概要
一般空曹候補生及び自衛官候補生等として入隊した隊員の中から、それぞれの所要期間経過後、選考により3等空曹へ昇任の予定が確定した者が「空曹予定者」に指定されます。指定後、航空教育隊(山口県の防府南基地または埼玉県の熊谷基地。ただし女性は全て防府南基地)において、約2か月間空曹として必要な知識・技能(分隊の指揮、体育の指導等)を修得し、本課程を卒業した後は、それぞれの所属部隊に戻ってから空曹に昇任し、更なる活躍をしていくこととなります。
第24期空曹予定者課程 入校式
令和3年1月7日(木)に、航空教育隊副司令を執行者として、第24期空曹予定者課程の入校式が行われました。
入校式は、参列者はマスク着用の上、間隔を広く取り、常に窓や扉を開けて室内の換気を行い、国歌は斉唱から吹奏にするなどの、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を徹底したうえで実施されました。
東日本の各部隊から集まった空曹予定者は、空曹としての資質を養うため、これから約2か月間課程教育に邁進していきます。
体力測定
令和3年1月14日(木)に体力測定を実施しました。
学生は、事前教育で体力測定の実施要領について教育を受け、本番に向けて自主トレーニング等を活用して、練成に努めました。
本番は、事前教育で教育された正しい測定要領で計測を行いました。
学生は、自分の体力についての現状について知ることにより、今後の体力練成に役立てていきます。
なお、体力測定は、卒業時にも行われます。
導入期における点検
令和3年1月22日(金)に導入期における点検を実施しました。
学生の、空曹として必要な基礎的知識の修得状況及び課程履修にあたっての心構え等について確認をしました。
学生は、自ら考え、行動するという率先垂範の精神のもと、協力して点検に臨みました。
まだまだ努力や改善が必要な結果ではありましたが、学生の本課程履修への高い履修意識が感じられました。
駅伝競技会
令和3年1月28日(木)に駅伝競技会が行われました。
完成期に行われる競技会を、学生が自ら運営することを目標に、全員が競技会の運営係につき、競技会の運営要領を学ぶことができました。
競技会では、日頃の練成訓練の成果を発揮し、各班が優勝を目指して、苦しい時も相互に励ましあい、班の仲間ために全力で挑みました。
大会結果(一周3.4km7区間)
優 勝 12班「1時間38分59秒」
準優勝 32班「1時間39分10秒」
3 位 22班「1時間40分20秒」
最優秀賞 21班 二瓶士長(第4術科学校(熊谷))「11分15秒(3.4km)」
射撃訓練
令和2年2月16日(火)に相馬原駐屯地において射撃訓練を実施しました。
射撃訓練は、空曹として必要な射撃の要領や技術、射場勤務要領を完成させることを目的に実施されます。
射撃訓練に先立ち、事前訓練として射撃予行を実施しました。
学生は、座学や自学研鑚を重ねて自身の射撃の練度の向上に努め、射撃予行を通じて訓練要領や射場勤務、安全管理について学びました。
射撃訓練の当日は、未明から準備が始まり、全員が射場勤務を経験するように訓練が行われます。
天候は、晴天に恵まれたものの、榛名山麓ということもあり、気温も低く風が強い環境で、夕方まで屋外で訓練が行われました。
帰隊後は、器材の撤収作業と射撃後の武器手入れを行うため、課業時間外まで作業が続けられました。
学生は、射撃技術の向上のため、今後も訓練を継続して訓練して参ります。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、マスク着用、うがい手洗い、検温に加え、熊谷基地と相馬原駐屯地の移動間は、車内換気と乗降時のアルコール消毒も実施しました。
行進訓練
令和3年2月22日(月)に、野外行動訓練を実施しました。
今期の訓練は、コロナ対策のため基地内を徒歩行進し、隊員間の距離を大きく取って実施しました。
当日は、2月にも係らず22度まで気温が上昇し、分隊長に学生は分隊員の体調管理に配慮しながら分隊の指揮をとり、交通統制などの勤務員も任務を全うして徒歩行進を終えました。
また、負傷者の発生を想定して担架搬送を演練して搬送要領を習得し、分隊長が作業指揮官となって土嚢を作成して分隊長としての指揮要領を学び、今後の任務遂行の糧となるような成果を習得して、野外行動訓練を終了することができました。
拠点警備訓練
令和3年2月25日(木)~2月26日(金)に、拠点警備訓練を行いました。
学生は、分隊長として基地内の拠点警備を行うという想定で、作業指揮を行って警備の拠点を構築し、座学で基地警備に関する法令を確認した後、実技の演練を行って警備要領の確認をしました。
