発表事項
本日は、私から1点、多国間訓練、カーン・クエスト26の成果についてお知らせをいたします。陸上自衛隊は、6月20日から7月3日までの間、モンゴルにおいて、モンゴル陸軍及び米陸軍が共催する多国間訓練であるカーン・クエスト26に参加をいたしました。本訓練では、国連平和維持活動を想定した指揮所訓練及び実動訓練に参加し、多国籍環境下における指揮幕僚活動や各種対処行動を演練することにより、PKO任務遂行の必要な能力の維持向上、ノウハウの獲得・蓄積を図ることができたものと認識をしております。また、陸上総隊司令官による開会式への参加及びツォグトジャンガル・モンゴル陸軍司令官等との懇談、陸上幕僚副長による現地確認及びボヤンデルゲル・モンゴル陸軍参謀長との懇談を通じ、参加各国との相互理解の促進による信頼関係の強化を図りました。陸上自衛隊は、引き続き、こうした多国間訓練を通じて国際社会の平和と安定に寄与するとともに、同盟国・同志国等との連携強化に努めてまいります。私から以上です。
質疑応答
記 者:
先週の話になって大変恐縮なんですが、陸上自衛隊は6月28日のXで南鳥島で地対艦ミサイルの射撃訓練を行う射場の整備を完了したと公表しました。Xにも書いてあるところではあるんですが、陸幕長にも改めて事実関係と現在のその展開状況、そして南鳥島で射撃訓練を行うことの意義を伺えればと思います。また、その訓練の具体的なスケジュールやその規模など、現状決まっていることがありましたら、そちらも伺えればと思います。
陸幕長:
まず、ご指摘の件についてはですね、令和9年度以降の射撃訓練、これを円滑に実施するための南鳥島における準備、その内の今回実施した機能確認の一環として、各種アセットを展開いたしました。この機能確認につきましては、今回、南鳥島の射撃訓練のための整備を行った射座、射撃装置等を備え付ける場所ですね、射座等において、各種装備品が安全かつ確実に展開可能かを確認することを目的として、12SSM、それからNEWS、それからスキャン・イーグルというものを展開いたしました。本機能確認では、整備した射座等に実際に装備品を配置をし、射座及び展開地域の広さ、それから傾斜、地耐力、地面がですね、重さに耐えられるかどうかとか、そういうものが確保されているかということを確認したものです。この装備品等ですね、含めまして、この機能確認はすでに終了いたしまして、配置した装備品については、南鳥島から現在は撤収をしております。来年度以降のですね、その射撃訓練のスケジュールについてはですね、これから細部具体化をするというところであります。以上です。
記 者:
先週の会見でもちょっと話題になってたかと思うんですけど、USBへのマルウェアの感染の件でちょっと追加でお伺いします。先月末から今感染経路の再調査をやってらっしゃると思いますが、そもそもそのウイルスが検知された昨年の時点ではですね、具体的にどういう調査が行われて、どういう結果までが分かってて、今回の再調査では、改めて何を調査しているのか、ちょっと詳しく伺いしてもいいでしょうか。
陸幕長:
昨年、令和7年2月、陸上自衛隊中部方面総監部において、令和6年4月以降使用していたUSBメモリにマルウェアが含まれていることを検知した事例がありました。その時の調査ということですが、様々な調査を実施した上で、この当該マルウェアが自己増殖の動作にとどまる古典的なものであり、情報窃取、あるいは外部への通信を行うものではなかったということが1点。それから、2点目については、USBメモリを接続したシステムへのマルウェアの拡散は見られなかったということから、陸上自衛隊のシステムへの影響がなく、外部への情報流出もなかったことを確認しております。これが調査とその調査結果です。また、その上でですね、防衛省・自衛隊の各種規則においては、このUSBメモリの安全性を確認する複数の方策を規定していますが、例えば調達に際しては、重要性、運用環境等に応じて事前に安全性を確認するなど、適切にサプライチェーンリスクに対応することとしている。また、USBメモリの使用に際しても、例外なくウイルスチェックを実施し、安全性を確認することとしております。