第2工作室(別称:准曹士先任室ともいう。)では、次々と奇妙?なものが生み出されています。その為か、所属隊員を問わず、覗きに、いや訪れてくれます。ありがたいことです。
ちなみに、整備補給隊には金属、木材を加工する「工作作業場」があり、過去には、今では制式採用となった"器材の消音ダクト"、"研修用のPAC3ミサイルのモックアップ"などが工作員(職種)らの手により作られました。しかし、この部屋の住人には、当然そんな高等な技術はありませんので、軽易な雑作業をしている場として「第2工作室」と勝手に命名し、ちまちまと製作作業をしています。
それでは、この第2工作室から生まれ出たものを紹介しましょう。・・と、その前に、最近(27年5月中旬)部屋があまりにも殺風景(元は倉庫)だということで、床にタイルカーペットを貼りました。これまでの床はコンクリートむきだしでしたので、少々の作業(例えば金属穴開け、塗装、かんな掛け等々)にあまり気遣いをしなくても良かったのですが、これからはそうはいかなくなってしまいました。
カーペットの向きに気を付けて、正確に角っこをカッティングすれば誰でも貼れます。
この部屋だと1日/1人です。
製作期間
平成25年10月初旬〜下旬(約3週間)
製作延人数
5名
製作裏話
航空祭にお披露目させるため、分隊長指揮のもと、無い知恵を絞り出し(着ぐるみHPとにらめっこ、手芸屋、ホームセンター入りびたり)、あらゆる所から資材を調達し、突貫工事の如く休日返上で、時には意見の食い違いで作業が進まない中での製作でした。
製作工程
群本部整備係長のツテで入手した孟宗竹を薄くスライスし、針金の輪で固定。先端は、群司令アイデアの傘の一部を流用しました。
素材に悩みましたが、発泡シートを巻きました。
顔パーツの大きさを、原物合わせで決めます。
塩化ビニール板(ある一定の温度を加えることで変形する。)とカッティングシートを使用しました。(ちょっと安っぽいです。)
これは、別の所で製作されている88式鉄鉢の試作品です。まだサイズが合いませんねぇ。
靴の製作には紆余曲折がありました。分隊長の苦心の作です。
これに黒の合成皮革を被せるんですが、これがまた難しく、何度か失敗しました。本当の職人さんの技はすごいと、つくづく思いました。
フィン、袖、ロンスター(ヒトデじゃありません!)フィンの固定方法も悩み所・・・。
このステッキがないと、パックさんは成り立ちません。
パックさんの"要"でもある外皮等の縫製作業です。材料は、監督から「できる限り低コストでの製作を」と厳命されているため、見劣りする素材になってしまいました。(心残りなところです。)パックさんは思いの外、曲面が多く、この作業も原物合わせになりました。購入時の寸法間違いで布が足りなくなり焦ったことも・・・。
完成!
お披露目日に間に合いました。
製作は大変でしたが、その後、各地で「パックさん」が登場し、第1高射群を猛烈アピールしております。子供達はもちろん、大人の方達にも笑顔で迎えられている姿を見て、製作に携わった者として大変嬉しく思います。出勤回数が増えるとともに、子供に抱きつかれたりして修理箇所も増えますが、それもまた嬉しいことです。
追記
運搬時の破損防止のため、「パックさん」収納箱(通称、かんおけ)を製作しました。
「パックさん」活動状況等についてはこちらから
「パックさん」が誕生してから、早いものでもう2年が経ちます。1年目は近場のみの出動でしたが、2年目は首都防空任務を忘れ各地へ出張し、遠くは山口県の防空任務に就きました。(笑)
誕生当初からの過酷な勤務体制に文句も言わず頑張ってくれました。そして、1年経過時に「プチ・オーバーホール」を行い、アラレもない姿を皆さんにお見せしました。その中で、「ブーツは、そろそろ作り直しかも・・・」と言いましたが、とうとう、そのとおり壊れてしまいました。
今回、「プチ・オーバーホール」内にて、新しいブーツの作製工程を紹介していますのでご覧ください。
製作期間
平成26年4月初旬 〜 6月下旬
製作延人数
1名
製作裏話
第1高射群創立50周年記念祝賀会にて、高射部隊を創り上げた諸先輩方をお出迎えするウェルカムゲートとするため、心に残る「NIKE−J(Hercules)」を作ることを決意しました。約1/4スケール(約2m50cm)のものをと思い、モニュメントとして展示してある実物を測り製作に取り掛かりましたが、やはり曲線ものは難しいものです。また、製作している途中で欲が出てきて、細かいディテイルも施そうとかして困難を極めました。 のめり込み過ぎたせいか、製作途中の写真が少なく、ほぼ完成に近づいているところから紹介します。
製作工程
これは2代目フィンです。失敗続きでやっと形になりました。
この構想を練り始めた頃に、とある建築現場に捨ててあったロールカーペットの芯を貰い受け、ロケットモーターとしました。
"クラスター"(推進部)の"はかま"部分の中身です。絞り込み及びわん曲となっているため、結構苦心しました。
ついつい細かなディテイルにもこだわり始めてしまいました。
フィンの取り付けは、木ねじにボンドを付けて裏から固定します。1機目は固定方法が定まらず強度不足でしたが、2機目はしっかり固定できました。やはり改善意識は大切です。
倒れでもしたら一大事なので、内部に大量の砂を重しとして入れ、ウレタンフォームで蓋をします。これで安心です。
できあがったクラスターです。
ナイキの"いか"と揶揄される"サステナー"(弾頭部)です。これは、ロールカーペットの芯を中心にし、建築資材の断熱ボードを周りに貼り付け、切って削って形を整え、砲弾用白色に近い塗装を施してあります。うっかり忘れていた"エレボン"(方向舵)も取り付けました。これがないと間抜けですね。ちなみに、素材の断熱ボードはシンナー系溶剤に弱いため、何種類もの接着剤及び塗料を試さなければなりませんでした。
まだ未完成ですが、とりあえず"合体"
いよいよ大詰めのデカールを貼ります。このデカールは、群本部に発注しました。
平成26年6月29日(日):第1高射群創立50周年記念式典当日祝賀会場にて、お客様を心待ちにしつつ、そびえ立つ?ミニチュアNIKE!どうやって作ろうか悩み、製作は試行錯誤の繰り返しの中、不注意でのフィン等の破損等々・・・。何度も補修をし、構想から約半年、なんとかこの日を迎えられました。OBの方々にも喜んでいただけたようで何よりです。
なお、この後のミニチュアNIKEの行方は、中警団司令部と1高群本部での展示を経て、現在は整備補給隊庁舎中央階段の踊り場に展示しております。機会がありましたらご覧ください。