令和2年度自衛官候補生課程教育

 令和2年3月29日及び4月1日の2日間に分けて、約50名の初々しい自衛官候補生が、旭川駐屯地の門をくぐりました。立派な自衛官を目指すべく、これから約3ヶ月間に亘る自衛官候補生課程教育を通じ、日々成長していく姿を写真で紹介します。


 令和2年4月5日、旭川駐屯地北体育館において、「令和2年度自衛官候補生課程教育入隊式」が実施されました。
 今年度は、新型コロナウイルスの影響により、来賓及び自衛官候補生の家族等の案内を控え、隊員達のみでの実施となりました。
 真新しい制服に身を包んだ自衛官候補生に対し、連隊長は、「チャレンジ精神を発揮せよ」、「同期の絆を大切にせよ」の2点を要望し、「6月28日の修了式の日に、人間としてひとまわりもふたまわりも大きく成長していく姿を、我々にそして御家族に見せて欲しい」と式辞を述べました。

緊張感溢れる入隊式

元気溌剌と宣誓する自衛官候補生 激励の演舞を魅せる旭川北鎮太鼓部員


 自衛官候補生達が教育期間中に使用する小銃が、各個人に授与されました。自衛官候補生達は、初めて手にする武器に緊張しながらも、責任の重さを感じつつ元気良く受け取っていました。

初めて銃を手にし、緊張感にも負けない元気を見せる自衛官候補生


 野外における、心肺蘇生法及び緊縛止血法を学びました。仲間及び自らを救う基礎となる訓練であることからも、教官の説明を真剣に聞き、積極的に実習を行っていました。

模擬人形を使用しての胸部圧迫蘇生法 止血帯を使用した緊縛止血法


 自衛官として必要な資質となる体力を教育期間中に練成し、これを体力検定として厳正に測定します。検定には、共通体力検定(腕立て伏せ、腹筋、3000m走)及び戦技等に直結する体力検定(鉄帽、装具、小銃を装備し、短距離疾走、超壕、重量物の卸下・運搬及び積載)の2種類で行われます。体力検定は、本教育期間中に3回実施して体力の向上を図ります。(一般部隊では、年1回実施します。)

「腕立て伏せ」
初の測定に緊張の面持ちで受検する自衛官候補生
「腹筋」
自分の限界まで挑戦する自衛官候補生

「3000m走」
「我先に」と少しでも前へ進み出るスタートの瞬間

「短距離疾走」
小銃を携行し、戦闘員として疾走を見せる自衛官候補生

「超壕」
超壕する姿はまさに困難を飛び越える姿
「重量物の卸下、運搬及び積載」
途中で落とさないようしっかりと確保して運搬する
自衛官候補生


 ガスを体験する訓練が行われました。まず、防護マスクを装面して、催涙ガス(人体に無害)を焚いた気密性の高い天幕(テント)の中に入り、防護マスクの機能性を確認しました。その後、防護マスクを外し、ガスの危険性を体験しました。催涙ガスは目と鼻を刺激し、痛みで目が開けられません。候補生達は、防護マスクの重要性を十分認識した様子でした。

防護マスクの効果を体感する自衛官候補生

催涙ガスの効果で目が開けられない自衛官候補生 訓練終了後、速やかに洗面する自衛官候補生


 この日は、空包による射撃訓練を実施しました。空包とはいえ、実弾同様の衝撃と音がします。候補生達は、初めての空包射撃訓練であった事から、訓練にはない緊張感の中にあっても、班長等から指導された安全管理をしっかりと遵守し、教育中に行われる実弾による200m射撃検定に向けて良い経験を積んだ様子でした。

「1発ずつ、指差し確認!」 
しっかりとした弾薬管理をする自衛官候補生
射撃直前、緊張の面持ちの自衛官候補生


 候補生達は、武器・装具を装備した上で、更に定められた着替え等を詰め込んだ、約15Kgの背のう(リュック)を背負った状態で、駐屯地内を徒歩にて行進しました。行進中は、候補生達が互いに声を掛け合い、完歩する事が出来ました。今回は整地でしたが、教育中には不整地である演習場において約25Kmの徒歩行進があり、候補生達は、より一層気を引き締めていました。

