへの積載訓練。当日は梅雨末期の土砂降りの雨の中、38トンもの戦車が荷台へと上っていく姿を見ていて、子どもの頃に好きだったテレビドラマ「サンダーバード」を思い出しました。

積みあがった戦車のキャタピラと荷台の縁は、指1本分の余裕もないほどギッチギチ。それを、輸送科の誘導担当者は戦車の運転士に腕と指の動きだけで指示を出すのですから、まじでテレビ東京の「ありえへん∞世界」で関ジャニに紹介してもらってもいいんじゃね? とつぶやきながらの取材となりました。

しかし輸送科の隊員ってみんな、車をバックで車庫入れするなんて、朝飯前なんだろうな、きっと。

カメラマン 荒井 健

深夜の環状8号線でとてつもない大きさのトラックを見たことがあります。道幅いっぱいで前後には誘導車。長さも乗用車何台分あるのかわからないくらい長い。隣を走ったときはガンダムを輸送してるのかと思ったほどの重量感と大きさ。

この度の撮影はその時の輸送に係る隊員の学校でした。撮影させていただいた日は戦車を輸送車に乗せるところで、横幅は大げさでなく親指一本分内側のギリギリでした。技術とチームワークに感動すら覚えました。大型の輸送車を運転するのに、いわゆる一人前になるには10年ほどかかるという。
多種多様な業務と運ぶものがあるため時間を要することからも、輸送学校は重要な存在です。

そして最後に資料館を見せていただいたのですが、輸送隊も他の隊と同じく時代とともに求められる役割が少しずつ変わっていく中で、国際貢献に役立っているのが誇らしく思えました。

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