令和6年6月2日
防衛省
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日本国木原稔防衛大臣、アメリカ合衆国ロイド・オースティン国防長官及び大韓民国申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官は、2024年6月2日、シンガポールにおいて日米韓防衛相会談を開催した。閣僚は、地域の安全保障に関する共通の懸念について議論するとともに、2023年8月18日の歴史的なキャンプ・デービッド首脳会合で提示された3か国安全保障協力の取組の実施状況を検討し、朝鮮半島、インド太平洋地域及びそれを超えた地域の平和と安定に貢献するための3か国安全保障協力の活動を強化・制度化する新たな取組について議論した。閣僚は、こうしたモメンタムを維持していくことが重要であることを強調し、本年以降、日米韓防衛相会談、日米韓参謀総長等会議及び日米韓防衛実務者協議を各国毎に順次開催する意図を確認した。
閣僚は、北朝鮮による核及びミサイルの脅威を抑止し、関連する国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化を達成するため、3か国の安全保障協力を強化することへの継続的なコミットメントを確認した。閣僚は、北朝鮮による最近の核運搬システムの多様化、複数の弾道ミサイルの試験及び発射、軍事偵察衛星打ち上げとしての弾道ミサイル技術を使用した発射、違法な瀬取り、ロシアとの武器移転について、累次の国連安保理決議に明白に違反するものとして非難した。米国は、日本及び韓国の防衛に対する確固たるコミットメントを再確認し、このコミットメントが、通常及び核を含む米国のあらゆる能力に裏打ちされていることを強調した。
閣僚は、国際社会に対し、関連する国連安保理決議の下での義務を北朝鮮が完全に履行することを確保するという表明された目標を前進させるように強く求め、対北朝鮮制裁の履行を監視する国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネルのマンデート更新を阻止するロシアによる拒否権行使を受けて、安保理決議の効果的な履行のための取組を倍加させることを確認した。閣僚は、北朝鮮による最近の軍事衛星打ち上げの試みについても懸念を表明し、また、北朝鮮に対してすべての不安定化させる行動を直ちに停止するよう強く求めた。北朝鮮による核実験は、仮に実施された場合、国際社会による力強い断固たる対応により対処されることを再確認した。閣僚は北朝鮮との平和的及び外交的解決に向けた対話への道は依然として開かれていることを強調した。
閣僚は、ルールに基づく国際秩序が重要であることを強調するとともに、ロシアによるいわれのない残虐な侵略戦争に対し、ウクライナを支持するとのコミットメントを再確認し、ロシアの行動が、領土一体性及び主権の原則に対する深刻な侵害であり、国際秩序の構造を損なうものであるとの認識を共有した。
閣僚は、米国のインド太平洋戦略、日本の「自由で開かれたインド太平洋」のための新たなプラン及び韓国による自由・平和・繁栄のインド太平洋戦略の履行について意見を交換した。
キャンプ・デービッド首脳会合において強調されたとおり、閣僚は、インド太平洋地域の水域におけるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対することを再確認し、南シナ海において最近目の当たりにした、中国による不法な海洋権益に関する主張を後押しする危険かつ攻撃的な行動に関して各国が公に表明した立場を再び想起した。閣僚は、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映された国際法に整合的ではない行動に対する懸念を共有するとともに、航行及び上空飛行の自由等の国際法を完全に尊重することの重要性を強調した。
さらに閣僚は、台湾に関する基本的な立場に変更がないことを認識し、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。閣僚は両岸問題の平和的な解決を促した。
閣僚は、北朝鮮により発射された弾道ミサイルを探知し評価するためのミサイル警戒データのリアルタイム共有のメカニズムの始動などを含む、2023年8月のキャンプ・デービット首脳会合以降の進捗を認識した。閣僚は、挑発を効果的に抑止及び対処する能力を確保するために、データの共有メカニズムを本年末までに更に最適化することによって協力を強化することを誓約した。
閣僚は、複数領域における新たな3か国共同訓練「フリーダム・エッジ」を初めて今夏に実施することで一致した。閣僚は、3か国共同訓練について、2023年8月のキャンプ・デービット首脳会合を踏まえ昨年策定された、複数年にわたる共同訓練計画に沿って体系的に実行することを再確認した。
閣僚は、朝鮮半島及びインド太平洋地域における様々な脅威を踏まえた効果的な抑止・対処の方法について議論するため、3か国机上演習(TTX)を実施することで一致した。
また、閣僚は、2023年8月のキャンプ・デービッド首脳会合以降も3か国の協力を推進していくことが重要であるとの認識を共有するとともに、3か国の安全保障協力の枠組みを年内に構築し、ハイレベル政策協議、情報共有、3か国訓練及び防衛交流を含む3か国の安全保障協力を制度化することを誓約した。
日韓は、共通の安全保障上の目標を守り、前進させるために、2国間関係及び3か国協力が重要であることを強調した。閣僚は、朝鮮半島、インド太平洋及びそれを超えた地域の平和と安定を確保するため、引き続き3か国協力の強化にコミットした。