しかしながら、その中部方面総監部の件においてはですね、USBメモリの使用に際して、例外なくウイルスチェックをするという規則、これが遵守されておりませんでした。このことは問題であったと考えており、こうしたことが起きないよう、ウイルスチェックの実施を徹底をしているところであります。その上でですね、先週もお知らせいたしました、現在行っている調査においてはですね、今回改めてですね、本件USBメモリに係るサプライチェーンリスクへの対応状況を含めてですね、取得までの経緯、そういうものについてですね、改めて念のための確認を行っているところであります。
記 者:
昨年時点での調査では、内容が不十分で、もう1回改めてやっているということなんですか。
陸幕長:
調査内容のですね、適否、あるいはこの内容に関わる詳細については、お答えを差し控えさせていただきますが、今般ですね、各種報道機関からの問い合わせがあったりということでですね、改めて調査をしているということであります。
記 者:
昨年の時点で本事案を公表しなかった理由についても、ちょっと改めて聞いてもいいでしょうか。
陸幕長:
まずですね、この件についてはですね、繰り返しになりますが、このマルウェアがその自己増殖の動作にとどまる古典的なものであって、この情報が抜き取られたり、情報窃取、外部への通信を行うものではなかったことと、このUSBメモリ、これを接続した陸上自衛隊のシステムへのマルウェアの拡散が見られなかったことからですね、当時、公表に至らなかったものであります。
記 者:
ということは、同じような理由で、これまでもその公表しなかった同種のウイルス感染事案が、他部隊とか他部署でもあった可能性があるということなのでしょうか。
陸幕長:
防衛省・自衛隊におけるですね、今お尋ねのありましたようなサイバーセキュリティに関する事例についてはですね、やはりその内容、性質等を踏まえてですね、それぞれ個別に適切な判断が必要であると考えておりまして、どのような事例が過去、あるいは同種事案があったかというものについてはですね、一概にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
記 者:
今後ですね、今回と同じような、その外部への影響がないとか、様々な理由で、これまで公表基準に満たなかったような事案が起きた時の今後の対応はどうなっていくのでしょうか。
陸幕長:
繰り返しになりますが、それぞれの事例についてはですね、その内容、それから事例の性質、これを踏まえてですね、個別、ケースバイケースで判断をしていくこととなると思います。
記 者:
先週、内倉統幕長が個人名のXのアカウントを開設されたんですけれども、陸幕長としても同様にアカウントを開設する予定があるのか、もしくは今検討しているかどうかを伺います。それで、陸自のトップの指揮官としてですね、個人名がついたアカウントを使って、そのSNSで発信していくことの是非についても、今どういう認識でいらっしゃるのかも併せて教えてください。
陸幕長:
まず1つ目であります、内倉統幕長が個人名のXアカウントを開設したということについては承知をしているところであります。陸上自衛隊としてはですね、防衛省、それから陸上自衛隊の活動について、国民の皆様に正確かつ分かりやすく情報発信を行うことは重要であるというのは論を待たないところであり、そのような重要性は認識をしております。今後もですね、より良い情報発信のあり方を継続的に検討しながら、今のご質問の件については適切に対応してまいりたいと思っております。2つ目ですが、個人名のついたアカウントを使ってSNSを開設するようなことに関する是非というお尋ねだったと思います。情報発信の手法についてはですね、現在様々な手段があると思っておりますが、やはり情報発信をする目的、それから情報発信をするような、その時々の情勢・環境、こういうものに応じてですね、適時適切に判断されるべきものであり、その個々の、たとえばSNSアカウントが個人的に必要かうんぬんかんぬんという必要性についてはですね、一概にお答えすることは、私の立場ではできないと思っております。いずれにせよ、今後、このより良い情報発信のあり方についてはですね、継続的に、その時の情勢、あるいはそういうもの、全部踏まえてですね、検討していきますので、適切に対応してまいりたいと考えております。
