国連PKO部隊マニュアルに係る取組

国連PKO部隊マニュアルにかかる取組

概要

国連は、PKO(平和維持活動)に関する新たな取組として、部隊に求められる能力を明確化し、参加国の理解を促進するため、2013年以降、PKOの11分野における部隊マニュアルの作成を進めています。

11分野の内訳は航空、工兵、輸送、司令部支援部隊、兵站、憲兵、海上、偵察、河川、通信、特殊部隊であり、それぞれの分野で要求される能力、任務、装備および部隊編成といった項目がマニュアルに盛り込まれる予定です。

これらの各分野の部隊派遣経験の豊富な国がそれぞれの専門家会合における議長国に選ばれており、我が国はカンボジア、東ティモール、ハイチおよび南スーダンにおける施設部隊活動が高く評価されていることから工兵部隊マニュアルの議長国に就任し、副議長国のインドネシアとともに会合を主宰しています。

2014年3月には東京において第1回会合を開催したほか、同年6月にはインドネシアにおいて第2回会合を開催しました。

2015年初頭の完成を目指して、国連PKO工兵部隊マニュアルの策定に向けた各国の取組を引き続きリードしてまいります。

国連PKO工兵部隊マニュアル 東京会合(第1回専門家会合)

2014年3月26日、国連PKO工兵部隊マニュアルに関する専門家会合の開会式が、東京・明治記念館で挙行されました。
会合は、インドネシア、米国、中国など14か国と、3つの国際機関から、約40名の専門家が出席し、小野寺防衛大臣による開会挨拶が実施されました。

小野寺大臣は、「(我が国は、)国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際平和協力活動に積極的に取り組むとともに、より主導的な役割を果たすことを重視しております」と述べ、我が国が主催する今回の会合を通じ、各国がPKOの知識・経験を共有し、協力していくことは、国際平和の実現に向けた多国間連携という文脈において、きわめて意義の高い協力であると強調しました。

会合は28日までの3日間開催され、工兵部隊マニュアル作成に向けた基本的な考え方や記述体系等について意見交換が行われたほか、27日には、来日した専門家らによる、陸上自衛隊国際活動教育隊(静岡県駒門駐屯地)の視察も行われました。

■参加国・参加国際機関(14か国、3機関)
 バングラデシュ、ブラジル、中国、ガーナ、インドネシア、日本、ノルウェー、ペルー、フィリピン、シンガポール、南アフリカ、スウェーデン、英国、米国
 国連本部PKO局、国連地雷対策サービス部(UNMAS)、ジュネーブ人道的地雷除去国際センター(GICHD)

大臣挨拶

国連PKO工兵部隊マニュアル東京会合 小野寺防衛大臣による開会挨拶

皆様、本日は、東京会合にご参加いただき、主催国として深くお礼申し上げますとともに、皆様の御来訪を心より歓迎致します。このように、副議長国のインドネシアを始めとする工兵分科会参加国や国連PKO局など国際機関から多数の出席者を得て、率直に意見交換できる場を設けることができましたことを大変喜ばしく思います。
今回、国連本部の主導のもとに進められている、工兵部隊マニュアルを含めたPKO部隊マニュアルの策定は大変意義深いものであると考えており、国連本部のイニシアチブを評価するとともに、我が国としても惜しみない支援を提供したいと考えております。
我が国は、1992年に施設部隊をカンボジアに派遣して以来、多くのPKOに参加してきました。また、アフリカ諸国のPKOセンターへの講師派遣や、PKO参加国の能力向上に共に関心を有する米国との共催で国連PKO幹部要員訓練コースを実施するなど、我が国が持つノウハウの共有にも努めてまいりました。
昨年我が国は、初めてとなる国家安全保障戦略と新たな防衛計画の大綱を策定しましたが、それらの戦略文書においても、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際平和協力活動に積極的に取り組むとともに、より主導的な役割を果たすことを重視しております。
かかる観点から、我が国は、国連が主導するPKO部隊マニュアルの策定に対して、工兵分科会の議長国という積極的な役割を引き受けており、我が国としても、これまでのPKO経験の中で蓄積した教訓を共有することで、今回の検討に貢献できるよう努めてまいります。
現在自衛隊は、南スーダンで中国やバングラデシュなどとともに施設活動を実施しており、PKOの現場で各国と連携して任務にあたっています。さらに本日の会合においてお互いの知識・経験を共有し、協力していくことは、国際平和の実現に向けた多国間連携という文脈において、きわめて意義の高い協力であります。
改めまして、東京ワークショップへご参加いただき、お礼申し上げます。簡単ではございますが、本ワークショップが実り多きものとなることを祈念しつつ、私からのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

国連PKO工兵部隊マニュアル 東京会合の様子

東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合
東京会合

国連PKO工兵部隊マニュアル インドネシア会合(第2回専門家会合)

2014年6月3日から5日の間、国連PKO工兵部隊マニュアル第2回会合がインドネシア(ボゴール)において開催されました。

この会合は本年3月の東京会合の成果を踏まえ、副議長国のインドネシアにおいて開催されたものであり、国連PKO工兵部隊に期待される任務・能力、必要とされる編成・装備、訓練等に関する意見交換が行われました。

なお、国連PKO工兵部隊マニュアルの策定を担う専門家会合には、我が国が議長国、インドネシアが副議長国として就任しており、今回の会合には防衛省から代表団が参加し、陸幕施設課長が議長として会議を主宰しました。

■参加国・参加国際機関(5カ国、2機関)
 ブラジル、中国、インドネシア、日本、シンガポール
 国連本部PKO局、同フィールド支援局)

国連PKO工兵部隊マニュアル インドネシア会合の様子

インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合
インドネシア会合

国連PKO工兵部隊マニュアル ニューヨーク会合(最終会合)

2014年12月2日、ニューヨークの国連本部において、国連PKO部隊マニュアルの最終報告会が開催され、我が国が議長国、インドネシアが副議長国を務める工兵分科会は、工兵部隊マニュアル案を国連に対して提出しました。

これに先立ち、同月1日には、工兵分科会の最終会合が開催されました。

この最終会合では、これまで東京、インドネシアで開催された2回の会合成果を踏まえ、工兵分科会の活動経緯や工兵部隊マニュアルの概要・主要なポイント等について意見交換を行い、工兵分科会として、工兵部隊マニュアル案を採択しました。

なお、前回のインドネシア会合と同様に、今回の会合にも防衛省から代表団が参加し、陸幕施設課長が議長として会合を主宰しました。

■参加国・参加国際機関(8か国、4機関)
 オーストリア、ブラジル、ギリシャ、インドネシア、日本、南アフリカ、シンガポール、米国
 国連本部PKO局、同フィールド支援局、国連地雷対策サービス部(UNMAS)、ジュネーブ人道的地雷除去国際センター(GICHD)

国連PKO工兵部隊マニュアル ニューヨーク会合(最終会合)の様子

ニューヨーク会合(最終会合)(1)
ニューヨーク会合(最終会合)(2)
ニューヨーク会合(最終会合)(3)
ニューヨーク会合(最終会合)(4)
ニューヨーク会合(最終会合)(5)
ニューヨーク会合(最終会合)(6)
ニューヨーク会合(最終会合)(7)
ニューヨーク会合(最終会合)(8)