河野防衛大臣による第6回拡大ASEAN国防相会議及び第5回日ASEAN防衛担当大臣会合への出席並びに二国間会談等の実施について(概要)

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令和元年11月19日
防衛省

 令和元年11月16日~18日、河野防衛大臣は、タイを訪問し、第6回拡大ASEAN 国防相会議(以下「ADMMプラス」という。)及び第5回日ASEAN防衛担当大臣会合に出席した。また、ADMMプラス参加国の国防大臣等との二国間会談等を行ったところ、概要以下のとおり。

1.第6回ADMMプラスについて

  1. (1)11月18日(月)、ASEAN10か国及びプラス国8か国の国防大臣等の参加を得て、第6回ADMMプラスが行われた。会議においては、4月に開催されたADSOM(高級事務レベル会合)プラスの結果及び7月に開催されたASEAN国防相会議(ADMM)における決定について報告が行われ、来期ADMMプラス専門家会合(EWG)の新共同議長国が決定された。また、参加国の国防大臣等の間で、地域的・国際的な安全保障環境について意見交換が行われ、「持続可能な安全保障のためのパートナーシップの推進」に係る共同声明が採択された。
  2. (2)河野大臣からは、ASEAN主導の多彩なイニシアティブが地域の強靭性を高めており、そのことがASEANの中心性と一体性を更に確固としていること、そのプロセスは域外国の建設的な関与により一層ダイナミックなものとなることを指摘し、我が国として今後ともADMMプラスを重視し、地域の強靭性に資する建設的な役割を果たしていく決意を表明した。
  3. (3)続いて、南シナ海問題に言及し、日本は、あらゆる一方的な現状変更の試みや他国に対する威圧に強く反対し、係争中の地形の非軍事化と国連海洋法条約に従った紛争の平和的解決を強く要請する旨述べた。その上で、南シナ海行動規範(COC)がUNCLOSを含む国際法に合致した実効的で実質的な内容となることを強く期待する旨述べ、それが全ての関係者の正当な権利や利益を侵害してはならないとの立場を表明した。
  4. (4)また、国際的な安全保障課題として、北朝鮮問題に言及し、「瀬取り」対策を含め、国連安保理決議の実効性確保のために国際社会の団結が不可欠である旨を強調した。さらに、国連PKOに言及し、国連PKO支援部隊早期展開プロジェクトの一環で他国のPKO要員に対して重機の操作訓練を実施するなどの我が国独自の取組を紹介しつつ、ADMMプラスの枠組みの下、日越で来年から共同議長に就任するPKOに係る専門家会合を通じて建設的な役割を果たしていく決意を述べた。
  5. (5)最後に、ADMMプラスをはじめとする、ASEANを要としたインド太平洋の地域協力を一層盛り立てていくための取組として、前日の日ASEAN防衛担当大臣会合で発表した「ビエンチャン・ビジョン2.0」について紹介し、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンの下、「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化に全力を傾けるとの我が国の決意を表明した。
第6回ADMMプラス会合写真

【参考1】日本以外の参加国国防大臣等

(1)ASEAN加盟国等

  • ブルネイ: ハルビ第二国防大臣
  • カンボジア: ティア・バニュ副首相兼国防大臣
  • インドネシア: プラボウォ国防大臣
  • ラオス: チャンサモーン国防大臣
  • マレーシア: モハマド国防大臣
  • ミャンマー: セイン・ウィン国防大臣
  • フィリピン: ロレンザーナ国防大臣
  • シンガポール: ウン国防大臣
  • タイ: プラウィット副首相(国防担当)
  • ベトナム: リック国防大臣
  • ASEAN事務局: リム事務総長

(2)プラス国

  • 豪州: レイノルズ国防大臣
  • 中国: 魏鳳和国防部長
  • インド: シン国防大臣
  • ニュージーランド: マーク国防大臣
  • 韓国: 鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官
  • ロシア: フォミン国防次官
  • 米国: エスパー国防長官

【参考2】第3期(2017~2019)EWGの現議長国

  • 人道支援・災害救援: マレーシア、米国
  • 海洋安全保障: シンガポール、韓国
  • 防衛医学: ミャンマー、インド
  • 対テロ: タイ、中国
  • PKO: インドネシア、豪州
  • 地雷処理: ラオス、ロシア
  • サイバーセキュリティ: フィリピン、ニュージーランド