記 者:
沖縄の県立高校で、自衛隊担当者が生徒に何度も電話をかけたり、個別にLINE交換をして説明会の案内などをしている件について伺います。この事例は、2日の沖縄県議会一般質問で明らかになりました。沖縄県教育委員会も把握しているということです。生徒とLINE交換をしての個別のやり取りは、自衛隊組織として推奨しているものでしょうか。また、学校側は自衛隊に対して行き過ぎた勧誘を控えるよう注意をしたが、改善されなかったということです。このことについてと、生徒から学校側に「怖い」「何度もかかってくるので、断りにくい」などの声が寄せられていることへの陸幕長の受け止めをお願いします。
陸幕長:
まずですね、1番目のご質問、お尋ねのありました件についてはですね、議会で、沖縄県内における自衛隊の募集活動について質問があって、その内容をお尋ねだというふうに思っております。自衛隊地方協力本部においてはですね、募集対象者に対してイベント案内、それから受験案内等の採用広報を実施しておりますが、この募集あるいは採用広報、活動を行う際にですね、担当者と募集対象者が連絡を取る手段の一つとして、LINEを利用する場合があるものと認識をしております。LINEは、ご承知のとおり、多くの人が連絡手段として利用している一般的なアプリであり、相手の同意を得た上で連絡先を交換していることから、連絡手段として利用することに問題があるとは考えておりません。地方協力本部の活動についてはですね、平素から様々な機会を捉えてですね、募集対象者、学校関係者などの皆様への対応についてですね、今ご指摘があったりとか、そういうご懸念があるようなことがないような指導は周知、これをしておりますので、引き続き、色々な事象がもしあったと言われる場合についてもですね、適切に対応してまいりたいと思っております。2つ目ですね、生徒さんたちからですね「少し怖い」とかですね、「行き過ぎなんじゃないか」という声が学校側に寄せられていることに関する私の受け止めというご質問と認識をしました。このまず報道で指摘されている内容についてはですね、現在、そのような事実があったのか否か等も含めてですね、確認をしているところであります。現時点ではですね、そのような状況でありますので、個別の事案に関する評価とか見解についてお答えすることは差し控えさせていただきますが、やはりですね、自衛隊の募集・広報活動に際してはですね、募集対象者、それからその保護者の方々、それから学校関係者の理解と信頼を得ながら適切に実施することが重要であるというものを認識しております。今後ともですね、募集対象者や保護者、学校関係者にご理解いただけるよう、適切な募集・広報活動の実施に努めてまいるとともにですね、繰り返しになりますが、地方協力本部の活動についてはですね、細心の注意をもって注視をしつつ、もしあまりよろしくないようなことがあれば、しっかりと指導していくのが私の務めであります。
記 者:
当該学校は、今年度、この進路説明会を、改善されなかったということで中止としたみたいなんですけど、そのことについては何かありますでしょうか。
陸幕長:
私、そこの件についてはですね、細部今確認中でありますので、先ほど申し上げましたとおり、現時点でですね、評価とか、そういうものは差し控えたいと思いますが、何度も繰り返しますが、学校、それから募集対象者等の皆様にですね、しっかりと理解をいただける、そういうものを広報活動、これを指導していきたいと思っております。
記 者:
関連いたしまして、先ほど事実関係を確認中だということだったんですけども、例えば事実関係を確認して、実際に高校側がおっしゃっているように、生徒に対して何度も電話をかけて、生徒本人が怖いということ感じるような事実があった際には、陸上自衛隊として何か再発防止策を発表するのか、もしくはそういう事実があったというふうな発表をするのか、また、その地方協力本部の該当する隊員に対して、何かその処分であったりとか、注意だったりそういったものをするご予定はあるのかということについて、現時点で決まっていることがあれば教えてください。