休憩時間を利用して靴擦れ対処をする自衛官候補生 同期に励まされながら行進する自衛官候補生


 自衛官候補生の教育開始から7週間が経過し、射撃予習訓練、空包射撃訓練及び教習射撃訓練と段階的な訓練を経て、射撃検定の日を迎えました。検定は、伏射ちとひざ射ちの2課目で、200m離れた人型の的に射撃し、1発5点が最高点で各課目5発ずつの計50点満点の内、合格は25点以上になります。特にひざ射ちは、安定した姿勢をとるのが難しく、射弾をまとめるのに苦労している様でした。自衛官候補生達は、独特の緊張感が漂う中、今まで班長等に教わった射撃要領、安全管理等を忠実に実践し、合格に向け集中していた姿が印象的でした。

しっかり狙いを定める自衛官候補生 班長のアドバイスを受けながら、弾倉に小銃弾を込める
自衛官候補生

発射した小銃弾が的目掛けて一直線!


 この日は、上富良野演習場において、至近距離の戦闘に有効な手りゅう弾投てきと89式5.56mm小銃を使用した小銃てき弾射撃を実施しました。これらは、これから部隊配置される職種によっては、使用する機会が少ない貴重な体験です。自衛官候補生達は、徹底した安全管理の下、集中して訓練に臨んでいました。

(手りゅう弾投てき)
狙いを定めて投てきする自衛官候補生
(小銃てき弾射撃)
班長の点検を受けながら、てき弾を装着する
自衛官候補生


 この日は、旭川駐屯地において、基本教練の練度判定が行われました。基本教練は、停止間における個人の動作「気を付け」、「休め」、「敬礼」等及び行進間における分隊員としての動作を実施します。各動作は、手の握り、腕振りの角度及び銃の保持要領等細かく定められています。練度判定では、班長の号令に対し、機敏な動作で反応しなければなりません。区隊長らが、一人一人の動作を確認する試験さながらの雰囲気に、自衛官候補生達は、緊張の面持ちで臨んでいました。

敬礼動作が板に着いてきた自衛官候補生 堂々と行進する自衛官候補生


 この日は、近文台演習場において、25Kmの徒歩行進訓練を実施しました。10Kmの行進訓練時と同じく、小銃に装具、背のうを装備した訓練となりました。演習場特有の不整地であり、急な上り・下りが自衛官候補生達を苦しめました。途中、旭川自衛隊協力会婦人部や砲友会(第2特科連隊OB会)からの慰問を受け、元気を取り戻しました。行進訓練の終盤は、疲労と足の痛み等により、今にも挫けそうな表情になった隊員も散見されましたが、同期の仲間同士励まし合いながら、25Kmを見事完歩した自衛官候補生達は、達成感に溢れていました。

班長に励まされながら、上り坂を攻略する
自衛官候補生
水がとても美味しいと感じた
休憩中の水分補給

師団長より激励品を受け取る自衛官候補生


 この日は、近文台演習場において、歩哨訓練及び野営訓練を実施しました。自衛官として野外行動における必要不可欠な偽装要領の教育では、顔を含めた露出している部位に対して、自衛官候補生同士が互いにドーランを塗りあったほか、演習場内の草木を用いた身体偽装を各人が工夫を凝らして、歩哨訓練を実施しました。また、夕食時には、個人に支給されている飯盒を用いて炊さんをしました。火加減がとても難しそうでしたが、美味しく御飯を炊くことができました。この後、自分達で設営した宿営用天幕(テント)に宿営し、演習場で一晩を過ごしました。家族等とのキャンプとは全く違う雰囲気の中、同期と寝食を共にし更に絆を深めていた様子でした。

試行錯誤しながら偽装する
自衛官候補生
上手に御飯が炊けました!

初めての野営訓練を行う自衛官候補生達


 旭川駐屯地北体育館において、「令和2年度自衛官候補生課程教育修了式」が実施されました。
 連隊長は、約3ヶ月の教育期間を経て、立派な姿に成長した自衛官候補生に対し、「自衛官として、自信と誇りをもて」を要望しはなむけの言葉を送りました。
 修了式終了後は、駐屯地北食堂において会食が行われ、それぞれ教育期間の想い出を和やかに語り合っていました。
 自衛官候補生達は、共に過ごした同期及び教育を担当した班長らとの別れを惜しみながら、真新しい2等陸士の階級章を付け、それぞれの部隊へ旅立ちました。

厳粛に執り行われた修了式

連隊長賞を受賞した自衛官候補生 班長等への感謝を述べる自衛官候補生