自 衛 隊 百 科
月放送内容)


テ-マ:日米共同訓練の実施について


パーソナリティー:
 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 今日は、日米共同訓練についてお話いただけるということですが。

局長:
 はい。今日は、2月中旬から3月上旬にかけて、宮城県の大和町、色麻町及び大衡村に所在する王城寺原演習場で行われた日米共同訓練についてお話をしたいと思います。
 王城寺原演習場に関しましては、ラジオをお聴きの皆さんにとっては、昨年7月に「沖縄県道104号線越え米軍実弾射撃訓練」についてお話させていただいておりますので、記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

パーソナリティー:
 そうですね、お話いただきました。
 前回は沖縄に駐留している米軍海兵隊の単独訓練だったと思いますが、今日お話いただく共同訓練とはどういった目的で行っているものなのでしょうか。

局長:
 はい。我が国を取り巻く安全保障環境は、北朝鮮による核や弾道ミサイルの開発、中国による東シナ海や南シナ海における現状変更の試みの継続など、近年一層厳しさを増していることは皆さんも感じられていると思います。
 こうした中、我が国の主権・独立を維持し、平和を守るための柱の一つが日米同盟の強化であり、そのための取組みとして日米共同訓練にも力を入れています。
 平素から自衛隊と米軍が共同訓練を行うことは、戦術面などの相互理解や意思疎通といった相互運用性を深め、日米共同対処能力の維持・向上に大きく資するのみならず、日米それぞえれの戦術技量の向上を図る上でも有益であります。
 とりわけ、実戦経験豊富な米軍から習得できる知見や技術は、極めて貴重であり、自衛隊の能力向上に大きく役立つものです。
 また、効果的な時期、場所、規模で共同訓練を実施することは、日米間で一致した意思や能力を示すことにもなり、抑止の機能を果たすことにもなります。

パーソナリティー:
 なるほど、常日頃から共同で訓練を行うことで、いざというときの対処能力が向上できるだけでなく、抑止にも有益だということですね。
 それでは、今回実施された共同訓練の詳細について教えてください。

局長:
 はい、今回実施された日米共同訓練は、陸上自衛隊と米海兵隊による訓練で、「フォレストライト」と呼ばれており、年2回実施されております。
 1回目の「フォレストライト01」は、昨年12月に、宮崎県の都城駐屯地の第43普通科連隊と沖縄県に駐留する米海兵隊第4海兵連隊第2-1大隊が、熊本県大矢野原演習場において実施をいたしました。
 今回のフォレストライト02は、 青森県の弘前駐屯地の第9師団第39普通科連隊を基幹とする部隊約600名と米海兵隊第4海兵連隊第2-1大隊及び第31海兵機動展開隊C中隊を基幹とする約550名が参加し、王城寺原演習場において、本年2月15日から3月2日にかけて実施されました。
 この王城寺原演習場での訓練には、平成28年9月に日米合同委員会で合意された「米軍再編に係る訓練移転について」に基づき、訓練活動に伴う沖縄の負担軽減のための訓練移転として、普天間飛行場所属のMV-22オスプレイ4機が参加しました。

パーソナリティー:
 そうしますと、今回の訓練は、沖縄県民の負担軽減にも繋がったということでしょうか。

局長:
 はい、沖縄県内で実施されている訓練を王城寺原演習場で実施したことから、沖縄県民の負担を軽減することができたと考えています。
 今後も王城寺原演習場を含め他の演習場などで実施することで、いくらかでも沖縄県民の皆様の痛みを分かち合い、沖縄の一層の負担軽減に寄与できればと考えております。

パーソナリティー:
 先ほどお話しがありましたMV-22オスプレイですが、どのような航空機なのですか。

局長:
 はい、MV-22オスプレイは、米海兵隊の最新鋭の大型輸送機で、ヘリコプターのような垂直離着陸機能と、固定翼機の長所である早さや長い航続距離という両者の利点を持ち合わせた航空機です。回転翼を上に向けた状態ではホバリングが可能となり、前方へ傾けた状態では高速で飛行することができる航空機です。

パーソナリティー:
そうすると、MV-22オスプレイは、画期的な航空機ということなのでしょうか。

局長:
 そうですね。MV-22オスプレイは、普天間飛行場に配備されていた従来のヘリコプターCH-46に比べ、最大速度は約2倍、搭載量は約3倍、行動半径は約4倍と非常に優れており、画期的な航空機と言えます。

パーソナリティー:
 ありがとうございました。最後に、今回の日米共同訓練を通じて、東北防衛局の活動について伺いたいのですが、どのような活動を行われたのでしょうか。

局長:
 私ども東北防衛局は、地元市町村と自衛隊や米軍とを繋ぐパイプ役として、今回の訓練に先立ち、宮城県や大和町、色麻町、大衡村といった関係自治体に対して訓練内容の説明を行い、また、共同訓練期間中においては、現地に連絡本部を設置し、職員を派遣して、訓練情報を関係自治体に提供したり、MV-22オスプレイ飛来時には騒音を測定するなど、周辺地域の方々の不安の解消に努めました。
 東北防衛局としては、今後とも、周辺地域の方々の理解と協力を得るための取り組みを行い、円滑な訓練の実施を支援していきたいと考えております。

パーソナリティー:
 はい、本日は、日米共同訓練の実施について、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。どうもありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。






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