64歳の予備自衛官
令和元年5月、予備自衛官招集訓練も今年で最後と感慨に浸りながら出頭すると、地本の方から「現職自衛官の定年延長に伴い、予備自衛官も最終任期の更新年齢が61歳になったので、岩﨑さん、あと3年、64歳までよろしくお願いします!」と言われました。
今回の招集訓練で最後だと思っていたところ、新しい制度の下、あと1任期、もしかして最終任期満了64歳の予備自衛官第一期生?
そんな私も今年で64歳、これまでの予備自衛官人生の思い出を書いてみたいと思います。
私は、昭和61年12月31日付で、お世話になった第308基地通信中隊を最後に退官し、翌62年2月より予備自衛官になりました。
岩手駐屯地での招集訓練に初めて参加した時は、全く知らない方ばかりでしたが、年を重ねるたび、数えきれないほどのいろいろなご縁で仲間が増え、毎年の招集訓練が私にとってかけがえのないものとなっていきました。何より、予備自衛官として同じ釜の飯を食った同志は、深い絆で結ばれていると感じました。
特に、現職自衛官時代に第2特科群所属で同じ日米合同演習に参加していたという方と出会い、懐かしい話に花が咲いたことを思い出します。
予備自衛官の役割の重要性を強く感じた出来事は、平成23年3月に発生した東日本大震災で即応予備自衛官及び予備自衛官が初めて招集された時です。
予備自衛官招集訓練時、宿泊場所が体育館という時があり、みんなで体育館に雑魚寝をしました。震災の時、長期にわたり体育館を避難所として生活された被災者の方々のご苦労とは比べものになりませんが、その大変な気持ちを少しでも理解できた気がしました。
またある年の招集訓練時、夕食が隊員食堂での喫食ではなく、部隊での配食ということがありました。配膳時、プラスチック製の食器をポリ袋に入れ、その上から盛り付け、食後はポリ袋を捨てるというキッチン用ポリ袋の利用法には目から鱗で、大変便利な使い方だと感心しました。
これまで、仕事が忙しく招集訓練に参加できない年もありましたが、予備自衛官として、人生でとても貴重な時間を過ごすことができました。
最後に、皆様に支えられながら予備自衛官最終任期満了の64歳を無事迎えることができ、感謝に絶えません。この場を借りて厚く御礼申し上げます。