防衛大学校学生
高知県 橋本 様
長女が高校3年生の時、防衛大の学校紹介ビデオを見て、「こんな素晴らしい学校があるんだ。人を守ることを仕事にしている人たちがいるんだ」と感動した話をしてくれました。その時は私も「偉い人たちがいるもんやねえ」と他人事だったのですが、いよいよ進路を決める時、ずっと教員を目指していた娘から「お母さん、教育学部じゃなくて防衛大に行くから」という言葉を聞いて耳を疑いました。
大学1年生の夏休み、真っ黒に日焼けして、すべすべだった手もかさかさになって、すっかりたくましくなった娘の姿を見て思わず涙がこぼれました。「周りがみんないい人やから頑張れる。苦しいことがすべて将来の財産になるそうゃからやるしかないわ」という娘には、半年前の女子高生の面影は微塵もなく、もう立派な自衛官の卵のように見えました。
その凜とした2歳違いの姉にあこがれた次女も、「普通の女子大生になる気はないから。防衛大しか考えられんから」と言って猛勉強し、姉と同じ道を歩み始めました。なんと立派な娘たちだろうと親はただただ感心するばかりでした。
そんな娘たちの姿に励まされ、競輪選手である夫も46歳でふたたびS級に上がることが出来ました。夫の年になると気力半分、体力半分ですが、帰省する度に立派になっていく娘たちに、パワーをもらったおかげだと思います。三女も姉たちと目指すところは違うと思いますが、志を高くもって大学受験に向けて勉強を始めています。教員である私も日々ハプニングの連続ですが、娘たちの姿を鏡にどんなことが起こっても笑顔で対応できるように心がけています。家族みんなが防衛大でがんばっている娘たちにエネルギーをもらいながら頑張っています。
東日本大震災で、宮城の友人が、「自衛隊さんが近くを通るたびに何をしていても手を止めて頭を下げています」と感謝の言葉を伝えてくれました。「人を守る。日本を守る」ということは並大抵の努力で出来るものではないと思いますが、娘たちから聞かされる防衛大での生活で「日本は大丈夫だ」と思わせてくれるエピソードが沢山あります。先輩、後輩、先生方が暖かく思いやりを持って、どんなに苦しい時でも支えあって乗り越えていっています。
娘たちも自衛隊の一員として世の中のお役に立てる日が来ますように家族全員で願っています。