MAMOR(マモル)2021年1月号

MAMOR(マモル)は、防衛省が編集協力をしている唯一の広報誌です。
防衛省の政策や自衛隊の活動を分かりやすく紹介し、国民とともに防衛を考える広報誌を目指しています。

FEATURE

特集

自衛隊の不用物品、そのお値段は?
マモオク鑑定団、参上!

Military Report

制度改正で自衛隊経験のない即応予備自衛官が誕生!
サラリーマンの私が演習場で突撃訓練をしている訳

編集後記

編集長 高久 裕

マモル編集部は、ありがたいことに読者からさまざまなお便りをいただきます。中には、「マモルを読んで自衛隊に入りました」というお便りもあり、われわれスタッフは励まされます。それは、雑誌を作ることで、少しは国のために役にたったかも、という気持ちです。やはり、世のため人のため役に立ちたい、という気持ちは、多かれ少なかれ、誰もが持つ考えではないでしょうか?

今号のミリタリーレポートで紹介する即応予備自衛官は、その気持ちを強く持つ方には、特に読んでいただきたいリポートになっています。また、巻頭特集で紹介する“自衛隊不用物品オークション”に参加された方も、「自衛隊を応援するために参加しました」という方がいました。もし、あなたが同じ気持ちをお持ちでしたら、ぜひ今号もご購読ください!

特集

自衛隊の不用物品、そのお値段は?
マモオク鑑定団、参上!

ライター 古里 学

防衛省で装備品のオークションが行われる!!

やるなぁ自衛隊、というのが最初の感想でした。出品リストをみると、いろいろそろっている中で、自分がコレ欲しいなと思ったのは水筒・飯ごうセットと結索標本。水筒は実際に使えるし、標本は飾ってもいいし、これなら5万円くらいなら出してもいいかなと。甘かった。当日、会場に行くと、10万円、20万円は当たり前、オーバー50万円とか、一人で100万円も落札した人とか、もう次元が違いすぎる。あとで参加した人に聞くと、皆さん、子どもの頃から自衛隊に憧れていたり、その活動に敬意を表したかったりとおっしゃっていて、落札額は全然高いと思わないとのこと。うーむ、財布ではかなわないが、せめて自衛隊愛だけは負けないようにしようと改めて心に誓った次第です。

フォトグラファー 田中 秀典

鉄くずや捨てる様なモノに値段なんて付くの?それがオークションに出掛ける前の印象でした。

会場に到着し資料の開始価格を見ると安い物で3千円から高い物は3万円、不用品とは思えない開始価格が付いていた。これ以上の価格で買う人なんているんだろうか?まだそんな事を思っていた。

コロナ渦で参加人数を制限していたが会場には200人近くが集まり静かだけれど熱気があった。

オークションが始まり、今までの印象は吹き飛んでいた。どの出品物も10倍20倍と価格が跳ね上がり、50倍を超えるモノまで有ったからだ。

もう不用品が高価なお宝にさえ見える様になっていた。

最後に出品されたパイロットのヘルメットは66万円の最高額で落札されて幕を閉じた。

終了後、落札された方々の自衛隊に対する思い入れのお話も伺う事が出来、沢山の熱いファンがいるんだなと実感した取材でした。

Military Report

制度改正で自衛隊経験のない即応予備自衛官が誕生!
サラリーマンの私が演習場で突撃訓練をしている訳

ライター 岡田 真理

普段は学生や社会人として日常を送っている人が、災害や有事の際に招集されて自衛官として活動する「予備自衛官制度」。2011年の東日本大震災で初めて「予備自衛官」と「即応予備自衛官」が災害招集され、この言葉を知った方も多いかと思います。

「予備自衛官」、「即応予備自衛官」は、以前は自衛官を退職した人しか任官できなかったのですが、十数年前に「予備自衛官補」という新制度ができ、自衛隊に勤務したことのない人も予備自衛官になることができるようになりました。

そして昨年、自衛隊に勤務したことのない人が予備自衛官補、予備自衛官を経て即応予備自衛官にもなれる制度が新設されました。今回のミリタリーレポートでは、予備自衛官補から予備自衛官となったサラリーマンが、即応予備自衛官になるための訓練に挑戦する心境、そしてその訓練をレポートしています。

学生・社会人の予備自衛官・即応予備自衛官が訓練や災害、有事の際に出頭するには、家族や企業など周囲の協力が欠かせませんが、そもそも予備自衛官・即応予備自衛官がどういうものなのかはまだあまり知られていません。この記事を通して、少しでも多くの方に予備自衛官・即応予備自衛官という存在を理解して頂けたら嬉しいです。

カメラマン 江西 伸之

田中さんはすごい。本当にすごい。仕事、子育て、家事を奥さんに「完璧」と言わしめ、それに加えて、予備自衛官から即応予備自衛官に挑戦している。一時(いっとき)の訓練参加だけでなく、日々の体調管理や体づくりなど継続した努力を密着させてもらいながら目の当たりにした。

まさに自衛隊が良くいう「昼夜分かたず」の姿勢がそこにはあった。

子どもや家族と一緒にいられる時間をわざわざ犠牲にしてまでも挑むのはなぜか。自分も3歳と1歳の子どもがいる父親として、きっと、守りたい存在ができたとき人は強くなれる、なりたいと思うのだと思う。

また、予備自衛官ならではの自衛官とはまた違う視点、知恵や工夫が、任務の質や効率に繋がることと期待される。社会や企業の更なる理解で、この新しい任用制度が更に進むことを願う。

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