訓練等名 令和5年度第2中隊訓練検閲
期 間 R5.11.10〜R5.11.13
場 所 白河布引山演習場





「中隊訓練検閲を終えて」

第6施設大隊 第2中隊  3等陸曹 武田 礼人

 私は、令和5年11月10日から13日までの間、白河布引山演習場で実施された中隊訓練検閲に施設陸曹として参加しました。小隊の任務は対空戦闘部隊退避壕として4.5LPによる近SAM用簡易掩蓋掩壕を構築することであり、私は構築班組長として任務に当たりました。今回の検閲が初めての連続状況下においての4.5LP構築だった為、検閲準備の段階から不安もありましたが、楽しんでやろうという気持ちを持って取り組みました。

 状況が開始され、不眠不休の戦いが始まりました。油断している時間は無く、刻一刻と状況は変化していきました。作業工程が遅れ始めたのは枕材設置だと記憶しています。その頃には、3日目に差し掛かり、小隊の全員が体力的に限界を迎えようとし、気持ちで踏ん張ろうとしましたが、それだけでは上手くはいきません。枕材設置は簡易掩蓋掩壕構築において高い精度が求められますが、それが巨大な岩の発生により、主線に対して設置した枕材の左右で10cm以上の誤差を発生させる状態が生起したことで、時間はどんどん削られていきました。また、工程上の完成時期はもう間近に迫る中、掩護土層の土留めの為の土のう積みを実施中、完成が終了に近づいていたと思ったその時、土留め用に積んでた土のうが半分以上崩壊してしまったのです。所要時間で言えば3時間分以上の出戻り作業を強いられた瞬間、私は絶望し、いよいよ気持ちが折れそうになりました。そんな時に、「絶対にこれ以上工程を遅らせてはいけない。」と、同じ目標を持った仲間が私を支えてくれました。上司の温かい助言、同期との助け合い、後輩隊員の諦めない眼差し、どれをとってもかけがえのないものであり、私に勇気と希望を与えてくれました。

 仲間の協力を得て、何とか検閲の任務を達成することが出来ましたが、本検閲で改めて感じた事は、「仲間の大切さ」です。同じ目標を持った仲間達に支えられ、救われたこの思い出を忘れることなく、今後も仲間を大切にし、自らの知識・技能を磨き、自衛官として更に飛躍できるよう日々精進していきます