航空救難団の話題

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感謝状贈呈

   新田原救難隊では、過去に3件の航空大事故が発生しており、その内の1件は、1970年(昭和45年)9月2日14時10分頃、滋賀県彦根市に墜落したMU‐2Sによる事故です。
   当該機は航法訓練のため新田原基地を離陸、八尾飛行場で昼食及び燃料補給を行った後、目的地である小松基地へ向けて飛行していました。彦根付近を飛行中、左エンジンに異常が発生し、当該機は墜落炎上しました。この事故により、操縦者2名、機上無線員1名、整備員1名が志半ばに殉職しました。


   新田原救難隊総括班長(山口達也3佐)が、本事故の慰霊について調べていたところ、平成の初めに隊員が現地を訪れたのを最後に慰霊が途絶えていることが判明しました。
   総括班長は、当時書かれたと思われる手書きの現場地図等を参考に現在慰霊碑を管理していただいている川村氏と連絡をとることに成功し、平成31年2月に感謝の意を伝えるため慰霊を兼ねて現地を訪問しました。
   その時の懇談で、事故当時川村氏は中学生であり、家族は全員外出中であったため人的被害はなかったものの、新築5年目の家屋が全焼したことや、被害者である川村氏のお父様が自宅敷地内に慰霊碑を建立し、近くの寺院(誓念寺)と合同で現在に至るまで慰霊を続けてくださっていること等、貴重なお話を聞くことができました。この川村家と誓念寺の長年に亘るご芳情に対して、新田原救難隊は、5月26日(日)に隊長(河野敬人2佐)以下3名で訪問し、感謝状を贈呈させていただきました。
   我々は、先人が残した教訓により今日の安全が確保されていることを再認識するとともに、事故の被害者であられる方々が慰霊をして下さっている事実に深く感謝し、新田原救難隊として事故の記憶が風化する事がないよう、慰霊を継続していく所存です。

誓念寺へ感謝状贈呈


川村氏へ感謝状贈呈


川村家敷地内の慰霊碑