自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:大滝根山分屯基地について


パーソナリティー:
 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長です。局長、本日もよろしくお願いします。

局長:
 はい、よろしくお願いします。
 今回は、福島県双葉郡川内村に所在する航空自衛隊大滝根山分屯基地についてお話したいと思います。

パーソナリティー:
 はい、よろしくお願いします。

局長:
 はい、航空自衛隊大滝根山分屯基地は、昭和29年11月に福島県南相馬市に駐留していた米空軍警戒管制部隊の基地の中に航空自衛隊東部訓練警戒隊が配備され、日米の両部隊が大滝根山に展開したことに始まります。
 大滝根山分屯基地は、埼玉県に所在する入間基地の分屯基地であり、現在は中部航空警戒管制団隷下の第27警戒群が配備されています。FPS-3という国産三次元型レーダーや通信機器等を装備するレーダーサイトとして、我が国に侵入する弾道ミサイルや航空機に対し、平素から24時間態勢でレーダー等による警戒監視及び戦闘機の要撃管制を実施することを主な任務としており、我が国の空の安全を守る重要な役割を担っています。

パーソナリティー:
 はい、レーダーサイトは、空の安全を守るため重要な役割を担っているということですが、全国には、どのくらい配置されているのでしょうか。

局長:
 はい、レーダーサイトは、全国を北部、中部、西部、南西と4つのエリアに分け、それぞれの航空警戒管制団が分担していますが、全国には28箇所のレーダーサイトが配置されています。

パーソナリティー:
 大滝根山分屯基地は、航空自衛隊の基地ということですが、どのような特徴があるのでしょうか。

局長:
 はい、この分屯基地は、標高1,192mの大滝根山の山頂に位置しているため、低温、強風といった山岳的な気象が特徴で、夏季は比較的低温で過ごしやすい反面、冬季には道路や施設の凍結・着氷が激しい状況の中で、任務に当たっています。
 また、陸・海・空のすべての自衛隊を通じて、最も高い場所に所在していることや福島県内では唯一の航空自衛隊の部隊である点が特徴となっています。

パーソナリティー:
 はい、ありがとうございます。それでは、大滝根山分屯基地は、どのような部隊編成となっているかについても教えていただけますか。

局長:
 部隊編成としては、第27警戒群の群本部、監視管制隊、通信電子隊、基地業務隊となっています。

パーソナリティー:
 はい、聞き慣れない部隊名ですが、それぞれの部隊では、どのような業務を行っているのでしょうか。

局長:
 はい、群本部では、総務、人事、その他基地全般に関わる事項を担当しています。
 監視管制隊は、レーダー等による警戒監視及び要撃管制が主な任務で、24時間365日体制で任務に当たっています。
 通信電子隊は、レーダー等、各種通信電子機器の保守整備が主な任務で、監視管制隊と同じく、24時間365日体制となっています。
 基地業務隊は、警備、除雪、消防等の基地の管理運営に関することのほか、隊員の給食、福利厚生等、任務遂行のための基盤維持が主な任務となっています。

パーソナリティー:
 では、こちらの分屯基地は福島県の太平洋側に位置しているようですが、東日本大震災の際には何か影響はあったのでしょうか。

局長:
 はい、大滝根山分屯基地は、東日本大震災による地震の影響によって、分屯基地への進入道路や擁壁にひび割れが生じるなどの被害があったほか、福島第一原子力発電所から30km圏内に位置しているため、その影響もありました。
 そうした中、被災地所在部隊として、いち早く行動を開始し、進入道路の仮補修を行い、全力を挙げて、被災された方々の救援や支援などの災害派遣活動を実施しました。
 また、支援物資輸送の重要拠点でありました宮城県東松島市に所在する航空自衛隊の松島基地における災害復旧支援のために、大滝根山分屯基地の隊員も継続的に派遣されたと聞いています。

パーソナリティー:
 はい、地震等による被害を受けながらも、災害派遣活動をされたということですが、具体的にはどのような活動をされていたのでしょうか。

局長:
 はい、大滝根山分屯基地による災害派遣活動は、全国から派遣された航空自衛隊の部隊と協力して実施しました。具体的には、埼玉県に所在する熊谷基地や福岡県の春日基地の移動通信隊、東京都の立川基地や静岡県の浜松基地の航空音楽隊などと協力して、福島県田村市や三春町などに設けられた避難所での炊き出しによる給食支援、給水支援、物資支援のほか、地域の方々とのふれ合いの機会として、航空音楽隊による地元の中学校吹奏楽部との合同演奏会など、様々な支援活動等を行いました。
 また、大滝根山分屯基地は、陸上自衛隊の多くの通信中継部隊の活動拠点ともなり、自衛隊の組織力発揮の基盤としての役割も果たしました。

パーソナリティー:
 はい、震災の際、自衛隊は地域の方々にとって、とても頼もしい存在だったことと思います。
 それでは最後に、大滝根山分屯基地では、地域の方々との良好な関係を維持するために、どのようなことを行っているのでしょうか。

局長:
 はい、毎年6月、創立記念行事として、一般の方々が自由に分屯基地内に入れるイベントを実施していると聞いています。
 また、地域における防災訓練等への参加やCH-47ヘリコプターの体験搭乗なども実施していると聞いています。

パーソナリティー:
 自衛隊の部隊も、周辺地域との調和を図り、地域の方々の理解と協力が得られるように、日頃から努められていることがよくわかりました。
 本日は、東北防衛局の深澤雅貴局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。





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