【参考3】第4期(2020~2023)EWGの新議長国

  • 人道支援・災害救援: インドネシア、インド
  • 海洋安全保障: タイ、米国
  • 防衛医学: ブルネイ、豪州
  • 対テロ: ミャンマー、ロシア
  • PKO: ベトナム、日本
  • 地雷処理: カンボジア、中国
  • サイバーセキュリティ: マレーシア、韓国

2.第5回日ASEAN防衛担当大臣会合について

  1. (1)11月17日(日)、第5回日ASEAN防衛担当大臣会合が行われた。「日本のASEANに対するこれまでの取組のレビューと地域の安全保障に資するための更なる協力」をテーマに意見交換が行われた。
  2. (2)会議冒頭、議長国タイのプラウィット副首相(国防担当)は、これまでの日本のASEANに対する防衛協力に謝意を述べ開会した。
  3. (3)河野大臣から、「法の支配」に基づく自由で開かれた海洋秩序は国際社会が手を携えて護り支えるべき国際公共財であること、我が国はこうした考えに基づき、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)というビジョンを掲げてきたことを指摘しつつ、本年6月にASEANが発表した「インド太平洋に関するASEANアウトルック」(AOIP)を全面的に支持し、日本のFOIPとのシナジーを実現するため、ASEANとの協力・交流を強化する旨を述べた。
  4. (4)また、河野大臣から、2016年に日ASEAN防衛協力の指針として「ビエンチャン・ビジョン」を発表して以来、多国間の取組として海軍種間の「乗艦協力プログラム」、陸軍種を中心とした「HA/DR招へいプログラム」、空軍種間の「プロフェッショナル・エアマンシップ・プログラム」の3事業が立ち上がり、二国間の取組としても多岐の分野にわたる能力構築支援事業のほか、防衛装備・技術協力、訓練・演習、人材育成・学術交流等の手段を通じて実践的な協力を展開してきた旨を述べた。
  5. (5)その上で、河野大臣から、日ASEAN防衛協力のモメンタムを一層加速させていくための取組の端緒として、「ビエンチャン・ビジョン」のアップデート版である「ビエンチャン・ビジョン2.0」を発表し、協力の目的・方向性・手段といった基本的な骨格は従来のものを踏襲しつつ、以下3点の新機軸を導入する旨説明を行った。すなわち、第一に「心と心の協力」「きめ細やかで息の長い協力」「対等で開かれた協力」の日ASEAN防衛協力に係る実施3原則の導入、第二に、日本の取組とASEANの中心性・一体性との関係を明確化するものとしての「強靭性」の概念の導入、第三に、AOIPと我が国のFOIPとのシナジーを追求する観点からの、ASEAN諸国及び域外関係国との国際連携を推進する視点の導入という3点である。
  6. (6)ASEAN側の大臣から、「ビエンチャン・ビジョン2.0」に対して歓迎の意が示されるとともに、その下で今後もより実践的な日ASEAN防衛協力を推進することへの期待が示された。
第6回ADMMプラス会合写真

3.二国間会談等について

 タイ、韓国、インド、ニュージーランド、フィリピン、ミャンマー、シンガポール、米国、インドネシアと個別に二国間防衛相会談を実施した他、日米韓で三国間防衛相会談を実施(以下、実施順で記載)。

(1)日タイ防衛相会談(プラユット首相 兼 国防大臣)(17日午前)

日タイ防衛相会談(概要)

(2)日韓防衛相会談(鄭国防部長官)(17日午前)

日韓防衛相会談(概要)

(3)日印防衛相会談(シン国防大臣)(17日午前)

(3)日印防衛相会談(概要)

(4)日米韓国防衛相会談(エスパー国防長官、鄭国防部長官)(17日午後)

日米韓防衛相会談共同声明(仮訳)

(5)日ニュージーランド防衛相会談(マーク国防大臣)(17日午後)

日ニュージーランド防衛相会談(概要)

(6)日比防衛相会談(ロレンザーナ国防大臣)(17日午後)

日フィリピン防衛相会談

(7)日緬防衛相会談(セイン・ウィン国防大臣)(17日午後)

日ミャンマー防衛相会談(概要)

(8)日星防衛相会談(ウン国防大臣)(17日午後)

日シンガポール防衛相会談(概要)

(9)日米防衛相会談(エスパー国防長官)(18日午前)

日米防衛相会談(概要)

(10)日尼防衛相会談(プラボウォ国防大臣)(18日午後)

日インドネシア防衛相会談(概要)