連隊最先任上級曹長の小林准尉です。入隊から36年たち、その自衛隊人生を振り返って皆さんに「一言」

 仕事がある程度自分の判断で出来るようになる頃に、人はこれまでの経験から仕事の達成が感覚的に「見える」ようになってくる。そして、上司の目を離れて最後まで自分の仕事を自分でやり切れるという意識になってくる。そうなると、最後の最後で詰めが甘くなり、油断や怠慢が出て、仕事が雑になってくるのもこの時期である。

 仕事の全体像が見えるようになってくると、人は効率化を図れるようになってくる。しかし、そこには落とし穴があり、それは「効率化と手抜きの境界線」が見えていないとハマってしまう落とし穴である。効率化の条件で、絶対に忘れてはならないことは、仕事の成果の品質を下げてはいけないということである。ここを見失うと、効率化という建前の手抜きが生まれ始める。そして、この効率化と手抜きの罠にハマってしまいやすいのが、仕事の「詰め」の部分である。

 仕事のメドが立ち、詰めに入る部分はゴールが一番よく見え、そこに油断が生まれやすいのである。私の趣味の一つに登山があり、登山でも九合目以降はケガをしやすいと言われていますが、仕事でも何でも一緒で最後の「詰め」の部分でミスが出やすい。最後の最後まで丁寧にやり切るという思い・態度が大事であり、その分かれ道で一人前と半人前の差が出ると言える。

 最後に、皆さんは「3つの『つ』」という言葉を聞いたことがありますか?それは、「詰め・繋がり・積み重ね」であり、私も業務を行う上で大事にしている言葉です。参考にしてみてください。