共同プレスリリース(仮訳)

平成28年7月14日
インド国防省
日本国防衛省

  1. 中谷元日本国防衛大臣は、マノハール・パリカル・インド国防大臣の招待によりインドを訪問し、7月14日、ニューデリーにて、年次の防衛相会談を行った。
  2. 両大臣は、「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」の枠組みの下、建設的、生産的かつ前向きな雰囲気の中、意見交換を行った。両大臣は、より強固な二国間戦略的パートナーシップの要件として、防衛及び安全保障分野において、深甚かつ広範な協力と具体的な行動が求められるとの認識を共有した。両国は、グローバル及び地域的な課題に協力して対応し、インド太平洋地域の平和、安定、繁栄に共に貢献し得る。両大臣は、現在の地域及び国際的な安全保障情勢や防衛協力・交流の深化に関する幅広い問題について意見交換を行った。また、両大臣は両国の防衛政策について説明し、相互の理解を深めた。
  3. 両大臣は、7月1日(現地時間)にバングラデシュで発生したテロ事件により、両国民が犠牲となったことについて、深い哀悼の意を表した。両大臣は、非道なテロ行為を断固として非難するとともに、いかなるテロリズムの形態及び表明も、犯罪であっていかなる理由においても正当化されないことを再確認し、また、テロリズムは国際の平和と安全及び地域の安定と発展に対する最も深刻な脅威の一つを構成するものであることを指摘した。両大臣は、テロの性質が進化していることは、テロとの闘いにおいて、より強い国際的なパートナーシップが求められることを強調した。
  4. 両大臣は、インド洋と太平洋をつなぐ海の安全と安定は、インド太平洋地域の平和と繁栄を確保する上で重要であると認識した。これに関連し、両大臣は最近の状況について懸念を表明した。また、両大臣は、とりわけ国連海洋法条約に反映されているような国際法の尊重、武力の行使や威嚇によらない紛争の平和的解決、航行及び上空飛行の自由及び安全の確保、また公海における妨げられない合法的な商業活動について再確認した。この文脈において、両大臣は、2016年7月12日に発表された、国連海洋法条約の下の、南シナ海に関する仲裁手続に関する仲裁判断に留意し、全ての締約国が国連海洋法条約を最大限尊重することを強く求めた。
  5. 両大臣は、北朝鮮が核兵器開発及び弾道ミサイル計画を継続していることについて重大な懸念を表明し、全ての関連する国連安保理決議を含め、全ての国際的な義務を完全に遵守するとともに、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動をとること強く求めた。両大臣は、核とミサイルの拡散に関する懸念を強調し、核とミサイルに関する技術や情報の取得について、警戒するよう求めた。
  6. 両大臣は、拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)をはじめとするASEAN中心の対話枠組の重要性を認識した。また、両大臣は、その枠組みの下で行われる専門家会合等の取組を歓迎し、その有用性を認識した。中谷大臣はインド国防省によるADMMプラス地雷除去専門家会合議長としての、パリカル大臣は日本防衛省による同災害救援・人道支援専門家会合議長としての貢献に敬意を表した。
  7. 中谷大臣は、本年3月に日本の平和安全法制が施行され、自衛隊が国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的な役割を果たすための法的基盤が整備された旨説明し、パリカル大臣はこうした日本の取組について支持を表明した。
  8. 両大臣は、2014年9月の日本国防衛省とインド共和国国防省との間の防衛協力及び交流に関する覚書の署名、2015年12月の日印首脳会談の際の日印防衛装備品・技術移転協定及び日印秘密軍事情報保護協定の締結を歓迎し、二国間の防衛協力・交流の基礎が強化されていることに満足の意を表明した。同時に、両大臣は、より具体的かつ効果的な協力を模索する意図を強調し、次の分野で協力・交流を推進していくことで一致した。
