日米防衛相会談の概要

令和7年3月30日
防衛省
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令和7年3月30日9時50分から約85分間、中谷防衛大臣とヘグセス米国防長官は、防衛省において会談を行ったところ、概要次のとおり。

1 総論

両閣僚は、一層厳しく複雑な安全保障環境に関する認識を共有した上で、本年2月7日の日米首脳会談における首脳間で一致した事項を踏まえつつ、両閣僚が力強いリーダーシップを発揮して、各々の国が防衛力を強化するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のために両国が緊密に協力し、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことを確認した。また、両閣僚は、米国による核を含むあらゆる能力を用いた、日本の防衛に対する米国の揺るぎないコミットメントを強調した。

2 地域情勢等

両閣僚は、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について率直な意見交換を行った。特に、中国について、東シナ海や南シナ海等におけるあらゆる力又は威圧による一方的な現状変更の試みに反対することを確認した。また、台湾周辺での軍事情勢を含む中国軍の動向に留意し、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。

3 日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化

両閣僚は、変化する安全保障環境がもたらす課題に対応するため、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する様々な取組について、切迫感を持って推進していくことで一致した。両閣僚は特に、

  1. 日米の指揮・統制枠組みの向上について、自衛隊の統合作戦司令部の創設や在日米軍の統合軍司令部へのアップグレードの開始を含む具体的な進展を歓迎し、平時から緊急事態までの日米の共同活動に係る協力を一層効果的に実施するために引き続き取り組むこと
  2. 南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大について、より高度かつ実践的な共同訓練の拡充を含め、同盟の最優先事項の一つとして取り組むこと
  3. 防衛装備・技術協力について、日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)の枠組みを効果的に活用しつつ、次回協議に向けてAMRAAM等のミサイル共同生産や米軍艦船・航空機の共同維持整備にかかる取組を加速し、日米の防衛産業基盤の相互補完・強化に取り組むこと
  4. 宇宙、サイバーセキュリティ、拡大抑止等において、連携強化を進めること

について重点的に議論を行った。

さらに、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため、日米を中核として、豪州、韓国、フィリピンを始めとする地域のパートナーとの間で、情報共有や運用面を含む協力を進展させていくことで一致した。

4 米軍再編等

両閣僚は、抑止力を維持し、地元への影響を軽減するため、普天間飛行場の継続的な使用を回避する唯一の解決策である辺野古における普天間飛行場代替施設の建設を含む普天間飛行場の返還を含め、沖縄統合計画及びその他の既存の二国間取決めに従った在日米軍再編の着実な実施が極めて重要であることを確認した。また、在日米軍による事件・事故の再発防止のための協力を進めることで一致した。