肉弾三勇士 江下伍長像 除幕式

 目達原駐屯地(駐屯地司令 酒井弘陸将補)は平成2月26日(金)、「肉弾三勇士」の一人である江下伍長の石膏像修復に伴い、除幕式を実施した。

 「肉弾三勇士」は、昭和7年1月の上海事変勃発に伴い中国に出征、2月22日、中国軍が配備する廟行鎮を攻撃するため、その前面の鉄条網の処理を命ぜられ、猛烈な弾雨の中、火のついた破壊筒をかかえて身を捨てて突入し、壮絶な戦死を遂げた、江下武二、北川丞、作江伊之助の3名の旧帝国陸軍第18独立工兵大隊所属の一等兵で、戦死後、全員が2階級特進して工兵伍長になった。

 江下伍長は、佐賀県神埼郡蓮池村(現在、佐賀市蓮池町)の出身で、昭和9年に県民の寄付で、故郷の蓮池公園(左写真)に銅像が建立されたが、銅像は太平洋戦争の戦局悪化にともない、昭和17年頃金属回収され、現在は、台座を残すのみである。その原型の石膏像が一部破損していたが、九州補給処の倉庫に保管されていた。銅像の原型は、オリジナルのクオリティーを高める意味からも、銅像鋳造後に複製されないよう破棄されることが通例であり、原型の石膏像が70年以上の年月を経て残っていることは希有である。

 今回、佐賀市在住の美術家 舟一朝氏と塗装業 宮嵜香氏の協力を得て修復した。

 舟氏によると、「歴史的に価値ある資料として保存すべきであり、彫刻作品としてのレベルも最高である。また、現在佐賀県で残っている軍人を題材にした石膏像の中で最大のもの(高さ:約280cm)」とのことであり、隊員の精神教育の場として、また、来訪者に国防の重要性を認識していただく場として活用できるよう、広報資料館に展示することとなった。