自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:自衛隊とオリンピックについて


パーソナリティー:
 本日も東北防衛局長にお話をお伺いしてまいります。スタジオにお越しいただいておりますのは東北防衛局の深澤雅貴局長です。深澤局長、本日もよろしくお願いいたします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。本日は、「自衛隊とオリンピック」についてお話したいと思います。

パーソナリティー:
 「自衛隊とオリンピック」とは、意外な組み合わせのように感じてしまうのですが。

局長:
 はい、意外に思われるかもしれませんね。
 2月に韓国の平昌で冬季オリンピックが開催され、フィギアスケートの羽生選手や女子カーリングチームの活躍にみなさん感動したのではないでしょうか。
 実は、このオリンピックには、バイアスロンに6名、クロスカントリーに1名の合計7名の自衛官も出場していました。主な成績は、バイアスロン女子24㎞リレーの17位、バイアスロン男子20㎞の64位、クロスカントリー男子15㎞フリーの13位などでした。
 この他、平成28年のリオデジャネイロオリンピックでは、競歩と水泳で2名のメダリストが、平成24年のロンドンオリンピックでは、レスリングやボクシングで4名のメダリストが誕生しています。また、あの昭和39年の東京オリンピックでも、ウェイトリフティングやマラソンでメダルを獲得しています。

パーソナリティー:
 素晴らしい成績の方々もいらっしゃるんですね。そして、たくさんの出場者やメダリストの方もいらっしゃるのですね。
 皆さんは、どのように練習をなさっているのですか。

局長:
 はい、東京都に所在する自衛隊体育学校で主に練習をしています。
 自衛隊体育学校は、昭和36年に朝霞駐屯地に、陸海空自衛隊の共同機関として創設され、「部隊等における体育指導者の育成」、「オリンピック等国際級選手の育成」、「体育に関する調査研究」を目的としています。
 学校には、部隊の体育指導者を養成する課程の他に「特別体育課程」という自衛官としてオリンピックなど国際級の選手を育成する課程もあります。この課程では、完璧なサポート態勢を誇る最高のトレーニング環境のもと、自己の挑戦に専念することが可能となっています。
 昭和39年の東京オリンピックで、ウェイトリフティングやマラソンでメダルを獲得した自衛官は、第1期生になります。
 現在、特別体育課程に編成されている種目は、 レスリング、ボクシング、柔道、ライフル競技、ピストル競技、アーチェリー、ウエイトリフティング、マラソン、競歩、競泳、近代五種、カヌー、女子ラグビー、冬季種目のバイアスロン、クロスカントリースキーです。

パーソナリティー:
 多岐にわたる種目がありますが、全ての競技の練習場があるのですか。

局長:
 はい、カヌー競技を除きますが、体育館、陸上競技場、ラグビー・サッカー場、屋内プール、射撃場、馬術訓練場などの施設があります。
 これら練習場だけでなく、専属トレーナーによるフィジカル面やメディカル面でのサポートも受けられます。

パーソナリティー:
 そうなんですね、では、冬季種目の練習場ですね、バイアスロン、クロスカントリー、スキーなどもお話にあがりましたがこちらも朝霞駐屯地にあるのですか。

局長:
 いいえ、冬季種目については、自衛隊体育学校の隷下として北海道の真駒内駐屯地に「冬季特別体育教育室」が編成されており、通年利用可能なバイアスロン競技場などの施設があります。

パーソナリティー:
 オリンピックに選手として出場する以外に自衛隊がオリンピックに関わることというのはあるのですか。

局長:
 はい、あります。
 昭和39年の東京オリンピックでは、東京都の陸上自衛隊朝霞訓練場において、ライフル射撃競技が行われています。また、開会式では、ブルーインパルスが空に五輪マークを描き、音楽隊が演奏し、防衛大学校の学生が各国のプラカードを掲げるなどの協力を延べ約9万9千人が行いました。
 この協力を行うために、自衛隊法等の法令改正も行いました。
 また、昭和47年の札幌オリンピックでは、延べ約21万3千人が、平成10年の長野オリンピックでは、約4万5千人が協力しました。

パーソナリティー:
 とても多くの自衛隊員の方が、大会運営に協力なさっているのですね。
 では、平成32年に東京で開催されるオリンピックについても自衛隊は何か協力をするのですか。

局長:
 はい。防衛省では、防衛大臣を委員長とする「防衛省・自衛隊2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会特別行動委員会」を設置し、式典等大会運営への協力、セキュリティの万全と安全・安心の確保への協力、射撃競技会場として朝霞訓練場の使用などについて検討が行われています。

パーソナリティー:
 朝霞訓練場は、「前回の東京オリンピックでも使用された」と先程お話がありましたね。

局長:
 はい、昭和39年に続き次の東京オリンピックでもライフル射撃とクレー射撃の競技場になります。オリンピック開催までにオリンピックの基準に適合した施設を整備する予定です。おそらく、前回大会と同じ会場が使用されるのは、この朝霞訓練場だけではないでしょうか。

パーソナリティー:
 そうなのですね。自衛隊とオリンピックが色々と関わっていることがよくわかりました。

局長:
 はい、防衛省・自衛隊としても、全員がオリンピックに参加しているという意識を持って、しっかりと、大会の成功に向けて努力していきたいと思います。

パーソナリティー:
 本日の自衛隊百科のコーナーも、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。深澤局長、どうも、ありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。





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