(第18回IISSアジア安全保障会議)
日米豪防衛相会談

英語版/English

日米豪防衛相会談共同声明(仮訳)

2019年6月1日、シンガポールにおいて、第18回アジア安全保障会議(2019年シャングリラ会合)の機会に、リンダ・レイノルズ豪州国防大臣、岩屋毅日本国防衛大臣及びパトリック・シャナハン米国国防長官代行は、三カ国防衛相会談を開催した。三大臣は、インド太平洋地域の安全、安定及び繁栄を支援する上で、より多くのことに共に取り組むことへの共通のコミットメントで一致した。これは、日米豪防衛大臣による第8回目の会談である。

岩屋大臣及びシャナハン国防長官代行は、豪州における最近の選挙に引き続く、レイノルズ大臣の国防大臣への就任に祝意を示した。三大臣は、開かれ、包摂的で、法に基づき、主権を尊重し、紛争が平和的に強制されることなく解決され、インド太平洋地域に関する共通のビジョンを確認した。三大臣は、地域において行動の規範及び協力の習慣を形成する上で有益な役割を果たしているASEANが主導する地域的枠組みを支援すること及びASEANの中心性を支援することの重要性を認識した。日豪の両大臣は、シャナハン国防長官代行が発表した米国インド太平洋戦略報告を歓迎した。三大臣は、共通の戦略的ビジョンの下、透明性が高く、効率的で、効果的な方法により、地域における各国の及び共同の関与がもたらす利益を最大化するため、地域に対する緊密に連携した支援を継続することで合意した。

三大臣は、関連する国連安保理決議に従った、完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での北朝鮮の全ての大量破壊兵器、弾道ミサイル並びに関連計画及び施設の放棄の実現に向けた国際社会による現在進行中のコミットメントの重要性を強調した。三大臣は、北朝鮮の最終的かつ完全に検証された非核化を達成するための米国及び韓国の外交努力を歓迎するとともに、この目的のため、北朝鮮に対し、米国との交渉に戻ることを求めた。三大臣は、朝鮮半島の平和に向けた外交的な道が存在する一方で、最近の北朝鮮によるミサイル発射に示されるように、北朝鮮が、依然として警戒を要する極めて重大な脅威であることを確認した。三大臣は、関連する国連安保理決議を完全に履行し続けることで合意した。三大臣は、瀬取りを含む違法な活動を抑止し、中断させ、完全になくすための持続的な国際協力を歓迎し、三カ国のコミットメントを再確認した。

三大臣は、東シナ海において、現状の変更を試み、又は緊張を高めるあらゆる威圧的で一方的な行動への強い反対を表明した。三大臣は、このような行動を抑止することを視野に、この地域の情勢について緊密な意思疎通を継続するとの意図を表明した。

三大臣は、南シナ海における国際法順守の重要性並びに航行及び飛行の自由の擁護に対する共通のコミットメントについて議論した。三大臣は、係争ある地形の軍事化を含め、南シナ海における安定を損ね、又は危険であるあらゆる活動に、引き続き深刻な懸念を示した。三大臣は、国連海洋法条約に基づいた紛争の平和的解決の重要性を強調するとともに、現状変更のための武力の行使又は強制に対する強い反対の意を表明し、地域の全ての国家に対し、緊張を緩和し、信頼を構築するために意味ある手段を取るよう求めた。日米豪は、南シナ海における行動規範(COC)が、国連海洋法条約に反映されている既存の国際法と整合的であること、第三者の利益や全ての国の国際法上の権利を害さないこと、既存の包摂的な地域的枠組みを強化すること、また紛争を複雑化又は激化させる行動を止めることに対する当事国へのコミットメントを強化するものであることを求めた。

三大臣は、繁栄し、安全で、主権を尊重する大洋州地域を支援するため、大洋州のパートナーと共に取り組むことへのコミットメントを強調した。三大臣は、各国の軍軍間の活動、特に大洋州に対する全政府的取組に資する活動を歓迎し、その重要性を認識した。

三大臣は、インド太平洋地域における三カ国協力に関する共通の長期的ビジョンを明確化する戦略アクション・アジェンダ(SAA)に合意した。三大臣は、SAAにより、各々の防衛当局が、強化された三カ国防衛協力活動を計画し、及び実施することが可能になることを確認した。

三大臣は、三カ国間の緊密な防衛関係を強調するとともに、共同演習・訓練、能力構築支援等を始め、地域におけるそれぞれの防衛分野の関与を一層調整することに合意した。

(以上)

日米豪戦略アクション・アジェンダ(仮訳)

豪州、日本及び米国の防衛大臣は、民主主義、人権、自由貿易及びルールに基づく国際秩序に対するコミットメントを含め、戦略的利益及び普遍的価値を三カ国が共有することを確認した。また、三カ国は、戦略地政学的変化の時代において、インド太平洋地域の繁栄、強靭性、透明性を推進すべく、地域の関係国との取組を強化することの重要性につき認識した。

三カ国間協力は、それぞれの強固で効果的な二カ国間協力関係を補完するとともに、インド太平洋地域の平和、安全及び繁栄を支援するために必要な資源の蓄積となる。三大臣は、地域の基幹的な安全保障・防衛枠組みを積極的に支持することを通じ、三カ国協力を前進させ、地域の志を同じくするパートナーとの取組を強化し、ルールに基づく国際秩序を強固なものとすることにコミットする。

戦略アクション・アジェンダは、三カ国の活動のビジョン並びに三カ国間で、及び地域のパートナーと共に取り組むことに対する強固なコミットメントについて明確にする。このため、豪州、日本及び米国は、以下の取組の追求を企図する。

  • 海洋安全保障、人道支援・災害救助、平和維持、テロ対策、水陸両用活動及び宇宙、サイバー、電磁波等の非伝統的な領域での活動における三カ国協力を強化する。
  • 地域のパートナーとの緊密な協力の下、定期的な情報共有、相互補完的な事業や共同活動を通じ、能力構築支援に係る機会を特定し、調整する。
  • 相互運用性を向上させ、共通の理解を形成し、及び三カ国の防衛力によるインド太平洋地域の平和と安全に貢献する共同の取組を更に可能とするため、三カ国の共同演習を複雑化・高度化させる。
  • 全ての国が有する国際法に基づいた航海・航行の自由の権利を行使する寄港やその他の防衛関連活動の実施を通じ、透明性、地域協力、法の支配を推進する。
  • 三カ国の情報共有の強化を通じ、共通理解及び地域情勢認識を向上させる。

三大臣は、自由で、開かれ、安定し、繁栄したインド太平洋を維持・強化するという目的の下、三カ国協力を更に強化すべく、新たな機会の特定にコミットする。