第4師団は、令和元年8月の前線による大雨に伴い、8月28日(水)8時4分、佐賀県知事からの西部方面混成団長に対する人命救助及び航空機による情報収集等に係る災害派遣要請を受け、活動を開始しました。同日、記録的な大雨により、住宅や道路が冠水、孤立状態となった武雄市の住民救助のために、西部方面混成団を基幹とする部隊を派遣し、被災地で孤立した地域住民の救助活動を渡河ボート等により実施、各災害対策本部との緊密な調整のもと、警察及び消防とも連携し安否確認を行うとともに、約130名の孤立者を救助しました。また、8月28日から、大町町における流出油被害に対し、海上自衛隊佐世保地方隊がオイルフェンスを設置するとともに、西部方面特科連隊第4大隊、第16普通科連隊、、第41普通科連隊、第4高射特科大隊、第4施設大隊、海上自衛隊佐世保地方隊、航空自衛隊西部航空方面隊等が油吸着マットによる回収作業を開始しました。更に、第4特殊武器防護隊による防疫支援として国道の消毒作業を実施し、あわせて同町に所在する順天堂病院への救援物資輸送、人員輸送を海上・航空自衛隊と協同で実施しました。その他、第4偵察戦闘大隊、第4通信大隊は地上伝送及び災害ドローンを使って情報収集活動を実施、第4飛行隊は、指揮連絡及び人員輸送を行いました。8月30日からの生活支援においては、大町町総合福祉保健センター、大町町公民館、武雄市の北方小学校、朝日小学校において、西部方面後方支援隊、第4後方支援連隊、第8後方支援連隊が、航空自衛隊西部航空方面隊の給水支援を受け、被災された方への給食支援及び入浴支援を行うとともに、第4音楽隊による慰問演奏を実施して、被災された方々に寄り添う活動をしました。本活動に参加した第4施設大隊 光永1尉は、「日々変化する多様な任務を、中隊のみで遂行するため、困難な状況もありましたが、自治体、消防団、国土交通省職員、上級部隊LO、海上自衛隊等との連携・協力により任務を遂行することができました。一緒に任務にあたった方々と互いに集まり『それぞれが連携・協力して任務に従事することができ本当によかった。我々は仲間だね。』という言葉をいただき、お互いの能力を発揮して目標に向かっていくことの重要性、素晴らしさを実感することができました。」と災害派遣の経験を述べてくれました。また、第16普通科連隊 上村1尉は、「今回の災害派遣において、鉄工所から流出した油の除去作業の任務に就きました。作業を開始した当初は道路や一部家屋が浸水しており、災害の爪痕が残っていました。濁った水の上には、流出した真っ黒な油が広範囲に浮いており、悪臭を放っていました。マスクやゴーグルを付け、同付き長靴を履いて水の中へ進み、丁寧に油を除去しました。気候も炎天下であり、体調管理には細心の注意を払いました。派遣間は、被災された現地住民の方々の、1日も早い復興を願って、任務に取り組みました。そして、被災地の方の暖かいお声かけが、私たちにとって任務遂行の大きな励みとなりました。」と述べてくれました。各支援を通じて、被災地の方からは、「いつも大変な時に助けていただきありがとうございます。」「自衛隊の支援があり助かりました。」と多くの励ましや感謝の言葉をいただきました。第4師団は、これからも我が国の防衛と共に地域の安全と安心にも貢献すべく全力を尽くしてまいります。


人命救助活動

油除去作業する隊員

航空自衛隊との共同物資輸送

被災地への物資輸送

慰問演奏会

朝日小学校での見送り行事