陸幕長:
まずですね、繰り返しになりますが、事実関係は確認中であります。従いまして、仮定のご質問についてはですね、お答えすることは差し控えをさせていただきますが、先ほど来、繰り返しておりますように、地方協力本部の活動というのは、やはり高校生、あるいは保護者の方、学校関係者とですね、密接に連携する部分でありますので、細心の注意、あるいは丁寧な、そういうような活動を指導していきたいと思っております。
記 者:
いつまでに事実関係を確認できそうかとか、そういった目途って現時点で把握されてたりしますでしょうか。
陸幕長:
いま、調査中ということだけで報告を受けておりますので、また逐次確認をしていくことになると思っております。
記 者:
先ほどのUSBのマルウェア感染について、関連で1点お伺いさせてください。先ほど陸幕長のご説明の中で、適切なウイルスチェックがされていなかったというご説明もありましたが、そういたしますと、関連する隊員に、注意なども含めて処分はご検討されているのでしょうか。
陸幕長:
細部ですね、今現在、改めて色々な調査をしているところでありますので、現時点ではですね、評価とかそのようなものは差し控えたいと思いますが、調査の過程でですね、そういうふうな不適切な事案とかそういうものがある場合については、必要な検討をしてですね、処置をしていくことになると思っています。繰り返しになりますが、現在調査中ですので、予断をもってですね、それをする、しないという話はですね、差し控えをさせていただきたいと思っております。
記 者:
南鳥島の射撃訓練の準備に関連してお伺いです。地対艦ミサイルの他、NEWS、スキャン・イーグルも持ち込んだとのことですが、訓練ではこうした装備をどう組み合わせて使う想定なのか、お伺いさせてください。
陸幕長:
来年度以降ですね、計画する訓練でありますので、その細部の要領というのはですね、その南鳥島の天候・気象、あるいは地形の特性等を踏まえてですね、改めて検討します。その上で、一般的に申しますと、やはりこのスキャン・イーグルというのは情報収集とかそういうものに、用途の装備品でありますので、洋上を情報収集するような想定、それに従いまして、SSMが目標を発見をして、射撃訓練ですね、標的に向かってするというふうな過程であります。その過程でですね、NEWS、電子戦の重要性というのは今高まっておりますので、こういう射撃に、この電子戦をどうやって絡ませていくかということもですね、改めて来年度検討しながら計画をしていきたいと思っております。
記 者:
関連しまして、実際、今回南鳥島へ装備を運んでみての、出てきた課題などがあれば教えてください。先ほどの気象の話や、地形の特性なども絡むことかもしれないんですけども。
陸幕長:
私が今報告を受けているのはですね、やはり、この前もお答えをしたとおりですね、まず、やはり約2000km離れた孤島ということで、海象・気象が非常に厳しいということで、やはりこの接岸をする、あるいは気象が悪くなる前に撤収をするという、今回もあったのですが、そういう判断というのはですね、やはりこれから難しいんだろうということで、そういうものをどうやって計画していくかということ。そして実際に今回、射撃訓練用にですね、先ほど申しましたような射座を整備したり、それから道路を整備したり、それから一時的な宿泊用にですね、海上保安庁の庁舎(※)をですね、少し改修させていただきました。今のところですね、予定どおり大体終わったところでありますが、やはりこれから年に何回できるかわかりませんが、例えば一般的には塩害とか、そういうもので装備品が、建物がどうなるか、あるいはやはりかなり厳しい気象だということなので、先ほど来、申しております射座、これがどれぐらい荒れるというか、どれぐらい修復の所要が要るかとかですね、そういうものも考えながらやっていくという、課題があるのかなというふうに思っています。
以 上
後刻、以下のとおり修正
※ 現在は使用されていないことから、「海上保安庁の庁舎」を「海上保安庁の旧庁舎」に訂正