各想定で行われた訓練は、昼間及び夜間の警戒監視方法や武器を持った不審者への対応要領等を演練し、訓練後の待機時間を利用して訓練時の行動について確認して能力の向上に努めました。
また露営準備の指揮を分隊長が執り、露営の基本を習得しました。
昼夜に渡った訓練で、警備部隊の一員としての能力を習得し、分隊長としての指揮能力も習得することができました
体力測定(修了時)
令和3年3月8日(月)に修了時の体力測定を実施しました。
学生は、課程開始時に行われた体力測定の結果をもとに、課業時間外や休日を利用して地道に訓練を積み重ね、どの学生も入校時に比べて大幅に体力が向上しました。
武道競技会
令和3年3月11日(木)に武道競技会を実施しました。
格技は、入校時に銃剣道と剣道のどちらかを選択し、それぞれ訓練を実施してきました。
競技会は、先に行われた駅伝競技会での経験を基にして、学生中心に企画や調整を行い、競技会の運営も学生が行います。
試合は、銃剣道は班対抗の団体戦、剣道は個人戦で行われ、試合中は敢闘精神を発揮して全力で戦い、終了後はお互いの健闘を称え合いました。高い技量を持った選手の圧倒的な技を見て感銘を受けることもあり、試合で健闘する仲間を応援して班員同士の結束も養われ、良い経験となりました。
完成期点検
令和3年3月15日(月)に完成期における点検を実施しました。
完成期における点検は、第2教育群司令が点検官となり、服務点検と教練点検で修得状況を評価します。
服務点検では、学生に対して空曹としての心構えや基礎的知識の修得状況を質問により確認し、また、制服の着こなしや応答要領、環境整備の状況を確認します。
教練点検では、分隊長としての心構えや基本教練の知識、武器の取り扱いについて質問により確認し、分隊員としての動作の修得状況、及び分隊長としての指揮や指導要領の修得状況について実地で確認します。
学生は、主体的に各種訓練等に取り組み、課業時間外や休日を利用して自主的に訓練に取り組んで参りました。
服務点検は、身辺整理の状況から誠実に取り組む姿勢が感じられ、教練点検は、気迫ある堂々とした態度で点検に臨みました。
コロナ対策で制約が多い中、地道に取り組んだ成果を十分に発揮し、課程の到達目標に到達していることを確認し、本課程教育を全て終えることができました。
第24期空曹予定者課程卒業式
卒業式
令和3年3月18日(木)に、航空教育集団司令部教育部教育第3課長ご臨席のもと卒業式を実施しました。式典はコロナ対策のため、参加者の間隔を大きくとり、国歌斉唱も吹奏に代えて実施しました。
式典は、航空教育隊司令の代理執行者である第2教育群司令によって執り行われました。群司令から課程修了を命課され、代表学生に卒業証書を授与した後、成績優秀者に対し、航空教育隊司令褒章が授与され、来賓や執行者から学生に対する訓示を頂き、式典は終了しました。
第24期空曹予定者課程では、大隊長以下、教官等が一丸となって「自ら考え、行動できる空曹」の育成に努めました。
コロナ感染隊対策で制約が多い中、影響を局限することに努めるだけではなく、今の状況でしかできないより良い教育を実現するため、日夜創意工夫した課程でもありました。
学生は、教官の期待に応え日夜訓練に励み、無事卒業の日を迎えました。第24期空曹予定者課程修了者が、本課程で身につけたリーダーシップを発揮して、全国の勤務地において活躍されることを祈っています。
航空教育隊司令褒賞授与
所属 | 階級 | 氏名 |
第4航空団(松島) | 空士長 | 大田 敦也 |
三沢地方警務隊(三沢) | 空士長 | 角 祐一郎 |
第1高射群第1高射隊(習志野) | 空士長 | 織田 遼太郎 |
第3高射群第10高射隊(千歳) | 空士長 | 小林 宏平 |
北部防空管制群警戒通信隊(三沢) | 空士長 | 佐藤 泰成 |
中部航空警戒管制団(入間) | 空士長 | 鎌形 秀平 |
北部航空施設隊第2作業隊(千歳) | 空士長 | 多田 涼貴 |
秋田救難隊(秋田) | 空士長 | 近藤 瑞貴 |
第3移動通信隊(千歳) | 空士長 | 小林 克成 |
第46警戒隊(佐渡) | 空士長 | 和田 康介 |
群司令優秀賞授与式
卒業式に先立ち、成績優秀者に対し、第2教育群司令から群司令優秀賞が授与されました。
群司令優秀賞受賞者
所属 | 階級 | 氏名 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 舛田 英樹 |
第2航空団(千歳) | 空士長 | 小林 志郎 |
航空気象群基地業務隊(府中) | 空士長 | 佐々木 文太 |
第7航空団(百里) | 空士長 | 岡村 一輝 |