豊浜トンネル崩落事故

  2月10日〜17日古平町後志支庁の余市町と古平町を結ぶ国道290号線の豊浜トンネルで、2月10日午前8時10分頃崩落事故が発生、トンネル内にバスの乗客等20名が取り残された。第11師団は災害派遣要請を受け、10日午後16時30分、第29普通科連隊(倶知安)、第11特科連隊、第11後方支援連隊、第11施設大隊(真駒内)及び第3施設団(南恵庭)の隊員約500名が現地に急行しました。懸命の救出作業を行いました。

  しかし、推定重量50,000tという巨大岩盤の大崩落による硬い岩とコンクリート・鋼材・鉄筋に阻まれ作業は困難を極めました。4回の発破作業の末、巨岩が崩れ本格的な救助作業が始まりました。重機による作業と隊員の手による作業が繰り返し続けらました。災害派遣に望んだ全隊員が「一刻も早く外に出してあげたい」との気持ちで必死の作業を続けました。自衛隊により被害車両が掘り出されると、次はレスキュー隊がカッター等を使用し車両の天井の切断作業を行いました。

  必死の作業もむなしく発見された乗用車並びにバス乗客全員(20名)は帰らぬ人となっていました。災害派遣は、2月10日から17日までの1週間で、延べ約3、400名、車両760両、ヘリコプター約60機に及んだ。部隊の廃止を1ヵ月後に控えた倶知安の第29普通科連隊の隊員239名は、無事の救出を願う家族達の前に、「自分達の伝統ある部隊が無くなる」と言う個人の感情も吹き飛び、我を忘れひたすら作業を続け、黙々と任務に遭進する姿を見た人に大きな感動を与えた。