航空救難団の話題

ホーム > 航空救難団の話題 > 救難員OB南極へ

救難員OB南極へ

==   救難員として退職(最終:千歳救難隊)された久保木 学さんは、在職時より「南極に行きたい」という夢を持ち、高倍率の選考試験を突破され、この度「第62次南極地域観測隊」越冬隊員として参加が決まりました。 現在は国立極地研究所(東京都立川市)に研修等に参加し、出発準備を整え、令和2年11月20日海上自衛隊砕氷艦「しらせ」に乗艦し、南極・昭和基地に向けて出発しました。(帰国予定は2022年3月)
   なお、出発前2週間は、外部と隔離され、3度のPCR検査「陰性」確認を経ての出発となりました。
昭和基地では、「野外観測支援員」として主に昭和基地と周辺の観測、設営支援、安全管理などの業務のほか、観測隊員への安全教育や装備品の管理・調達、ルート工作、内陸調査に同行してガイド役も担うとお聞きしています。
   今後、国立極地研究所のご協力を頂き、本人から寄せられた体験等をご紹介していきます。==



   この度、第62次南極地域観測隊の越冬隊員への参加が決まり、11月20日、海自の南極観測船「しらせ」に乗船し日本を出発、2022年3月まで南極で調査活動などを行ってきます。
   救難員として、在職中に登山仲間から「南極地域観測隊には、野外観測支援員という枠が1名あり、登山ガイドを職業としている方が多く参加しているが、私の救難員と登山者としての経験なら、ガイドでなくても参加可能ではないか」この言葉をきっかけに、「定年後は南極へ」の夢を抱くようになり、公募に応募し参加が決まりました。
   7月から立川の国立極地研究所に勤務し、主に装備担当として準備を進めてきました。南極での主な任務は、昭和基地と周辺の観測、設営支援、安全管理など。隊員の安全教育や装備品の管理・調達、ルート工作、内陸調査に同行してガイドのような仕事をします。
   南極には未知なる危険が沢山待ち受けています。困っても、UH-60JやU-125Aは飛んできてくれません。危険を察知する能力が自分に一番に求められています。 念願の越冬隊参加にうれしいのは間違いないですが、責任は重大、しっかり準備を行い救難員時代に培った能力を発揮し、自分の務めを果たしたいと思います。
   最後に後輩の皆さんへ、いろいろな人との出会いの中に、チャンスが潜んでいます。そのチャンスを活かせるように、自分の能力を高め、勇気をだして一歩を踏み出せば夢はきっとかなうと思います。頑張って下さい!


第62次南極地域観測隊 久保木 学


写真:海上自衛隊砕氷艦「しらせ」乗艦前の久保木さん