防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(10月放送内容)



 

テ−マ:防衛白書について

 
 


パーソナリティー:

 本日も東北防衛局長にお話を伺います。深澤局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 本日は、防衛白書についてのお話を伺いたいと思います。

局長:
 はい。防衛白書とは、我が国の防衛政策への理解の促進を図るために毎年、夏頃に刊行しており、前回の刊行から概ね1年間に発生した事象や取りまとめた政策などを中心に記述しています。

パーソナリティー:
 主にどのようなことが記載されているのでしょうか。

局長:
 はい。今年の白書においても、我が国取り巻く安全保障環境や防衛政策全般について記述していますが、主な記述内容としては、次の5つがあげられます。
 第1に北朝鮮については、北朝鮮による核・弾道ミサイルの開発及び運用能力の向上が新たな段階の脅威となっていることを、その理由も含めコラムや図表も使い丁寧に説明しています。また、自衛隊の弾道ミサイル対処の概要や弾道ミサイル防衛に関する防衛力整備についても記述しています。
 第2に中国については、力を背景とした現状変更の試みや、既成事実化を着実に進めるなど、自らの一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢を継続的に示しており、わが国を含む地域・国際社会の安全保障環境に与える影響について強く懸念される旨記述しています。また、平成28年度には航空自衛隊の中国機に対する緊急発進回数が過去最多の851回となった点について記述しています。
 第3にアメリカについては、本年1月に発足したトランプ政権の新たな政策方針について可能な限り記述するとともに、これまで実施した日米首脳会談や日米防衛相会談について記述しています。また、沖縄の本土復帰後最大の返還である北部訓練場の過半の返還や、米海兵隊オスプレイの訓練移転などの沖縄の負担軽減に向けた取組についても記述しています。
 第4に平和安全法制については、昨年3月に施行したことから、その後の法制に基づく自衛隊の活動について、新たに節立てした上で丁寧に記述しています。具体的には、@南スーダンPKOにおいて任務付与された駆け付け警護や宿営地の共同防護、A米軍等の部隊の武器等防護、B法制に基づく訓練等について記述しています。
 第5に防衛力を支える人的基盤の重要性を踏まえ、募集や教育、女性隊員の更なる活躍の推進、衛生機能の強化といった人事教育施策について新たに章立てし、丁寧に記述しています。

パーソナリティー:
 はい、そうなんですね。なんだか難しい話ばかりのように感じるんですけども。

局長:
 はい、そのように感じられる方もいらっしゃることから、今年度は、「分かりやすさの追求」ということに取り組んでいます。安全保障に関する用語や兵器は専門性が高いことから、専門用語を「キーワード」として本文中にハイライトし解説を付したほか、本文中の諸外国の主要兵器について写真や性能諸元、解説を付すなど丁寧な記述に心掛けています。
 また、より多くの皆様に興味を持っていただけるよう、巻頭特集を大幅に拡充し、写真や図などを用いて分かりやすく記述しました。

パーソナリティー:
 そうなんですね。用語の解説や写真があれば、分かりやすいですね。
 巻頭特集には、どのようなことが記載されているのでしょうか。

局長:
 はい、4つのテーマを選んで特集しています。
 防衛省は、今年の1月で防衛庁から防衛省に移行して10周年を迎えたことから、特集1として、「防衛省移行後の10年間の歩み」について記載しました。また、特集2で「日本の防衛この1年」として直近1年間の日本の防衛に関する主要な出来事ついて記述し、特集3で「女性自衛隊員の活躍」を紹介し、特集4では、厳しい自衛官募集環境の下、優秀な人材の確保が必要であることから、「平和を仕事にする」として自衛官の職種や採用について紹介しています。

パーソナリティー:
 昨年の防衛白書には、自衛官の制服や装備品の紹介、広報施設の案内等も掲載されていましたが、今年の防衛白書にも掲載されているのでしょうか。

局長:
 はい、制服・装備品の紹介や広報施設の案内等の掲載は、大変好評をいただいたことから、昨年は、巻末に掲載していましたが、今年は、巻頭に掲載しています。
 この広報施設の紹介や巻頭特集4の「平和を仕事にする」などについては、紙面に掲載しきれない詳細な情報を簡単に確認や入手出来るようにQRコードを配置しています。

パーソナリティー:
 地方防衛局に関係している記述もあるのでしょうか。

局長:
 はい、あります。東北防衛局の職員ではありませんが、巻頭特集の「女性自衛隊員の活躍」では、語学という専門職で採用され、海外勤務を経験した後、現在、地方防衛局で勤務している事務官や仕事と子育てを両立しながら建築という分野で活躍している技官が紹介されています。
 また、第U部第4章の「日米同盟の強化」では、「米軍と地域住民による交流」というコラムにおいて、地方防衛局が取り組んでいる「日米交流事業」について記載されています。日米交流事業は、東北防衛局においても青森県つがる市、三沢市、東北町で実施していますが、今年の白書においては、東京都に所在する横田基地周辺の交流が記載されています。
 更には、第V部第5章では、地方防衛局の業務についての項目があり、このラジオ番組でも度々お話している防衛施設と周辺地域との調和を図るための取り組みや防衛政策について広く理解を得るために実施している防衛セミナーなどについて記載されています。

パーソナリティー:
 防衛白書は、どのようにすれば、読めるのでしょうか。

局長:
 はい、防衛省のホームページで閲覧及び電子書籍のダウンロードが可能なほか、書店での販売や、今年度は民間電子書籍市場においても無料でダウンロード出来ます。
 防衛省・自衛隊が任務を的確に遂行するためには、何よりも国民の皆さまの理解と協力が不可欠です。是非、防衛白書を手に取って頂き、防衛省・自衛隊をより身近なものに感じて頂ければと思います。

パーソナリティー:
 局長、今日はありがとうございました。本日は、東北防衛局の深澤局長から、お話をお伺いいたしました。どうも、ありがとうございました。

局長:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。

 
   
  
 
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