    • (1)ハイレベル及び実務レベル交流
       両大臣は、防衛大臣間の交流や幕僚長及び参謀長の間の交流等、ハイレベル交流が両国間の防衛協力・交流の牽引力となることを認識し、これらハイレベル交流を引き続き活発に行っていくことを確認した。この観点から、以下について実施することで一致した。
      • ア 年次の防衛相会談。インド国防大臣が2017年に日本を訪問する。
      • イ 2015年のインド陸軍参謀長の訪日及び2016年の海上幕僚長の訪印の実現を歓迎し、2016年中のインド海軍参謀長の訪日及び2017年初頭の陸上幕僚長の訪印を追求する。
      • ウ 第5回防衛次官級政策対話及び第4回次官級「2+2」対話の早期開催。
      • エ 日印防衛当局間において海洋戦略協議の新設を探求。
    • (2)陸上自衛隊とインド陸軍の間の交流
       両大臣は、陸上自衛隊とインド陸軍との間で、互いの能力と経験に基づき、対テロ分野及び人道支援・災害救援分野における交流が着実に進展していることを歓迎した。これらの交流の一環として、2016年中に陸上自衛隊とインド陸軍の間の幕僚懇談を東京で開催する。また、対テロ分野での専門家交流として、インドの対内乱・ジャングル戦学校(CIJW)へ陸自研修員を派遣する。さらに、中谷大臣は、将来的に、陸上自衛隊が実施する人道支援・災害救援分野における訓練に、インド陸軍のオブザーバーを招待する機会を追求する意図を表明した。
    • (3)海上自衛隊とインド海軍の間の交流
       両大臣は、海上自衛隊及びインド海軍の緊密な繋がりに満足の意を表明した。両大臣は、2015年10月に日本で及び2016年2月にインドでそれぞれが主催する国際観艦式への参加などを通じて、海洋安全保障における強化された協力に留意した。中谷大臣は、米印主催海上共同訓練「マラバール」への海上自衛隊の恒常的な参加に関するインドの決定に感謝した。また、両大臣は、2016年6月に日本周辺海域で実施された「マラバール2016」の成功を歓迎するとともに、2017年に日米印3か国海上共同訓練「マラバール2017」を開催することで一致した。さらに、インド海軍と海上自衛隊との間の二国間共同訓練の実施を追求することで一致した。
    • (4)航空自衛隊とインド空軍の間の交流
       両大臣は、飛行安全、テストパイロット、輸送機部隊などの分野における航空自衛隊とインド空軍との間の交流増加に留意した。また、2016年2月の航空自衛隊とインド空軍の間の初となる幕僚協議の開催を歓迎した。両大臣は、更なる日印空軍種間協力・交流に努力すべく、特に航空機によるそれぞれの基地への寄航について、追求する意図を表明した。また、中谷大臣は、将来的に、航空自衛隊が参加する人道支援・災害救援分野における訓練に、インド空軍を招待する機会を追求する意図を表明した。
    • (5)教育・学術交流
       両大臣は、それぞれの幹部学校の課程をはじめとし、留学生や研究者の交流を通じて、教育及び学術交流が増加していることに満足の意を表した。また、インドの国連平和維持センター(CUNPK)と統合幕僚学校国際平和協力センター(JPC)との間での交流についても留意した。
    • (6)防衛装備・技術分野における協力
       両大臣は、関連する協定の締結を歓迎し、技術協力や共同開発を含め、二国間防衛関係を深化させるための協議を継続するためのコミットメントを再確認した。両大臣は、具体的な協力案件及び分野を特定すべく、防衛装備庁とインド国防省国防生産庁との間の第2回防衛装備・技術協力に関する事務レベル協議を2016年中の早期に開催することで一致した。
       また、両大臣は、2013年に開始されたUS-2飛行艇に係る協力に関する両国間の努力を評価した。

 中谷大臣は、インド訪問中の大臣一行に対する、パリカル大臣の丁重な歓迎ともてなしに感謝した。

 2016年7月14日 ニューデリー