防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(11月放送内容)



 

テ−マ:防衛白書について

 
 


パーソナリティー:

 本日も東北防衛局の伊藤茂樹局長からお話を伺います。局長、本日もよろしくお願いします。

局長:
 よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 本日は、防衛白書についてのお話を伺いたいと思います。

局長:
 はい。防衛白書は、我が国の防衛政策、自衛隊の取組や活動について、国民の皆さまに理解をしていただくために、毎年、夏頃に作っております。

パーソナリティー:
 はい、ではその中には主にどのようなことが記載されているのでしょうか。

局長:
 はい。今年の白書においては、主な点として、次の3つをご紹介したいと思います。
 
 まず、我が国を取り巻く安全保障環境ですが、第1に北朝鮮につきましては、平成28年依以来、3回の核実験を強行したほか、核ミサイルの発射を繰り返し強行しており、北朝鮮のこうした軍事的な動きはわが国の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものとなっております。
 
 これは、その理由も含めてコラムや図表も使って説明しています。また、今年の6月に行われた史上初の米朝首脳会談についても触れておりますが、金正恩委員長が非核化に向けて改めて文書の形で明確に約束したことを評価しつつも、今後、北朝鮮が核・ミサイル放棄に向けて具体的にどのような行動を取るのか見極める必要があると記述しています。

 第2に、中国につきましては、力を背景とした現状変更の試みや、既成事実化を着実に進めるなど、自らの一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢を継続的に示しており、わが国を含む地域・国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後も強い関心を持って注視していく必要があると記述しています。

 第3に宇宙・サイバー空間についてです。これは各国が宇宙空間において軍事優位性を確保するために能力を急速に開発していることに言及しています。また、サイバー空間においても諸外国の政府機関や軍隊などに対するサイバー攻撃が多発していることから、今年予定されている防衛計画の大綱の見直しにおいて、日本においても、こうした新たな領域における能力の向上に本格的に取り組んでいく必要性について記述しています。

パーソナリティー:
 はい、ありがとうございます。なんだか少し難しい話ばかりのように感じてしまうのですが。

局長:
 はい、そのように感じられる方もいらっしゃると思います。そこで、今年の白書は、「分かりやすさの追求」ということに取り組んでいます。

 例えば、「VOICE(ヴォイス)」というコラムをたくさん掲載して、様々な分野で活動する隊員や部外の関係者の声を載せております。ポイントとなる専門用語につきましては「キーワード」として本文中に解説を載せています。

 トピック的な政策については、解説記事を掲載しています。陸上配備型イージス・システム、いわゆるイージス・アショアにつきましても、弾道ミサイルから国民の命と平和な暮らしを守るために必要なものであることや、地元の皆さまの疑問や不安を解消すべく努めていくことなど、解説記事でも記述しております。

 また、諸外国の主要兵器について写真や性能、解説を加えるなど丁寧な記述に心掛けました。今年は「使いやすさの追求」にも取り組んでおりますので、巻末に一覧にして掲載している索引語の数を去年と比較して1.5倍に増やすなどしております。

 さらに、より多くの皆様に興味を持っていただけるよう、巻頭特集をこれまで以上にビジュアルに特化して、写真や図などを用いて分かりやすく記述しました。特に今年からの新たな試みとしましては、AR、「拡張現実」という技術を活用し、スマホで動画をみられるようにしています。これは、弾道ミサイル対処の流れや戦闘機のスクランブル(緊急発進)の様子など、紙面だけでは表現できなかった隊員や装備品の「動き」を動画でご覧いただけるようにしたものです。

パーソナリティー:
 動画ですか…!面白そうな工夫ですね。巻頭特集には、どのようなことが記載されているのでしょうか。

局長:
 巻頭特集では、はじめに「防衛この1年」として、直近1年間の日本の防衛に関する主要な出来事ついて記述しています。

 特集1では「防ぐ」と題しまして、弾道ミサイル防衛について、平素からの備えとして警戒監視と対処態勢について記載してあります。

 特集2では、「務める」と題しまして、警戒監視、対領空侵犯措置、災害派遣、不発弾処理、訓練・演習など、自衛官が24時間365日職務に当たっている様子を紹介しております。

 特集3では、「備える」と題し、南西地域の防衛態勢の強化、新しい装備品の導入、陸上総隊の新編という陸上自衛隊創設以来の大改革について説明しています。

パーソナリティー:
 それは大変興味深いですね。昨年の防衛白書には、自衛官の制服や装備品の紹介、また、広報施設の案内等も掲載されていましたが、今年の防衛白書にも掲載されているのでしょうか。

局長:
 はい、制服や装備品の紹介ですとか、自衛隊の広報施設の案内等の掲載は、大変好評をいただいていますので、今年も掲載させていただいております。

 この広報施設の紹介や巻末資料に「平和を仕事にする」として、自衛隊の中の様々な仕事や採用方式を掲載しておりますが、これらにはQRコードを付けて、紙面に掲載しきれない詳細な情報を確認したり入手出来るようにしています。私も以前、防衛省の広報課長をしていたときに、各地にある自衛隊の広報施設を見に行きましたが、結構面白いですよ。皆さまも、機会があれば是非訪ねてみてはいかがでしょうか。

パーソナリティー:
 はい、では東北防衛局に関係している記述もあるのですか。

局長:
 はい、あります。
 「日米同盟の強化」という項目の中では、「米軍と地域住民による交流」というコラムにおきまして、地方防衛局が取り組んでいる「日米交流事業」について記載されています。

 日米交流事業は、東北防衛局におきましても青森県つがる市、三沢市、東北町で実施しております。その中でも今年の白書におきましては、つがる市に所在する米軍車力通信所の軍人と周辺地域に住む小学生による「かかし作り交流」について取り上げられています。

 また、白書の中には、地方防衛局の業務についての項目がありまして、このラジオ番組の中でもお話しさせていただいている防衛施設と周辺地域との調和を図るための取り組みや防衛問題セミナーなどについて記載されています。

パーソナリティー:
 ラジオをお聞きの皆さん興味を持たれた方がたくさんいらっしゃると思うのですけれども、防衛白書はどうすれば読めるのでしょうか。

局長:
 はい、防衛省のホームページで閲覧が可能なほか、書店での販売や電子書籍としても無料でダウンロード出来ます。なお、先程お話ししましたAR動画は、防衛省HPからPDF版をダウンロードすることで、閲覧することができます。

 防衛省・自衛隊が任務を的確に遂行するためには、何よりも国民の皆さまの理解と協力が必要です。是非、防衛白書をご覧になっていただき、防衛省・自衛隊をより身近なものに感じていただければと思います。

パーソナリティー:
 はい、ありがとうございます。本日は防衛白書についてお話をお伺いしました。東北防衛局の伊藤局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

局長:
 ありがとうございました。




 
 
  
 
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