十条史跡探訪(1)
「ちんちん山児童遊園」は、駐屯地を出て東に徒歩で五分、アンダーパス
を越えたところにあります。
明治から昭和にかけて、北区とその周辺には、陸軍の関連施設が数多く存
在していました。その当時、これらの施設は、物資や人間を運搬するための
軍用鉄道と呼ばれる専用軌道で結ばれていました。この辺りでは、板橋、十
条の銃砲製造工場と王子の火薬製造工場を結ぶ軍用電車がチンチンと鐘の音
を鳴らしながら、盛土の上を走っていたそうです。そのため、付近の住民は、
この盛土を俗に「ちんちん山」という愛称で呼んでいました。
アーチの中央上部の円を四つ重ねたマークは東京砲兵工廠が用いていた標
識で軍の管理していた施設であったことを示しています。