令和6年 司令官 新年のご挨拶

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 新年の御挨拶を申し上げます。

 まず、能登半島での大地震によりお亡くなりになられた方々に対しまして、謹んでお悔やみ申し上げます。今回被災された多くの皆様の安全と、一日も早い復興を心より祈念いたします。 また、厳しい状況の続く被災地で必死に活動する仲間の活動を、開発集団としてもしっかりと支えていきたいと思います。

 昨年は、年初に「実現」を標榜し、空自持続走大会では伸び率の部優勝、平均の部でも準優勝という目標を実現し、幸先の良いスタートをきりました。 これは、一人一人が目標を達成するため「継続は力なり」「努力は必ず報われる」を合言葉に努力を継続した成果に他なりません。しかし、これは自身の努力のみならず、熟練者による段階的な指導や仲間による伴走、 そして職場において業務を相互補完してくれた技官・事務官の支援協力の賜物でもあります。また、その根底には、訓練班が主導してくれた計測結果とトレーニング法の循環型の改善活動があります。 それら全てが結実し、成果や達成感を皆が共有することで部隊一丸となり「精強な部隊」へと成長した証しが「優勝」だと思います。

 この「遂げずばやまじ」の気概と情熱をもって実現した努力のプロセスを、開発集団司令部の「無人機の短期実装化」プロジェクトにも適用し、具体的な成果の実現を目指しました。 昨年は、約4か月周期の実証試験において、エッジコンピュータを搭載し、AIカメラによる目標機の識別・追随に成功する等、画期的な成果を実現しております。 このように、実証を繰り返し、短期的に改善を図る活動は「アジャイル型研究開発」モデルとして徐々に注目されつつあります。

 また、長崎での「第2回ドローンサミット」では、空自初となるブース展示も実現し、同時に開催した産学官意見交換会は、産学官連携のオープンイノベーションの先駆けモデルとなるプラットフォームへと成長を遂げています。

 年末、「実現」をテーマに開催した研究開発シンポジウムでは、次世代装備品として有望なレーザー技術に焦点を当て議論を深めることで、世界に誇る日本の優れた技術力の可能性と克服すべき課題が明確になりました。

 私たち航空開発実験集団は、「5年先の技術をアジャイルに実現する」をモットーにわが国の技術優位を抑止力とすべく、隊員一人一人が自らの役割を自覚し、挑戦の気概をもって課題解決と任務完遂に邁進して参ります。

 本年は甲・辰年ということで、龍が天に上る如く、実現した成果をさらに発展させることを願い、「発展」を標榜したいと思います。どうぞ、私たちの活動にご理解とご支援、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 最後に、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、年頭の辞とさせていただきます。


  令和六年一月吉日

     航空開発実験集団司令官 空将 柿原 国治