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令和5年3月26日防衛大学校卒業式における岸田総理大臣の訓示より(抜粋)他国との外交によって戦争を未然に防ぐことが最も重要です。しかし、外交努力を尽くしても戦争に至ってしまうことがあります。軍事的には、ウクライナは、ロシアから「国を守るために十分な力を持っていない」と思われたため、ロシアに侵略を思いとどまらせることができませんでした。戦争を未然に防ぐためには、国を確実に守り抜く力をもって、他の国に「日本を攻めても目標を達成できない」と思わせることが必要です。国内では警察が犯罪行為を取り締まる犯罪行為には刑罰が科せられるロシアを抑止できなかった結果、数万人が死傷「力による一方的な現状変更」を抑止するためには、相手の能力に着目しつつ、新しい戦い方に対応できる防衛力を備えた国家になる必要があります。軍事力強化や軍事活動活発化の最前線に位置東シナ海、南シナ海をめぐる問題に直面国際社会では警察や国内裁判所のように強制的な執行力を持つ機関は存在しない国際連合安全保障理事会常任理事国のロシアがウクライナを侵略0102露軍のミサイル攻撃により破壊されたドニプロ市の集合住宅(2023年1月)【ウクライナ緊急事態庁ドニプロペトロウスク州本部】露軍のミサイル攻撃により破壊されたミコライウ州庁舎(2022年4月)【ウクライナ緊急事態庁ミコライウ州本部】00はじめに国民の命や暮らしを守り抜く上で、まず優先されるべきは、我が国にとって望ましい国際環境をつくるための外交努力です。自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値や原則を重視しつつ、日米同盟を基軸とし、多国間協力を推進する、積極的な外交を展開していくことが不可欠です。同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要です。私は、昨年この場で申し上げたとおり、国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書を策定しました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行いました。このシミュレーションも踏まえて、必要となる防衛力の内容を積み上げました。例えば、反撃能力の保有、南西地域の防衛体制の強化。あるいは、宇宙・サイバー・電磁波等の新領域への対応や継戦能力の強化。いずれも待ったなしの課題です。今後5年間で防衛力を緊急的に強化し、我が国の抑止力・対処力を一層向上させていきます。戦争を未然に防ぐためには国際社会が戦後最大の試練の時を迎える中で日本は我が国周辺の安全保障環境は世界的にも特に厳しく、欧州で起きていることはこの地域でも起こる可能性があります。01国の防衛の必要性なぜ、いま防衛力の抜本的強化が必要なのか

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