武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律について

1 目的
武力攻撃事態における捕虜等(捕虜、衛生要員等をいう。)の拘束、抑留その他の取扱いに関し必要な事項を定めることにより、武力攻撃を排除するために必要な自衛隊の行動が円滑かつ効果的に実施されるようにするとともに、武力攻撃事態において捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(以下「第3条約」という。)その他の捕虜等の取扱いに係る国際人道法の的確な実施を確保することを目的とする。
2 総則
捕虜等の人道的な待遇の確保、捕虜等の生命、身体、健康及び名誉を尊重し、これらに対する侵害又は危難から常に保護すること、その他捕虜等の取扱いに係る国の責務等を定める。
3 拘束及び抑留資格認定の手続
捕虜等の拘束、資格の確認等に関する手続、権限その他必要な規定を設ける。
敵国軍隊等の構成員その他本法制の対象となる捕虜等の範囲を定める。
防衛出動を命じられた自衛隊の自衛官が、武力攻撃が発生した事態において、捕虜等の資格を有することを疑うに足りる相当の理由があると判断する者を拘束することができる権限を整備する。
拘束された者について、連隊長・艦長等に引き渡しの後、方面総監等に後送の上、捕虜等の資格を認定するために必要な手続を規定する。
4 捕虜収容所における抑留及び待遇
捕虜等の抑留その他の業務を行うため、三自衛隊の共同の機関として、臨時に、捕虜収容所を置くことができることとし、その所掌事務その他必要な規定を整備する。
捕虜等を常に人道的に待遇するため、第3条約その他の国際人道法の規定に従い、営舎、食糧、被服、衛生、医療その他必要な規定を設ける。
捕虜等に対し、捕虜収容所における日常生活に必要な食事、衣服、日用品等の提供に係る規定を設ける。
捕虜等の保護のため、捕虜等の同一国籍の衛生要員による捕虜に対する医療活動を実施し得るよう、必要な特例措置等を設ける。
捕虜収容所内における捕虜の業務従事に係る制度を設ける。
捕虜等に対し、抑留の円滑化・効率化に資するために給付金を支給することができる制度を設ける。
捕虜等の通信の発受に関し、所要の規定を設ける。
捕虜等の規律違反に対する懲戒制度を整備する。
5 審査請求
捕虜等の資格認定及び抑留中の懲戒処分に対する不服申立てを審理するための捕虜資格認定等審査会を防衛庁に臨時に設置すること、及びその審理手続等について必要な規定を設ける。
6 抑留の終了
捕虜等の送還に関し必要な規定を設ける。
7 補則
捕虜等の拘束及び抑留業務の目的達成に必要な範囲で、自衛官による武器の使用権限を整備する。
捕虜等が逃走した場合の再拘束の権限並びにそのために必要な調査及び土地等への立入りに関する規定を設ける。
捕虜等の所持品の領置に係る規定を設ける。
重傷病捕虜等の送還の決定や捕虜の一般的な医療に関与し得る、独立した委員の任命その他必要な業務に関する規定を設ける。
その他所要の特例措置等に係る規定を整備する。
8 罰則
敵国の衛生要員等について医療活動に関する守秘義務違反に係る罰則を整備する。

条文

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